
映画『ペット』リアリティとコンセプトをぶち壊せ!(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『ペット』(原題:The Secret Life of Pets)です。
個人的お気に入り度:6/10
一言感想:シークレット感ねえ!
あらすじ
ニューヨークで暮らすテリアのミックス犬のマックスは、大好きな飼い主ケイティと幸せな毎日を送っていた。
ある日ケイティは連れてきた毛むくじゃらの大型犬デュークを連れてくる。
マックスとデュークは反発し合うことになるのだが……。
えーとね、本作についてはいろいろと言いたいことがあるんですが、とりあえずうんざりするくらい劇場で流れていた予告(特報)だけを知って、後はなんの予備知識もなく観ればいいんじゃないかと思います。
だってもう「楽しかった!」で終わればいい映画なんだもん。
アニメでワンちゃんやネコちゃんがあっと驚くことをしまくる。それだけでいいです。子どもも大人も劇場へGO!
まあそれで終わっては何なので、もうちょっと語りましょう。
本作はハリウッドの3DCGアニメ映画を手掛けてる台頭、ピクサー、ドリームワークスに次ぐ第3勢力イルミネーション・エンターテインメントによる最新作です。
その作風を乱暴に言えば、いい意味での勢い任せ。
教訓とかしんみりとしたドラマとかそっちのけで、キッチュなキャラたちのドタバタギャグ、アクションの物量で攻める感じは嫌いではありませんよ(上から目線)。
で、本作はイルミネーション・エンターテインメントのそんな作風が全開です。
細けえことはいいんだよ!な展開のごり押しはもはや美点。
ご都合主義とか考えるのはもはや野暮。
しんみりした展開はクローズアップせず、「それよりも子どもが大好きなドタバタやろーぜ!」なことばっかりする心地よさ。
『ファインディング・ドリー』で「タコのハンクがなんでもできすぎじゃない?」と不満を持ってる方はぜひ本作を観てみましょう。そんなレベルじゃない。リアリティとか必然性とかどうでもよくなるから。
ていうかさ、本作は「飼い主がいない間、ペットたちは何をしているんだろう?」という『トイストーリー』ライクなコンセプトであって、そういう「人間が知らないペットたちの姿」を見せるんだと思っていたんですよ。まあそうだったんだけど、なんかそういうんじゃなかった。
ネタバレになるので↓に書きますが、とりあえず原題が「The Secret Life of Pets」のくせにシークレットな感じがいっさいないのが素敵。コンセプトぶっ壊れてんじゃねーか。
あとは日本語吹き替えキャストが素敵ですね。
・主役の犬、マックス&デューク:芸人バナナマンの設楽&日村
・太った姉御肌の猫のクロエ:永作博美
・やさしい飼い主のケイティ:佐藤栞里
・動物を見ると食欲が抑えられない鷹のタイベリアス:宮野真守
・物知りのバセットハウンドの老犬ポップス:銀河万丈
・愉快で陽気なモルモットのノーマン:梶裕貴
・態度の大きな野良猫スフィンクスのオゾン:山寺宏一
という豪華布陣。バナナマンのふたりも超うまいので問題ありません。
なによりもねえ……元気で可愛いポメラニアンのギジェットを演じる沢城みゆきさんが最高なんですよ。
さらに、ウサギのスノーボールというキャラが明らかに「精神病院から抜け出したような狂人」として描かれていて、しかも声が中尾隆聖さんなんですよ。フリーザ様がめちゃくちゃ早口でキチ◯イな行動しまくるので最高だったぜ!
字幕版は全国で7館しかないんですが、このクオリティなら大人も日本語吹き替え版で大満足できるでしょう。
いろいろ書いてきましたが、お話のほうは大したことがないというか、むしろすんげえ教育上悪いんじゃないかと(笑)。
いやあ主人公のあの行動がどーとかこーとか、文句のひとつも言いたいではないですか。まあこの映画についてはそれも野暮なんですが……。
ストーリーは二の次どころか三の次、作画スタッフが過労死するんじゃないかと思うくらいの圧倒的なサービス精神と、これでもかというアクションの応酬が本作の見どころだと断言します。
いやもうアクションのバリエーションだけで楽しくってしかたがない。路地裏の洗濯物干しを利用しまくったシーンは『アラジン』を思わせました。
そんなわけで、ウサギのキャラをおもとしてクレイジー(超誉めてる)すぎる作品ですが、ゲラゲラ笑えて何となく幸せになれる映画でした。
2Dで観ましたが、3Dを意識した画も満載なので3Dでもいいでしょう。
頭空っぽで観られる映画を期待している方に、大プッシュでオススメします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
(C)UNIVERSAL STUDIOS

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吹替えで観たのでマックスとデュークの関係がもろにバナナマン二人に思えて楽しかったんだけど、あんまし乗れなかった感もありました。デュークの元の飼い主が亡くなっていた、というエピソードはもし他のアニメならストーリーの主軸として扱いそうでしたし、それを結構期待したわりに、本作だとアッサリとした(おざなり)扱いだったのは意外というか拍子抜けでした。
「ファインディング・ドリー」のハンクのチートキャラぶりはあまり乗れませんが、スノーボールのチートぶりはかなり振り切っていて逆に好きですね。車を乗っ取れる時点で「余裕でテロ起こせるがな、というかほぼ起こしてる!」とツッコミいれそうになりましたし。
『HIGH&LOW』と悩んだ末に時間の都合もあってこっちにしたわけですが個人的には「楽しいなおい」って感じでした。
>えーとね、本作についてはいろいろと言いたいことがあるんですが、とりあえずうんざりするくらい劇場で流れていた予告(特報)だけを知って、後はなんの予備知識もなく観ればいいんじゃないかと思います。
>>マジでそういう感じで良いでしょうねえw
>ていうかさ、本作は「飼い主がいない間、ペットたちは何をしているんだろう?」というコンセプトであって、そういう「人間が知らないペットたちの姿」を見せるんだと思っていたんですよ。まあそうだったんだけど、なんかそういうんじゃなかった。
>>自分は観る前に別の予告編(https://www.youtube.com/watch?v=y3DZE8jRkBQ)やフライヤーにかいてたキャラ設定で大体想定はできてました。と言っても「手違いで保健所に連れていかれてその保健所でいろいろやるんだろうな」と思ってたらスノーボウルが保健所の車両を襲撃してそこからは「え、そうなるのか」ってなりましたが。
とりあえず、観てる間は「動物版トイストーリーだな」って感じでした。
>あとは日本語吹き替えキャストが素敵ですね。
>>普通に下手じゃなく好感触だったなあ…。
あとギジェットは最後まで竹達彩奈さんが当ててるものと思ってたので後で知って「あれみゆきちさんだったのか!」ってなりました(まあ、あの人はロリ声も出せる人だから妙に納得できるのですが)。
スノーボウルの場合キャラもあって、ばいきんまんが頭に浮かびました。
>マックスが一方的な意見で、デュークをもといた家に行かせる→飼い主がすでに亡くなっていた、というくだりもその後のバタバタを経て触れられなくなっちゃっているしなあ。
>>そこは自分も引っかかりましたねえ。もしかしたら実は反省してたのかもしれませんが具体的描写はなかったですし、オープンリーチさんも仰ってる様に拍子抜けしてしまう感はあります。
>あとマックスは大蛇を殺しているんですよね。前科持ちじゃねえか。
>>自分はあのシーンは大蛇がマックスに迫ろうとしたら屋根が脆くなって崩落して死亡、という風に見えたので「これって過失致死なんじゃ」と思って観てました。
あと大蛇が巻き付いたのはデュークの活躍の所為だったような気がするのでマックスは手を下してなかったと思ったのですが…見間違いでしょうか。
>むしろデュークのほうが、窮地に陥ったマックスを助けていたイイ奴でしたね。
もうちょっとマックスのほうから、デュークを助けるシーンがあってもよかったかもしんない。
>>ですよねえ。これではマックスがデュークに心を開くのはわかるにしてもその逆が引っ掛かります。
>キ◯ガイすぎるウサギ
>>もはやリアリティなんて度外視ですがその分楽しいですwあと(8)はやはりタコのハンクっぽくて「『ファインディング・ドリー』に喧嘩売ってるわけじゃないよな?」と勘繰ってしまいましたが個人的にはどちらもアリなので問題はないです。
まあ、教育には悪いですが「飼い主の都合で飼ってそして捨てたらああなるから飼うにあたっては責任を持とうね」という風に子供に見せてしまった際に親御さんがフォローすれば案外何とかな…らないか。そもそも子供連れで観る層がどれぐらいいるかわかりませんが。
>そんなスノーボールの最後は、女の子にペットとして迎え入れられて終了。うん、そいつヤバいから家の中から出さんほうがいいわ。むしろ檻につなげとけ。
>>ホントそうしないと危なっかしそうですよねえ…wまあ、元の飼い主の所為で精神的にいかれたのが新しい飼い主の下で柔和になるかもしれませんが。
>けっきょく動物を食いそうな鷹
>>自分も妄想の最後で「結局食うんかい!」ってなりましたw
その後は何とか堪えてたので食わなくなるかもしれませんが飽くまで我慢してるだけなら何かの拍子で…ってなったりしてもおかしくなさそうです。
>マックスとデュークはソーセージ工場に忍び込んで暴食の限りを尽くします(←これも反省してねえ!)
>>あのくだりは「おい待て、ダメだろそれ!」「従業員気づけ―」って内心突っ込んでました。まあ後者は最終的に気づいてましたしこの後のシーンで吹っ飛びましたがw
>その後に見るのは、ソーセージたちが歌って踊る幻覚。精神異常者のウサギが出るばかりか、ラリラリな幻覚を見せるとかこの映画大丈夫か(たぶん大丈夫じゃない)。
ていうかその幻覚の中で、デュークは踊っていたソーセージを食いまくっていたし!半分の姿になっても踊っていたソーセージもいたよ!見ようによっては残酷だよ!
>>『アーロと少年』の発酵果実のくだりをつい思い出しましたがとにかく良くも悪くもハチャメチャ過ぎですw
>いや〜ブルックリン橋に来たギジェットがカンフー映画ばりに敵を無双して倒しまくるのが最高でしたね。
そんな伏線とかなかっただろうが!ギジェットが観ていたのはカンフー映画じゃなくてコテコテのメロドラマだったじゃん!
>>伏線がなかったからこそ衝撃でしたw(ある意味予告の最後のプードルのレナード以上)個人的にはこういうの嫌いじゃないです。
おふたりともコメントありがとうございまーす。
このウサギに関してはメーター振り切っているからリアリティとかどうでもいいという感じですよねえw
>自分はあのシーンは大蛇がマックスに迫ろうとしたら屋根が脆くなって崩落して死亡、という風に見えたので「これって過失致死なんじゃ」と思って観てました。
あと大蛇が巻き付いたのはデュークの活躍の所為だったような気がするのでマックスは手を下してなかったと思ったのですが…見間違いでしょうか。
確かそうでしたね。修正させてください。
>>『アーロと少年』の発酵果実のくだりをつい思い出しましたがとにかく良くも悪くもハチャメチャ過ぎですw
自分も思い出しました。
『ペット』もアーロと同じく死の危険があるサバイバル描写があるもんな・・・
僕もペットみてきました。
全体的に、可愛い動物たちの冒険が楽しかったのですが、以下の不満点がありました。
1 動物たちが、割と犯罪行為に手を染めている
車の走行シーンで、車と結構ぶつかってるのですが、ほとんど人が乗っている車でした。子供も観る映画で、人の命に関わるようなことを主人公たちが起こしてしまうシーンがあるのはガッカリでした。
2 結構な騒ぎを起こしているのに、それをどう落ち着けたのかという描写がない
終盤のバトルやドリフト等、普通かなりの騒動になると思うのですが、その顛末が描かれていないのは残念でした。友情をクローズアップしたのは分かりますが、もう少しその辺をしっかり描いてくれないと、あまり教育上よくはないかなと思いました。
全体的には好きですし、『人参でカギを開けたうさぎ』が、終盤でも『カギを開ける』という伏線は好きでした。
すみません、僕の書いた不満店は、ヒナタカさんも挙げてらっしゃいましたね。
> すみません、僕の書いた不満店は、ヒナタカさんも挙げてらっしゃいましたね。
いや、すみません、ばりいさんのご指摘を見て、自分がチロッと追記をしてしまいました・・・
せっかくのご意見を盗んでごめんなさい。
おっしゃるとおり、こいつら犯罪行為しまくりでなんのお咎めなしって教育上ダメすぎるw
笑った!
そしてヒナタカさんにしては元ネタに関する解説が無いのはちょっと意外。
結構色々な映画ネタやゲームネタが出てきましたね。
よくまぁこの時期に間に合わせることが出来たなと驚いたのは『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』ネタ。
クルマをブッ走らせて♪No sleep till brooklyn!!…ってシャドウズの予告編まんまじゃんっっ! あの予告編ってアメリカでも今年の春になって公開されたものですし、急遽2~3ヵ月の間で突貫でブチ込んだネタってことじゃんっ!!
>だってもう「楽しかった!」で終わればいい映画なんだもん。
『ジャングルブック』と同時期に観て、自分が『ズートピア』症候群に罹っていたと気付かせてくれました。
登場人物に優等生なんかいねえ!どいつもこいつもクズな所の一つや二つもってやがる!
そうそう「娯楽作品」てこういうの物でした。良薬がキマり過ぎていた目を覚ませてくれてありがとう!
>ピクサー、ドリームワークスに次ぐ第3勢力イルミネーション・エンターテインメント
御三家の二つが優等生作品の波に乗る中、イルミネーション社にはこの路線を貫いてハリウッドアニメ界のバランス維持に努めてほしいです。
>あとは日本語吹き替えキャストが素敵ですね。
>という豪華布陣。バナナマンのふたりも超うまいので問題ありません。
お笑い芸人は「喋りのプロ」だけあって上手い人が多いですね。特にこういう丁々発止の会話劇が求められる作品だと特に!
>なによりもねえ……元気で可愛いポメラニアンのギジェットを演じる沢城みゆきさんが最高なんですよ。
国産アニメで海外作品吹替えでもこなせる演技力。バケモノめ・・・!?
>さらに、ウサギのスノーボールというキャラが明らかに「精神病院から抜け出したような狂人」として描かれていて、
おそらく彼の前世はゴッサムシティの犯罪王です。前世の業(カルマ)で畜生道へ落ちたのでしょう・・・。
>そんなスノーボールの最後は、女の子にペットとして迎え入れられて終了。
>うん、そいつヤバいから家の中から出さんほうがいいわ。むしろ檻につなげとけ。
女の子は「一生一緒に居る」と言っていましたが、本当にお願いします!あと、仲間達が彼を残してマンホールに逃げて行ったのは内心、彼のヤバさに辟易していのでは・・・。
あと。彼の元ご主人様が彼を捨てたのは、転職が原因ではない・・・というか、転職の原因がそもそも彼の奇行が激しくて観客がドン引きし始めて手品師を廃業するハメになったからなのではないかと。
>そういや、マックスとデュークを逃してしまった、犬たちを散歩させるバイトの男も反省してねえな。
二人は自力で帰って来てしまったので、迷子にさせてしまった事も気付いてませんよね彼。
というか、点呼の雑さに「オープンウォーター」を思い出したのは私だけでしょうか。
ペットシッターとして大問題ですが、これがベビーシッターだったらと思うとクズ過ぎる無責任さですね。
>~YouTubeで大人気になるデブ猫~
人間だったら・・・と思うと酷過ぎですよね。
そういえば「ネットイジメ」の先駆けはダースモールのモノマネを隠し撮りされYouTubeで無断公開された少年だとか。
>~けっきょく動物を食いそうな鷹~
まあペットフードも元は他の生き物の肉ですし。「生餌」は食べない!というのが飼育動物のルールといった所でしょうか。
>~ソーセージの幻覚~
工場の警備員さんは保健所スッ飛ばして射殺しても許されると思います・・・。
>~ブルックリンが人気!~
治安悪い・・・なイメージでしたが、オシャレと職人の街(京都とか浅草みたい)日本でいう“聖地効果”でこんなに盛り上がっていたとは!?ブルクッリンはいいぞ?
>~カンフーするポメラニアン~
キレッキレで最高でした!ここはもう一回観たい!!
>~見ないもの~
今のニューヨークはヒーローが変身場所に困るくらい防犯カメラだらけだと聞きますけど・・・これもスノボール達が対策してそうですね。