『天気の子』願いの到達点が、ここにあった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『天気の子』願いの到達点が、ここにあった(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は天気の子です。
<約1万字の考察記事をメディアに書きました!>

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:この映画が、必要でした

あらすじ

家出をして東京でバイトを始めた少年と、“100%の晴れ女”の少女が出会います。

ご存知、大ヒットどころか社会現象を遂げたアニメ映画『君の名は。』の新海誠監督の最新作です。

ひとまず、結論から申し上げておきましょう。
『天気の子』は前作『君の名は。』と比べられることを余儀なくされた、観客からのハードルが凄まじく高い作品であったのに、それを作り手の努力と研鑽により超えてきた、新たな傑作だったと。
一方で、おそらく前作以上に賛否の分かれるであろう内容であること、そのことを新海監督は承知の上で取り組んでいることも、今回は重要でした。それがどういうことなのか、まずは記して行きましょう。

※以下からは『天気の子』の内容はネタバレしていませんが、前作『君の名は。』のネタバレには触れているのでご注意を。

あえて“批判される作品”を目指した意図とは

まず、新海誠監督は今回の『天気の子』で、『君の名は。』で批判意見があったことを踏まえて、むしろ批判される映画を作るべきだという明確な意思を掲げています。
このことはパンフレットでも、以下のインタビューでもわかります↓
WEB特集 新海誠監督 批判を乗り越えた先に | NHKニュース

その内容をかいつまんでまとめてみましょう。
新海誠監督は『君の名は。』における「災害をなかったことにしている」などといった批判にはショックを受けており、かつ納得できるところもあると思っていたのだそうです。
しかし、新海監督は『君の名は。』を「生き返らせるのではなく、未来を変える映画のつもりで作った」「あるいは、強い願いそのものを形にすることが映画の“肝”だった」と、改めて主張をしています。

その上で、新海誠監督は今回の『天気の子』は、そのような批判を受けても、自身の作家性を押し殺すようなことは良しとはしませんでした。
今回の『天気の子』では、批判もされても構わない、作家性を強く打ち出した作品を目指そうと考えたのです。
批判をされた、怒らせたということは、その人の何かを突き動かしたということ、そこにこそ自分の作家性があり、それを前面に押し出してこそ、見えてくるものがあるのではないか、と。

この新海監督の意思を、自分は支持したいです。
『君の名は。』の大成功があったからと言って無難な内容にはしないという気概に溢れているだけでなく、批判意見も汲み取ってまで、それでも自分の作家性を守り、作家自身が考えている“大切な価値観”を訴えようとしているのですから。

さらに、新海監督は映画(あるいは広くエンターテインメント)は正しかったり模範的である必要はない、人に知られたら眉をひそめられてしまうような密やかな願いを描くべきだと、改めて考えたのだそうです。これは小説版のあとがきにも書かれています。

“教科書的”ではない価値観には、賛否両論もあるかもしれない(実際に結末は賛否が別れるでしょう)…しかし、それこそが重要な作品であったと、観終わってからも強烈なまでに感じられたのですから。

そういえば、新海監督は過去に『星を追う子ども』という、どっからどう見てもスタジオジブリ作品からの影響がありまくる作品を手がけていて、そちらではトレードマークのナレーションもなく、自分の作家性を押し殺してまでジブリ色に染まっていたかのような印象があったんですよね。

今回の『天気の子』で、しっかり自分の作家性を打ち出すほうへ舵を切ったのはファンとしても嬉しく思いました。

他にもここで新海誠節フルスロットル

そんな風に新海監督の作家性を前面に押し出している一方で、『君の名は。』に引き続き高揚感のある音楽、テンポの良い編集などをもって、エンタメ性とスピーディさに溢れた作劇は健在です。
RADWIMPSのボーカルのもちろん素晴らしいのですが、今回は三浦透子による澄み切った歌唱も大きな魅力。またサントラが欲しくなってしまうことは間違いありません。

もちろん、新海監督ならではの美しい画は今回もフルスロットル。雨に濡れた都会、雨上がりの爽やかさなど…もうたまらないでしょう。
そして恒例の「聖地巡礼」も行きたくなるはず。というか新宿が主な舞台であるので、首都圏で観れば割とすぐに巡礼できるのも嬉しいですね。
なお、舞台の1つである代々木会館は入場が規制されているようなので注意しましょう。

『君の名は。』とはボーイ・ミーツ・ガールの物語であることやその他もろもろ(ネタバレになるので後述)など踏襲されているところも多いのですが、それでもフレッシュな展開や画もしっかりあり、二番煎じにならない工夫も随所にあるのも良かったですね。
作家性は全開だけど、マンネリにならない新しいこともちゃんとやる。このバランスも良かったと思います。

また、『君の名は。』はほんの少しだけ性的な話題に触れていて、それが思春期の少女や、ましては子供に言わせていることにも「気持ち悪い」という批判の声もあがっていたのだけど、今回もバッチリ入っていましたね
新海監督は反省しねえな!と言ってしまうのは簡単ですが……そういう気持ち悪いと言われてしまいそうな話題にも、劇中では誰かが「うわ〜」「引くわ」なツッコミを入れていたりするんですよね。
(例えば、前作『君の名は。』では三つ葉が口噛み酒を口から出しているのを見ていた同級生がドン引きしていたりする)
ツッコミを入れておけばそれでいいのかっていう問題はありますが、まあ最低限の嫌悪感を持たない程度のバランスには仕上がっているとは思います。

サブキャラも魅力いっぱい

『君の名は。』に続いて、本作は主人公となる少年少女だけでなく、大人のキャラもしっかり活躍してくれることも嬉しいですね。
新海監督の作品は概ね若者をターゲットにしているのですが、こうして大人の観客も自身を投影できる、気持ちを代弁してくれるんですよね。

その筆頭となるのは小栗旬演じる中年男性。
決して良く出来た大人ではないのですが、そのぶん「人間くささ」を体現したキャラとして大好きになれました。

本田翼演じる美女もそのエキセントリックさでグイグイと引っ張ってくれます。
予告編では声に違和感があるという声が多く、「君のそーぞー通りだよ」のセリフは確かにクセがあるな…と思っていたのですが、実際に観た観客からは本田翼がめっちゃいいと清々しいまでの手のひら返しの声が多数。予告編だけでは判断できない、実際に観てみないとわからないものですね。

さらに、イケメンで女子にもモテモテという小学生男子も登場するのですが、彼の存在もとても重要でしたね。
昨日に地上波放送された『サマーウォーズ』では細田守監督のかわいい男の子好き好き大好き成分を全身に浴びたと思いますが、この『天気の子』も今まで十分には知り得なかった新海誠監督のかわいい男の子好き好き大好き成分を全身・脳髄・五臓六腑にまで染み込まされますのでご覚悟のほどよろしくお願いします。

ちょっと気になるのは「強引さ」

そんな感じで、基本的に自分はこの『天気の子』は絶賛派なのですが、ちょっと気になってしまったこともあります。
具体的に書くとネタバレになってしまうので後に回しますが、とりあえず言えるのは、さすがに話運びが強引に感じてしまったことでした。

『君の名は。』でも気になっていたことなのですが、今回は流石に許容できる臨界点ギリギリまで行っている印象です。
もちろん気にさせないレベルでの超早いテンポで魅せてはくれるのですが、気になると最後まで気になってしまうかもしれませんね。

ほぼ同時期公開の日本映画『五億円のじんせい』とまさかのシンクロ!

これは完全に偶然なのですけど……7月20日より渋谷ユーロスペースと仙台チネ・ラヴィータで上映されている『五億円のじんせい』という映画が、『天気の子』と共通点が多くてビックリしました。
何しろ、どちらも「少年が家出をしてバイトを始める」話なのです!

こちらは五億円で命を救われ窮屈な青春を送る少年が主人公で、青春映画、エンタメ、人生とお金の寓話として完成された秀作。かなりオススメですよ。
※こちらで紹介記事を書きました↓
『五億円のじんせい』日本映画の躍進を感じさせる「3つ」の理由! | シネマズ PLUS

新海誠監督を支持します

本作を観て改めて思ったことは、新海誠監督は本当に良い人だなあ…ということでした。
何より、若い人に作品で感動を届けたい、救われて欲しいと考えていることが本気なんですよね。

先ほどのNHKのインタビュー記事でも「アニメーションのエンターテインメントを若い人たちは心強く求めている。娯楽全般が成長に必要なのは若者」「それをいちばん必要としてくれる人たちに、なるべくいちばん必要なものを届けたい」「そのうえで、そうじゃない人たちにとっても響くものができれば…」と語っているのですから。
その結果としての作家性はやはり賛否両論を呼ぶところのですが、その優しさをもって自分は新海誠監督を支持したい……と心から思うのです。

詳しいネタバレ感想は音声レビューで

本作についてはブロガーの光光太郎さんと1時間超に渡って語りありました。
24分ごろまではネタバレなし(前述した内容と重複しているところもあります)、それ以降はネタバレ全開です。

※この音声レビューで○○はどこ?という小ネタを25:50〜26:40ごろに話しています。自分でもう一度観て探したい!という方は飛ばしちゃってください。

さてさて…本作が何を目指していたのか、この音声レビューに補足する形で記していきましょう(もちろん音声レビューを聞かなくてもOKです)。

※追記:こちらで約1万字の考察記事を書きました!↓
『天気の子』の深すぎる「10」の盲点 | シネマズ PLUS

↓以下からは結末も含めて『天気の子』のネタバレ全開です。鑑賞後にお読みください。



『君の名は。』のあのキャラはどこに?

本作には『君の名は。』のキャラがゲスト出演しているわけですが……勅使河原克彦(てっしー)と名取早耶香(さやちん)と四葉の名前をエンドクレジットで発見してビックリした方も多いことでしょう。
それぞれ成田凌、悠木碧、谷花音と声の担当者を再登板させていることも良かったですね。(瀧役の神木隆之介と三葉役の上白石萌音はもちろん)

それぞれどこにいたかは、以下をクリックして確認をどうぞ。自分で見つけたいという方はぜひ2回目で。

野暮な不満点:選択をしていく物語だけれど……

話運びが強引なのが気になった…と前述しましたが……言い換えるとこれは物語において、あまりにも多くの“偶然”が積み重なっているということでもあります。

だったら『君の名は。』はまさに様々な偶然が何重にも折り重なって成立している物語だったのですが、その偶然の折り重なりこそが“奇跡”であり“運命”であったと、訴えていることととその偶然の折り重なりがマッチしていると、個人的には納得できたのです。
もちろん『天気の子』の奇跡と運命の話ではあるのですが、『君の名は。』よりもさらに「自分で選び取っていく意思」というものを強く感じさせたため、その“選択の結果”に“偶然”というものの介在が多すぎることに、さすがに居心地の悪さを覚えていたのです。

もっと単純に言えば「え?それ(拳銃)そこにあるの?」「え?この人(代々木会館での須賀)が都合よくここにいるの?」という作為的な物語運びをどうしても感じてしまったんですよね……。いや、本当に言うのも野暮なのですが。
この「登場人物や事象が主人公2人の物語に“奉仕”している」というのも新海誠監督の作家性であり、そこも含めて魅力でもあるんですけどね。

でも、「自らの意思で選んでいく」ということで大好きだったことがあります。
その1つは言うまでもなくクライマックスでの帆高の選択なのですが、もう1つ。序盤で代々木会館で陽菜が一度は帆高くんの前から去ろうとするけど、やっぱり戻ってきて彼のほっぺの傷を「痛い?」と言いつつなでながらも、笑顔で元気付けるということ。これは偶然ではない、完全に自分の意思での決定ですから。

ここで陽菜が戻ってこなかったら、陽菜は人知れず人柱に捧げられていたでしょう。
その前に帆高が(これも偶然の再会だけど)風俗に売られそうになる陽菜を救うことも、自分の意思での選択ですよね。
ラストも含めて、この重大な選択(決断)をしていくことが、この『天気の子』のもっとも重要なことであると思います。

その他の不満意見としては「帆高の家出の理由が明かされない」ことについては個人的に擁護したいです。「トラウマで駆動する物語にはしたくなかった」という新海監督の意向もありますし、具体的に描かなかったことで若い人が自分の境遇を重ね合わせやすくなったでしょうから。

陽菜はわかっていた

陽菜の行動をよくよく顧みると、かなり切ない理由で数々の行動を起こしていたんだろうな…と想像できるようになっています。

年齢を偽ってまでハンバーガー店で働いていたのは何とかして弟の凪と一緒に暮らそうとしていたから…というのはもちろん、自分が人柱に捧げられる運命を知ってて、できる限り凪にお金を残そうとしていたのかも…(この時には夏美から巫女の話を聞いていませんが、潜在的にわかっていたのかも)(バイトがクビになってしまったのも年齢がバレたからですよね)

祈りの力で雲を晴れさせた後に、陽菜が太陽に手をかざしているのは、文字通りに「自分の体がどんどん透けていっていること」を確認しようとしていたからなのでしょう。(小説版ではその言及があります)

陽菜は「この仕事で自分の役割みたいなものがやっと分かった───ような気がしなくもなくもなくもなくもなくもなくもない……」と言っていましたが、実は人柱になることを自分の役割であることに納得できていない、でもそれが運命なんだと…そうするしかないのかも…という葛藤がこの言い方に表れていたのかもしれませんね。

ラブホテルで“からあげクン”などのホットスナックをみんなでおいしそうに食べるシーンは、陽菜にとっては最後の晩餐でもあったと考えると、また切ないものがありますね…。

役割からの解放、それが例えエゴだとしても

陽菜は天気を操れるという能力を手にして、晴れをお届けする仕事にできるだけ応えてきたけど、その代償として人柱になることをわかっていた、そういう役割なんだと信じ込んでいたけど、最後に帆高はその役割から解放させてあげるんですよね。
君が重責を担う必要なんてないんだーーと。
そして、君にもう一度会いたいんだ、君が犠牲になる必要なんてないんだ。

それこそ「天気なんて、狂ったままでいいんだ」と。

この前に須賀は「人柱一人で狂った天気が元に戻るんなら、俺は歓迎だけどね」「誰かがなにかの犠牲になって、それで回っていくのが社会ってもんだ」と言う、“オトナ”の言い方をしていましたが、帆高はこれを真っ向から否定します。

それは「自分にとって大切なたった1人の命を救うためだったら、他のことはどうなっても構わない」という価値観。
それに文字通り、全力疾走で答えていくのが、この『天気の子』なのです。

例え、線路の上を走っても、警察からの制止を振り払っても、そして天気が狂ったママでも……
それは確かにエゴであり、狂気でもあるでしょう。
しかし、大切なたった1人の命は何よりも重い、それもまた真実であり、無下にはできないでしょう。
そうした「正しくなさ」を描ききっている本作は、大きな問い観客にを投げかける作品として、間違いなく「正しい」です。

『君の名は。』と全く違うこと

よくよく考えてみれば、『天気の子』と『君の名は。』の大まかなストーリーライン、特徴を取り出してみたらかなり似通っています。
ボーイ・ミーツ・ガール、日本古来の伝承、自然災害、少女が持っている特殊能力、大切な異性を救いたいという意思と……。夢の中で入れ替わるというもっとも特徴的な設定がなくなっている以外は、あまり変わっていないと思う方もいるでしょう。

しかしながら、『君の名は。』では災害から多くの人々を救ったことがストレートに正しいとされる一方で(思いっきり変電所を爆破するという「完璧に犯罪や…!」はしてますけど)、『天気の子』は1人の大切な人を救うことで多くの人を災害に合わせてしまうのです。
これこそ、本作で描きたかったことでしょう。
純粋に愛する人を救うことをただ肯定していいのか、そこを問いているのですから。

セカイ系の否定、そして再肯定、そこから導き出されるもの

須賀は前述したように「犠牲になる者がいてこそ社会は回っていく」という言い方をしており、実際に代々木会館では帆高を警察に引き渡そうとしていたのですが、穂高の「あの人にもう一度会いたいんだ」という叫びを聞き、穂高に彼女のところを向かわせることを決意します。
彼もまた妻を亡くしていたから……その気持ちは誰よりもわかっていたでしょう。

そして3年後……穂高は大学生となり立花瀧の祖母である冨美の引越し先に行き、「すみません」と謝っていました。
言うまでもなく、彼はこの東京が海に沈んでしまう状況に罪悪感を覚えていたのでしょう。

しかし、冨美は「昔はここも海だった。昔に戻っただけもしれないね」と、須賀は「んなわけねえだろ、バーカ。自惚れるのも大概にしろよ」「まあ気にすんなよ青年、世界なんてさ、どうせもともと狂っているんだから」と言ってくれるんですよね。

これは新海誠監督の大きな作家性の1つであるセカイ系の明確な否定です。
それと同時に、若者が大切な1人のために行動することを鼓舞しているとも言えるんですよね。
客観的に正しくないように見えても、お前は気にする必要はない、やってしまえ、と。

しかし、最後に穂高はこう思うのです。
「違う!世界は最初から狂っていたんじゃない!僕たちは確かに変えたんだ、青空よりも陽菜さんを、大勢の幸せよりも陽菜さんの命を!」
「そして僕たちは願ったんだ。世界がどんな形だろうと、そんなことは関係なく、ただ共に行きていくことを!」
ここで再度、物語はセカイ系を肯定するのです。

そうして残るもの、到達したのは、世界が少しでも良くありますように、という純然たる“願い”であり“祈り”なのです。
これは(前述したように)新海監督が『君の名は。』を「生き返らせるのではなく、未来を変える映画のつもりで作った」「あるいは、強い願いそのものを形にすることが映画の“肝”だった」と考えていたことに通じます。
『天気の子』は『君の名は。』と同じく(よりもさらに)、「未来を変える映画」「強い願いそのものを形にしている作品」だったのです。

そして世界が良くありますようにと願うということ、
例え、それが理不尽な狂った世界での、客観的に見れば間違っている行動での結果の上での願いであっても、きっと───それは肯定されていいのだと───。
(その願いは、最終的にセカイ系であることを肯定した、セカイ系の作品であるからこそ叶えられるのかもしれません)

最後には天気は晴れない。
だけど桜は咲いている。曇り空からは光がさしている。いつか、晴れやかな日がくるかもしれない。
そして「僕たちは大丈夫だ」と、希望を持つことこそが尊いのだと───
そのメッセージが、大好きで仕方がないのです。

陽菜は何を願っていたか

そして……この『天気の子』のラストの解釈が人によって違うことに気づかされました。
それは、陽菜があの場所で何を願って(祈って)いたのかということ。

自分は「陽菜は(巫女の力を失っても)晴れになりますように、世界がより良くありますようにと(3年も)願っていた」と、思っていたのだけど……
陽菜はあの時あの場所で「帆高に会いたいと願っていた。そして願いが叶って穂高と会えた」という解釈にはなるほど!と。
陽菜は巫女としての役割なんて背負わなくていいんだと穂高に言われ、実際にその重責から逃れられたのですから……これは素敵です!

前作『君の名は。』のレビューはこちら。記事の最後にメディアで書いた記事へのリンクもあります↓
『君の名は。』出会い、そして大切な人のために(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

(C)2019「天気の子」製作委員会

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  1. いいこま より:

    3日に観てきました。

    自分は肯定派ですが、これが賛否分かれるのもわかる気がしました。
    普段の自分の「他者に迷惑かけんようにしようよ」という感覚だと帆高や陽菜の所業のエゴの多さ(トラックへの落雷は「人乗ってたらどうすんの」って思いましたねえ…)と大概は帆高よりその周囲の大人の方が正論だよなあですが、しかし本作だと「そのエゴを押してでも、たとえ代償を負わされることになっても、逢いたい人がいる」ことがわかるだけに応援したいなあという気持ちが大きかったことが肯定につながった感じですが、そうはいっても結果としては「一人のためにいろんな人に迷惑かけてしまってる」ことにモヤっとする人がいたっておかしくないわなとは思います。
    帆高がしょっ引かれるシーンだって当人の側からすればああも言いたくはなりますが、傍から見れば「こいつどうかしてんじゃねーの」って思うのも無理ないですし(須賀社長が帰郷を促すシーンも「突っぱねた結果があのザマ」とも言えますし…。けどそれも含めて作品のメッセージと考えられるってのも言えてるだけに)。

    >むしろ批判される映画を作るべきだという明確な意思を掲げています。
    >>この言葉に関しては既に耳にしていたので観るにあたって心構えをしていたほどでした(結果的には杞憂でした)が、ヒナタカさんのレビューとNHKニュースの記事を目にするまでこういう背景があったとは知らなったです。
    『君の名は。』の「災害をなかったことに」に関しては「犠牲者は出なかったけど落下して糸守消滅してるからなかったことにはなってないんじゃないか」と思ってましたが、代償なく甦らせてるってのは確かに言えてるなあ、と思いました(まあ重要なのは新海監督がどう思うかでしょうから自分の想いを言うのもナンセンスでしょうが)。
    ともあれ、「批判に向き合ったうえで我流を行く、でよかったんだろうなあと(その意味では細田監督における『未来のミライ』もあれでよかったのかもとも)」「『嫌い』と言われるよりも無関心の方が…なのかも」と自分は思ったりしました。
    とにかく、こうやって観客の方々に向き合う姿勢があるからこそ自分は新海監督を支持したいと思いました。
    >そして恒例の「聖地巡礼」も行きたくなるはず。
    >>『君の名は。』の時も思いましたが、ほんと行きたくなります。
    >また、『君の名は。』はほんの少しだけ性的な話題に触れていて、それが思春期の少女や、ましては子供に言わせていることにも「気持ち悪い」という批判の声もあがっていたのだけど、今回もバッチリ入っていましたね。
    >>「でもそれがいい」ですね(その意味では『未来のミライ』は…。まあ比較するのが野暮ですが)。
    >その筆頭となるのは小栗旬演じる中年男性。
    決して良く出来た大人ではないのですが、そのぶん「人間くささ」を体現したキャラとして大好きになれました。
    >>中の人もあって銀さんっぽいなと思いましたが、なんか憎めません。
    最低限の倫理観はあるから帰郷を促したり代々木会館で説得したりしつつも、安井刑事との話のときに落涙するぐらいには「エゴを押しても逢いたい大切な人がいる」帆高の気持ちがわかるから逮捕覚悟で帆高の側に立ち、3年経って謝罪しに行ったときには…いい人じゃねえか!
    >本田翼演じる美女もそのエキセントリックさでグイグイと引っ張ってくれます。
    >>予告時点では本田翼さんの演技に対して自分も不安を感じましたが、ところがどっこい蓋を開ければ「普通に巧い!」って思いました。
    夏美さんももまた軽そうに見えて帆高のこと気にかけたりしてるのでいい人ですよねえ(後、取材相手の話に真摯に耳を傾けてますし)。
    >さらに、イケメンで女子にもモテモテという小学生男子も登場するのですが、彼の存在もとても重要でしたね。
    >>悪くいえば「マセガキ」ともとれるかもしれませんが、彼もまたいいキャラしてたなあ…。
    >作中のアイテム
    >>バイトルは利用経験はないですがYahoo!知恵袋といい日清食品といいバニラトラックといいマクドといい、「確かにこんな感じだわw」って思いながら観てました。
    そりゃあ当該企業の広告の時は忖度しても本編ではしない辺りいいぞもっとやれと思いました。
    >『君の名は。』のあのキャラはどこに?
    >>瀧と三葉は割と気づきやすかったですが、てっしー、さやちん、四葉はエンドロールを観るまで登場していたことにすら気づかず驚きました(ふせったーを読んで「え、あそこのシーンにいたのか」ってなりました。気づかなかったのが悔しいのでまた確認しに行きます)。
    >もっと単純に言えば「え?それ(拳銃)そこにあるの?」「え?この人(代々木会館での須賀)が都合よくここにいるの?」という作為的な物語運びをどうしても感じてしまったんですよね……。
    >>須賀社長に関しては「描かれてないけど帆高から聞いてたりしてたのかな」って思いながら観てたので違和感はなかったですが、銃がたまたま目の前にあったとか夏美さんに逃走中に出くわすに関しては「前者に関してはまあ陽菜救った後で代々木会館で投げ捨てたシーンあったけど言われてみれば確かにできすぎてるよなあ」と思いました(まあ、夏美さんや須賀社長が帆高を救いたいと思ったこと自体は彼ら自身で決めたことに違いないでしょうし後悔もしてないだろうなとは思いますが)。
    >その他の不満意見としては「帆高の家出の理由が明かされない」ことについては個人的に擁護したいです。「トラウマで駆動する物語にはしたくなかった」という新海監督の意向もありますし、具体的に描かなかったことで若い人が自分の境遇を重ね合わせやすくなったでしょうから。
    >>重要なのはそこじゃないですからねえ(観客各々で何とでも解釈すればいいことでしょうし)。
    >陽菜はわかっていた
    >>観ている間は考えつきませんでしたがなるほどそういうことだったのか…。
    ラブホのくだりが「逃げおおせるとは思えないが…」と思いつつもでも楽しそうだなあ、と感じてましたが、陽菜からすれば「最期ぐらい思い切って」って感じだったのかもしれないと思うと哀しい限りです。
    >『君の名は。』と全く違うこと
    >>その意味でも『君の名は。』が代償を負うことなく甦らせてるのに対して『天気の子』の甦らせたけど代償を背負ってるってことで対なんだなあ…。
    やはりその点で賛否が出るでしょうが、その賛否で議論戦わせるのも甲斐ありそうです。
    >そして3年後……穂高は大学生となり立花瀧の祖母である冨美の引越し先に行き、「すみません」と謝っていました。
    言うまでもなく、彼はこの東京が海に沈んでしまう状況に罪悪感を覚えていたのでしょう。
    しかし、冨美は「昔はここも海だった。昔に戻っただけもしれないね」と、須賀は「んなわけねえだろ、バーカ。自惚れるのも大概にしろよ」「まあ気にすんなよ青年、世界なんてさ、どうせもともと狂っているんだから」と言ってくれるんですよね。
    >>トラックへの落雷の件などがあるにせよ、ちゃんと逮捕されて3年間の保護処分終えてからのここで謝罪してくれる辺りまだマシだよなあ、と思います。これがなかったら更に株が下がってたことでしょうから(背中を押したいとは言いましたが、まあそうはいってもダメなもんは駄目だよねという想いもやはりあるので)。
    そして帆高の謝罪に対して
    >>>冨美は「昔はここも海だった。昔に戻っただけもしれないね」と、須賀は「んなわけねえだろ、バーカ。自惚れるのも大概にしろよ」「まあ気にすんなよ青年、世界なんてさ、どうせもともと狂っているんだから」
    と返ってきたのがなんとも救いだと思いました。
    そして最後は陽菜と再会できたのはほんとによかったなあ、と思います(東京が海に沈んでしまってるのは本来はよろしくないでしょうが、住民もなんとかやってる感がありますし大丈夫でしょう)。
    >陽菜は何を願っていたか
    >>自分の場合、両方だろうなあと思いながら観てました(どっちかといえば前者の方が強い感じで)。

    あ、ちなみにドラクエの方は詳しくないことに加えて「いやあ、ヤな予感が」と思って手出す気がないです。
    『アルキメデスの大戦』は周囲の評判のよさもあって手を出そうと思ってます(3日も映画館の到着がもっと早ければそっち観てた可能性があったので)。

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