『スポットライト 世紀のスクープ』再発を防ぐためにできること(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『スポットライト 世紀のスクープ』再発を防ぐためにできること(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はスポットライト 世紀のスクープです。

個人的お気に入り度:7/10

一言感想:言葉にするのは、辛い

あらすじ

ボストン・グローブ紙のマイク・レゼデンス(マーク・ラファロ)たちによる、少数精鋭取材チーム「スポットライト」は、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。
その長年にわたり隠蔽されてきた虐待のおぞましさ、闇の深さは、彼らの想像をはるかに超えていた……

扉をたたく人』『靴職人と魔法のミシン』のトム・マッカーシー監督作品最新作です。

本作で描かれたのは実際の児童虐待の事件。
映画をよく観ている方であれば、子どもたちが売春宿で性的に搾取される『闇の子供たち』や、ろうあ学校での性的虐待を描いた『トガニ』を思い浮かべるでしょう。

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『スポットライト』を含めたこれらの作品で共通しているのは、性的虐待の加害者たち、そしてそれを隠蔽してきた者への圧倒的な「嫌悪」です。

具体的に何に嫌悪するかと言えば……いや、これはネタバレになるので書くのは止しておきましょう。
なぜなら、新聞記者が調査すればするほど、彼らが信じられないような性的虐待の事実を知ることになるから。
この新聞記者の気持ちは、何も知らない観客の気持ちとシンクロしているのです。

カトリック教の神父の数は多く、この性的虐待を公表することは多くの敵に立ち向かうことと同じ。
それに立ち向かうのは、少数精鋭の新聞記者なのです。

あくまで「新聞記者の調査」だけで物語を作り上げたことが本作の大きな魅力です。
彼らがいかにこの事実を公開するために奔走したか……その苦労をダイレクトに感じられるのですから。

会議をする作品 スポットライト<彼らが新聞で戦います。

弁護士たち+αの名前が覚えづらいので画像付きでまとめてみたよ

本作の難点は、「人物名だけ」が会話で飛び交うため、把握に時間がかかること。
「◯◯って誰だっけ?」とちょっと混乱しがちなのです。
(自分はカタカナの名前を覚えるのが人一倍苦手なので、より大変でした……)

新聞記者の名前と顔、役者名は公式サイトに載っているのですが、何人も登場する弁護士が紹介されていないのは不親切であると感じました。
イントロダクションのページには記者たちのプロフィールが載っています(←ほんの少しだけネタバレ注意)

そんなわけで、以下に「名前だけ」が飛び交う人物をまとめてみました。

マクリーシュ弁護士……(演)ビリー・クラダップ。弁護士の立場から「あること」を告げる。
スポットライト マクリーシュ弁護士画像出典はこちら

ギャラベディアン弁護士(ミッチとも呼ばれる)……(演)スタンリー・トゥッチ。性的虐待の被害者を引き合わせることに協力する。
スポットライト ガベンディッシュ弁護士※画像出典はこちら

ジム弁護士(苗字はサリヴァン、ジミーとも呼ばれる)……(演)ジェイミー・シェリダン。彼は「教会側の弁護士」ということもミソ。
ジム弁護士 スポットライト※画像出典はこちら

サヴィアノ……(演)ニール・ハフ。SNAPという虐待被害者ネットワークに在籍している。
サヴィアノ スポットライト※画像出典はこちら

サイプ心理療法士……(声)リチャード・ジェンキンス。劇中では姿を見せない。

このほかにもいるんですが、会話の中で名前が出まくるこの5人だけわかっていればいいでしょう(ジム弁護士もあまり名前は出てこなかった気がする)。
「マクリーシュ」がイヤなやつ、「ギャラベディアン」がちょっといいヤツ(というほど単純じゃないけど)、「サヴィアノ」は被害者の男性、「サイプ」は声と名前しか出てこないと、脳内変換しましょう。

また加害者である神父の名前が複数出てくるのですが、そのほとんどは劇中で姿を見せないので、とくに覚える必要はないでしょう。

また、不勉強であったので自分は枢機卿(すうききょう、カトリック教会における教皇の最高顧問)という言葉を知りませんでした。
この枢機卿がどのようなことをしていたかと言えば……ぜひ、映画をご覧になって、大いに「嫌悪」してほしいです。

また、バチカン市国がキリスト教(カトリック)の総本山であることも知っておくといいでしょう。

せっかくなので、メインで活躍する記者たちも紹介します。

スポットライトメイン画像
左から、ロビー(マイケル・キートン)、バロン(リーヴ・シュレイバー)、マイク・レゼデンス(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、ベン(ジョン・スラッテリー)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)

このメンバーで把握しておけばいいのは、
・バロン(メガネとヒゲ)が「グローブ紙」の新任の編集局長
・ベン(白髪)がベテランの部長
・そのほかが同紙の少数精鋭取材チーム「スポットライト」のメンバー
であることくらいですね。

自分はパッと見で似ているマーク・ラファロリーヴ・シュレイバーが同一人物だと勘違いしていました(メガネをいつの間にかけた?と思った)。

マーク・ラファロ スポットライト※こっちが主人公格のレゼデンス(マーク・ラファロ)
バロン スポットライト※こっちが新任の編集局長のバロン(リーヴ・シュレイバー)

実際の事件に関わった人物は過不足なく描かれている(これはすごいこと!)のですが……少々不親切さは否めませんね。

G(全年齢)指定であるし、中高生にも観て欲しい

本作は日本でG(全年齢)指定で公開されています。

PG12指定の『闇の子供たち』やR18+指定の『トガニ 幼き瞳の告発』ではやや直接的な性的虐待のシーンがあり、確かに子どもには見せたくないな、と思うところもありました(トガニはいくらなんでも厳しすぎるとは思いますが)。

しかし、『スポットライト』では映像としては性的な描写がいっさいなく、口頭や手紙で性的虐待の事実が語られるのです。

子どもへの性的虐待をするのは、大人だけではありません。
中高生くらいの子どもでも、加害者になり得ます。

本作では、
性的虐待がどれほどおぞましく、
いかに被害者を傷つけるか、
どれほどこの犯罪を繰り返してはいけないかを、
これ以上なく教えてくれるのですから、ぜひ中高生にも観てほしいです。

情報量が多すぎるという欠点も?

性的虐待を直接的に描かないということは、『トガニ』のような生々しい性的虐待シーンがあってこその「加害者への怒りやおぞましさ」を感じにくいということでもあります。
『スポットライト』において被害者の気持ちが語られるのは、あくまでインタビューや手紙での文面のみなのです。

性的虐待を被害者からではなく、新聞記者という第三者の目線から語る作風は意欲的なのですが、情報が多すぎるために「ついていくのがやっと」なことも欠点でしょう。
(会話は皮肉たっぷり、今後の伏線が込められているおかげもあり、退屈はしませんが)。

本作は被害者の気持ちに寄り添う人間ドラマというよりも、『大統領の陰謀』などに代表される、新聞記者が問題に鋭くメスを入れる社会派ドラマ。このことを念頭においてほしいです。

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余談ですが、本作の撮影監督は高栁雅暢という日本人が務めていたのですね(エンドクレジットに大きく表示される)。
これまで『世界にひとつのプレイブック』『ブラック・スキャンダル』も手掛けており、その活躍をさらに期待したくなりました。

もうひとつ余談ですが、本作で描かれた性的虐待事件は『フロム・イーブル』というドキュメンタリーでも題材となっています。

自分は未見ですが、劇中では被害者だけでなく、加害者神父のインタビューも収録されているのだとか……もう腹が煮えくり返りそうな内容だろうな。

(葬式を仏教にのっとって行う以外は)無宗教者が大半の日本においては、教会という組織ぐるみで隠蔽されたこの虐待事件を、どこか「別の国のこと」を思うかもしれませんが、それは間違いです。

日本で起こった、児童養護施設での性的虐待が行われた恩寵園事件、ドラマ『聖者の行進』のモデルとなった水戸事件でも、虐待の事実が隠蔽されていたり、表向けには尊敬されていた人物が加害者であったりしたのですから。

性的虐待は決して他人事ではありません。
本作により性的虐待の事実を知るということは、観客がひとりひとりが「再発を防ぐためにはどうすればいいか」を考えることができるということ。
『スポットライト』がアカデミー賞作品賞・脚本賞を受賞したのは、この「意義」が評価されたためでもあるでしょう。
※監督も以下のように語っています↓
「スポットライト」トム・マッカーシー監督、オスカー受賞よりうれしいのは「問題提起できたこと」 : 映画ニュース – 映画.com

テーマがテーマですので、デートで観るのは少々はばかられるかもしれませんが……それでも、幅広い方におすすめします。
先ほど書いた通り情報量がものすごく多いので、腰をどっしりと据えて、頭をフル回転して観ることをおすすめします。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ いきなりラストに触れる超絶ネタバレなので、ぜったいに鑑賞前に読まないで!

野暮な不満点

性的虐待の被害にあった人々の「救い」が描かれていないのが不満でした。

「スポットライト」というタイトルに即したラスト自体は好きなのですが、インタビューをした被害者たちが記者に感謝などを告げることはいっさいなく、「どうせ君たち記者も僕たちを見捨てるんだろう」と言っていたサヴィアノも映画からフェードアウトしているのです。
(映画の構成上、仕方がないと言えばそれまでなのですが……)

最後にテロップで映し出されたのは、性的虐待が明らかになった市のリスト。
ゾッとするような数が表示されるのはいいのですが……それよりも、被害者たちが少しでも幸せになった姿を観たかったのです。
※実際はアメリカだけでも、被害者に支払った損害賠償は総額40億ドルに上るとのことです。

※以下の意見をいただきました。
ラストがリストを表示して終わるのは素晴らしいと思いました。
新聞はあくまできっかけをつくるだけで、虐待をなくす、された人たちを救うのは、別の話でそれは新聞の仕事なのか 新聞にしか出来ないのか、少なくとも現実に出来てない救いを見せるのは、事実に基づいていません。

また、最後に「眠れなくてさ、最近ホラー小説を書いているんだ」というセリフがあったのは、この事件が並大抵のホラー作品よりも恐ろしいことへの皮肉なんでしょうね。

神父たちの実態

性的虐待をしていた神父が13人いたことが明らかになったとき、ベンは「ク◯だな(Holly Shit)!」だなと口に出していました(めっちゃ同意した)。
神父は本来Holy(神事に供する)な者であるので、その皮肉でもありますね。

そして明らかになる、90人のも神父が性的虐待に関わっていたという事実。
枢機卿は必死に虐待の事実を隠して神父をほかの場所に移し、弁護士はたとえ悪党だと知っていても弁護をしているという事実。
ギャラベディアン弁護士が「教会は何世紀も存在する。新聞が勝てるか?」『教会はなんでもできる』と言ったように、いち新聞社よりもさらに巨大な悪だったのです。

吐き気がするほど腹が立ったのは、神父たちが貧しい家庭の子どもを狙って食い物にしていたということ。
信者にとってその宗教が「絶対」であれば、神父の教えに逆らうわけにはいかない。その子どもの信心を自分の欲望のために利用するとは……憎んでも憎みきれません。

サヴィアノが主張していた「子どもは神父との秘密を守るために虐待を受け入れる。これは肉体だけでなく精神の虐待だ。だから僕らは『生存者(Survivor)』なんだ」という言葉も真に迫ってきます。

ゲイだった青年ジョーが「僕をゲイとしてみてくれたのは神父さんがはじめてだった」「あんな経験をされたのに、男性のことが嫌いになれない」「これ以上は話せない」と涙ながらに語っていたのも辛かった。
彼は約束の1時間前に席に着いていたり、サーシャと握手をする前に机に足をぶつけたりと、落ち着かない様子でした。
きっと、彼は勇気を振り絞ってここまで来たのでしょうね。

神父たちがカトリック教ならではの「禁欲」状態であったこと、その多くが精神年齢が12〜13歳程度にしか満たなかったことも、性的虐待の理由だと語られていました。
中には、「かつて自分も神父に性的虐待をされたから、自分もいたずらをした。だけどレイプではない」と語る神父がいたのもキツかった……。
虐待をされた子どもは、大人になってからまた子どもを虐待するケースが多いので、この負の連鎖を止めなければいけないことも、わかります。

世界同時多発テロのときの神父の演説もいい皮肉になっていますね(実際に「いい演説だな」と皮肉を言われている)。
まっとうなことを言っていても、この映画を観た後だと神父のことを信じられなくなりそうだなあ……。

新しい者だからでこそ

新任の編集局長・バロンはユダヤ人でした。
またマイアミから転属してきたためか、ボストンのしがらみにとらわれてはいないようです。

作中ではパーティなどで「(ボストンの)地元愛」などが語られていますが、それは地元の平和を乱さないような風潮が、このような性的虐待の隠蔽を引き起こしたという皮肉にも思えます。

カトリック教に属する者であれば、この性的虐待の話も「神父様がそんなことをするはずがない」と疑う者がほとんどなのでしょう。

性的虐待の闇の深さを見抜いたのは、就任したばかりのバロンでした。
ユダヤ教という異なる宗教に属し、かつ「よそ者」のバロンが来たこそ、この事件は明るみにできたのでしょう。
「古くからの悪しき体制」を変えられるのは、いつも「新しい者」なのかもしれません。

インターネット

序盤でマイクは「近頃はインターネットに紙媒体が押されて〜」とぼやいていましたが、記事の発表の時にはネットワークを通じた、被害者たちへの情報発信ができていたようです。
映画のオープニングである1980年代では考えられないこと。紙媒体、インターネット媒体、それぞれに役割があるのでしょう。

遅かった、だけど……

ロビーは新任のとき、虐待の証拠が新聞社に送られてきていた(でも引継ぎ時のために記事にしなかったこと)を告白します。

それを聞いた、バロン編集局長はこうチームに告げました。

「闇の中を手探りで歩き、光がはじめて照らされた。
私がここに来る前には何が起こったかも話すことはできなかったが、君たちは良い報告をしてくれた。
記事は読者にすぐに衝撃を与えてくれるだろう。
君たちにも休暇は必要だ。また月曜日から仕事をしてくれ」

残酷なのは、この後に「2週間前に性的虐待にあった児童」を映し出していたこと。
マイクが「いまも子どもたちが狙われているんだ!いま記事にしなければならない!」と声を荒げていたことは当たっていました。
早く告発できていれば、何人かの子どもたちを助けられていたかもしれないのです(もしそうすると、元凶であるヴァチカンの枢機卿を訴えることはできなかったのですが……)。

しかし、ラストでは……
スポットライトのチームが、日曜日にもかかわらず編集部に来て、記事を読んだ被害者からの電話の対応を行っていました。

チームは「もっと早く救えなかった」ことを悔やんだ。
だけど、「スポットライト」のチームの名前の通り、記者としての行動が、深い闇のある性的虐待の事件に、光をあてることができた。
ひとりでも多くの子どもを救うため、光をあてるために、休んではならないとー。

ジャーナリズム精神というだけでなく、深き闇に光をあてる「正義」をみることができたラストシーンでした。

さらに加害者に憎悪してしまう『トガニ』のレビュー↓
世界に変えられないように「トガニ 幼き瞳の告発」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

おすすめ↓
1000件以上黙殺されていた神父による児童への性的虐待 ニューズウィーク
子どもへの性的虐待に関する司教メッセージ
町山智浩 映画『スポットライト(Spotlight)』を語る

Photo by Kerry Hayes (C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

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  1. ラリーB より:

    アカデミー受賞作品にこんな事を言うのは大変恐縮ですが、正直僕はイマイチでした。
    扱ったテーマ自体は勿論これ以上ないものですし、腐りきったカトリック殉教者どもを反発に遇いながらも、告発したその勇気は称賛されて然るべきだとは思います。
    ですがそれが物語の面白さに繋がっているのかと聞かれると…正直微妙です。
    本作はG指定なので直接的な性描写が描けない分、被害者の生々しいインタビューでしかそれが分かりません。
    確かにその演出は間違ってはいないと思うんですが、この作りなら正直
    物語ではなくドキュメンタリーで作った方がもっと真に迫った作品になれたと思うんですよ。
    謎に迫っていく上で巨悪を追い詰める為に形振り構わず情報を集め
    やがて自分も闇に染まる『凶悪』みたいな作りにしろとは言わないですが
    真実に進む過程でもっとドラマが欲しかったな…と思わずにはいられなかったです。
    この映画はほとんど事実ではあっても一応フィクションなので
    多少はエンタメ要素を上乗せしても良かったのでは…?とは思いました。
    なのでマーク・ラファロ氏演じるマイクが裁判所でたらい回しにされた挙げ句
    「金やるからお前のコピー機使わせてよ」とイラつくシーンとかは見ていて好きでした。
    あとどうしても気になったのがボストン・グローブの利益にならない以外に
    何でニューヨークタイムズに情報嗅ぎ付けられるとまずいのか一切説明が無かったのは気になりました。
    (タイムズがカトリックお抱えの…みたいな描写も無かったですし)
    結局そこはビジネスなんだね…と冷めた目で見てしまいましたし。
    この作品を作った志は買いますし、彼らの功績は当然讃えられて然るべきだとは思います。
    しかし本作は「マッドマックス 怒りのデスロード」「マネーショート 華麗なる大逆転」「オデッセイ」「ルーム」のような大傑作たちに勝ったとされる作品です。
    受賞によってハードル上がってしまったのは不幸だと思いますが
    やはり上記の作品を超える何かを見せて欲しかったと言うのが正直な感想です。

  2. ロロ・トマシ より:

    こんにちは、26歳の映画ファンです。昨日、『ルーム』とともに観てきました。
    私もラリーBさんと同様にイマイチのれませんでした。
    映画の題材は衝撃的ですけどね。
    ・不満点
    この作品は129分という上映時間でとにかく取材と会話のシーンが続きます。真相を追及するという点では多くの取材が重要であることは理解できます。しかし、絵的に同じようなシーンが続くので、後半は飽きてしまいました。
    個人的に印象に残るようなシーンがあまりなかったこともマイナス評価に繋がっています。映画なのですから、映画にしかできない表現をしてほしかったです。
    ラリーBさんも仰っていますが、数ある傑作たちの中からアカデミー賞作品賞を受賞したのですから、期待値も上がります。もっと何か突出した光るものがあれば良かったと思います。
    ・良かった点
    被害者の話だけで性的虐待の恐怖を表現した点は良かったです。映像で見せるより観客の想像力に訴える手法はより恐怖心を抱きます。被害者を演じた俳優の話し方や、言葉の間合いも迫真でした。
    また自身の新聞社で過去に虐待の証拠が来ていたのに、協会と同様、真相を葬り去っていたことは衝撃的でした。協会だけではなく、主人公たちの新聞業界にも非があったことによって、「隠蔽とはどこの組織でも行われる可能性がある。そして組織の意識だけではなく、個々の意識の問題でもある」ことを実感しました。
    最後のセリフ「スポットライトです」で暗転するのも好きです。

  3. 匿名 より:

    ラストがリストを表示して終わるのは素晴らしいと
    思いました。
    新聞はあくまで切欠をつくるだけで
    虐待をなくす、された人たちを救うのは
    別の話でそれは新聞の仕事なのか
    新聞にしか出来ないのか
    少なくとも現実に出来てない救いを見せるのは
    事実に基づいていません。

  4. ヒナタカ より:

    > ラストがリストを表示して終わるのは素晴らしいと
    > 思いました。
    みなさんコメントありがとうございます。
    やはり会話の応酬で終わってしまうのはやや賛否ありますね・・
    新聞はあくまで切欠をつくるだけで
    > 虐待をなくす、された人たちを救うのは
    > 別の話でそれは新聞の仕事なのか
    > 新聞にしか出来ないのか
    > 少なくとも現実に出来てない救いを見せるのは
    > 事実に基づいていません。
    ご意見ありがとうございます。追記させてください。

  5. 匿名 より:

    私は無宗教な人間なんですが終盤の「教会を信じる事は出来ないが信仰は消えない」というセリフが印象的でした。記者達によって教会の組織ぐるみの犯罪が明るみになってもなお、キリスト教に対する信仰はあって当たり前な位日常に溶け込んでいる事、またキリスト教という組織の巨大さも実感しました。
    最初に警察沙汰になってから約30年後にスポットライトが当てられましたが、監督が問題提起という言葉を使っているあたり、今日まで神父による犯罪は続いているのでは?と邪推してしまいます。これからも「スポットライト」を当て続ける事が被害者を減らす第一歩なのかな、と思いました。
    話は変わるのですが終盤のヒゲの編集者のセリフは「眠れないからホラー小説を書いている」ではなかったでしょうか。自宅のすぐ近くに容疑者とおぼしき神父がいる療養所があったことから、日常に溶け込んでいる恐怖(想像ですが)みたいなモチーフで書いているのかな?と記憶していたので….。記憶違いでしたら申し訳ありません。

  6. 毒親育ち より:

    個人的に宗教団体を「悪質神様ファンクラブ」と呼んでいる性質ですが、恥ずかしながら初めてこの事件を知ったのは『※スーパーマン フォー・トゥモロー』でした。
    ※ある日世界中で100万人が突然消える事件が発生して一年余り。その中にスーパーマンことクラーク・ケントの最愛の人ロイス・レインもいた。同じころメトロポリスの一角に建つ教会のレオーネ神父はカトリックを揺るがす児童虐待事件を起こした神父達の一人と同姓同名だったというだけで、信者に去られ。偏見と孤独の中で自身の神への信仰までが揺らぐ苦悩のを日々を過ごしていました。そんな二人が出会い・・・なお話しです。
    名作『あなたを抱きしめる日まで』を思い出しすますが、アレに比べれば溜飲が下がったのと『ボーダライン』の後だったので「拳銃突きつけて都合良く黙らせないだけ腐っても神の使途かな・・・」と思ったのですが、やっぱり脳内がビキビキ・・・。
    >マイク・レゼデンス(マーク・ラファロ)
    超人ハルクしてる時よりヒーローしてたような!?
    >この新聞記者の気持ちは、何も知らない観客の気持ちとシンクロしているのです。
    掘れば掘る程出てくる出てくる・・・なんでこんなになるまで放っとくのよ枢機卿!?
    >フロム・イーブル ~バチカンを震撼させた悪魔の神父~ : 松嶋×町山 未公開映画を観るTV [DVD]
    >加害者神父のインタビューも収録されているのだとか……もう腹が煮えくり返りそうな内容だろうな。
    無反省どころか、被害者と和解してハグしてキスしたい言ってるとか・・・これは生半な覚悟で観ない方が良いかもしれません。
    >観客がひとりひとりが「再発を防ぐためにはどうすればいいか」を考えることができるということ。
    サイプ心理療法士の「教会は人が作った組織だ。いつか滅ぶ。だが信仰は永遠だ。それを分けて考えられるよう努力している」という言葉は響きました。
    腐れ外道坊主ども=カトリックでも教会でもないじゃん。守る者間違えてこの有様だよ枢機卿!?
    >~野暮な不満点~
    ライトを当てるだけ。なんですね。
    正義感を燃やし過ぎるとミイラ取りがミイラになりかねませんしね。
    あと。ほんとに野暮ですが「世紀の大スクープ」て日本版副題はいらん!
    >~神父たちの実態~
    >僕をゲイとしてみてくれたのは神父さんがはじめてだった
    同性愛や小児性愛の是非の問題でなく。幼い子が尊敬や信頼を寄せていた相手。性交渉を求められても「恋人」として想いを寄せていた相手であり。向うも自分と同じように自分を愛してくれていると信じていたら。ただの「獲物」というか・・・自慰行為支援器具程度の存在でしかなかったとか・・・。そのショックを考えて欲しいと思いました。
    ・・・想像出来ないからこんな事をするのでしょうか。
    >神父たちがカトリック教ならではの「禁欲」状態であったこと、
    >その多くが精神年齢が12〜13歳程度にしか満たなかったことも、性的虐待の理由だと語られていました。
    こんな有様な連中が「同性愛者は神様が認めてないから人間じゃない」とか堂々と言っていたり、私を部屋に有る漫画や映画DVDと一緒に燃やしたがってるのかと思うと他人事じゃなく脳内がブチブチ鳴ってます・・・。
    >中には、「かつて自分も神父に性的虐待をされたから、自分もいたずらをした。
    >だけどレイプではない」と語る神父がいたのもキツかった……。
    本当に。火炎放射器で消毒したくなるような腐れ外道を出された方がマシでした・・・。
    「悦びはなかった」って、そういう問題じゃねえーッ!!
    >~新しい者だからでこそ~
    「示談で儲けている」と言われ。悪役のようだったマクリーシュ弁護士ですが、かつて教会と戦おうとした人だったのですよね。そしてその時は他でもないグローブ誌に真実を揉み消されていたと知った時は、この人を外道として見ていた事を反省しました。
    思えば。弁護士は正義の味方でも、法の守護者でもなく。「依頼人の味方」で在るべきが原則。『ブリッジ・オブ・スパイ』での教訓をすっかり忘れていました。
    おそらく彼は腐れ坊主どもに土下座させてやる!なんて100%負け戦よりは、僅かでも被害者の受けた苦痛の代償を毟り取ってやる!という。95%負け戦を選び。ずっとその悲惨で孤独な戦いを続けて来たのではないかと。
    >~インターネット~
    劇中。神父が日曜ミサの説法でインターネットリテラシーについて語っているシーンはブラックジョーク過ぎました。
    アカデミー賞はもっとみんなが、ハラハラドキドキ楽しくゲラゲラ笑える純粋娯楽作に取って欲しいとも思ってますが、教会が権力と化している国でこんな映画が大賞を撮れる事は素直に素晴らしいと思います。

  7. スバル より:

    ホラー小説は読んでるのではありません。
    書いていると言っていました。

  8. ヒナタカ より:

    > ホラー小説は読んでるのではありません。
    > 書いていると言っていました。
    修正します!

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