『ラブ×ドック』これは鈴木おさむからの挑戦状だ!(映画ネタバレなし感想+ネタバレラジオレビュー)

『ラブ×ドック』これは鈴木おさむからの挑戦状だ!(映画ネタバレなし感想+ネタバレラジオレビュー)

今日の映画感想はラブ×ドックです。

個人的お気に入り度:1/10

一言感想:完全無欠(悪い意味で)

あらすじ

恋愛クリニックに行っても何も事態がよくなりません(何それ)。

※超絶酷評なのでこの映画が好きな方にはごめんなさい。

ものすごくつまらなかったです……
もうね、本当に辛かった。「これは映画ではない。映画を超えた何かだ」とまで思い始めましたから。
もう全てが悪いと言い切って良いのですが、一個一個書いてやるよ!チクショウ!

演出がひどい

言うまでもないことですが、映画はゴテゴテとテロップやナレーションで装飾しなくても、役者の演技や繊細な演出で登場人物の心情を推察できる芸術です。
で、この『ラブ×ドック』とかいうブツは思いっきりゴテゴテと、テレビ的なテロップや、ポップ(と言いたくもない)な演出で装飾しちゃってくれます☆やったね☆

いや、でも、こういう過剰な演出の全てが悪いと言っている訳ではないですよ。
例えば、『嫌われ松子の一生』はVFXを多用し、悲惨な人生をミュージカル装飾することで、その悲劇性がかえって増すという効果を生んでいました。

しかしながら、『ラブ×ドック』主人公の過去や心情の描写がそもそも不足していることも手伝って、ただただテレビ的な演出を大画面で見るのがキツいというシロモノになっています。
特に、人気ゲーム「太鼓の達人」周りの演出は映画をナメてるとしか思えないよ!

加藤ミリヤの歌そのものは好きだけど、使い方が「唐突」で上手くないしなあ…。
「映画を観ながら死んだ魚の眼になる」という体験をしたい方におすすめと言えますね☆

ギャグがむごい

言うまでもないことですが、映画は約2時間というランタイムを使って、「伏線」を利用してダイナミズムを作ることができる芸術です。
「あの時のこれがこうなるのか!」という驚きそのものが面白く、映画ならではの「笑い」の要素もそこに集約されていると言っていいでしょう。
テレビやYouTubeの数分の動画で求められる「一発ギャグ」や「ショートコント」とは、そもそも求められる笑いの質が違うのです。

で、本作『ラブ×ドック」のギャグは全部一発ギャグやショートコントみたいなもんです。
いや、そう言うとお笑い芸人さんに失礼か。悪いけど全編でだだ滑りだったぞ!
特に「卓球勝負」のシーンはヒドかった……これ勝負の駆け引きとかぶん投げて、「顔芸」と「リアクション」と「変な歌詞」で笑わせようとしているだけだよ!テレビでやれっていうかテレビだとしてもどうなんだ!

一番面白かったギャグでさえ、
パシティエ「おばーちゃん!聞こえていますかー!」(耳元で大声で言う)
おばあちゃん「声が大きいんだよ!」
というものですからね。(ちなみにこれ開始5分で出てくるギャグです)

あ、そうそう、一応本作には伏線っぽいものが仕込まれて、それで笑いを取ろうとする魂胆が見え見えだったんですが、俺はあれを口が裂けても伏線とは呼びたくない
あれを「どんでん返し」とほざくのでいらっしゃいましたら、法律で詐欺罪に罰せられるレベルだと思います。

鈴木おさむに欠けたモラル

本作の監督・脚本を務めたには、人気放送作家である鈴木おさむです。
もう結論から言いますが、この人の脚本から垣間見えるモラルのなさが本気で不愉快でしょうがなかったです。
それが最もわかるのは、同じく脚本を手がけた『ハンサム☆スーツ』ですね。

この映画で描かれているのは「ブサイクの悲哀」。ハンサムに変身できるスーツを通じて、「美醜で人を判断する」ことをコメディにしてしまっているのです。
自分も非モテなので共感できないこともなかったですし、要所要所で良いところもあったのですが、それよりも不愉快な要素が多すぎてマジでムカつきました

具体的には、「お前はブサイクだけど俺なんか車椅子だぜ」という神経を疑うセリフがあったりするんですね。ブサイクであることを障害と同列で語ろうとするんじゃねえ!
さらには「エロ雑誌で喜んでいる人を勝手に携帯のカメラで撮る」のを良い行為っぽく見せるシーンもあったりしました。ふざけろ!
極め付けは、ヒロインの北川景子の行動ですね。ネタバレになるから詳しくは書かないけど、これこそ「見た目で判断する」浅ましさそのものだろ!(それを良きことのように見せる)

もう『ハンサム☆スーツ」のことだけで怒りのレビューが書ける勢いですが、とにかく『ラブ×ドック』のモラルのなさも本気で腹が立ったとだけ言わせてください。ていうか主人公がクズくて感情移入できないんだよ!(一応クズであることを前提として話を進めているんけど、それでもヒドすぎる)
そういや鈴木おさむ、『ONE PIECE FILM Z』でも、ウソップに「この農薬は害虫にきくんだ、だったらお前らも害虫だ!」というヒドいセリフを言わせていたな…↓
正義のゆくえ 映画「ワンピースフィルム Zゼット」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

話がとにかくつまらない

今までに書いた要素だけで凄まじいブツなのですが、何よりも物語自体が超絶つまらないのにびっくりしましたね。
予告編やあらすじのぱっと見だと、「恋愛下手なアラフォー女性が、胡散臭い恋愛クリニックに通うことで恋愛事情が変わっていく」という話に思えますよね。
マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の名作短編「山岸由花子はシンデレラに憧れる」な話になるんじゃないかと期待させますよね。違うからね

いやね、本気で驚いたんですけど、主人公が恋愛クリニックに通っても、恋愛事情がちっとも好転していかない、ていうか通いながらも次々に恋愛に失敗し続けているんですね。
つまり、(一応それぞれの恋愛について分析をしているとはいえ)これ恋愛クリニックがなくても成立する話になっているんですよ!嘘だろ?

『ハンサム☆スーツ』の時もハンサムに成り変われる設定をうまく活かせてないと感じていたんですが、こっちに比べたらはるかにマシだよ!だって設定自体にほぼ意味がねーんだから!
正気を失いかけたのは、話のオチの部分ですね。もうね、今なら世界が滅んでもいいと思えたもん。

ちなみに、脚本執筆のスタイルは「毎日1時間をかけて1シーンを書き上げていく」というものだったそうです。
その書き方だと「前後の繋がり」なんか考えない感じになったんだろうな……本作の脚本の雑さをあげればキリがないレベルだったもの・…。

良かったところを探そう

良いところもありますよ。それは吉田羊、野村周平、大久保佳代子という主要キャストの演技。
特に大久保佳代子さんは芸人っぽい笑いに逃げず、しっかり女優として演技をしていました。
何より大久保さんはブスをむしろ売りにしているような方だけど、本作ではしっかりイイ女に見えるんですよ。鈴木おさむが(本来は)目指しているであろう、「人は見た目に寄らない」ことを、演技および人としての魅力で体現しているため、大好きになりました。

個々のエピソードを切り取れば、アラフォー女性の本音が現れたものとして共感できないこともなかったですね。
「人生に無駄な恋愛なんてない」というメッセージも間違いなく正しいものですし、ラストの主人公の成長も十分納得はできました。
「アラフォーの大人に向けた恋愛映画を作る」というコンセプト自体も悪くないと思います。(それに反比例して演出が幼稚だけど)

えーと、その他?本当に良いところがない

他の映画を優先して観よう!

まあ、観る価値がないとまでは言いませんよ。
映画の面白さがどういったところにあるのか、本作を観ることで考えるきっかけになるはずです?(疑問形)

でもね、今は『孤狼の血』をはじめとした素晴らしい映画がたくさん公開されているので、どう考えてもそっちを優先して観るべきですね。
※『孤狼の血』のネタバレなしレビューはこちら↓
『孤狼の血』は“誰が観ても面白い”最高のエンタメ・ムービーだ!ヤクザ映画初心者にもオススメしたい5つの理由 | シネマズ by 松竹

大人の女性と、若い男の恋愛を描いた映画であれば『蝶の眠り』をチョイスするのが良いでしょう。

結論としては、全体的な出来がアレ、演出が幼稚ということが超絶大問題。
これは鈴木おさむからの挑戦状と捉えるべきでしょう(耐久レース的な意味で)。つまり、ドMな方にオススメDEATH!

以下は結末を含めてのネタバレの音声レビュー。7分まではこれまでの文章のままの解説、そこからはネタバレです↓

(C)2018「ラブ×ドック」製作委員会

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ヒナタカ

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