『きっと、うまくいく』3バカトリオの最高の友情!(ネタバレなし感想+メッセージ)

『きっと、うまくいく』3バカトリオの最高の友情!(ネタバレなし感想+メッセージ)

遅ればせながら、映画きっと、うまくいく(原題:3 Idiots)を劇場で観ました。

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:インド映画すげえ!

あらすじ

ファルファーンは飛行機に乗ろうとしたとき、同じ工科大学出身のランチョーが見つかったとの知らせを受ける。
ファルファーンは級友のラージューにも連絡を取り、彼を捜しに向かう。
ランチョーは工科大学の中でも一風変わった存在で、ファンルファーンとラージューにとって忘れることのできない親友だった・・・

ものすごっっっく面白かった!

数多くの大絶賛も納得の、笑えて泣ける素晴らしい青春映画でした。

本作では2つの物語の機軸があります。
ひとつは2人の男が印象深い親友であった「ランチョー」を探す現在の物語。
もうひとつは過去の工科大学での思い出を綴る物語です。
この2つが巧みに絡み合い、爽快感あふれるストーリーが築かれています。

昨年公開の「サニー 永遠の仲間たち」も同じような構成でしたが、どちらもその「お国柄」が物語に反映されていることが面白いです。

本作は「映画大国」と言われるインド制作の映画です。
実は年に作成される映画の本数はアメリカを超えて世界1位で、「きっと、うまくいく」をはじめその作品群は世界各国の人々に評価されています。
作風は明るく楽しく、ダンスと歌があって、そして長いという印象を持たれている方も多いでしょう。

本作も明るくて楽しくてダンスと歌があって長い(本作の上映時間は2時間50分!)作品なのは間違いないのですが、それだけではありません。
インドという国が抱えている、深刻な問題も描いているのです。

インドは「数字に強い国」とされており、IT業界への進出もめざましく、日本にも多くのインド人の技術者が働いています。
しかし優秀な人材がいる一方、競争社会になっているために若くして自殺をする人も多くなっているのです。
(最近のインドの教育はとても発展しているのですが)

本作ではエンジニアになるべく工科大学で勉強する学生たちが出てくるのですが、彼らが抱える悩みもとても深刻です。
厳しい試験、優秀でない物は廃絶される風習、家庭の問題、貧困、就職など・・・立ちはだかる壁はとても大きいものです。

そこに現れたのが、名前から風変わりな男「ランチョー」です。
彼は物怖じせず教授に意見をたて、そして色んな人をギャフンと言わせます。

学校というものは村社会で、学生側は文句があっても我が身かわいさに意見をおおっぴらに言えないところもあります。
しかしランチョーはそうではありません。これがなんとも痛快なのです。

またこの映画は「喜怒哀楽」がとても早く切り替わる映画です。
楽しいシーンの次でとても悲しいシーンが出てきたり、深刻でせっぱ詰まっているシーンでも笑いを入れたりします。
観客をひとつの感情に縛り付けず、感情をとても刺激してくれるのです。

青春物語だけでなく、恋愛やミステリー要素も上手く機能しています。
膨大に積み重ねた伏線を無理なく回収してくれるのもたまらない!
特に最後の最後、見事すぎるオチは全く読めず、痛快すぎて大感動しました。

あえて問題点をあげるなら、女性にとって眉をしかめるであろう「単語」で笑いをとるシーンがあることでしょうか。男が立ちションするシーンも多いし・・・
これも終盤の伏線になっているのですが、もう少し工夫してもよかったかな?と思ってしまいます。
あとは主人公たちは結構悪いこともするので、その辺でも気に入らない方が多いかもしれません。

ここまで「観て良かった」と万人が思える映画はなかなかありません。
上映時間の長さなんて、全く気にならなくなるはずです。
本国インドでの公開からまるまる4年、日本でこの映画が公開されたことがうれしくて仕方がありません。

原題は「3バカ」ですが、「きっと、うまくいく」という邦題もよかったと思います。
「うまくいく(All is well)」は作中でも、とても勇気づけられることばとして扱われているからです。

特に就職や進学など進路に迷っている若者には是非観てほしい作品です。
子どもを持つ親にとっても、この映画はとても大切なことを教えてくれるでしょう。
ほとんどの劇場では上映終了してしまいましたが、近くで公開しているのであればすぐにでも観てほしい!
とにかく、おすすめです!

以下は作中のメッセージについてほんのちょっとだけネタバレ 未見でも問題ないとは思いますが、展開にも少し触れているので注意↓

ランチョーがやったことと、メッセージ

ランチョーは「競争社会」を疑問視している男です。

・「シャワー争奪戦」には目もくれず、庭で体を洗う

・成績表が張られるのを見ると「まるでカースト制度だ、やめてください」と言う

「何かに優秀であれば、成功は後からついてくる」と言う

・ファルファーンに自分がしたい道を進むように助言する・・・
そしてランチョーが学長に強制的に教壇に立たされ、「教え方を教える」シーンはもっとも競争の愚かさを描いています。
「競争することになんの意味があるんだ?競争よりも、学ぶべきことはたくさんあるんだ」と映画は教えてくれるのです。

ランチョーが「これは自殺ではなく殺人です」と言うことも、
女性の婚約者の持ち物をわざと汚して「これは○○万ルピーもしたのに!」と言わせてしまうことも、
ランチョーの持つ価値観を表したものでした。

暗記や成績ばかりに固執していたガリ勉男「サイレンサー」を、完全には否定していないのもよかったです。
こいつはウザくてウザくて仕方がなかったけど、ある意味真面目に「点数をとって」成功した男なのです。
(でもやっぱりウザくてイライラさせられるので、映画では痛快愉快な「しっぺ返し」を用意してくれます)

ラストの爽快感は「ショーシャンクの空に」を思わせる素晴らしさ!最高です!

オススメ(微ネタバレがあるので注意)
(yahoo!映画)
上映館を 拡大すべき!!
国境を越えて愛される、紛う方なき「傑作」
All Izz Well!!!
感情のジェットコースター(←かなりネタバレ注意)
(ブログ)
CINEMA WITH
ビーグル号は進まない
(Youtube)
きっと、うまくいく 町山智浩
(作中の「宇宙のペン」の話)
NASA公式サイトに「一方ロシアは鉛筆を使った」の真相

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  1. より:

    ヒナタカさん、こんにちは。
    この映画にはコメントが無いんですね。
    ヒナタカさんが2013年のベスト映画にしていたし、ツタヤ店員のオススメでもあったので、ずっと観たいと思っており、やっとレンタルで鑑賞できました。
    いや、凄いわ。押し寄せる感情と感動。
    正直、画はあまりキレイではないですし、音や楽曲もそんなに洗練されてはいませんでした。
    でもね、ベタではあるけれど感動しちゃうストーリー運び、見事は伏線と回収。そして、鑑賞後のスッキリ感。
    脚本が良いのかな?素晴らしかったです。
    ちょっと長いので、途中だれてしまう箇所はありますが、赤ちゃんのところでグッと集中力が戻りました。
    私の一番感動したシーンは、ファルファーンのお父さんが息子の就職祝いに買っていたPCを売って「カメラはいくらだ?」と言うところ。
    親にたくさん心配と迷惑をかけた自分としては、それでも子どもの夢を応援してくれる親という存在の偉大さに泣いてしまいました。
    個人的には「分かる人だけ分かればよい」という映画よりも、この映画のように「誰かしら、どこかしら琴線に触れる」映画の方が好きです。
    この映画を観る気にしていただいたヒナタカさんに感謝です。

  2. ヒナタカ より:

    コメント、ありがとうございます。
    > 私の一番感動したシーンは、ファルファーンのお父さんが息子の就職祝いに買っていたPCを売って「カメラはいくらだ?」と言うところ。
    > 親にたくさん心配と迷惑をかけた自分としては、それでも子どもの夢を応援してくれる親という存在の偉大さに泣いてしまいました。
    自分の同じようにた〜っぷり親に迷惑かけた身なので、その気持ち、わかります。
    > 個人的には「分かる人だけ分かればよい」という映画よりも、この映画のように「誰かしら、どこかしら琴線に触れる」映画の方が好きです。
    > この映画を観る気にしていただいたヒナタカさんに感謝です。
    自分もそういう作品が大好きです。
    紹介して、ほんとうによかったです。

  3. […] 日本でも口コミによりヒットした『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督と、インド映画界のスターであるアーミル・カーンが再びタッグを組んだ作品です。 […]

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著者

ヒナタカ

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