『貞子vs伽椰子』最強ギャグホラー映画がここに誕生!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『貞子vs伽椰子』最強ギャグホラー映画がここに誕生!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は貞子 vs 伽椰子です。

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:白石監督はあたまおかしい(超褒めてる)

あらすじ

貞子と伽倻子を戦わせて、『リング』と『呪怨』の両方をほどよく冒涜する話。

最高です!

もうね、細かいことはどうでもいい。
本作のすばらしいところは以下にまとめました。ネタバレはありません!
<『貞子vs伽椰子』は世界中を幸せにする傑作だった!必見である15の理由を全力で語る! | シネマズ by 松竹>

ようするに、
・観る前のネタバレは厳禁だ!
・エンドロールの最後までしっかり観よう!
・観終わった後に周りの観客の幸せそうな顔を見よう!

これだけ知っていたらいーんです!

正直に言うと不満もあるんですよ。
対決のための布石を張りまくる展開はやや間延びしているし、「さっさと逃げろよバカ」というツッコミどころが無尽蔵に押し寄せてくるのはもうちょっとどうにかしてほしかったです。
格調高さなんていっさいない、安直なお化け屋敷映画と言っていいでしょう。

でもそれでもいいんだよ!
俺が観たかったのは!
「今度の貞子は新たなる能力を使うんだぜ!」「伽倻子は俊雄とタッグを組むんだぜ!」な、男の子が話す「どっちが強い議論」を具現化してくれたことなんですよ!

もうワクワクしてしょうがないのは、公式サイトに貞子と伽倻子の能力パラメーターが載っていることですね。

貞子の能力値
公式サイトの「作品情報」に載っているよ!

ありがとう・・・ありがとう・・・。
観たかったのは、こういうのだったんだよ!

※以下は試写で見たときの興奮です。

まあ何より、本作の最大の魅力は腹筋が締めつけられて呼吸困難になるほど笑えることですよ!
「ヒィwヒイw」と声が出まくって周りに迷惑かと思ったけど、もうこの映画はこれでいいと思う。ぜひジャンジャン笑いましょう。

この「いい意味で酷いホラーシーンを観てニコニコできてしょうがない」というのは、『スペル』や『ピラニア3D』に匹敵、いやそれを超えていました。
あ、そうそう「ホラーなのに笑える(笑うしかない)」ということを聞いて、あのスットコドッコイな大駄作『貞子3D』を思い浮かべる方も多いでしょう。

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※アマゾンレビューは大炎上。

レビューはこちら↓
「ループ」を待っていた結果がこれだよ!「貞子3D」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
オチなしヤマなしイミなし 映画「貞子3D2」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

でも今回は映画としてのクオリティは高く、ちゃんと真面目に怖いシーンもあるのです!
『貞子3D』『貞子3D2』のお話のほうはトイレの紙よりうっすいものでしたが、今回は「貞子と伽倻子が戦う」までの過程に十分に説得力を持たせています。
貞子3Dなんかと比べると月とスッポンなんてもんじゃないよ!

いやーしかし、白石晃士監督はあたまがおかしいですね(超褒めてる)!
あのラストのアイデアもそうなんですが、佐津川愛美に必然性のない酷い目に合わせるとか、ほんとうにちょっとどうかしているよ!

右の子は酷い目にあいます<右の女の子は合法的にセクハラ&パワハラを受けます。

佐津川さんは『ヒメアノ~ル』に続き体を張りまくるすばらしい女優さんですね。これからも応援します。

ついでなので、白石監督のあたまがおかしい例をひとつ紹介しますね。
『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-01恐怖降臨!コックリさん』では、あたまのネジが全部吹き飛んだような迷(名)言が飛び出したりするのです。

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予告編でも以下のセリフが確認できます。
(コックリさんに向かって)「コックリのク◯野郎!」
「ケンカはなあ、全部同じだ。押し付けられたルールで勝てるか!ルールは自分で作るんだよ!」(コックリさんのルールを無視)

そして「コックリの野郎てめぇできるもんなら呪ってみろよ!俺がボコボコにしてやっからよ」
とまで言いいます。基本的に物理攻撃で幽霊に立ち向かうとかとんでもないよね!(笑顔)

なお、『リング』『呪怨』シリーズを観ていなくてもまったく問題なく楽しめますが、観ていると本作が両シリーズをいかにほどよく冒涜しているかがわかってより楽しいと思う(でもちゃんとリスペクトもあるよ)。
時間がない方でしたら、『リング(1作目)』と『呪怨(オリジナルビデオ版)』だけでも観てみるのをおすすめします。

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※両シリーズでもっとも怖いのは、この原点の2本だと思う。

まあぶっちゃけ、「2大ホラーキャラが対決」以外には深みもなんもないので、冷静に考えれば6点くらいな映画のような気がします(え?)
それでも自分は「みんなが幸せになる映画を作ってくれてありがとう」と心から感謝を告げる気持ちになったのですから・・・これを傑作と言わずして、何が傑作だと言うのでしょうか。

しかも7月2日(土)には『トイレの花子さん新章~花子VSヨースケ~』が公開されるんですって!
こんなに幸せなことがいくつも起きていいんでしょうか?(ハンターハンターのコムギっぽく)

2回目の鑑賞で気づいたことが多い!

さてさて、じつは本作をもう一度鑑賞してきましてね。
一度目の鑑賞のときには「二大ホラーキャラがバトる!ギャハハハハハー!」「最後に◯◯!腹痛えーー!」という短絡的な印象っばかりでしたが、今回はまったく違う感想になりましてね。
これは単なるホラー映画でもお祭り映画でもない、コミュニケーションの問題を鋭く描いた人間ドラマであると思ったのですよ(本気)。
いや、マジでこれは脚本がよくできています。

あとね、やっぱりこれ怖いなあと。
1度目はネタ部分のおかげであまり考えていなかったのですが、じわじわくるホラー演出は洗練されているし、「あ、これどう考えても終わったわ」という絶望を与えてくれるのがじつにうまいんですね。
あんまりホラーが得意でない大学生の妹を無理やりいっしょに鑑賞させたのですが、マジで怖かったようでごめんよー!

映画は最低でも2回観なければ、作品を真に理解したことにならないと改めて思った次第です。
(たとえば、『PAN ネバーランド、夢のはじまり』は1回目の鑑賞では敵キャラの本当の気持ちに気づけなかった)

まあとにかくオススメ。ていうか絶対観ろ。
誰かといっしょに観れば、その後の会話は花が咲きまくるどころか満開になるでしょう。

聞いた話によると4D(いろいろな効果があるアトラクション的上映方式)上映と相性がいいそうですぜ!こちらも要チェックだ!

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

オープニングはハリウッド版『ザ・リング』?

オープニングで貞子が瞬間移動したのは、ハリウッド映画版『ザ・リング』の逆輸入ですね。

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いきなり物理法則を無視するこのオープニングはいやな予感がしましたが、その予感は当たってるっちゃ当たっていました。

呪いのビデオのルール変更

『リング』シリーズの呪いは「観た者は一週間後に死ぬ」というものでしたが、今回は2日で死にます
おかげで展開がスピーディ!これがいま流行りの時短ってやつですね!(違う)

あと、今回のビデオには「自殺をさせる(してしまう)」呪いもあったんですが、佐津川愛美が「貞子から逃れるために」自殺をしたのを見て、安藤政信が「自殺しても逃れられないんだ」とほざくのはなんか矛盾してね?まあ細かいことはいいか。

※以下の意見をいただきました。
自殺の絡みは、腕に毛が絡みついていましたし、周囲からは自殺に見えるだけで、呪いによって強制的に引っ張られていた=呪いによる殺害(物理)。で、呪いの期限前の自発的な自殺は呪いの意図するものではないので、強制的にねじ殺されると自己完結してました。

あと、安藤政信は高額な報酬を要求する霊媒師だったのですが、なぜかDVDへのダビングは引き受けてくれていましたね。じつはツンデレなのかもしれない。

呪いを回避するには・・・

今回は「ビデオを誰かに渡して見せるだけで呪いを回避できる」というルールも言及されました(実際は逃れられない)。
で、ビデオを観た大学教授(甲本雅裕)は「いや君(山本美月)から受け取ったから、ビデオを観た彼女(佐津川愛美)は逃れられないよ」とほざきます。それがわかってんだったら彼女からちゃんと受け取れや!

で、「ビデオをダビング(コピー)して誰かに見せれば呪いを回避できる」というルールも登場するのですが・・・。
佐津川愛美はこの呪いのビデオを動画共有サイトにアップロードしてしまうのである!
(大学教授が言った「呪いのビデオみたいなもんがあれば、いまごろ誰かがネットにアップしているよね」というのも伏線だった)。

しかもそれは、佐津川愛美が授かり婚(できちゃった婚)で生まれたという「負い目」を持ち、「自分だけがこんな目に合うのはいやだ」という勝手な思いによる行動だった。
そんな、人間の悪意のおぞましさがしっかり描かれていたのです。

このネットにばら撒かれた動画の顛末が描かれなかった(しょうがないとだけ言われる)のはやや残念ですが、エンドロール後の「アレ」が世界中に観られるようになってしまった、というのはめちゃくちゃ恐ろしいかも・・・。
これは、世界の終わりなのかもしれません。

笑いの瞬間風速がかけぬける!

「俊雄が家の中で小学生をひとりずつ丁寧にぶっ殺す」「伽倻子がお父さんの頭を掴んでのび~る」「クライマックスで安藤政信が吹っ飛ぶ」などの笑えるシーンがいっぱいありましたが、とくに凄腕の祈祷師の女性が登場したときはヤバかったですね。

なんと、貞子を呼び出す(ハァ?)という名目で、佐津川愛美にあふれんばかりの水を強制的に飲ませ、強烈なビンタをさせるのである!
これ白石監督が彼女をイジメたかっただけだろ!ついでに山本美月にもビンタを浴びせているやんけ!

で、当の貞子は佐津川愛美に憑り付いて動き出します(お前そんな能力なかっただろ!)
なんかとなりにいた祈祷師の弟子がセルフ首折りで自殺します

そして、祈祷師の頭突きにより大学教授が脳漿ぶちまけて死ぬシーンは腹筋が壊れるかと思いました。
こんな破壊力を持つ頭突きは観たことねえよ!G(全年齢)なのに何やってんねん!(単なる頭突きだったら死んだことが伝わらないからね)

で、安藤政信の弟子の盲目の少女は、死んだ大学教授を見て開口一番。
「この人すごい無駄死にだね」

この発言に、山本美月が真面目に怒っている(そりゃそうだよ)のがまた笑いを誘うから困る。
ネタにマジレスってこういうことだと思いました。

オチは……

オチには感動して涙がでてきたわけですが、これは白石監督作品を観ているとさらにうれしいですねえ〜。
盲目の少女がサーモグラフィー的に見ているのが、「アレ」だったもん。
どういうことかと知りたい方は、『ある優しき殺人者の記録』(R15+指定)あたりを観ることをおすすめします。

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オチ自体は、これはこれで「究極の男の子の夢」でしたね。ありがとう、本当に幸せにしてくれて(大感謝)。

……さて、

以下からは、2度目を見て気づいたこと、『貞子 vs 伽倻子』がどのようにコミュニケーションの問題を描いていたかを解説します。
あの衝撃のオチまで全部ネタバレしているので、ぜったいに映画を観ていない方は読まないでください↓
しかも最後の最後に白石晃士監督の『ある優しき殺人者の記録』のオチのネタバレもあります(事前に警告あり)

自己中心的な夏美

夏美(佐津川愛美)はコミュニケーションに問題のある女性です。

そもそも呪いのビデオを観てしまったのは、彼女が親友の有里(山本美月)に結婚式のビデオのダビングを頼んだからです。
しかし、呪いのせいで祈祷師の女性も大学教授も死んでしまったとき、夏美は「全部友里のせいだからね」と責任転嫁をしています
(確かにデッキに入っていたビデオを観ようと言ったのは友里なのですが、「全部」ではないはずです)

そのくせ、「なぜ私だけ(←ビデオを見てくれた友里のことを考えていない!)がこんな目に合うの」と思って、世界中に呪いをかけるためにビデオを世界中に配信してしまう……。
(夏美は大学教授にも「先生も観ればいいじゃないですか」と提案していましたね)

彼女のコミュニケーションは、極めて自己中心的で、自分以外の人のことを考えていない……いや、それどころか自分以外の人が不幸になってもいいと思っている、悪しきものなのです。

土足で人の心に踏み込む経蔵と珠緒

霊媒師の経蔵(安藤政信)は、「誰がお前のために除霊をするかよ」「フッ冗談だよ」などと言っており、人の気持ちがわからなそうな不遜な男に思えました。
相棒の珠緒(菊地麻衣)も、死んだ大学教授に「この人すごい無駄死にだね」と、呪いの家から助け出した鈴花(玉城ティナ)に「この子すぐ死んじゃうね」とほざく不遜な少女でした。

しかし、この珠緒の発言に経蔵は「こら!」「そんな言いかたするな」とちゃんと怒っています。
さらには、経蔵は高額な報酬をもらっていたはずなのに、友里から結婚式のビデオのダビングを頼まれると「しょうがねえなあ」と言いながら引き受けています。
経蔵はじつは依頼者の気持ちを慮る性格であり、不遜な発言はただのツンデレなんでしょうね(笑)。

経蔵と珠緒が部屋に来たとき、友里が「部屋へも土足で入られるのかと思った」と言ったシーンもありました。
やはりこういう「土足で人の心に入るような」不遜な言葉は人を傷つけるものですから、避けるべきだと教えてくれます。ツンデレも現実のコミュニケーションだと面倒くさいだけだよね。

このふたりは基本的に空気を読まない<ふたりともツンデレなのかもしれない。

両親に話すべきだった鈴花

鈴花(玉城ティナ)は同級生や珠緒からさんざん「(呪いの)家に入るな」と言われたのに、なぜ入ってしまったのか……と言えば、行方不明になった小学生4人組を見かけていたものの、ちゃんと話しかけずに去ってしまったという負い目があったからでしょう。
(呪いの家の窓に小学生の後ろ姿が見えたからこそ、鈴花は家に入ってしまった)

また、鈴花は初登場時、父親に「引越しは嫌だったよ……ううん、冗談」と明るく答えていました。
鈴花はとてもいい子で、両親を困らせるようなことは言いたくなかったのでしょうね。

でも、鈴花がこの小学生や呪いの家のことを話していなかったために、追いかけてきた鈴花の両親は死んでしまったのですが……
家族間では、たとえ言いにくいことであったも、問題を話しあったほうがいいのかもしれません。

また、序盤に夢オチがあったのもうまかったですね。
この対比として、両親の死後、目覚めた鈴花は経蔵から「これは夢じゃないぞ」と「現実」を思い知らされるのですから……。
夢オチは基本的に好きじゃないのですが、使い方しだいで素晴らしい効果を生むのですね。バットマン vs スーパーマンとは大違いだぜ!

いじめられっ子の報復

3人の小学生が、ひとりのランドセルに石を入れたりしていじめているのは胸糞が悪かったですが、その子が石を2度もぶつけて(コントロール抜群)一矢を報いるのがうれしかったですね。

だけど、このいじめられっ子は俊雄に出会ってからいじめっ子に報復するようになった、つまりは俊雄に操られていたように見えます。
(いじめにはこうした物理的な報復ではなく、別の方法で立ち向かうべきですよね)

しかも、最後にこのいじめられっ子を襲ったのは、俊雄ではなくて伽倻子の手だった。
親子の連携プレーがうますぎて怖いなあ。

有里の成長

有里(山本美月)は、初めて呪いのビデオを観る前に「夏美は労働担当、私は技術担当ね」と言って、夏美に「勝手に決めないでよ」と返されていました。
しかも夏美がビデオを観ている最中、友里はスマホのLINEをよそ見しているんですよね。

彼女は頼まれごとを引き受ける気のいい性格をしているように思えて、勝手に役割分担を決めたり、肝心なときに別のものに気を取られたりと、一定の線を引いて他人(親友)と関わろうとはしない面もあるのではないでしょうか。
(そもそもビデオのダイビングを引き受けたのも、親友のためというよりも「学食5回ぶん」というモノで釣られたからです)
(そういや友里の初登場シーンは大学の講義で寝ているシーンだったな……興味がないものを適当にすます性格なのかも)

しかしそんな彼女も、自分たちのために奔走してくれた教授が「無駄死に」と侮辱されると本気で怒ります。

さらにビデオを観たあと、夏美に「なんてバカなことをしたの?」と言われた友里は、「バカなのはもとからだよ」と返しています
これは、夏美にしっかりと関わっていないかったことを反省してのセリフでしょうね。

涙が出そうになったのは、友里が両親を失った鈴花に、「ごめんね、勝手にお茶いれちゃった」「私も怖いよ」というシーン。
ここでは友里は「ごめんね」と謝りながらも、親密に他人と関わろうとしていることがわかります。

↓以下はあの大オチがネタバレ。まだ本作を観ていない人は引き返すんだ!

じつはハッピーエンド?

ラストは貞子と伽倻子が合体!ギャハハハー!って思っていました。
対決ではなく、共通の目的のために競合する。これもコミュニケーションにおいて大切ですね(笑顔)。

で……これ、貞子と伽倻子だけでなく、有里(山本美月)とも合体しているような気がします。

最初は井戸の上で貞子と伽倻子が大ジャンプ★して合体したんだけど、そこでは気持ち悪い細胞の塊になっていた。
で、その後にこの細胞の塊が井戸の底にいた有里に落ちてきた。
そして井戸から這い出てきたのは「貞伽倻」だった。
っていうふうになっているんですよ。

はじめは「貞伽倻」が誕生して世界が終わるかもしれない!と思ったのですが、友里とも合体しているおかげで、そのまったく逆で、呪いが消えるのではないか?と思ったのです。

経蔵(安藤政信)は貞子と伽倻子がぶつかった結果、まるでワクチンのように呪いが消えていく可能性を示唆していました。
でも貞子と伽倻子はぶつかってより強力な呪いになる……と言いたいことだけど、何せ「他人のことを考えたコミュニケーションをしようとしていた」友里とも合体しているので、じつはワクチン化しているような気がしたのです。
友里であれば、呪いを全世界にばらまくことを許すはずがないですからね。

例えるなら、『ドラゴンボール』でもともとの魔人ブウがいちばん邪悪だったけど、やさしくて太った界王神を吸収したことである程度制御できるようになったのと似たようなものです(わかりにくい例え)。

↓以下、さらに白石晃士監督の『ある優しき殺人者の記録』のオチがネタバレしています。

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『ある優しき殺人者の記録』を未見の方は、できれば以下を読まないことをオススメします↓

えーとね、白石晃士監督作品には「ウネウネした神様」がよく出てくるのです。

映画の生体解剖 vs 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!: 映画には触れてはいけないものがある<こういう神様がよく出てくるの

『ある優しき殺人者の記録』では、ラストにこの神が現れると次元を移動するという超展開が起きるんですね(実際はしっかり伏線を張っている)。

で、今回の『貞子 vs 伽椰子』でも、盲目の少女の珠緒が、「貞伽倻」をサーモグラフィー的に見ると、思いっきりこのウネウネした神様になっていたのですよ。

つまりは、「貞伽倻」が誕生してワクチン化したどころじゃない、この後に次元移動が起きて「すべてがなかった」ことになるかもしれないのです!

これまでリサイクルショップのバイトの女の子も、大学教授も、祈祷師の女性も、その弟子も、夏美も、4人の小学生も、鈴花の両親も、根こそぎ死んでしまった(わかりにくいですが、経蔵も吹っ飛ばされた後に下半身がなくなっていた)わけですが、このラストでは『ある優しき殺人者の記録』と同じく、これから「大切な人が死ななかった世界」に移動したとも考えられるというわけ。

うん、やっぱりこれハッピーエンドだわ。本当にこのラストは全人類を幸せにしてくれますね(笑顔)。

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(C)2016「貞子vs伽椰子」製作委員

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  1. ロロ・トマシ より:

    先ほど観てきました。
    終わった後に皆が幸せになる、(悪)夢のような映画でした!
    ・秀逸なストーリー
    大駄作『貞子3D』みたいにハチャメチャな展開かと思いきや、とても丁寧な展開であることに驚きました。
    加えて、貞子側と伽椰子側の2つの話を並行に描きながら、観る者を混乱させない作りは見事です。
    2つの話が交わった途端に映画がどんどん暴走していくのも楽しいですし、最後のアレは「大爆発」に近い感覚でした。
    白石監督の作品は今回初体験でして、衝撃を受けました。ヒナタカさんがお勧めする作品も今後確認していきたいです。
    ・ぜひ道徳の教材に!
    最後のアレには大爆笑してしまいましたが、考えてみるととても大事なことではないでしょうか。
    貞子と伽椰子はあの最中で互いにWin-Winの関係になれる最善の方法をちゃんと見つけ出しているのです(俊雄くんが納得しているかどうかはわかりませんが)。
    いがみ合って、争っているだけでは憎しみしか生まれないし互いを傷つけるだけです。そうではなくて、互いに認め合うことで協力し合い「新しいものが生み出せる」のです。
    怨霊たちにできて、なぜ人間たちはなかなかできないのでしょうか。そう感じました。
    『貞子vs伽椰子』はホラー(コメディ)の要素だけではなくて、大切なことにも改めて気付かせてくれる道徳的な映画だったのです!『ズートピア』レベルで全人類が見るべき映画だったのです!本人たちは全人類を呪い滅ぼす勢いだけど!
    ・以下気になる点
     ・元凶①:呪いのビデオを持っているおばあちゃん
     ・元凶②:結婚記念日は2日後
     ・元凶③:リサイクルショップ店員のテロ行為
     ・友達のタロット占いが最悪に不吉な結果
     ・イジメられっ子は投石のコントロールがやたら良い
     ・貞子見たさに、はしゃぎ過ぎて見れずに死亡
     ・真似したくなる経蔵の指の動き
     ・DVDへのダビングも引き受けてくれる経蔵
     ・呪いのシャ・ナ・ナ・ナ(名曲)

  2. 暴天 より:

    幸せいっぱいになりました。
    前半でちゃんと怖がらせてくれて、クライマックスのあれは想像だにしませんでしたよっ!
    怪異を理解した気になってしっぺ返しを食らうのは実にクトゥルー的ですね。
    自殺の絡みは、腕に毛が絡みついていましたし、周囲からは自殺に見えるだけで、呪いによって強制的に引っ張られていた=呪いによる殺害(物理)。で、呪いの期限前の自発的な自殺は呪いの意図するものではないので、強制的にねじ殺されると自己完結してました。
    コワすぎ・コックリ回はセリフもそうですが、コックリさんの文字盤は強制的に動かして別の言葉にするという工藤の行為が一番狂っていると思いますし、怪異を最高に冒とくしていて大好きです。
    貞子にしろ伽椰子にしろ、都市伝説の存在という側面が強調されているように思えました。
    呪いのビデオには山村貞子という過去がオミットされていましたし、呪いの家には佐伯家の事件がなかったようにも思えました。
    「友達の友達」という、都市伝説の流布のキーとなる存在を介した根っこのなさが、「一家心中。たぶん昭和ぐらいに、あったとか」というセリフに現れていますよね。
    「残穢」とは、存在理由が真逆の怪異というか。
    都市伝説の構造をしっかりと描いた作品という側面もあるように感じました。

  3. akira より:

    先程母親と鑑賞してきましたが…いやー素晴らしいっ!ラストのアレは予告編の「化け物には化け物をぶつけんだよ」の時点であっ(お察し)という感じでしたが、まさか本当にやるとはw
    次回作はダイハードのジョン・マクレーン刑事と闘わせたらどうでしょう?絶対死なないヤツVS絶対に生かしておかないヤツラ、てキャッチコピーでw

  4. みり より:

    こんにちは(^-^)
    昨日見てきました♪(デートで 笑)いやぁ、濃い~2時間ですね。
    お祓いのシーンは想像以上で、笑いをこらえるのが大変でした。
    「バケモンにはバケモン」の理論が(意外と)きちんとしていたのが良かったですね。
    それに「貞子3D」のノリで観に行ってしまったので結構怖かったです。
    それでも上映中は度々クスクス笑いがいろいろなとこから漏れていましたよ(残念ながらお客さんは少なめ。。)
    私は小説リングシリーズの原作が好きなのですが、貞子はもう鈴木さんの手から離れて独立ブランドになってますね。
    でも世界観監修(?)が鈴木光司さんでしたけど(^^;
    サービス精神旺盛な満足できる作品でした!

  5. 匿名 より:

    今日観てきました。
    最後のアレがやりたかったんだなぁとシミジミ思いましたが、それまでの過程も意外にきっちり描けており、楽しめました。
    ホラーとしても、なかなか上質な部類だったと思います。
    後ろの席のギャル二人が終始喋っててクソうるさかったのが残念でなりません。
    お前らは早く伽倻子に首ビローンされて、貞子に口から髪の毛出されて逝ってくれ、と。

  6. YOU より:

    作品を観る前から、オチは大体読めてました。
    VSものですが、単純に勝ち負けでは決まらないだろうと(^_^;)
    むしろどっちかに勝って欲しかったですね(シリーズ化ですよ日本シリーズみたいに)
    両陣営とも100%必殺のスナイパーなんですから、おたがいの技を駆使するとかして(笑)もうちょっとお二方の対決を見たかったですねぇ。
    シナリオ上はどうなるんでしょうかねぇ(^_^;)
    ユリ・スズカは助かったのか?
    妖怪ハンターの2人はどうなったのか?
    はげしく気になります。
    「お前の両親は家に喰われた、もう二度と帰ってこれねぇ」みたいなこと言ってましたが。
    コレってスズカが(仮に)呪いを回避しても
    JKひとりで暮らせるわけもなく…
    結局のところ死亡フラグでしょうか?
    ラストは割り算じゃなくてかけ算でしょうか?
    佐津川さん「クロユリ団地」のマエアツみたいでした(笑)

  7. 大昔に流行したキョンシー映画を彷彿しました。
    ・化物に憑りつかれ、結果的に化物同士をぶつけあうことで解決を図る
    ・少女霊媒師が出てくる(『幽幻道士』のオマージュだと思った)
    ・妖術アクションが矢鱈とかっこいい
    ・それなりにホラーだけど、小学生でも大丈夫な程度
    ・シリーズものだがルールは本作限定
    あー、そう言えば「呪怨」側にはベビーキョンシーみたいなのもいるなぁ。『幽幻道士』や『幽霊導士』のベビキョンほどかわいくはないけど。

  8. […] 14位 貞子 vs 伽椰子 […]

  9. hinataka hinataka より:

    ※旧ブログの2つの記事を統合しました。もう1つの記事の読者の方のコメントを再掲します。

    >匿名さん
    教授に対して「この人とんだ無駄死にだね」って言ってたのは
    「教授はビデオをダビングしてたのに貞子の邪魔をして死んだから」だと思ってました・・・(後は人に見せるだけで貞子の呪いは解けていた訳ですし)

    >匿名さん
    遅まきながら見てきました
    決戦のまえにみんなが横に並んで歩くっていうお約束のシーンが入っているのが個人的に超楽しかったですね。

    >るるさん
    神様の話、知らなかったら最後のアレは単なる恐ろしい思念体だとしか思えなかったので、そういう風に見ると面白いですね!
    1回しか見てないので間違ってるかもしれませんが、
    「無駄死に」と言われていたのは教授のほうではなかったですか?貞子見たかったのに見られなくてとても可哀そうでした(笑)
    画面の左下に転がってたのが祈祷師のほうだったと思います。

    >あさん
    僕も二回見ましたが、無駄死発言は教授に対してだと思うのですが。
    あれだけ貞子を見たい、そのためなら呪い殺された方がいいとまで言ってたのにヘッドバッドで死亡したことを指しての無駄死だと思います。
    それとも公式な発言で祈祷師たちのことだと明言されたのですかね。
    だったら私の勉強不足ですが。

    >シオンソルトさん
    記事の本題ではないので一言だけ。
    『花子VSヨースケ』観てきましたが、比較するまでもない。『貞子vs伽椰子』が断然上です。
    というか、『花子VSヨースケ』、激しくつまらなかったです

    >NONAMEさん
    二度鑑賞しましたが毎回最後の「貞伽倻」の演者さんが気になって仕方がありません。目の剥き方が明らかに貞子と違うと思うのです。衝突四散し結合したあの禍々しいものは新しい器として有里(山本美月)の肉体を得たと考えると演者は山本美月さんに変更になっているのではないでしょうか。エンドロールでも融合体について触れられていないのが非常に気になります。

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ヒナタカ

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