
『ヴェノム』は4DX吹替版もオススメ!超カワイイ映画である理由はこれだ!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『ヴェノム』です。
個人的お気に入り度:8/10
一言感想:おもてたんと違う!(良い意味で)
あらすじ
寄生生物に乗っ取られたので超頑張ります。
本作は、日本版の宣伝で「最悪」という2文字が強調されたポスターが展開されており、各所から絶賛を浴びていました。
これは!ダークで!ヘビーで!バイオレントな!ヒーロー映画になるぞ……と誰もが思ったことでしょう。
⚠日本発ポスター解禁⚠
これが #ヴェノム だ!
ヤツらには<最悪>が良く似合う。11月2日(金)最も残虐な悪、誕生。#venom pic.twitter.com/5iWbGbUpK4
— 映画『ヴェノム』公式 (@VenomMovieJP) August 1, 2018
しかしながら……うん、まあ、あの、まずは本作の第一印象を申し上げておきましょう。
かわええ!KAWAEEEE〜!That’s So Cuuuuute!かわゆい!めんこい!愛おしい!
以上です。もうこれ以上は知らずに観てもいいくらいです。
冗談抜きで、2018年の4大超カワイイ映画は『プーと大人になった僕』『DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOW』『若おかみは小学生!』『ヴェノム』であると断言できますからね。
これは全くの冗談抜きで言いますが、
『プーと大人になった僕』
『DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOW』
『若おかみは小学生!』
『ヴェノム』(明日11月2日より公開)
これらが「2018年の4大超カワイイ映画」です。本当みんな可愛い。KAWAII。何回もトゥンク…ってなったよ。 pic.twitter.com/dy9UXP1zs3— ヒナタカ (@HinatakaJeF) November 1, 2018
※それぞれの映画がカワイイ理由はこちらでもどうぞ↓
『プーと大人になった僕』が、もっとおもしろくなる「3つ」のこと! | シネマズ PLUS
『DTC 湯けむり純情篇 from HiGH&LOW』の3大魅力はこれだ!最高のスピンオフ、ここに誕生! | シネマズ PLUS
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ついでに、本作『ヴェノム』はファミリー層に超おすすめできます。
PG12指定がされていることが信じられないくらい直接的な残酷描写はかなり避けられていますし、性的な話題すらほとんどないので親御さんも安心です。(中盤まではそこそこ怖い描写が続き、人もたくさん死にますが)
メインの物語はわかりやすいですし、コメディ成分も多め、テンポもよく退屈するシーンもほぼないため、極めて万人が楽しめる内容と言ってもいいでしょう。
以下からは、なんでこんなにもカワイイ映画になっているのかを紹介していきましょう。
カワイイ理由は日本の少年マンガと一緒だ!
いやー本作の何がかわいいって、トム・ハーディ演じる記者のエディと、寄生生物のヴェノムたんの掛け合いですよ。
具体的な彼の可愛さは↓のネタバレ部分にまとめますが、とりあえず日本のマンガ作品で例えると超わかりやすいです。
- 『ど根性ガエル』のひろしとピョン吉
- 『寄生獣』のシンイチとミギー
- 『うしおととら』の潮ととら
- 『ヒカルの碁』のヒカルと藤原佐為
- 『デスノート』と夜神月と死神リューク
みたいな感じです。(ちなみにヴェノムの吹替担当は実写映画版『デスノート』で死神リュークを演じた中村獅童)
つまり、“主人公と一緒につ凸凹コンビならではの掛け合いが超楽しい”のです。
「一緒にいなければならない」、だからツンツンとケンカもするけれど、時々デレデレになるっていうね。ツンデレ2人の萌えの波状攻撃なのです。
そんな訳で、カワイイが詰まったファンアートもたくさん投稿されるようになるのでした。
ヴェノムがど根性カエルと聞いて、見る前に描いてたやつ置いとくね。早く観たいぞ!!!!!! pic.twitter.com/DnmTzA36yp
— 明太子⭕️ど根性ヴェノム (@himhim_10kio) November 2, 2018
試写会に御招待頂きました!面白かったよーッ
#俺たちはヴェノムだ pic.twitter.com/Fx07Tl4NTw— 三輪士郎 Shirow Miwa (@zi38) October 22, 2018
「萌え」とは美少女キャラに限らない、なんならおじさんや凶悪生物にだって萌えるということを改めて思い知らされました。
ていうかトム・ハーディがまたカワイイからね!『ダークナイト ライジング』のベイン(悪役)や『マッドマックス 怒りのデスロード』のマックス(主人公だけど割と凶悪)と同じ人だとは思えないよ!
ついでに言えば、ヴェノムは「お前はのモノだ!」と独占欲を叫んだり、いろいろとサポートしてくれるところなんかは少女マンガのノリになるんですよね。
少年マンガだけでなく少女マンガの面白さがあるって、それ最強ではないですか。
そう言えば、トム・ハーディは『ブラック&ホワイト』という「2人のイケメンが女の子を取り合う」というまるで少女マンガな映画にも出演していたな…。
さらに、監督のルーベン・フライシャーは『ピザボーイ 史上最凶のご注文』でも「コンビの掛け合いが楽しい」「無理やり事件に巻き込まれて大騒ぎ」なコメディ映画を手がけており、今回の『ヴェノム』の作風にぴったりだったと思えるんです。
『ピザボーイ』は最初から最後まで下ネタオンパレード、ブラックジョークがすぎるところもあり、観る人を確実に選びますが、『ヴェノム』が気に入った方はぜひ観てみて欲しいです。
「おもてたん」とちがうのは確信犯だった?
ちなみに、宣伝が初めは「最悪」「ダーク」な印象だったのに、観客からの評判は「カワイイ」というギャップがあったのは、狙ってのことというか確信犯的なところもあるようですね。
公開日前日あたりから、公式Twitterでは「カワイイって言うなよ!」な感じの投稿が相次いでそれがまたカワイイといじられたり、テレビスポットでは女性からカワイイと言われまくって「ウッセーんだよ!」と返したりしているんですから。
「かわいい」#あなたが嫌いな言葉 pic.twitter.com/R14TbtHhGw
— 映画『ヴェノム』公式 (@VenomMovieJP) 2018年10月30日
おい、なんでだよ!
かわいいとか言うな!#ヴェノムる pic.twitter.com/5vFkKG7Znl— 映画『ヴェノム』公式 (@VenomMovieJP) 2018年11月2日
そう言えば、前売り券の特典の、コードをまとめることができる実用的なアイテムがまたカワイイんですよね。
今日は #ハロウイン🎃
かぼちゃをどれくらい喰えるか競う日だよな?
ぜってえ負けねえぜ!ハハハッ!#ヴェノム pic.twitter.com/a3pE8yhW1B— 映画『ヴェノム』公式 (@VenomMovieJP) 2018年10月31日
この前売り券を買わなかったことは、これからも後悔し続けようと思います。
『スパイダーマン3』とは全然キャラが違う!
知っている方も多いと思いますが、ヴェノムが映画に登場したのは今回が初めてではなく、『スパイダーマン3』でもヴィラン(悪役)の1人として活躍していました。
※『スパイダーマン3』の解説記事はこちら↓
「スパイダーマン3」と「アメイジング・スパイダーマン2」には“詰め込み”により描かれるテーマがある
実は『スパイダーマン3』のヴェノムは、プロデューサーに「人気キャラだから出しておけ!」と言われて無理やり出されたという経緯があり、監督のサム・ライミ自身がキャラ自体に思い入れがないことをぶっちゃけていました。
『スパイダーマン3』におけるヴェノムは一貫して「スーツ」と呼ばれており、「悪に染める」という意味では容赦のない性格でカワイさのかけらもないキャラでしした。
この扱いが、ヴェノムのファンからはかなり大不評だったのです。
※このあたりの経緯はピクシブの記事が詳しいです↓
ヴェノム(MARVEL) (ゔぇのむ)とは【ピクシブ百科事典】
その後も『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでもヴェノムのスピンオフ作品が作られる予定だったのにポシャってしまってしまったりもしました。
そんなことが続いていたため、今回の『ヴェノム』単独の作品はファンにとっては待望中の待望の作品。しかも監督のルーベン・フライシャーはヴェノムの大ファン、実際の本編でも原作コミックからある「愛されキャラ」の成分が強くなっているので、もうファンは大歓喜したという訳なのです。
4DXが超オススメの理由を語る!
本作の大きな魅力は主役2人の掛け合いのカワいらしさ。そしてもう1つはアクション描写です。
自分は1回目を試写で字幕版を、2回目を4DX吹替で観たのですが、この4DXがアクションとの相性が抜群に良い!1つ1つ紹介しましょう。
※「体感型(4D)」の最新劇場上映システム。座席が作品中のシーンとリンクし、座席が前後上下左右へ移動するほか、風、水(ミスト)、香り、煙など、各種演出も体感できる。
バイク&カーチェイスなどアクションがど迫力!
今回のアクションの大きな目玉は、中盤のバイクアクションでしょう。
4DXでは当然ながら座席は揺れに揺れ、「風」の演出も大盤振る舞い、特に「車の間をすり抜ける」シーンの躍動感が半端ないことになっているのです。
その他のアクションでは、その後のビルを滑り降りるシーンでの「足元の感覚」や、機動隊を「ちぎっては投げちぎっては投げ」の感覚を再現してくれることも素晴らしい!
「投げ飛ばされる」体験を、座席の移動+背中の動きで表現してくれることも嬉しかったですね。
また、名探偵コナン ゼロの執行人』4DX版では「フラッシュ」の演出が赤い光になっていたことに感動したのですが、本作の爆発シーンのフラッシュは画面に合わせて青色になっていました。こういう作品にマッチした演出の変化が細かい!
アクション以外でも「没入感」を高めてくれるよ!
雨が降るシーンでは実際に雨が振り、霧がかかった深い森の中ではスモークが出てくる演出も良かったです。
4DXはアクションだけでなく、実際に「その場所にいる」没入感を高めてくれるのも大きな魅力。特にベイブリッジの下で語らうシーンでの風の演出は観客のお墨付きでした。
ヴェノムのよだれがブシャッ!
ヴェノムおよびシンビオート(寄生生物)の造形はヌメヌメとしていてベッチャベッチャしています。
なんと、そのヴェノムが咆哮するシーンではよだれの代わりに水がブシャッと飛んでくる演出が!すげえや!
主演のトム・ハーディが「めちゃくちゃ濡れるよ」と言っていたのは、雨以外でもこの演出のためだったとは……。
あえて今回の4DX上映難点を1つだけ挙げるのであれば、3D演出があまり効果的に使われているとは感じられなかったことでしょうか。でもトータルでは十分にライド感を堪能できる、4DX上映の中でも確実に上位に来る出来栄えであったと思います。
吹替版も超良いよ!
4DX上映では吹替版しか選択肢がない場合も多いですが、本作は吹替も素晴らしいクオリティであったので安心してオススメできます。
諏訪部順一は超ベテランでトム・ハーディのやさぐれた雰囲気にベストマッチ、しょこたん(中川翔子)は『塔の上のラプンツェル』で、中村獅童は『アメイジング・スパイダーマン2』でもその上手さは証明済みです。
何かと批判されがちな芸能人吹替(自分も基本的に好きじゃない)ですが、今回は全くノイズにならず、そのことを忘れて没入できます。
しっかり実力ある方を配役する…この誠実さでは文句なんか言えませんね。
喰ってやろうカァァア
ヴェノム公開まであと5日!
腹が減ってきたぜええええ #ヴェノム pic.twitter.com/OZLPfT16BK— 中川翔子🌙bluemoon🌕 (@shoko55mmts) 2018年10月28日
※しょこたんが特殊メイクでヴェノムに扮するのも良い企画だったのではないかと。
また、人気ロックバンドのUVERworldが日本版主題歌を担当していることにも賛否両論がありますが、しっかり元のエミネムの主題歌が流れた後でエンドロールでBGMの代わりに流れるので、個人的には全く問題ありませんでした(むしろ好き)(ちなみに字幕版ではUVERworldの日本版主題歌は流れません)
本人たちも相当な思い入れを持って楽曲製作に挑んだそうですよ。
※エミネムの主題歌もかっこいいですね。
ちょっと気になるところも?
そんな訳で主役2人がカワイイ!アクション最高!最初から最後まで楽しい!……だけで終わっていい内容なんですが、無視できない欠点もあります。
それは、ぶっちゃけ(展開が早すぎるせいもあるのか)細部が雑というかツッコミどころが多いということ。
112分という短い上映時間でまとめてくれたのは嬉しいんですが、トム・ハーディによると削除シーンは40分、アドリブでヴェノムを演じた撮影分は7時間以上あるらしく、「もっと2人の掛け合いが見たかったな〜」「ここはもうちょっと丁寧に描いて欲しかったな〜」と言いたくなる部分もあるのです。
また、全体的な印象が良くも悪くも「軽い」んですよね。
これは何かと重々しくなりがちなヒーロー映画が多くなっている昨今ではむしろ長所になり得るんですが、重要な心理や状況をセリフだけで終わらせてしまっている部分も少なくはないかな、と。
このあたりが、批評サイトRotten Tomatoesでの批評家からはやや酷評、一般観客からは大好評という評価に繋がったのではないかな、と。
そんな訳で、「あー面白かったー!」という娯楽作としては超優秀、テーマの深みや後々ズシンと来る内容を求める方にはやや期待ハズレかも?
そんな感じで期待をしてご覧ください。オススメですよ!
以下は結末を含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください(今回は短め)。↓
(C)&TM 2018 MARVEL

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>序盤にシンビオートが寄生しようとした人間を死なせまくっていたのに、後半からはエディだけでなくチワワや恋人のアンにも余裕で寄生できていましたよね。
吹き替え版は見てないので何とも言えませんが、字幕版では中盤の実験シーンでライフ財団のリーダーの人が一応「そうか、寄生の時間が問題だったのか」と時間を掛けさえすれば何でも寄生できるような台詞を言っています。本当に一言でさらっと流すので分かりにくいですが。
おっしゃる通り全体に軽いノリの映画で退屈せずに見れましたが、やっぱり雑さは否めなくて個人的にはうーんと思わざるを得ない内容でした。
指摘されてる通りシンビオートの設定が一貫してなくて真面目に見てるとバカを見るんですよね。
ライオットに寄生された女の子とか多分死んじゃってますよね??何か女の子が操られてるオカルトチックな絵面を作りたい作って、その女の子がどうなったか描かないのは不誠実だなと思ってしまいました。
ドーラの件もあんまりすぎでは?殺されてしまうのはやむなしとしても、エディはその死を最後まで認識すらしてないのでこれでは成長しようがありません。「彼女の死にも報いるため」みたいな描写を一つくらい入れられなかったのでしょうか?
ライフ財団の子分さんがおっしゃってる「寄生の時間」というのもちょっと苦しいような。最初の被験者であるアイザックはやはり適合していないから死んでしまったとしか思えない描かれ方ですし、アンやチワワはそれ程長い間寄生したようには見えませんでした。
作り手が見せたい展開や絵面によってキャラや設定が粗末にされてしまうのは嫌でした。
それにヴェノム自身が「人間って面白ッ!」って思うような描写ってあまり無かったので、ヴェノムが仲間を裏切る展開に説得力がないなぁと。
確かにチョコチョコ掛け合いはあるしエディの恋愛事情に首突っ込んだり夜景を見たりというシーンもあるけどもせわしなくすぎるばかりで、それだけでは不十分と言わざるを得ず、ヴェノムが最初からものすごく友好的な態度で接してくるので、エディとヴェノムの関係に起伏がなく面白みに欠けるストーリーなのは残念でした。
せめてエディとヴェノムが負け犬同士で惹かれあうシーンをじっくり描くとか、「ポテトとチョコ」と答える萌えシーンを中盤で挿入してくれれば、終盤の「ヴェノムやめろー!」的なシーンがもっと生きたんじゃないでしょうか。
アクションはそれなりに見ごたえがありましたがまあそれほど真新しいものでもなく、トムハの演技はCGとのアンサンブルで窮屈そうだったし、考えれば考えるほど雑味が浮き出てくるタイプの映画だなぁと思いました。あ、リズ・アーメッドはよかったです。