『ロスト・バケーション』島の形の意味とは?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『ロスト・バケーション』島の形の意味とは?(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はロスト・バケーション(原題:THE SHALLOWS)です。

個人的お気に入り度:8/10

一言感想:サメ映画万歳!

あらすじ

医学生のナンシー(ブレイク・ライヴリー)は休暇を利用し、亡き母が教えてくれた秘密のビーチへ来ていた。

透き通った海でサーフィンを楽しむ彼女を、1匹の巨大な人食いザメが襲う。

サメが出てくる!美女とバトる!

そういう映画です!

ほら!とっとと観に行った!(乱暴な説明)

以下にも本作がすんげーおもしろかった理由を書きました。

<『ロスト・バケーション』は新たなサメ映画の傑作!全映画ファンが観るべき10の理由 | シネマズ by 松竹>

※ちょっと補足:shallowの意味を形容詞の「浅い」「浅薄な」しか書いていなかったけど、名詞の「浅瀬」を先に書くべきでしたね。Theがついているし。

サメ映画 のひそかなブーム

最近、サメ映画のひそかなブームが来ていると思うのですよ。

ニコニコ動画では『シャークネード』ほかサメ映画8作品が連日放送され「午後のロードショー」で4週連続のサメ祭りが開催、漫画『姉のおなかをふくらませるのは僕』3巻では女子小学生と女子高生が熱くサメ映画について語ったりしているんですから。

※こういう女子が現実にも存在すると信じています(願望)

しかも奥さん!(主婦層にアピール)

10月2日まで、サメをたっぷり展示している海のハンター展が東京の上野で開催されているんですぜ!

そしてそして、動画でのク◯映画レビューで人気を博したばかりか、サメ映画の啓蒙活動に励む知的風ハットさんという素晴らしいお方まで現れました。

氏のゆっくりサメ映画レビュー動画を観れば、短時間でサメ映画がいかに素晴らしいかをそして時間の無駄としか思えないブツが多いかも知ることができるでしょう。

以下はオススメのサメ映画だよ!

サメ映画というかモンスター映画の金字塔

いわゆる「死亡フラグ」を崩しまくった名作

サービス精神満載。とくに2は神!

ついにサメがスーパーマーケットに進出!

設定で出落ちかと思ったらけっこう楽しい

あんまりおすすめしない

冒頭からちょっと…。ハルク・ホーガンの娘が出演。

頭が増えれば面白さも倍。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。

アレ

IMDbで驚異の1.5点。ていうかサメはほとんど出てこない。

※こちらもぜひ参考にしよう!

<【目次】『かあさんこのサメどうかしら』レビュー作品一覧 – かあさんこのサメどうかしら>

閑話休題

とまあサメ映画は玉石混合、路傍の石にも満たないアレも存在するわけですが、「おれのかんがえたさいきょうのサメが出て来ればいいんだ!」「美女とサメがあればそれでいいんだ!」という映画も世の中に必要だと思うんですね(しみじみ)。

『ジョーズ』以外の上記に挙げた作品は、観る人の人生に何の影響も与えないでしょう(もちろんいい味で)。

で、ここに来て『ロスト・バケーション』という、小細工なしの直球勝負、B級ではないA級のサメ映画が生まれたわけですよ。

待った……待った……この映画を待っていましたよ!(震えながら)

キレのある映像の編集、『ジョーズ』ばりの恐怖、『トレマーズ』のような一定のルールで戦うおもしろさ、『127時間』並の極限サバイバル、そして『ゼロ・グラビティ』のようなメッセージまでもがある。

幸せか!ここに来てサメ映画の名作を劇場で堪能できるなんて幸せか!

ロスト・バケーション

現在は『シン・ゴジラ』という規模も被害もマキシマムなモンスター映画も公開されていますが、この『ロスト・バケーション』はまったく逆。超ミニマムな場所での人間とモンスターの戦いを描いているというのもいいですねえ。

なお、単純明解な内容と思われがちですが、序盤の会話からその後の展開をほめのかしているなど、脚本には相当に手が混んでいます(2回観なければ気づけないところもあったほど)。

ぜひ、会話の隅々までよく聞いておくことをオススメします。

なお、劇中で登場するホオジロザメはメスとのことです。傷だらけだったのは、メスのほうが交尾による大きな傷跡が残っている個体が多いことを反映したから。そういう設定もちゃんとしていますね。

アニア AS-07 ホオジロザメ<映画を観るとなんだか愛おしくなってくる

注意しておくことは、PG12指定でありかなーり「痛い」描写があることかな。あのシーンは目を背けること必至です。

これくらいであれば、トラウマをむしろいい思い出に昇華できると思うので、ぜひお子さんにも観てほしいですけどね(ゲス顔で)

そのほかでとくに言うことはありません。

いまの夏の時期にぴったり、誰にでも楽しめる優れた娯楽映画です。とっとと観に行きましょう。

以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓



野暮な不満点

※追記:序盤、字幕で「Uber」という言葉が訳されていないのはなんで?と思っていたのですが、これはスマートフォンでタクシーを呼び出すアプリのUberであるとご指摘を受けました。

スペイン人の男性に「帰りどうするの?」と言われ、「Uber」を使うわ、という感じですよね。

海には、すぐそばに大きなクジラの死体があるのに、なんでサメはそっちではなくナンシーばっかりを狙うんでしょうかね?

死体が腐っていたとしたら、ハエがたかっているなどの描写があったほうがよかったと思う。

また、ブイにいるナンシーに向かって水中からカメラが近づいていく!→マジで何もなかったという展開があったのはどうかと。せめてイルカたんを登場させてよ!

終盤で照明弾を撃ったとき、海が燃え上がったのは、クジラから流れてきた脂のおかげだったのでしょうね。

それとなく燃えた理由がわかる描写や説明は、あってもよかったかもしれません。

※以下の意見をいただきました。

鯨の油←自分は、うっすら水面が虹色に光っていることで、死んだ鯨から出た油が浮いてることがすぐわかりましたよ。

飲んだくれオヤジ登場

海岸に来たのはいいけど、ほぼ泥酔状態で、荷物だけパクろうとするオヤジが酷かったですね。

こいつ、ナンシーの叫びを聞いてもニコニコするだけだけもん。

そしてこいつは、欲を出して海に出てサーフボードもパクろうとしたおかげで、サメに思いっきりパックンチョという納得の最期を迎えました。

サメに襲われるシーンはあえて映さず、直後の「真っ二つになった結果」だけを映すのが怖い!

このときのブレイク・ライヴリーの顔の演技もすんばらしいです。

主人公の見識の狭さ

主人公が、いかに画一ばった見識の持ち主であるかは、序盤から明確に示されていました

ナンシーは車の中でずっとスマホの画面を見ていて、スペイン人の男性から「下を見ていたら自然が見えないよ」と注意されていました。

そしてナンシーは、友だちが酔っ払ってサーフィンに来ないことを知ると「計画を変えられるのは絶対にいや」「信頼を裏切られたくない」と話し、男性に「偉そうだ」と言われてしまう。(しかもナンシーは「ええ、偉そうよ」と治そうともしない)。

ナンシーは頑固で、考え方に柔軟性がないのです。

彼女は医者を志したものの、母が病気で亡くなったことに「ママは勝てなかった」とも言っております。

医者になっても救えない命がある。

実際に愛おしいママは死んでしまったのに、自分は医者になる必要があるのか?

ナンシーは頑固だからでこそ、そんな葛藤をしていたのでしょう(だから、バカンスに「逃げた」とも考えられます)。

そしてナンシーは、このサメとの戦いを通じて、生きるために、物事を柔軟に考えていく……(傷の縫合や局部圧迫などの医学の知識も大いに役立ちました)。

この物語は、(医者としての)自分のアイデンティーを見つける女性の物語とも言っていいでしょう。

※この心理描写が素晴らしい!

友だちになったカモメが、最後に助かったことが見れたのもよかったなあ……。

母が亡くなった事実に苦しめられてきた彼女が、しっかりと自分の力で、命を救ったのですから。

そういえば、ナンシーがサメの周回する時間を計測して、移動のタイミングをみていくというハラハラするシーンがありました。

でも彼女はヤケド珊瑚の存在を忘れていたためにちょっと失敗したりもする。このときは、まだ見識が狭いですねえ。

島の形

ナンシーは、水平線上に見える大きな島の形を「妊婦」のようだと言っていましたが、スペイン人の男性にはそう見えないと否定されていました。

※こちらの漫画にも島の形が載っているよ!

助かったとき、ナンシーはこの島の右にあった、「小さな島(大きな島と小さな島の間)」のほうを見ていました。

この小さな島は、生まれてきた子ども、ナンシー本人を示しているのでしょうね。

ナンシーは自分の、医者としての存在価値を認めることができなかった。

でも最後には、母(妊婦)から生まれた、自分という存在がいたことを知った。

あの島の位置関係と、最後にナンシーが島を見たことには、そういう意味が隠されているのではないでしょうか。

そういえば、ナンシーはこの大きな島(母)と、小さな島(自分)の間に船が通るのを見かけたことをきっかけに、閃光弾を使っていました。

これも母と子の命の間には深い絆があること、「命が繋がっている」こと、もしくはへその緒を断ち切って「生まれる」ことを示していたのかもしれませんね。

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  1. 毒親育ち より:

    最近サメ映画と言えば『オバカB級映画(褒め言葉)』の代名詞なイメージでしたから。久々にマジモンにオラ。ワクワクすッぞ!?
    あと。最近の映画の中ではメキシコはサメさんよりも恐ろしい悪のオクスリ帝国に支配された恐怖の土地ですが、親切なおじさんと陽気なおにいさんと太陽がイッパイの国でホッコリ・・・(アル中置引きオヤジ?そんなのいません)
    >~野暮な不満点~
    しばらく齧って満腹になったらどっか行ってくれないかと・・・。
    あとあの鯨は鮫に襲われて死んだのではないのでしょうか。鮫は自分より大きな生き物は襲わないと聞きます。
    >死体が腐っていたとしたら、
    ナンシーの新鮮な血の匂いの方に惹かれたとかですかね。
    >~飲んだくれオヤジ登場~
    人間はあの状態でしばらく生きていられんですね・・・。
    >~主人公の見識の狭さ~
    この辺ちょっとイラっとしましたね。自分は最初雇ったガイドかと思っていたおじさんが親切な地元の人だと知った時は「せっかく観光名所を進めてくれてるのに・・・」と残念に思いました。
    >ヤケド珊瑚
    教えてくれたお兄さん達も良い人達だっただけに後味悪いですね。
    >~島の形~
    ラストでまた鮫が現れて姉妹揃ってパックンされたらどうしよう・・・と心配になった自分はジャウム・コレット=セラ監督はそんな意地悪じゃなかったと反省します。
    (『MIST』のトラウマからまだ立ち直れていない)

  2. より:

    いつも更新を楽しみにさせて頂いております。
    不満点の「uber」の意味ですが、
    確か作品の中では、現地の親切なおじさんにビーチまで送ってもらい、
    おじさん「帰りはどうやって帰るの?」
    ナンシー「uber 」
    おじさん 「 ? 」
    みたいな流れだったと思うのですが、、
    これはuberを呼ぶ、という方の意味ではないかと思うのですが;
    所謂白タクの方のuberです。
    違っていたらすみません;
    よろしくお願い致します。

  3. ヒナタカ より:

    > いつも更新を楽しみにさせて頂いております。
    >
    > 不満点の「uber」の意味ですが、
    > 確か作品の中では、現地の親切なおじさんにビーチまで送ってもらい、
    > おじさん「帰りはどうやって帰るの?」
    > ナンシー「uber 」
    > おじさん 「 ? 」
    > みたいな流れだったと思うのですが、、
    > これはuberを呼ぶ、という方の意味ではないかと思うのですが;
    > 所謂白タクの方のuberです。
    >
    > 違っていたらすみません;
    > よろしくお願い致します。
    さっそくほかの方からもツッコミをいただきました。その通りです!
    でも再度見たところ、ナンシーが「ああ、Uberね」みたいな言い方で、なんか男性のほうがよく知っていた感じなのが違和感があって。
    訂正させてください。

  4. unknown より:

    前ブログに頂いた、非公開コメントです。

  5. にこ より:

    ナンシーの痛がる演技が凄まじかったですね。凄惨なシーンをそのまま描写するのではなく、ナンシーの顔の演技で十分伝わりました。
    水の手に入らない状態でよく脱水症状が起きないな、あんなにはっきり話せるかな?
    など、所々リアルではない点もありましたが、そんなの気にならない!
    終盤では、理屈はいい!とにかく助かってくれ!と祈ってました。

  6. 匿名 より:

    鯨の油←自分は、うっすら水面が虹色に光っていることで、死んだ鯨から出た油が浮いてることがすぐわかりましたよ。(そういうことでなければスミマセン)

  7. ヒナタカ より:

    > 鯨の油←自分は、うっすら水面が虹色に光っていることで、死んだ鯨から出た油が浮いてることがすぐわかりましたよ。(そういうことでなければスミマセン)
    あざっす!追記させてください。
    脱水症状は、ブレイク・ライヴリーの演技と、唇がかわいているというのでまあ描写はされていましたが、確かに声がはれすぎだなあ〜

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著者

ヒナタカ

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