『アンノウン(2011)』すばらしい大味っぷり(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『アンノウン(2011)』すばらしい大味っぷり(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はアンノウン(2011年公開)です。

個人的お気に入り度:3/10

一言感想:つっこみどころ満載サスペンス

あらすじ

教授のマーティン・ハリス(リーアム・ニーソン)は盛大に事故に合う。
こん睡状態から目覚めたら、妻に「あんた誰?」と言われた。どうしましょ。

うーんこれはイマイチ。
「目覚めると全くの別人が自分のふりをしている」というアイディアが先行しすぎて、
突っ込みどころ満載になっちゃった、みたいな内容です。
この内容で2時間は長すぎますし、途中でやたら派手なカーチェイスがあったりするのもストーリーの不出来さをごまかしてるようにしか思えません。

オチのつけ方自体は悪くはないと思うんです。
「実は妻の正体は宇宙人でした~」みたいなことはなく、それなりに驚けますし、伏線も回収しています。
しかし物語の整合性を気にする人はモヤモヤが残るでしょう。
終盤の展開は失笑の連続でした。
ラストもそんなんにしてええんかいと問い詰めたいシロモノです。

同監督のホラー映画「エスター」がかなり好きだったので期待していたのですが、見事に裏切られました。

今度はシンプルなどんでん返しでチャレンジしてね、監督。
でも展開の大味さを楽しめる方にはむしろオススメです。
派手なアクションだけ観ててもそれなり楽しいかと思われます。

以下、ネタバレです いきなりオチを書いているので注意↓

納得し難いオチ

オチ部分はこんな感じでした。


主人公の正体はスゴ腕の暗殺者だった。
もともとマーティン・ハリスという人物も存在していなかった。
妻の正体も、殺しの相棒だった。
主人公は暗殺任務のために違う人物になりきっていて、事故の記憶障害のおかげで、それが自分の人生だと勘違いしていた。


なんですけど、えー?
気になることをとりあえず列挙。

・記憶障害を起こしている箇所が都合よすぎ。
まあこれはしょうがないんですけど。

・新たに配置されたもう一人のマーティンは何よ?
非常事態のための「予備」だったんでしょうけど・・・事情と主人公のことを知ってるはずなのでは?
フラシュバックで記憶が戻る場面で、写真撮影をしてもらってましたよね?
主人公と敵対する理由があるのなら別ですが・・・別の場所でコンタクトを取ってあげようよ。
もしくは彼にネタバラシの役目を与えてもよかったと思います。

・オープニングでの妻との空港のやり取りの意味は?
めっさ普通の夫婦なんですが・・・観客をだますためだけに存在するシーンですね。
ミスリーディングを誘う場面で、これほどくっきりはっきりした描写はこの手の映画では珍しい気がします。
ここでいい台詞がありました。主人公は「講演のために来た、理由としては十分だろ?」と言っていました。
本当の理由はパーティ会場での暗殺でしたが、この時点では照れ隠しっぽく見えるのです。
彼女とは本当に恋仲(セックスしているシーンもフラッシュバックする)で、暗殺ついでに観光もしたかったのでしょうね。

・探偵のおっちゃん「ユルゲン」の死。
コール博士はユルゲンを殺しに来ていて「時間はあった、何故逃げなかった?」と聞いています。
そして「情報を渡たせ」と言われて、青酸カリで自殺するのですが・・・持っていた情報って何?
恐らく主人公とは無関係の情報だったんだろうな。主人公の居場所もあっさり知れてますしね。
それにしても、探偵の彼がたまたま暗殺集団のことを知っていて、しかも命を狙われたというのは都合がよすぎやしませんかね。

・実際の標的も王子ではなく、博士だった。
これも上手かったですね。
王子はふっつーに狙撃できそうだったので。
まあ無理な点は大いにあっても意外に納得できなくもないわけで、教授という肩書きを持った人物を作ったのも標的に近づくためだというのも理解できます。
そんじょそこらの「どんでん返し」を売りにしている作品よりは、かなり工夫されていると思います。

適当すぎる殺し屋たち

しかし、今作の突っ込みどころはそこ以外に盛りだくさんでした。
主人公を狙う殺し屋たち、適当すぎまーす!
なんだ!なんなんだあの弱さと行き当たりばったり感は!

・看護婦(無関係)の首をコキッとやる。主人公は後回し。

・タクシー会社の同僚(無関係)はサクッと殺しといて、ジーナ(タクシーの女性、無関係)はなかなか殺さない。

・窓の外に逃げた主人公は逃がすし、逆に注射打たれる。

・派手にカーチェイス。目立ちすぎ☆

・写真展でニアミスするけど結局見つからない。
もうこいつらどうしようもねえ。

消化試合すぎるバトル

そしてやばいのは駐車場のシーン。
車をパクって飛んできた女の子にあっさり殺される暗殺チームってどうなんですか
無抵抗に轢かれまくる下っ端と、無表情で車とともに落ちていくボスキャラに苦笑しか出ませんでした。

妻(じゃなかったけど)は主人公と写真展で堂々とキスするし!緊張感ねえなあ。
妻は暗号を残していましたが、これも「爆弾のパスワードでした」という面白くもなんともない結末に。
ていうかそんな誰でも解ける暗号にするなよ

んで、その妻は「やべ、爆弾の解除間に合わなかった」で死んじゃうし。
記憶を取り戻した主人公と再会させたら盛り上がったと思うのに、モッタイナーイ。
もう一人のマーティンは爆発後の現場で主人公とファイトする始末。
完っ全に消化試合です。盛り上がるはずもありません。

まあ本当に凄腕の暗殺集団かよと思うわけですが、唯一主人公はすごかったですね、特に車の運転が
そんな主人公も序盤で荷物を忘れるうっかりさんでした。ダメだろ。

ラストもそれでいいの?

そしてラスト。
なんでそんなハッピーエンドにした
タクシーの女性ジーナと楽しい旅にって・・・主人公の持っていた葛藤ってそんなもの?
いままで人を殺した罪を悔やむんなら、ちゃんと償ってほしかったし、警察にも思いっきり正体ばらしたのにスルーですか・・。
これはちょっと納得いかないなー。

ps:この映画マット・デイモン主演の某映画にそっくりらしいんですが自分は未見なのでなんとも。
まあよい物は真似されるから仕方ないよね・・・でもハリウッドであんまりやっちゃいけない気もします。

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  1. アウトスパン より:

    とてもおもしろい、レビューでした。
    たった今映画館で「アンノウン」観て来ました。
    なんも知らず、ふらっと観たのですが、かなり楽しめましたね。
    しかし、妻が爆死するシーンは大爆笑でしたね。
    モタモタ・・
    まさか・・まさか・・死ぬのか?
    死ぬの・・ドーーーーーン!!
    おいしすぎでしたね。
    実は彼女は主人公を真剣に愛していて、
    彼をかばう為、あるいは彼の美学を守る為、決死の覚悟で止めようとしたがドーーン!した・・・ってのは都合良過ぎの解釈でしょうか?
    実は主人公と逃げるつもりだったとか・・
    ・・・だったらあんなお粗末な事しないか。
    違いますね(笑)きっと。

  2. ヒナタカ より:

    こんばんは。お気に入り作品を悪く言ってすみませんでした。
    >妻が爆死するシーンは大爆笑でしたね。
    劇場でも苦笑の声が聞こえましたw
    >実は彼女は主人公を真剣に愛していて、
    彼をかばう為、あるいは彼の美学を守る為、決死の覚悟で止めようとしたがドーーン!した・・・ってのは都合良過ぎの解釈でしょうか?
    それならもう少し演出のしようがあると思います。
    彼女の目的はあくまで「暗殺」だったのに。
    「気が変わった」ならまだしも、あれは「間に合いませんでした」ですのも。そりゃ笑います。
    >違いますね(笑)きっと。
    はい(笑)

  3. タナカ より:

    CSでやっていたのでどんなものか、面白いのかと見てみようと思い、始まる前にネタバレなしのレビューを探していた所こちらに辿り着きました。
    今までさんざ人をアヤめて来ただろうに、記憶障害?が治ったら正義の味方に!?
    しかも最後は新しい彼女もゲットしてドロン!?
    うーんこれはもうこういう映画なんだな、と思いました。
    久しぶりのエッ?てなるお話でしたね。
    カゲヒナタさんはもうずっとやっておられるようですが
    ネタバレなしと初めに言われるのは安心して見ていられました。また機会がありましたらのぞかせて頂こうと思います。

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ヒナタカ

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