
映画『秘密 THE TOP SECRET』原作からの改変の意味とは?(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は『秘密 THE TOP SECRET』です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:このラストシーンで、本当によかった。
あらすじ
死者の脳をスキャンし、生前の記憶を映像化するMRI捜査を導入した科学警察研究所法医第九研究室。室長・薪剛(生田斗真)の指揮のもと、配属されたばかりの青木(岡田将生)をはじめとする捜査官たちは、一家惨殺事件の解決に挑む。
死刑執行をされた父親・露口浩一(椎名桔平)の脳をMRIで覗いたところ、その娘である絹子(織田梨沙)が真犯人であることが判明した。
まず、本作については世間的な賛否両論ぶりから先に紹介します
Yahoo!映画:2.47点(5点満点)
coco 映画レビュー:17%
Filmarks:3点(5点満点)
むしろ酷評されまくりと言っても差し支えないのですが、それでも!自分は!この映画が!大好きなんだよ!
原作は『輝夜姫』などで知られる清水玲子さんによるマンガ。監督は『るろうに剣心』『プラチナデータ』の大友啓史さんです。
※電子書籍で、映画と同じ事件の物語を無料で読むことができます。
この映画版では、原作のふたつの事件を統合し、かついくつかの描写が異なっているなど、大胆な改変がなされています。
ここが原作ファンにとっては賛否……いやこれも酷評される理由になっているのですが、自分はこの改変こそが大好きだったりします。
原作との差異について、詳しくは以下の記事でも書きました。
<『秘密』の“わからない”は“おもしろい”!わからなかったことを教えます | シネマズ by 松竹>
※大きなネタバレはありませんが、台詞と一部展開に触れているので、予備知識なく映画を観たい方はご注意を。
とにかく主張しておきたいのは、2時間29分という長い上映時間にも必然性があったということ。
この映画がもたらす雰囲気や空気感、それを丸ごと長い時間で体験することが重要だと思うのです。
指摘されている「詰め込みすぎ」という欠点は本当にその通りであるし、眞鍋刑事(大森南朋)の行動がいくらなんでもめちゃくちゃでイライラするし、ミステリーとしては「はっきりさせなさすぎ」なうえ破綻しているところもあります。
PG12指定納得の性描写とグロ描写、その作品の性質も相まって好き嫌いが分かれるのは間違いありません。
それでも……自分は世界中を敵に回してもこの映画を褒める、そんなひとりぼっちの宇宙戦争的な立場でいたいです。
興味深かったのは、作中の捜査において「客観的にみること」が重要視されるんだけど、犯人たちがそれに反するように主観的な価値観でいること。これは原作よりもさらに強調されていると感じました。
洗練された美術や、役者の演技(大森南朋以外)に期待する人にも、ぜひおすすめします。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓ 今回は上の記事でだいたい書いたので、野暮な不満点と、ほぼラストのみに言及しています。
(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

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chat_bubbleコメント
個人的には色々言いたい部分もあるんですが、
自分もこの映画好きです。
全体的な絵作りや雰囲気は破綻なく纏まっているし、
脳内映像の表現は凄い好きです。
SEとかも非常に凝っているし、
この部分は映画館で見る価値があると思いました。
絹子役の織田 梨沙も、演技に関して不満が残るものの
その独特の雰囲気はまさにはまり役でした。
人間の秘密はこんなにも醜いのか?
という問いに対するラストシーンも非常に良かったです。
ある意味、サイコパスである絹子でさえも、
根底には純粋な愛があったのかもしれないですね。
[…] 世間的に評判が悪いけど自分は好きだ!な映画は『秘密 THE TOP SECRET』ですね。 自分はこういう「悪魔に振り回される」系の、いい意味で疲弊する作品は好きみたい。 本当ならお気に入 […]