
『X-MEN ダーク・フェニックス』を擁護したい理由はこれだ!ネタバレなし+ネタバレ感想(4DX吹き替え版)
今日の映画感想は『X-MEN: ダーク・フェニックス』です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:お疲れ様でした
あらすじ
念動力とテレパシー能力を持つミュータント少女の別人格が目覚めます。
アメリカンコミックを実写映画化した『X-MEN』シリーズの最新作であり、実質的な完結編です。
本シリーズは時系列やらつながりがいろいろとややこしいことになっているので、以下の記事かWikipedeiaを参考にしてみるのがいいでしょう↓
『X-MEN: ダーク・フェニックス』の前に「X-MEN」シリーズのややこしいタイムラインを整理しよう
X-MEN (映画シリーズ) – Wikipedia
とりあえず、この『X-MEN ダーク・フェニックス』は新しく仕切り直したシリーズの4作目であり、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『X-MEN:フューチャー&パスト』と『X-MEN:アポカリプス』も観ておたほうがキャラや設定のことがよりわかっていいよ、と言っておきます。
中でも1作だけ予習しておくのであれば『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』がオススメ。エピソード0的な前日譚であると同時にリブート(仕切り直し)作でもあり、作品評価そのものも高いので『X-MEN』を初めて観るという方にもうってつけなのです。
※こちらについては以下にも魅力を解説しました↓
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』描かれた差別と偏見とボーイズラブとは? | CHINTAI情報局
また『X-MEN』シリーズは、『アベンジャーズ』をはじめとするマーベル・シネマティック・ユニバースと違って作品間に矛盾や設定の違いが結構あったりするんですよね……。
あんまり過去作とのつながりや差異などを厳しく見ずに、「前にはこういうことがあったなあ」という程度に捉え、それぞれが独立した作品であると考えたほうがより楽しめるのかもしれません。
否定的な意見も多いけど自分は好きだよ!な理由
さてさて、本作『X-MEN: ダーク・フェニックス』は興行面および批評面で厳しい現状にあります。
制作費は回収できそうにないほど、Rotten Tomatoesでは23%、IMDbでは6.1点とシリーズ最低の結果となってしまったのです。
その世間的な悪評はともかく、自分は本作のことがけっこう好きです。
他の方の意見を見ても「世間的な評価通りダメ」派が多い一方、「いや思ったよりも良かったよ」とする擁護派もそこそこ以上にはいると印象。
特に評価の分かれ目の中でも大きいのは(1)話が暗いということと、(2)完結なのに物語範囲が狭いということでしょうか。
個人的にはこの2点はもちろん好きなポイントです。
基本的なプロットは、「いつも見知っているヒロインの少女がタイトル通りダークサイドに堕ちてしまい、仲間やその敵対しているチームが彼女を止めようとする…」な感じ。「最大の敵になるのがかつての味方」ということがドンヨリと暗い物語になっている一番の理由です。
それに付随して、基本的に描かれているのはその少女に対するキャラそれぞれの葛藤や行動に絞られています。
狭い範囲での人間ドラマが主軸であるので、“完結篇”と言うにふさわしいスケール感がないというのは事実としてあるかな、と。
個人的には、このキャラそれぞれの価値観や理念が論理的に組み立てられていたこと、それぞれに(やや考えが過激すぎるきらいもあるけど)感情移入できたので、大好きに慣れたのです。
このあたりを「良い意味でダークな物語」「キャラそれぞれの葛藤に重きを置いたドラマ」というふうに肯定的に捉えられれば、『X-MEN:ダーク・フェニックス』を大いに楽しめるのではないでしょうか。
また、肯定派でも否定派でも、実質的な2人の主人公を演じたジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダーの演技力と存在感は評価するポイントでしょう。
リブートされた『X-MEN』新シリーズの一番の功績はやはりこの2人。その活躍の終焉を見届けられただけでも、嬉しく思えたのです。
そうそう、実はハリウッド映画でおなじみの作曲家であるハンス・ジマーはもうスーパーヒーロー映画の作曲をやめるつもりだったのですが、サイモン・キンバーグ監督がなんとか説得して本作でも起用されることになったのだとか。ダークな雰囲気にあったスコアは流石のクオリティです。
『X-MEN ファイナル・ディシジョン』も観ておくといいかも?
新シリーズの前3作の他、『X-MEN ファイナル・ディシジョン』も観ておくと、この『X-MEN ダーク・フェニックス』をもっと楽しめるかもしれません。
実は『X-MEN ファイナル・ディシジョン』と『X-MEN ダーク・フェニックス』は、どちらもジーン・グレイというキャラクターを物語の主軸に置いていて、“その危険な別人格が目覚める”という点では共通しているのです。
ある意味では、『X-MEN ダーク・フェニックス』は同じキャラクターについてもう一度語り直した、もしくはパラレルワールドでの出来事を描いているとも言えるんですよね。
そのためこの2本を観ておけば「キャラクターそれぞれが辿る運命がここまで異なるのか(あるいは同じなのか)……」と、感慨深いものがあるはずです。
原作コミックでのジーン・グレイについてはこちらも参考に↓
ジーン・グレイ (じーんぐれい)とは【ピクシブ百科事典】
念力を体感できる4DX、豪華声優陣が勢揃いした吹き替え版も素晴らしい!
自分は様々な演出が楽しめる4DX版で観たのですが、これがまた最ッ高のクオリティですね!
何が良いって、劇中ではサイコキネシスやマグネットパワー、言わば念力のような“見えないパワー”で戦うシーンが多く、4DXでは座席の振動と風の演出でその見えないパワーを身体で体感できるんですよ!
さらに“フラッシュ”の光の演出も十分に使われていて、これまた劇中の超能力を視覚的にゴージャスに彩っているんですよ!
『X-MEN』シリーズの大きな魅力と言えばやはりスーパーヒーローたちの超能力を駆使したバトル。本作はしっかりしたアクションシーンも多く、4DXはその楽しさを格段にアップさせてくれていました。
また、今回は3Dではない4DX2D上映となっており、3D料金の上乗せがないのでそのぶんお安めです。+1000円の価値は存分にありますよ。
そして、タレント吹き替え一切なし、豪華声優陣が勢揃いした吹き替え版ももう感謝感激するしかない最高OF最高のクオリティでしたッ!
能登麻美子さんは良い意味でホワホワした声のイメージだったんだけど今回のシリアスな役にバッチリ。内田夕夜さんと三木眞一郎さんそれぞれの演技にも泣いたよ自分は…。
思わずマネしたくなるような名言も日本語で聞くことができ、心の底から「吹き替え版で観てよかった……」と思いました。
すごい!吹替を声優さんがやってる!声優さんが、吹替をやっている!ほら!映画ファンの同士達よ!皆騒げ!ここぞとばかりに喜ばないと、また客寄せパンダ起用の吹替初挑戦になるぞ!ワーッショイ!ワーッショイ!
『X-MEN:#ダークフェニックス』吹替版声優に能登麻美子ら https://t.co/uglZgT7Pmi
— ウラケン・ボルボックス📕『侵略!外来いきもの図鑑』🐢好評発売中🐝‼️ (@ulaken) 2019年5月29日
※むしろタレント起用をしなかったことも話題を集めました。タレント吹き替え全てがダメという訳ではないけどね。
やはりスーパーヒーロー映画はアクションやアトラクション的要素を楽しんでなんぼ。4DX×吹き替えが最高の選択肢になると断言しますよ。
いろいろと補足
そんな訳で自分は『X-MEN ダーク・フェニックス』については肯定派なのですが……どうしても無視できない欠点も正直ありますね…。
それは上記に挙げた「(1)話が暗い」「(2)完結なのに物語範囲が狭い」以外のことなのですが、どう書いてもネタバレになるので↓に記しておきましょう。
トータルでは、「確かにう〜んとなるところもある!でもけどそれを上回って良いところが多いよ!」という風に擁護したいんですけどね。
あれ……そういえば……前にもありましたね……アメコミ映画で、世間的に評判が悪くて、話も暗くて、だけど支持している人もいて……僕も好きだよ…な感じ……。そう、『ファンタスティック・フォー』(2015年)や『スーサイド・スクワッド』で……。「失敗作だとは思うけど、それでも応援したくなる魅力」はこれらにあると思います。
そう言えば、2019年は
・『アベンジャーズ/エンドゲーム』および『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で一旦区切りがつくマーベル・シネマティック・ユニバース
・『トイ・ストーリー3』で終わりかと思っていたら作られた『トイ・ストーリー4』(本国では大絶賛の嵐)
・年末には『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』が公開(邦題が発表され賛否両論)
などと、ディズニー配給の大作映画が終わる節目の年ですね。その中でも『X-MEN ダーク・フェニックス』が目立ってないというのも不遇だなあ…。
ちなみに『X-MEN』もこれで一旦一区切りとなるものの、シリーズ初のホラーとされるスピンオフ作品『ザ・ニュー・ミュータンツ(原題)』も公開予定だったりします。
それと……『X-MEN ダーク・フェニックス』以上に不遇と言えるアメコミ映画がありまして……それは日本では9月公開予定の『ヘルボーイ』。
なんと本国では、『シャザム!』公開の1週後、『アベンジャーズ/エンドゲーム』公開の2週前というアメコミ映画が被りまくるタイミングでの上映開始、そのせいもあってやはりイマイチ以下の興行成績に終わってしまっていたのです。
/
映画『#ヘルボーイ』
日本公開決定👊💥
\#ミラ・ジョヴォヴィッチ を悪役に迎え、
史上最強のアメコミダークヒーロー #ヘルボーイ が遂に日本降臨‼🔥2019年秋ROADSHOW🔥#第一弾ビジュアル解禁https://t.co/QNcBIoERXS pic.twitter.com/qJTYTrZkmY
— 映画『ヘルボーイ』 (@HellboyMovieJP) 2019年4月15日
この『ヘルボーイ』、監督が『ディセント』や『ドゥームズデイ』などゴア描写に定評のあるニール・マーシャルで、実際にお子様お断りのグログロ描写連発でR15+指定になっているそうですよ……!それは観たいじゃないか!応援するよ!
以下からは結末を含めて激しくネタバレ鑑賞後にお読みください↓短めです。
(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

publicShare
theatersタグ
movieこちらの記事もおすすめです
今までに書いた映画レビューの中から、この記事を読んでいただいたあなたにおすすめの記事をピックアップしています。
ネタバレ前の感想をまずは読んで下さい。映画を見終わった後、ネタバレを含む解説を読んでいただけると1記事で2度楽しんでいただけるのではないかと思います。
カゲヒナタ映画レビューが少しでもあなたのお役に立てれば幸いです!あなたが良い映画と出会えますように:)
done SF
この映画のレビューと同じカテゴリの記事です
done 10点満点の映画
10/10を獲得した映画です。
見たい映画が見つからないときはこちらがおすすめです。
done 9点の映画
9/10を獲得した映画です。
名作ぞろいです!まだ見ていない作品があれば是非!
chat_bubbleコメント
[…] カゲヒナタ映画レビュー 『X-MEN ダーク・フェニックス』を擁護したい理由はこれだ!ネタバレなし+ネタバレ感想(4DX吹き替え版) […]