『黒崎くんの言いなりになんてならない』ドM女子にとっての桃源郷(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『黒崎くんの言いなりになんてならない』ドM女子にとっての桃源郷(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は黒崎くんの言いなりになんてならないです。

個人的お気に入り度:4/10

一言感想:※ただしイケメンに限る

あらすじ

中島健人が「俺の奴隷になれ!」と言ってキスした数秒後に、千葉雄大が「スタートボタン(唇)を押して❤︎」とほざきます。It’s So Crazy.

えーと皆さま、※ただしイケメンに限るというネットスラングをご存知でしょうか。
まあ簡単に言えば「イケメンは何をやっても格好いいが、ブサイクは何をやってもブサイク」という絶望を突きつける言葉です。

※ただしイケメンに限るの例
泣いてる男:イケメン→繊細そうで守ってあげたい、ブサイク→女々しくてキモい
口下手:イケメン→カワイイ、ブサイク→トーク力磨けやボケ
子ども大好き:イケメン→いいお父さんになれそう、ブサイク→通報
これがこの世の現実なんですよ。

で、本作『黒崎くん』では、超絶イケメンの中島健人くんが、女の子に「俺の奴隷になれ」と言ったり、壁ドンとか顎クイとかするわけですよ。

壁ドン1<壁ドンの例

顎クイ1<顎クイの例

これは中島くんだから許されるんですよ。
これをするのがガリガリガリクソンとかバナナマン日村だったらどうですよ。たちまち犯罪者扱いじゃないですか。

もうね、この映画はイケメンにドSに迫られるという女子の夢を最大限に叶えてくれる作品なのですが、非イケメンの男子にとっては「俺にできるわけがない」「※ただしイケメンに限る」という絶望をあたえてくれる作品なんですよ。いや、しょうがないんだけど。

おそらく『黒崎くん』は、男子にとっての『To LOVEる―とらぶるー』みたいな存在なんでしょうね。
美少女にラッキースケベを繰り返しまくるドリームを叶えてくれるあの桃源郷は、現実に存在しないことはわかっているけど、死ぬほどうらやましいもんね(我ながら何を言っているんだろう)。

映画は「日常では体験できないこと」をあたえてくれる娯楽。「中島健人くんにイジメられたい(はぁはぁ)」「イケメンふたりに取り合いをされたい」女子の妄想を叶えてくれる時点でこの映画はそれでいいんです。いいけどさ。

脚本はちゃんとしています(特に後半)

さてさて、真面目に語りましょう。
本作は同名の少女コミックを原作としています。

で、前半はマンガをなぞったエロキュン(らしい)ラッシュです。あたまのおかしな(←めっちゃ褒めている)超展開がブッ続くので、笑いをこらえるのに必死でした。

しかし、意外や意外、この映画、後半が意外とちゃんとしています
恋愛でワーキャーしているだけでなく、友情と恋のどちらを優先するかというまっとうな物語になっており、映画らしい「ベラベラ語り過ぎない」演出もあったので驚きました。

前半は壁ドンとか顎クイとかオンパレードの異世界(パラレルワールド)だったのに、後半はまともな人間ドラマなんですよ。
前半と後半のギャップがここまで凄まじかった映画は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』くらいでしか観たことありません

あと、そもそもの恋愛の始まりを2分ぐらいのダイジェストで描いてしまうことに驚きました。
なんでやねんと思っていたら、この始まり部分は、少し前に放送されたスペシャルドラマ(全2話)で描かれていたのですね。

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そういや『信長協奏曲(コンツェルト)』もドラマ版の展開を雑なダイジェストを見せていたなあ……。

しかし、この『黒崎くん』は、むしろドラマ版を観たことない人に向けて「何が起こっているのかさっぱりわからない」というのを狙ってギャグにしているのでとっても好感度が高かったです。
これなら、ダイジェストも思い切った手法であると大肯定できました。

で、本作の問題点は、明らかに編集の時点でカットしまくったせいで、悪い意味でわけのわからない展開があること。
終盤の「こいつ誰だよ!」感、明らかに前後が繋がっていないシーンは、どう頑張っても擁護できません。

上映時間が93分とコンパクトなのは長所ではあるのですが……端折った結果、不自然になってしまっているのはよくないでしょう。

もうこの映画はこれでいいよ

うーんまあ、でも、この映画はもうこれでいいじゃないでしょうか。
この映画を観に来る人は、中島健人くんのドSっぷり、千葉雄大くんの王子っぷりが観られればそれでいいわけで、そこは十二分に満足できるというか、シャワーシーンまでもあったりするのですから。

「キュンエロ」というキャッチコピーがついていますが、実際はそんなにエロくもない、G(全年齢)指定でまったく問題がないものでした。親御さんにとっても安心でしょう。

↑には「※ただしイケメンに限る」という絶望をあたえてくれる作品とは書きましたが、ひとつだけ「これはできるぞ!」と思えるイケメン行動がありました。これはいいぞ、多少ブサイクでもイケメンに感じられるはずだ!(と信じている)。

あと、改めて自分はイケメンの苦悩や恋になんの興味もないことに気づきました(身も蓋もない発言)。
(自分は非リア中&非イケメンによる恋愛映画『箱入り息子の恋』や『ワンチャンス』が大好きです)

トータルでは松田裕子さんの脚本がしっかりしているので、人間ドラマを期待する人にもオススメ。中島健人くんと千葉雄大くんのファンは是が非でも観に行きましょう。
予告編でアウトだった人は観るな。以上。


※予告でだいたいオチています。

以下、結末も含めてネタバレです だいたいツッコミ入れているだけです↓

爆笑オープニング

呼吸困難になるほど笑ったオープニングをそのまま書きます。

・主人公は「私はどん底から抜け出したんだ」と言いながら通学路を歩く

・いきなり現れた黒崎くんは「お前は俺の言いなりになるんだ!選択肢なんてない!」と言って→顎クイ→キスのコンボ!

・後ろを振り向くとそこには白河くんがキラキラしたオーラを携えて佇んでいた!「疑似恋愛はもう終わりだよ。ここから新しい関係が始まるんだ。さあ、押して、スタートボタン(自分の唇を指差しながら)」→主人公が唇を押したら即キス!

唇がスタートボタンだよ!<唇がスタートボタンだよ☆押して❤︎

・主人公「私、素っ頓狂な現実についていけません!」

俺(観客)もついていけねえよ!

・で、いままでのあらすじがカットバック。主人公が黒崎くんの髪を切っちゃったから奴隷化を命じられたとか、国民的彼氏の白河くんに一方的に好かれたとかを2分くらいで紹介。このとき白河くんは主人公に「かわいいは正義だから」とかほざいている。

・あらすじから戻ってきた主人公「だめだ、さっぱり意味がわからない、神様教えて下さい!」

・白河くんは黒崎くんに「上書きしておいたから、こーこ(自分の唇を指差して)」と言って、「お前あたまがおかしいのか」とまっとうなツッコミをくらう

・・・

えーもう素晴らしいよ。このオープニングは4〜5分程度で終わるのですが、これだけで観た甲斐があったよ。

残念なのがこのオープニングが強烈すぎて、後に何が起ろうが大して驚かなくなっちゃったこと。
最大の見所がここだけで終了。映画としてはバランス悪いなあ。

壁ドン、ダブル壁ドン、顎クイ、そして・・・

えーと、女の子が胸キュンできる行為が何度あったか、劇中でカウントしてみましたよ。

壁ドン:3回
ダブル(ふたりで)壁ドン:1回
足で壁ドン(通り道を防ぐ):1回
お姫様だっこ:3回
顎クイ:9回(たぶん)
授業始まってすぐに耳を甘噛み:1回
暗いところで首にキス:1回

すげえよ・・・授業中に耳を甘噛みとかほんとうにあたまがおかしい(褒めてる)のですが、イケメンならすべてが許されるんですね。

あと笑ったのはシャワーシーン。
公衆浴場みたいなところで浴びるのでそのままだと色気もへったくれもない感じだけど、思いっきりスローモーションで水がしたたる様子を映すのです

それはいいけど、小松菜奈ちゃんのヌードがまったく見られない(バスタオルをがっつりまいている)のが解せませんね。

役に立つイケメン行為

白河くんが、冷たくなっている主人公の手を握って、自分の上着のポケットに入れて温めてあげる行為には感動した!
よし、これは早速実践しよう。相手がいません。

イケメンはグランドピアノで語る

友人の梶くん曰く、黒崎くんがピアノを弾くのは「伝えられない思いがあるとき」だそうです。めんどくせえイケメンだな。

だけどこれはわりと効果的な伏線として機能します。
黒崎くんは口では「お前にはもう飽きたんだよ」とか言っているのですが、本当は親友の白河くんのために主人公を諦めていたことが観客には知らされています。
このとき、黒崎くんは主人公にやさしく手を添えてピアノを連弾しているのです(弾いているのはジムノペディ)。

黒崎くんは、本心では主人公と手を添えるように、仲良くしたかったんですね。
ツンデレの本当の気持ちをピアノで表すのは悪くないんじゃないでしょうか。

妙な展開(野暮な不満点)

主人公、黒崎くん、白河くん、梶くん、(黒崎くんに片思いをしている)親友の芽衣子が遊園地でデートをするんだけど、「俺も女だったら白河くんがいいかな〜」と言っていた梶くんが完全にハブられてひとりになっているのが可哀想だったなあ。

あとせっかく観覧車に誘ってくれた芽衣子を放っぽいて、いきなり主人公を観覧車の頂上に連れて行って、無理やりキスをする黒崎くんの行動が最低に思えてしかたがない
「観覧車の頂上でキスをすると結ばれる」という都市伝説を信じている黒崎くんはカワイイのかもしれんが、それだけじゃ許されないよ。

終盤に主人公が無駄に走り出すのはやめてくれませんかね。いや黒崎くんはどこにも逃げねーだろ。
(この後には黒崎くんが「あと3分で公園に来い」と言っているので、そこでは走る理由はできています)。
日本映画の「クライマックスに理由なく走る」はもう法律で禁止したらいいと思う。

あと、ここで主人公を元気付ける芽衣子の横に、謎の女の子がいます。誰だお前
彼女は公式サイトにも名前が載っているのだけど、まったく活躍の場が与えられていないよ・・・。

そういや、終盤の回想シーンで出てきた、体育館倉庫に閉じ込められているエピソードも観たことがないんですけど・・・。ドラマ版を観ろってことですか?

恋と友情

主人公は芽衣子に、自分も黒崎くんが好きになったと告白するけど、芽衣子は「同じ人を好きになるなんてむかつくけど、それと私たちの友情は関係ないでしょう」と応援してくれます。

一方で、白河くんは、自分が好きな女の子がみんな黒崎くんを好きになっていき、それで敗北感ばかりを得ていたことを告白します。
彼らが決着のために使ったのは、バスケットボールの1 on 1という「男と男の勝負」でした。
黒崎くんは勝負には勝ちますが「ずっと勝てない奴がいる、お前に決まっているだと」と、ずっと白河くんが感じていた敗北感を背負ってくれました
これは「お前の友情には何にもかなわない」という、遠回しの照れ臭さのようにも思えました。
(芽衣子が、ふたりのバスケの試合を見ながら「男の子っていいなあ」と言っていたことも、うまい伏線になっています)。

男女それぞれの価値観を対比させ、友情と恋を描いたことは見事でした。

まあそれはともかく、汗ダクになった黒崎くんが白河くんにガバッと覆いかぶさる(※試合中の事故)シーンに爆笑しました。
ボーイズラブまで完備してんのか!この映画おもしろいかもしれない。

タイトル回収

主人公は再び黒崎くんに奴隷化を命じられますが、「黒崎くんの言いなりになんてならない、でも好きです!」と返します。

しかも逆に顎クイをやりかえして、主従関係をひっくり返すというオチ。
ちょっと照れているのをイジられる黒崎くんもカワイイではありませんか。

個人的には中島健人くんがドMになる続編を観たいです(あるわけない)。

おすすめ。ちょい役も含めて、役者はみんなよかったですね。↓
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(C)「黒崎くんの言いなりになんてならない」製作委員会

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  1. 黒崎くんの言いなりになんてならない ネタバレ注意感想 イケメンになりたい。

    *注意: 作品の結末を豪快にネタバレしています。
    オススメ度 ★
    あらすじ
    暗くて地味でいじめられっ子だった自分を変えるべく、寮制の学校に入学した女子高生の赤羽由宇(小松菜奈)。
    しかし寮に入った彼女を待っていたのは、「黒悪魔」と周囲から恐れられているSっ気満載の黒崎晴人(中島健人)による洗礼。
    とあるアクシデントから、副寮長である彼の髪の毛を切ってしま…

  2. ナデ より:

    いつも楽しく読んでいます。
    知り合いの男の子が「女の子とじゃないと見に行けない」と困っていて、ここでなかなか高評価?だったよな、と思い見に行きました。
    このブログのレビューを参考に映画館へ足を運んだのはたまこまーけっと、オデッセイ、黒崎くんの異色の3つです(笑)
    映画館は私と友達以外は全員女子高生で、団体が多いと言う事もありますが話し(と言うか笑い)ながら観ている様子はテラスハウスの映画を彷彿とさせました。
    こう言う雰囲気が許される映画って、個人的に貴重ですし、映画館で見て良かったなと感じられます。
    個人的に、プールから上がった黒崎くんの乳首がめちゃくちゃ透けていたシーンと、ピアノを弾く合図の指パッチンがツボでした。
    いつも映画に行くキッカケを作ってくださりありがとうございます!

  3. ヒナタカ より:

    > 知り合いの男の子が「女の子とじゃないと見に行けない」と困っていて、ここでなかなか高評価?だったよな、と思い見に行きました。
    > このブログのレビューを参考に映画館へ足を運んだのはたまこまーけっと、オデッセイ、黒崎くんの異色の3つです(笑)
    ありがとうございます。なんであのレビューで黒崎くんを観ようと思ったのかw
    > 映画館は私と友達以外は全員女子高生で、団体が多いと言う事もありますが話し(と言うか笑い)ながら観ている様子はテラスハウスの映画を彷彿とさせました。
    > こう言う雰囲気が許される映画って、個人的に貴重ですし、映画館で見て良かったなと感じられます。
    JKの会話といいにおいを体感できる天然4DX!(あたまのおかしい発言)
    > 個人的に、プールから上がった黒崎くんの乳首がめちゃくちゃ透けていたシーンと、ピアノを弾く合図の指パッチンがツボでした。
    > いつも映画に行くキッカケを作ってくださりありがとうございます!
    ああ、あの指パッチンは自分も笑いましたw
    こいつを観に行くきっかけを作ってしまってよかったんだろうか・・・w

  4. […] 全編が※ただイケだった『黒崎くんの言いなりになんてならない』 […]

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ヒナタカ

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