現代的で辛辣な恋愛映画「モテキ」ネタバレなし感想+気になったシーン

現代的で辛辣な恋愛映画「モテキ」ネタバレなし感想+気になったシーン

DVDで観た映画「モテキ」の感想です。

個人的お気に入り度:5/10

一言感想:面白かったのにラストが・・・

あらすじ

モテない31歳・幸世(森山未來)はニュースサイト「ナタリー」のライターとして就職する。

彼は仕事でたまった鬱憤をツイッターで発信し続け、あるツイッター仲間と飲みに行く約束をとりつける。

そこに現れたのはみゆき(長澤まさみ)という美女だった。

↑の「森山未來がみこしの上ではしゃいでいる」絵面がどうも好きになれず見逃していた本作。

いやいや、食わず嫌いではありましたがこれは相当に楽しかったです

原作漫画は読んだことはあるけど、ドラマは未見だった自分でも問題なく楽しめました。

原作漫画の「モテキ」は「モテない男が突如モテまくってどうしよう」という男の心情を主体にしている作品なのですが、加えて女性側の描写もしっかりしていることが特徴です。

このあたりは原作の作者が女性であり、中立的な目線で見ているゆえなのかもしれません。

サブカルチャーを楽しめる

モテキ

加えて、この映画版は現代のサブカルチャーの文化(ツイッターやロック・フェスなど)がふんだんに盛り込まれていて、作中に出てくるアイテムがわかるとちょっとニヤニヤしてしまいます。

デカフェハーパンなどの用語(?)もふんだんに出てくるので、若者のほうが楽しめるでしょう。

それを物語に取り込んで、その面白さを引き出しているのがとってもいい。

「分かる人にだけ」という隙間狙いの描写かもしれませんが、知っている人にとっては楽しくって仕方がないのです。

ミュージカル形式

もうひとつの特徴はキャラクターの心情を表すために、ミュージカル形式で音楽が用いられていることです。

音楽に合わせて踊るのは「(500)日のサマー」でもあった手法であり、オマージュです。

*参考→モテキ/和製「(500)日のサマー」 | 映画感想 * FRAGILE

この映画では登場人物の心がわりを、演技だけで表現するのではなく、音楽の歌詞でも表します。

これを「楽しい」と思うか「ウザい」と思うかで評価が分かれそうな気がします。

自分は十分に楽しめたのですが、多用しすぎて物語のテンポを悪くしている印象も否めませんでした。

最近の音楽だけでなく、懐かしの名曲もカバーしていて間口はとても広いのですけどね。

今作のそういった演出は「作風」と割り切ってしまえばいいのです。

映画ファンにとってはこの手の映画にはもとより懐疑的だったりするのですが、「こういうのもいいもんだな」と感じれば問題はないでしょう。

不満点

で、今作の不満点はラストの展開です

それは↓で十分にぶちまけられています。

<超絶ネタバレ注意>モテキ|三角絞めでつかまえて

この展開は、いままでのヒロインの心理描写を全否定しているようにも思えます。

ラストはともかく、そこまでは本当に楽しかった映画でした。

長澤まさみさんのエロさとか、真木よう子さんのキツい言動は我々の業界ではご褒美ですレベルなのでそれ目当てでも楽しめます。

この映画が好きな人には、同じくモテない男が主人公の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」もオススメしたいです。

「モテキ」のラストに拒否反応を覚える方にとって、この映画のオチには大納得かも。

下ネタ満載のR15+指定の映画ですが、女性にも是非観て欲しい作品です。

ちなみに作中でも「ボーイズオンザラン」の話題が出ていて、皮肉として扱われています。

「モテキ」はそれに比べて本当いろんな意味で甘いんだけど、それであるが故に救いを感じる人も多いと思います。

以下、作中のシーンがちょっとだけネタバレ↓ラストにいたる展開は反転しています。下ネタもあるので注意。



偉人たちの名言

はじめから偉人たちの名言を引っ張ってきてくれるのが楽しいです。

  • ゲーテの「20代の恋は幻想である30代の恋は浮気である」
  • 三島由紀夫の「愛することに関しては女はプロで、男は素人である」
  • ボブ・ディランの「恋やセックス以外にも重要なことがある」
  • 尾崎豊の「愛というのは自分をどんどん磨いていくんだ」

というの名言を、モテない主人公がことごとく否定しているのが笑えます。

尾崎豊に「若くして死んだからってなんでもかんでも伝説になってんじゃねーよ!」と言うのは怒られそうな気がします

TE〇GA!

そしてTEN〇A(リンク先18禁注意)を踏んですっ転ぶ主人公!TE〇GAて!

〇ENGAについて知らない方はお父さんかお父さんにレッツクエスチョンしてください。

その後も主人公は「TENG〇が彼女なんじゃないの?」などといじられるのですが・・・

長澤まさみTENGA

長澤まさみさんに「LOVE ME TEN〇A」というTシャツを着させるのには吹きました

そんなもんどこに売ってんねん!とつっこみたかったのですが、現実にはこんなのも売っています↓

うまいこと言ったつもりか。

ミュージカルシーン

しかしミュージカルシーンは本当に楽しかった!

格好悪いふられ方

たまにこんなふうにカラオケ風にもなります。

これはもう20年前の曲なのですね

perfume出演のダンスシーンもあります。

モテキ/パフューム

ここの森山未來のダンスが素晴らしい。

Perfumeのメンバーもめっちゃ褒めています(動画)。

関わりを持つ女性とのエピソード

真木よう子演じる同僚

主人公が「好きって伝えるぞ!」と一発奮起したとき、真木よう子演じる同僚にももいろクローバースマイレージAKB48の歌詞を引き合いにして、こう言われます。

モテキ/真木よう子

「好きって気持ちを伝えること至上主義の歌詞に洗脳されて、告白したってなあ、現実じゃドン引きされるだけだよ!」

うわあ、何か納得

このあたりの辛辣さも大好きです。

仲里依紗演じるシングルマザー

仲里依紗さん演じるシングルマザーのエピソードも、短いながらも好きでした。

「男は結婚しても恋愛したい」「最近の男の人って、別に早く結婚しなくてもいいでしょ」

「それは女もおなじなんだけど、絶対的な違いがひとつあるの、それは『子どもを産めるリミット』よ

というのには納得してしまった。女性は男以上に結婚に対して深刻な思いがあるのだと思うのです。

ちょっと気になったのは、すれ違う幼稚園児が「ご飯食べてないよ」と言うシーン。

モテキ/仲里依紗

何気ないシーンですが、すごく怖かった。

この幼稚園児もシングルマザーのもとで育っていて、親がご飯の支度もできないほど忙しかったのかも。

東京は保育所が不足していることも問題だものなあ・・・

長澤まさみさん演じるみゆき

ラストの展開では、長澤まさみさん演じるみゆきが「既婚者&子持ちの不倫相手に『誰と遊んでも何も言わなかった』『普通に奥さんのことを話すのがすごく嫌だった』」と言う台詞が上手いと思えました。

それがあってこそ、主人公に対しての「(不倫することは)平気じゃないわよ。正しいと思ったこと、一度もないよ」なのです。

この矛盾した行動の心理描写が秀逸でした。

主人公もまた矛盾した気持ちで「違う女性とセックスをして、あまつさえそれをみゆきに教えたりする」デリカシーのなさ。

その描き方がまた面白いのです。

よく考えると、主人公がナレーションでつぶやいているのは自分のことばかりなんですよね。

相手を幸せにしたいという気持ちはありません

「俺は〇〇だから~」という自分本位なのです。

結局は、自業自得。

だからでこそ、自分は結末が嫌いなんだけど・・・

スチャダラパーの今夜はブギーバックに合わせ、「twitterのアイコンと『ナタリーの記事』」をエンドロールとして流すという凝りっぷりが好きです。

主人公のような恋愛をしてみたいような、してみたくないような。

モテキだからといって、いいことばかりじゃない。

そのさじ加減は見事な映画でした。

参考

こちらで作中の音楽の視聴もできます→モテキ的音楽のススメ 映画盤

レビュー参考→みんなのシネマレビュー

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  1. sakura より:

    意外と厳しい評価ですね。
    昨年見たので、チョット印象が薄いのですが。
    私は、情報なしで(テレビでもやっていた?)見て、結構楽しかったです。
    ミュージカルっぽい場面も、良かったです。
    ”草食系男子の世界”を描いていたんでしょうか?
    私の印象でも、最後のコンサートシーンが、バカみたいなシーンであったような記憶があります(他の映画だったら、誤爆ですね)
    閑話休題
    仲さんのキャラクターが好きになったので、「ハラがこれなんで」も見ましたが、こっちはそれほどでもなかったです、残念!

  2. ヒナタカ より:

    > 意外と厳しい評価ですね。
    > 昨年見たので、チョット印象が薄いのですが。
    > 私は、情報なしで(テレビでもやっていた?)見て、結構楽しかったです。
    自分も前半はすごく楽しかったのですが、ラストが大嫌いなので・・・
    > ミュージカルっぽい場面も、良かったです。
    > ”草食系男子の世界”を描いていたんでしょうか?
    > 私の印象でも、最後のコンサートシーンが、バカみたいなシーンであったような記憶があります(他の映画だったら、誤爆ですね)
    最後はコンサートではなかったのですが・・・ちょっとわかりかねます。
    > 閑話休題
    >
    > 仲さんのキャラクターが好きになったので、「ハラがこれなんで」も見ましたが、こっちはそれほどでもなかったです、残念!
    同監督の「川の底からこんにちは」は大好きなのですが、「ハラは~」は評判悪いですね。
    仲里依紗さんは「ハチワンダイバー」というドラマで大好きになりました。

  3. 麻里 より:

    ウザいシーンは多々あれど、長澤まさみはある意味すごい。
    清純派的な売り方だったような気がしてたけど、
    実はこっちか!みたいな。
    「奇跡」とかじゃ、ちょっと物足りなかったんだけどね。
    最近読んだ木爾チレンさんのR-18作品みたいなやつの方が
    あってるような気がする。
    ちなみに木爾チレンさんてだれ?ということなら、
    http://www.birthday-energy.co.jp
    が詳しい・・・(なんかすごい詳しい)。
    同じ誕生日でも、やってる事違うから、その差が出て逆に面白いな。

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ヒナタカ

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