『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』は児童虐待がテーマの大傑作!(ネタバレなし感想)

『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』は児童虐待がテーマの大傑作!(ネタバレなし感想)

今日の映画感想は映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃です。

個人的お気に入り度:10/10

一言感想:しんちゃんたちがいて、よかった。

あらすじ

しんのすけたちの幼稚園にサキという女の子がやってきた。

だけどサキは誰とも仲良くしようとはせず、あまつさえ皆を「オバカ」と呼び、ひとりでいようとする。

同じ頃、新聞では集団で悪夢を観てしまう現象が発生しており……。

いやあ、いまは児童虐待を描いた作品が3つも公開されているんですね。

ひとつは『僕だけがいない街』。終盤のことは置いておいて、近隣住人の児童虐待を解決するまでの過程が見事に描かれていました。

ふたつめは『スポットライト 世紀のスクープ』。おぞましい性的児童虐待の事件を追った社会派ドラマした。

みっつめはこの『クレヨンしんちゃん』。子を愛するがゆえに児童虐待をしてしまう親の心理を深くえぐった作品でした。

えっ、本当ですよ。

『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』はクレヨンしんちゃんというアニメでありながら児童虐待を描いた作品です

よし、大人はこれ以上の情報を入れなくてよし。

いいから、子どもといっしょに観に行ってください。

もしくは大人がひとりでもいーですから、感動できますから。観!!!!ろ!!!!!

爆睡!ユメミーワールド大突撃のいいところ10個

さてさて、本作の完成度はすげええええええ!と大興奮しっきりなのですが、それもそのはず。

監督・脚本は『映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』の高橋渉で、共同脚本には『青天の霹靂』でも卓越した手腕を見せた劇団ひとりが参加しているのですから。

しかも脚本の完成には7〜8ヶ月かかるほどに推敲を重ねたというのですから。

クオリティはお墨付きってもんです。

これからはいいところを過剰書きであげるぞ!覚悟しろ!

多すぎて10個もあげちゃったよ!

(1)テーマがすげえ!

本作で描かれているのは前述の通り児童虐待です。

それは厚生労働省が定めている定義とは異なるかもしれませんが、(詳しくはネタバレになるので言えませんが)立派な虐待と言えるのではないでしょうか。

さらに、そのほかにもさらなるテーマがあります。それがわかったときは泣きました。いいから観ろ。

(2)ギャグがアラフォーにしかわかんねえ!

『ロボとーちゃん』でも思ったのですが、最近のクレしんは大人にしかわからねえネタをぶっこんできますね。

大人はゲラゲラ笑って、子どもの「パパあれどういう意味?」という質問に答えてあげましょう。

ちなみに大人も子どもも笑えるギャグ、「おならぷう」な幼稚園児向けギャグもあるので、子どもも笑えますよ。

(3)ホラー描写が怖い!

前回の『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~』でも思ったんですが、クレしんのホラー描写はガチで怖い!

最近の『貞子3D』などのジャパニーズホラー(笑)よりもクレしんのほうが怖いってどういうことだよ。

子どもがガチ泣きしかけないというのはある意味欠点ですが、自分は子どもにトラウマを植え付けるのはいい映画だと思っているので、ぜひ親御さんは連れて行ってほしいですね(ゲス顔で)。

また、大人だからこそ怖いホラーシーンまである。あれ?これ子ども向けだよね?

(4)悪夢障害をも描いた作品である

本作の舞台は「夢」なのですが、決して「何でもあり!」にはなっていません。

なぜなら、本作は悪夢障害をも描いているから。

これは、実際の症例を参考にしなければ描けないものでしょう。荒唐無稽なアニメだからといって、決して「現実」で起こる問題をないがしろにしていません。

さらにはユングのシンクロニシティにも言及していたりする。あれ?これ子ども向けだよね?(2回目)

ちなみに「魚に食べられる夢」が登場するのですが、これは夢分析によると「精神的に不安定な未来」を意味していたりもするのです。

ユメミーワールド 魚の夢

(5)細かい描写がすごい!

感動したのは「食事」!

詳しくは言えませんが、これも「実際の事例」を知らなければ描けるもんじゃない、ここまで徹底されているとは!

(6)ラストへ向かう伏線の妙がすごい!

(ギャグ以外)ほぼすべてのセリフに意味があるというのはお見事!

いかに脚本が緻密に計算されて作られているかを、思い知らされました。

本作のニューヒロインのセリフは「裏」を読むと悲しくてそれだけも泣きそうになってしまいます。

サキ クレしん

(7)アニメだからこその楽しさも!

「基本的には」カラフルな夢の世界を描いているため、楽しくってしかがありません。

「他人の夢の話はつまらない」とよく言われますが、アニメで描くとこうもおもしろいんですね。

しんちゃん ユメミーワールド すっごく楽しい!

(8)しんちゃんのやさしさを知って泣きそうになりそうになる

しんのすけはご存知のようにかなりのお調子者。でも、本作では悲しい現実を明るく笑って慰めようとする、やさしくて、格好いい男の子にしか見えません。

しんのすけというキャラクターを愛してこその描写でしょう。

(9)かすかべ防衛隊がシリーズ随一の大活躍

前作『サボテン』ではしんのすけ、風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんからなる「かすかべ防衛隊」の活躍がほぼ皆無だったのですが、本作では活躍しまくってくれます。

そこには「友達を救うために戦う」というアツさもある!最高か!

カッコイイ春日部防衛隊

(10)ひろし、みさえももちろん最高の父と母だ!

日本の両親の理想の形、ひろしとみさえの活躍も素晴らしい!

詳しくは書けませんが、中盤の醜態にはゲラゲラ笑い、終盤の行動には涙腺が崩壊した!

こんなシーンもあるよ!

(11)児童虐待を描いた作品として完璧である

実際に「子どもを愛するがゆえの児童虐待」があることを知ったとき、また当事者となってしまったとき、「どうすればいいか?」

その答えがこの映画にはあります

しかも本作は子どもにもわかりやすいように問題を描いている。

大人は子どもへの接し方を改めるでしょうし、子どもも「こういうことはいけないよね」と考えることができる。

これは、積極に子どもに見せたい作品なのです(ホラー要素がマジで怖いけど)

すみません、10個と言ったのに11個ありますが、要するにそれだけすんばらしい作品だということです。

劇場版クレしん3大傑作に

劇場版クレしんは『オトナ帝国の逆襲』と『戦国大合戦』が2大傑作だと言われていますが、違うな!本作映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』を合わせて3大傑作だよ!(前作の『引越し物語~サボテン大襲撃~』も大好きです)

ここまで書いて観ないんですか?いやこれ観るでしょ!ぜったい観ろよ!(うっとうしくてすみません)

また、本作を観る前に、中国の空想上の生き物である「貘(バク)のことは知っておいてもいいかもしれませんね。

バクは、悪夢を見たときに「この夢をバクにあげます」と2回唱えると悪夢を食べてくれる生き物。本作では重要なモチーフとして登場するのです。

また、個人的な事情で、自分にとって、とても大切な作品になりました。

自分は長年とあることで苦しんでいた経験があり、いまでもそのときの悪夢をみるのです。

本作で提示された「悪夢」の解決方法は、自分にとって福音となったのです。

そして、クレヨンしんちゃんという作品にある「笑い」もとても重要になってきます。

実際に悪夢障害の療法に「逆夢をみて笑い飛ばしてしまう」というものがあります。

(クレしんというシリーズだからでこそ)笑いに満ち溢れている、それこそが救いになる……なんと志が高く、やさしい作品なのでしょうか!

アニメーションであることの意義も大きいです。

それは、具現化しにくい夢というものを表現してくれただけでなく、子どもにもわかりやすく登場人物の心情を描けているから。

実写映画ではそうしたことを役者の繊細な演技や演出で語るわけですが、子どもには伝わりにくいものです。

アニメで、しかも親しみやすいクレヨンしんちゃんという題材で、このテーマを描いてくれたことが、とてもうれしかったです。

児童虐待と悪夢障害

児童虐待も悪夢障害も、非常に身近な問題です。

いま苦しんでいる人はもちろん、周りにそういう人がいる、という方にもぜひ観ていただきたいです。

映画で、苦しんでいる人の気持ちがわかるということには、確かな意義があります。

悪いことは言いません。『クレヨンしんちゃん』という枠に収まらない素晴らしい映画です。

ぜひ、親子で本気で怖がって、笑って、泣いてください。

そうそう、本作ではエンドロールでも重要なシーンがあります

じつはここで作中のセリフを回収していると言えるかも・・・ここを見逃さないでください。

※今回は語りたいことが多すぎるので、ネタバレは別記事で書きます。

書きました!こちらです↓

『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』が大傑作の理由を6000文字以上で解説する(ネタバレ全開レビュー)

※九州地区の11スクリーンでは公開延期されるのですね。1日も早く復興を願っております↓

「映画クレヨンしんちゃん」安田顕、大和田獏が九州へメッセージ : 映画ニュース – 映画.com

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2016

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  1. 匿名 より:

    芸能人ネタは会場大爆笑でしたけどね かなり上手い使い方でしたよ

  2. ヒナタカ より:

    > 芸能人ネタは会場大爆笑でしたけどね かなり上手い使い方でしたよ
    本人出演とは違う芸能人ネタは大受けでした。会によりツボが違いそうですね。
    誤解を生みそうなので、該当部分を削除しました。

  3. オープンリーチ より:

    ネタバレは別記事で書かれるとの事なので細かい感想は避けますが、とてもよかったです。カゲヒナさんの「三大傑作だよ!」との意見も納得です。近年の「映画クレヨンしんちゃんシリーズ」はいわゆるゾーン状態に入ったみたいで期待できます。

  4. 前が見えねぇ より:

    個人的には前作のサボテンには及ばないが、とても面白い映画でした。
    これまでのクレしん映画ではあまり目立たない人物たちが活躍する&これまでの映画でよく出た「アレ」が相手の理由なのが凄く良かったです。
    ただ芸能人ネタが妙に長いのと痛面白いシーンが時折マジで痛くなってきて辛かったです。
    あと今回の芸人枠はいつもより上手く使われてるなーと思いました。

  5. ando より:

    いつも記事みさせてもらってますけど、過激な煽り文句からの平均的な感想・文章。

  6. ラリーB より:

    すいません、思いっきりネタバレしてますんで、僕のコメントなんかを見る前に是非見てください!
    いやホントコ◯ンなんて見てる場合じゃねえよ…(すいません)
    いやぁ…まさかここまでとは。みんな大好き「ロボとーちゃん」にイマイチノれなかった人間なんで
    正直「今回もまあ、期待値特大のそこそこ映画なんだろうな…」と舐めてました。
    …結論から言わせてください。僕の中のクレしん映画、ぶっちぎりのベスト更新です!
    何気無い問題提起、それに対する完璧なアンサー、本当に説得力有りすぎる演出…何と言うかね、全てが完璧。
    あともうひとつ付け加えるなら、僕は無類のボーイミーツガール大好き症候群なので
    しんちゃんとさきちゃんのブロマンスに思いっきりやられた次第です…w
    いやぁしかしあのいがぐり頭はあの歳で何人の女を惑わせたんでしょうw
    まさに天然ジゴロ(ただし本人は歳上属性と言う悲劇…w)
    ヒナタカさんと違い、僕は本作のテーマはネグレクトと言うよりは色々問題にもなってる『過保護すぎる親の愛』に対して
    「アンタらの気持ち、痛いほど分かる!でもね、最後は子供達が自分の足で、親からもらったこの手足で立たないといけないんだよ」と言う
    物凄く力強く、でもこれ以上ない誠実なメッセージだったと思ってます。
    ヤスケンパパ(すいません、『水曜どうでしょう』バカなのでどうしてもこの呼び名になりますw)はねじ曲がっていても
    愛情は誰にも負けん!と自負していました。でもそれはさきちゃんにとって何の解決にもならない。
    ただ心の傷、闇から逃げているだけ。だからこそ最後はトラウマを無闇に遠ざけたり、バクで食い尽くしたりせず
    「これも私の一部なんだ」と最後は受け入れる。もうね、ホント拍手したくなっちゃいましたよ…
    同じ心の闇をテーマにして中途半端に終わっちゃったバケなんちゃらの~と比べても
    本当に誠実ですし素晴らしい…ホント月並みですがこの言葉しか出てきません。
    この手前のみさえもね…「ロボとーちゃん」で大暴落した彼女の株は再びストップ高ですよ、いやホント…
    アレは彼女にしか出来ない…詳しくは書かないですが、本当に素晴らしいシーンでした。
    またヒナタカさんの仰る通り悪夢描写は色々洒落になりません。
    並大抵以下のホラーチキンである僕が言うんですから間違いないです
    本当に小便チビるかと思いました…(‘A`)
    それとは対照的に夢見る子供達の無限大な楽しい夢の数々、現実を知ってしまった大人の萎れた夢と言うのも
    「痛いとこついてくるなあ…」と苦笑いしてしまいました。
    ゲストの使い方も毎回クレしん映画は素晴らしいんですが
    色んな意味で過去最高に度肝抜かれるんで、これから見に行く方は覚悟した方がいいですw
    (「ロボとーちゃん」の五木ロボ超えたかも…w)
    アフレコも素晴らしかったです。ヤスケン(安田顕氏)にはどうしても思い入れが強くなっちゃうんですが
    吉瀬美智子もかなり良かったです。詳しくは劇場で…(しつこい)
    長くなってしまいましたが、正直まだまだ語り足りないと言うか本当に土下座しますんで
    一人でも多くの人が見てください。大大大傑作なんで見て絶対に損はないです!!

  7. ヒナタカ より:

    > すいません、思いっきりネタバレしてますんで、僕のコメントなんかを見る前に是非見てください!
    感想読みました!あのみさえの行動には感動なんてもんじゃなかった!
    あと自分は本作の虐待をネグレクトではなく、「かわいがりすぎる(過保護の)虐待」と思っていたんですが、厚生労働省の定義にはそれはないんですね……でも自分はこれは立派な虐待だと思うんです。

  8. ラリーB より:

    >ヒナタカさん
    そうですね…過保護も立派な虐待だと僕も思います。言葉足らずですいません。
    ヤスケンパパも最終的に頑張る子供の姿を見て…な展開だったのも嬉しかったですね。
    興奮してうっかり核心書いちゃいそうなんでこれで止めときます。
    折角ヒナタカさんがネタバレ回避してるんで…

  9. 匿名 より:

    今回の黒幕がずっとやって来たことを考えると、EDでやってることがまた違って見れますよね
    伏線の使い方といい最近のクレしんはそつがないなぁ

  10. ねーよ より:

    児童虐待っていうレビュー評価が意味がわかりません。別に児童虐待は主なテーマとしてないと思います。
    というか児童虐待のシーンとかありましたっけ??
    いい映画という意見には同意しますが、表現が少し湾曲していると感じました。

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ヒナタカ

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