
アメリカという場所で 映画「荒野はつらいよ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー
今日の映画感想は「荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~」(原題:A Million Ways to Die in the West)です。
個人的お気に入り度:5/10
一言感想:意外といい話(オタク男子にとって)
1882年のアリゾナ、冴えない羊飼いのアルバート(セス・マクファーレン)はガールフレンドのルイーズ(アマンダ・セイフライド)に愛想をつかされてしまう。
ある日、街に美女のアナ(シャーリーズ・セロン)がやってきて、アルバートは巻き込まれた店のケンカから彼女を救うのだが……
日本でも大ヒットを遂げた「テッド」のセス・マクファーレン監督最新作です。
セス監督は本作の主演も務めており(テッドのときも声を当てていたけど)、シャーリーズ・セロン、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライドといったスターを招いています。
つまり、セス監督は“「テッド」が大ヒットしたことをいいことに好き放題やっている”わけで……
「フィフス・エレメント」や「エンジェル ウォーズ」のように、富と名声を得た監督が自分の好きな映画を作った“俺様ムービー”と考えて差し支えないかもしれません。
セス監督の持ち味
セス監督の持ち味と言えばR15+指定大納得の、お下劣なギャグをとにかく詰め込む「数撃ちゃ当たる」スタイルです。
「テッド」ではいくつか笑えるシーンがあったのですが……すみません、本作のお下劣ギャグはほとんど笑えませんでした。
なんて言うか、う○こ、ち○こ、顔○、○ェラとか言う単語を並べて用意して「さあ笑え」というのはあまりに底が浅いのではないでしょうか。
「テッド」のときはそういうお下劣単語を、見た目がかわいいクマのぬいぐるみが言うギャップが笑えたわけで、今作のようにただ人間が言うだけではオエー気持ちわりーで終わってしまいます。
ちょっと…
また、パーキンソン病や人が死ぬシーン、幼少時の性的虐待までもをギャグとして描いているのも気に入りません。
本作ではパーキンソン病の話題を「リハビリ中」と訳していましたし、不謹慎で笑えないというのは多くの方が思うことでしょう。
「テッド」でもパーキンソン病の話題で批判を浴びていたのですから、学んでほしいのものです。
反面、「テッド」で乱発されていたマニアックなネタは少なめです。
これはハマれば(わずかな人にとっては)おもしろいものなので、ちょっと寂しいですね。
物語の本筋
そんなわけで本作のギャグシーンは好きにはなれませんでしたが、意外や意外、本筋の物語がかなりおもしろかったです。
かなりまともな、ギーク(オタク)の成長物語になっているんですよね。
主人公は満足がいく人生を送れておらず、自分に自信がない。
そんなときに美女が表れて、自分を励ましてくれて、困難に立ち向かう勇気をくれる―
世のオタク男子の理想とも言える関係がそこにはありました。
で、このわりとよくできた物語のテンポを止めてしまう下ネタが入るので、むしろ「下ネタいらねえ」な気持ちにもなってきました。
いや、この映画に下ネタがないならないで、寂しい気もするんですが……(それを期待して観たところもあるし)。
あと邦題がガチで残念なことになっていますが、原題は「A Million Ways to Die in the West(西部で死ぬ方法は100万通りある)」で、映画の舞台である1980年当時の環境の悪さを皮肉るものになっています。
病気が蔓延し、労働者は体を酷使し、一歩外に出ればすぐにでも死ぬ可能性がある。
主人公はそんな世界で生きて、ナレーションでは「生まれる時代と場所を間違えた男」と紹介されます。
主人公はまるで「西部のひどい時代にタイムスリップした」人物のようです。
このおかげで主人公に感情移入しやすくなっているのは、じつに上手いものでした。
シャーリーズ・セロンにいろいろと手ほどきされるという点が本作の最大の魅力であり(断言)、それを期待するなら大満足ができる作品でしょう。
予告編でも“いい女”と紹介されていましたが、実際の彼女のいい女度は「STAND BY ME ドラえもん」のしずちゃんに匹敵するレベルでした。
西部劇へのリスペクト(+ちょっとおちゃらけ)もちゃんとあるので、往年の西部劇ファンにとっても見所がありますよ。
ちなみにこの映画にはライアン・レイノルズやユアン・マクレガーもカメオ出演していたらしいのですが、自分はぜんぜん見つけられませんでした。これから観る人はぜひ探してみましょう。
本作には、さらに驚けるゲスト出演者がいるのですが……こちらは秘密にしておきましょう。映画ファンであれば、うれしいことは間違いありませんよ。
言うまでもないですが、お下劣ギャグが受け入れられない人にはまったくもっておすすめいたしません。
エンドロール後にもおまけがあるので、途中でお帰りなきよう。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓
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