『塔の上のラプンツェル』大満足のファンタジー(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『塔の上のラプンツェル』大満足のファンタジー(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は塔の上のラプンツェルです。

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:全ての人におすすめできる痛快なおとぎ話

あらすじ

18年間も塔の外へ出たことのない少女・ラプンツェル。
彼女は赤ん坊のときに、その髪が持つ若さを保つ力のため、マザー・ゴーテルという女に連れさられていたのだ。
誕生日の前日、彼女は毎年空に見える無数の「灯り」の正体を知りたいがために、ゴーテルに外に出れるようお願いするが、一掃されてしまう。
そんな中、盗人のフリン・ライダーが塔に逃げて来たのだが・・・

おすすめです!
ファミリー映画はピクサー作品が主導を握りまくってる昨今で、こんなに面白い作品がたくさん出てきているのは嬉しいです。

キャラクター、ストーリー、ビジュアル、すべてが素晴らしい!

なによりキャラクターが魅力的です。
ヒロインのラプンツェルは可愛いし、たくましい。
一方で、ヒーローのフリン・ライダーはこのようなファミリー映画のヒーローとは思えないほど、ナルシストの変な奴です。
馬のマキシマスはギャグ要員なのですが、格好良すぎで惚れそうです。
カメレオンのパスカル、「酒場の荒くれ者たち」も可愛いから困ります。

ストーリーは王道です。
夢見るお姫様と、それを守るサブキャラクターたち、それを邪魔する悪い女(ちょっとディズニーでは珍しいと思ったのだけど「魔女」ではないんですよね)という配置で、ハラハラ、ドキドキできる物語を紡いでくれます。

画もものすごく美しい!
自分は2D&日本語吹き替え版で観たのですが、「あの」シーンの素晴らしさは筆舌に尽くしがたいです。
奥行きのあるアクションシーンが多いので、3Dでも観たかったな~とも思いますが、色鮮やかな発色を堪能したいならメガネのいらない2D版でもいいかもしれません。
*3D版をオススメ!とコメントをいただきました。

ちなみに吹き替え版の主人公の声優はしょこたんこと「中川翔子」。上手すぎてびびるので、これだけでファンは必見かも(ミュージカルシーンは別の方)。
ただ日本語のミュージカルには多少の気恥ずかしさを感じるかもしれないので。、大人は字幕版で歌を堪能するのもいいかも。

ちなみにサントラは英語版です(最後の4曲は日本語歌のようです)。視聴ページだけでも良いのがわかるなあ・・

ストーリーの一部分にちょっとだけ安易さを感じてしまったのが残念でしたが、どなたが観ても楽しめること間違いなしの素敵な作品です。友達とでも、家族とでも、デートでも、大推薦です!

3D版もおすすめ!

3D字幕版でふたたび鑑賞しました。
再度観ても、ものすごく楽しかったです。

3D字幕版のよかった点をまとめると以下のような感じです。

字幕版の良さ
・作中のミュージカルがすばらしい!
元の曲には「韻を踏む」表現などもありますし、音楽の魅力をより感じました。英語も聞き取りやすいです。

3Dの良さ
・劇中最高の「あの」シーンにも違った魅力がある。
・アクションシーンにも奥行きがあり、迫力満点。
といったところ

もちろん今作は3Dでも2Dでも日本語吹き替え版でも字幕版でもどれでも十分楽しめる作品だと思います。
でも大人には字幕版も是非!

しかし字幕版の公開劇場の少なさはハンパない・・・やっぱりファミリー層を意識した作品なので、需要が少ないと見られているのでしょうね。

以下、ネタバレです↓ちょっと野暮なことも書いています

ちょっと残念だったこと

・「果報は寝て待てよ」と言い、2人を城下町に行かせるゴーテル
これは作戦としてはだめなんじゃ・・・城下町に行かせてしまう時点で、ラプンツェルの正体がばれるとは考えもしなかったのだろうか?
実際、作戦は遂行できたわけですが。
ひょっとすると、ゴーテルはあんな言いようでしたが本当は彼女の「灯りが見たい」という願いを叶えたいのでは?とも思ってしまいました。
推測でも何でもない、ただの願望なのですが・・・「あなたが一番大事」と言うゴーテルの姿には、「若さを保ちたい」という欲望以外の、ラプンツェルを思う気持ちを感じてしまうのです。自分だけかな。

・スタビントン兄弟を見えないところで殴って倒すゴーテル
え?そんなに強いの?ゴーテルは何も力を持たないように見えるのですが。

・ラプンツェルがお姫様であることを思い出すシーン
塔の絵の太陽、ハンカチ、王宮で見た絵、序盤で王冠をかぶっていたシーンがフラッシュバックされるのですが・・・強引さを感じてしまいます。
もう少し別のアイテムはなかったのかな、と。

・ラプンツェルの髪の若さを保つ効力がなくなり、老婆の姿になったゴーテルは塔の上から落ちる。
ゴーテルは自分のエゴで赤ん坊をさらい、18年間もラプンツェルを幽閉していた悪人です。
それでも自分は、前述の通りラプンツェルを一番大事にしているというセリフもあり、ゴーテルにはちょっぴり同情の余地があるように感じてしまうのです。(セリフ自体は嘘であり欺瞞なのだとは思いますが)
だから、彼女には救いを残してほしかった。
あれだけでは彼女が死んだかどうかはわかりませんが、ハッピーエンドにも関わらずちょっぴり後味の悪さを感じてしまうのです。

・「涙」でユージーン(フリン)が生き返る。
ちょっとこれは「良くある」手法ですし、安易さを感じてしまったのが残念。
花の効力が「彼女の体の中に宿っているもの」という伏線があってもよかったのかも。

よかったこと

それでも大満足で終わって観れたのは、ラプンツェルとユージーンが無数の灯りを見るシーンが美しすぎたから。
ひょっとしたら画自体はここ数年で一番感動したかもしれない。それほど綺麗だったし、あの灯りが見たいと、毎年、長年思っていたラプンツェルに気持ちがシンクロします。

アクションシーンも楽しかった!髪をロープがわりにしてのスペクタクルはもう一度観たくなります。

コメディとしては
ラプンツェルが何度もユージーンをクローゼットにしまおうとするシーン
ラプンツェルが「なんて外は楽しいの!」→「私って本当に最低の人間だ」と感情の浮き沈みを繰り返すシーン
馬のマキシマスが勇ましく衛兵たちをどけ、隠し通路を発見するシーン
ユージーンがミュージカルを歌えという空気になり→「俺は歌わない」→剣をつきつけられたのでヤケクソで歌うシーン
が大好きです。
最後のなんて、ディズニー作品のミュージカルに対しての自虐ネタじゃん。
そういえば「魔法にかけられて」でもありましたよね。

ラストシーンが「酒場の荒くれ者」の一人の天使の格好をしたちっこいおじいさんで、キッスをされたのにも笑いました。
そういえば、初めのセリフが「どうやって死んだのかの物語だ」なんですよね。凄くギョッとしたのですが、最後のハッピーエンドでほっとさせるものなので、制作者のちょっとした意地悪なんだと受け取りました。

原題の示すものって?

原題は「TANGLED」とシンプル。
Wikipediaによるとこのタイトルになったのは、男性の支持を集めるためという大人の事情もあったりします。
「もつれた」「こんがらかった」という意味です。
これは、彼女の髪のことと、ねじれてしまった彼女の18年間の人生を指しているのだと思います。
最後にはそれを解き放ってくれたユージーン!それは彼女自身の行動の結果でもあります。
そのメッセージに感動してしまうのです。

この物語は長年自分の思い通りにできなかった女性の話でもあるし、エゴイスティックな人間がしっぺ返しをくらい、両親は長年無事を待ち続けていた子どもに会え、ヘラヘラしているナルシストが成長する物語でもあります。
それらがお互いを邪魔せずに構成された物語が素晴らしい!

マザー・ゴーテルはやっぱり悪い奴だ!

2回目を観てみて、ちょっと気になった台詞がありました。
はじめのゴーテルによるミュージカルシーンで、彼女はラプンツェルのことを「愛しているわ、私の大きな花」と呼んでいました。
彼女はラプンツェルを本当に魔法の花(若返りの道具)としてしかみていなかったのかも。
ここではさらに「母は何でも知っている(mother knows best)」と言っています。
これは「ラプンツェルが知らないことも、私は知っている」と暗に示していたのかもしれません。

ラプンツェルと夜の森の中で再会するシーンでは「それはあなたが世間知らずな証拠よ」と言っています。
これは一度も塔の外から出さなかったゴーテルの行動と矛盾しています。世間知らずにしたのは、言うまでもなくゴーテルのせい、彼女はエゴの固まりです。

「私は悪役ってわけね」とちっとも悪びれないあさましさもありますしね。ちなみに英語だと「悪役」は「bad guy」という表現でした。
それでも序盤にラプンツェルを抱きしめたときの笑顔や、3日もかかる場所へプレゼントを買いに行こうとしていたシーンなどでは、優しさもかいま見た気もします。

蛇足ながらもう一つ言うと、スタビントン兄弟はゴーテルのことを「年老いた女(old lady)と呼んでいました。
魔法の力で若返っていた彼女は「年老いた」までとはいかないような気がするのですが・・・手に入れたはずの見た目の若さも結局は無駄なものだったかもしれません。

字幕で気づいたこと

・スタビントン兄弟はユージーンを「pretty boy」と呼んでいる。
小馬鹿にされていました(笑)兄弟から冠を奪うユージーンのほうが悪人だし。

・ユージーンがラプンツェルをキザな表情でオトそうとするシーン。
吹き替え版では説明がなかったように記憶しているのですが、英語版では「誘惑者の表情だ」と言っていました。

・酒場のミュージカル
この曲は登場人物たちの夢を表した内容になっています。
日本語の「夢」は短い言葉です、「dream」のほうがリズム感を出しているように思えます。
「I’ve got a dream, you got a dream~」のフレーズは是非英語で聞いてほしいです。

・日本語吹き替え版の、ユージーンがマキシマスに言った「行けマックス マックススピードだ!」という台詞
ここは英語でもそのままだと思っていましたが、なんと吹き替え版オリジナルものでした。

・ラプンツェルの髪を切ったユージーン。
英語では「僕はブルネット(黒っぽい髪色のこと)が好きなんだ」と言います。

2回目を観て、新たに好きになったシーン

・ラプンツェルが城下町の子どもたちに三つ編みを作ってもらうシーン
ぴょんぴょん跳ねながら三つ編みを作る子どもたちが可愛い!

・無数の光を見る前のユージーンとラプンツェルの会話
「(灯りを)見るのが怖いの、この日をどれだけ夢見てきたのか・・・美しくなかったらどうしよう」
「美しいさ」
「もし、美しくなかったら?」
「また、新しい夢を見つけたらいい」
ユージーンの優しさが見えると同時に、これから訪れる最高のシーンの感動に一役かっています。

・最後に髪でユージーンを治そうとするラプンツェル。
このシーンでユージーンは「君は僕の夢」、ラプンツェルも同様のことを言います。
ユージーンの夢は、酒場のミュージカルのシーンでは「一人で島に暮らすこと」だったんですよね。
この心変わりも感動的です。

・両親がラプンツェルに会えるまでのカメラワーク
両親の元に驚いた表情の衛兵が→カメラは王妃と王様を横からカメラで追う→大きな扉をゆっくりと開けると、そこには18年間も待ち望んでいた、美しく成長した娘がいる・・・
このカメラワークもすごくいい!これこそ映画を作る人の仕事だ、と思えました。

そして最高のハッピーエンド!ここまで成長してきたと思っていたユージーンが、実はまだまだナルシストで見栄っ張りなのも好きです。
あのシーンがいい!といくつでも思い返すことができます。
それだけで幸せになれる素晴らしい映画でした。

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  1. より:

    僕も今日、友達と塔の上のラプンツェルを観て来ました。
    所々に笑いがあり、キュンともなり、ウルッともなり、すごく痛快な映画で予想以上の見応えに感動しました。
    吹き替え2Dしかなかったのですが、しょこたんの演技力は素晴らしかったですね!さすがアニメでもレギュラーしていただけはあります^^
    字幕版もぜひ観てみたいものです・・・。
    ゴーテルはラプンツェルに灯篭の灯を本当は見せたかったのではないか?という点は確かにあり得そうですよね、実際誕生日の前日にラプンツェルがゴーテルに灯を見に行く代わりに絵の具をお願いした時には『さすがに可哀想だから』と承諾した感がありましたし。
    ただ姫であることを思い出すシーンは正直頭に「?」が出ました。「え、なんでここで・・・?」てなりますよね。
    でもやはり灯篭のシーンは素晴らしすぎました。勢い余ってクリアファイル買いましたから(笑)
    1人1人の願いが込められて幾多もの灯篭が飛ぶシーンには思うところがありました。
    100分にしては話のテンポも良くて万人受けする作品だと感じましたし、個人的には字幕でも見てみたいと感じました。

  2. ヒナタカ より:

    こんにちは。コメントありがとうございます。
    > 吹き替え2Dしかなかったのですが、しょこたんの演技力は素晴らしかったですね!さすがアニメでもレギュラーしていただけはあります^^
    > 字幕版もぜひ観てみたいものです・・・。
    しょこたん普段のままとかと言えばそのままなんですが(失礼)、演技力は文句のつけようがありませんでした。
    > ゴーテルはラプンツェルに灯篭の灯を本当は見せたかったのではないか?という点は確かにあり得そうですよね、実際誕生日の前日にラプンツェルがゴーテルに灯を見に行く代わりに絵の具をお願いした時には『さすがに可哀想だから』と承諾した感がありましたし。
    やっぱりちょっと優しさを感じますよね。
    > ただ姫であることを思い出すシーンは正直頭に「?」が出ました。「え、なんでここで・・・?」てなりますよね。
    あれがこの映画で一番残念な部分でした。思いださなくてもよかったんじゃ・・と思うくらいです。
    > でもやはり灯篭のシーンは素晴らしすぎました。勢い余ってクリアファイル買いましたから(笑)
    > 1人1人の願いが込められて幾多もの灯篭が飛ぶシーンには思うところがありました。
    あのシーンだけでこの映画は素晴らしいと思えます。クリアファイルも欲しい・・
    > 100分にしては話のテンポも良くて万人受けする作品だと感じましたし、個人的には字幕でも見てみたいと感じました。
    字幕でもう一度観てみたいですね。歌を楽しめそうな気がします。
    また見に来てください。

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  4. 名無しさん より:

    こんんちは。
    僕は試写会が当たって3Dで見たんですが、3Dホントにすごかったですよ!笑
    トイストーリー3はどっちでも良い感じでしたが、ラプンツェルは絶対3Dの方が良いってくらいでした。最初から奥行きがすごかったです。
    僕個人としては、ゴーテルに関しては同情の余地はあんまり無いです。ラプンツェルを若返りの道具としてしか見てないと思います。最後も直接制裁を加えて落ちたわけじゃないし。
    ただいちいちラプンツェルを歌で呼ぶとことか見ると可愛げのある奴だとも思いますが笑
    あと2人で逃げるシーンは宮崎アニメを参考にしてるなぁと思う所がありました。フリンが出っぱった杭に当たるところとか。
    ジョンラセターが総指揮に回ってからディズニーもホント凄いですね。

  5. ヒナタカ より:

    こんにちは、コメントありがとうございます。
    う~ん2Dで観たことをちょっぴり後悔し始めました。うらやましいです。もう一回観るかなあ。
    >僕個人としては、ゴーテルに関しては同情の余地はあんまり無いです。ラプンツェルを若返りの道具としてしか見てないと思います。最後も直接制裁を加えて落ちたわけじゃないし。
    そうですね、勝手に子どもを連れだし、若返りのために18年間も閉じ込めていたのですから、許すことのできない悪党だとは思います。
    ミュージカルのシーンは確かに可愛げがありました。
    >あと2人で逃げるシーンは宮崎アニメを参考にしてるなぁと思う所がありました。フリンが出っぱった杭に当たるところとか。
    ジョンラセターが総指揮に回ってからディズニーもホント凄いですね。
    宮崎アニメにはアクションシーンの面白さが詰まってますものね。
    ジョン・ラセターさんは偉大です。

  6. ちーず より:

    ラプンツェル見ました‼
    すごい面白かった(^-^)
    私的にはがゴーテルを塔の上から落としたことはそんなに気になりませんでした(^^)
    「彼の傷を治させてくれたら一緒にいる」
    みたいなこと言ってましたし…
    それより私はユージーンとラプンツェルの結婚について気になりました(^^:)
    ユージーンって盗賊じゃありませんでしたか…?
    まぁ、ハッピーエンドなんで満足してるんですけどねo(^▽^)o♫

  7. ヒナタカ より:

    こんばんは。
    ゴーテルは約束を守るようにも見えませんでしたしね。
    ユージーンが王冠を盗んだことはお咎めなしなんですよねw気にしないことにしましょう。

  8. Olivia より:

    ヒナタカさんのオススメと言う事で早速TSUTAYAでレンタルしてきました。
    ディズニーのアニメーション映画は殆ど観ないんですけどこれは凄く良かったです(*’ ∀ ‘*)
    無数の灯りを見るシーンも素敵でした!!!
    あの映像を3Dで観れたらなぁ…

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