『ソーセージ・パーティー』新たな価値観を求めて(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『ソーセージ・パーティー』新たな価値観を求めて(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はソーセージ・パーティーです。

個人的お気に入り度:7/10

一言感想:意外とマジメじゃね?

あらすじ

スーパーマーケット「ショップウェル」にて……ソーセージのフランクは、想い女のパンのブレンダと結ばれてホットドッグになることを夢見ていた。
しかし、食材たちは人間たちに連れて行かれる先で、自分たちが食べられてしまうことを目の当たりにする。
命かながら逃げ出したソーセージのカールは、なんとかフランクたちにこの事実を伝えようとするが……

3DCGアニメなのに下ネタ、エロ、グロ、てんこ盛りでR15+指定!
そんなコンセプトだけ知っていれば、これ以上の説明はいらないね☆そんな映画です。

本作の魅力については、以下にも書きました。
オゲレツ!エロ!グロ!『ソーセージ・パーティ』をオトナに観て欲しい5つの理由! | シネマズ by 松竹

要するに

  • 主人公とヒロインが生殖器っぽい!最低!(褒め言葉)
  • お下品コメディを得意とするセス・ローゲンを始め、キャストとスタッフが豪華だよ!
  • 知っていれば爆笑必至の映画パロディもあるよ!
  • 社会の多様性、および宗教を描くという深いテーマ性もあるよ!
  • クライマックスが最低!(最高!)

ということです。
記事に書き忘れていたけど、音楽担当が『アラジン』や『美女と野獣』のアラン・メンケンなんですね。大御所に何やらせてんねん!

以上のことをシャレとして受け入れらる人にとっては本作は大いに楽しめ、エロや下ネタはダメという人にはマジでダメということです。
こんなに紹介しやすい、わかりやすい映画もないよね!

アニミズムをこんなに悪趣味にしちゃったよ!

本作の根底にあるのは、「すべての物質には霊魂が宿る」というアニミズムです。
『トイ・ストーリー』でおもちゃが生きてしゃべるという形でアニミズムを描いたことと同じように、『ソーセージ・パーティ』でも食材たちを「擬人化」しているのです。

悪趣味(褒めてる)なのは、そんな「生きている」食材たちを「食べる」ことを残虐極まりない行為として描いていることですね。
『トイ・ストーリー』は「おもちゃがしゃべって、僕たちを大切に思ってくれているかもしれない」という夢を持たせてくれる作品なのに、『ソーセージ・パーティ』は「お前ら人間は残酷だ!」と訴えているというわけ。

やめてくれよ、これじゃあ今後何かを食べるときに罪悪感を持っちゃうじゃないか!
エロ、グロ、下ネタを抜きにしても、こういう面でも子どもが観てしまったらいろいろこじらせそうですね(笑)。やっぱり大人だけが観るべきだよ!

意外と序盤はおとなしい?

本作の難点は、序盤が意外とおとなしくて、ちょっと展開がもたついていることでしょうか。

これは視点が「世界の謎を解くチーム」と「人間に捉えらたチーム」の2つに分かれたせいでもあります。
予告編で観られる、(ジャガイモの)皮が剥かれる、(口の中でソーセージの)子どもの体がバラバラになる、(熱湯で茹でる)拷問をされ続ける大☆期☆待のシーンもちょっと出てくるのが遅め。このへんで物足りなさを覚える人も多いのかもしれません。

でもそれは、キャラクターの関係性や世界観をしっかりと描いているということ、最低(褒め言葉)のクライマックスの布石になっているということでもあります。
序盤で「意外とマジメで下品でもないじゃん」という感想を持った方は、ぜひ終盤との「落差」にも注目してほしいですね。

それにしても、あらためて上映劇場が6つしかないのはもったいないですねえ……。
こんな悪趣味(褒めてる)なアニメ映画をシネコンで観られるチャンスを逃すのはもったいないですよ。おすすめです!

↓以下のネタバレは観る前に読むんじゃないぞ!

ガムに銃は効かない

序盤の『プライベート・ライアン』の上陸シーンのパロディも衝撃的でしたが、終盤もヤバかったですね。

長い名前を持つ、通称「ガム」の教授っぽいキャラは、銃弾を思いっきり喰らいますが、「ダダッダッダダ!」というテーマとともに元どおりの形に戻りました。
『ターミネーター2』のT-1000(液体金属ターミネーター)やないか!

しかもその時のセリフは「物質の総量は変化しない、覚えておくんだな」
かっ、かっけええええ!当たり前のことしか言ってないけどかっけえ!

天国とはそこにあった!→乱行パーティ!

作中では、
「言葉より態度が全体の総意になる」
「私たちはルールに縛られていて自由になれない」
「(人間との)共存の道がきっとあるはずだ」
など、さまざまな価値観が渦巻いていましたが、結局人間たちを追い出すorぶっ殺して、みんながみんなセックスしまくってハッピーエンド!というのが最低……じゃなかった、最高でしたね!

レズビアンやゲイも含め、偏見やらルールやら宗教やらに縛られず、ヤッちまえばみんながハッピー!なんと素晴らしい映画なんだ!

なお、ラバシュはトルコやイラン、ベーグルは東欧系ユダヤ人の食べ物です。
つまりはまったく別の場所(宗教や価値観も違う)食べ物なんですけど、やはり彼らもゲイ同士でセックスしてハッピーになるというのがいいなあ。エロは世界を救います(マジメ)。

短小のためみんなにバカにされていたソーセージのカールが、はじめに人間(神)をぶっ殺せることに気づき、みんなの価値観をひっくり返したというのもいいですね。
世界を変えるのは、いつも勇気を出した者の行動なのかもしれませんね。

メタネタのオチ

最後の最後には、食材たちがアニメの世界にいることに気づき、現実の世界に行きました。まさかメタ構造をオチにするとは……。
いやいや……こいつらが現実に行くと、それこそ世界を侵略してしまわないかと心配になります(笑)。

そういえば、スーパーマーケットに根付いていた「人間は楽園に連れてってくれる」という価値観は、食材の先人たちが勝手に考えたものにすぎませんでした。
その限られた場所で真実を知り、ラブ&ピース(セックスでみんなが幸せ!)的な価値観を得た食材たちが、それこそ最後に別の地(新大陸)を求めるのも当然かもしれませんね。いかにもアメリカ映画らしいラストでした(そうか?)

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  1. よしだ より:

    腐らないという都市伝説でおなじみのトゥインキーが長期保存食品のグループで出てきたのに笑いました(笑)
    ジュース(ユダヤ人)を根絶やしにしようとするザワークラウトや、ホースラディッシュに乗馬したりと食べ物ネタが細かく上手で楽しかったです。

    しかしラストの乱交パーティはヒドかった(誉め言葉)…。

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著者

ヒナタカ

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