
「ヒックとドラゴン」の「ペット」論
12月18日にBlueRayとDVDも発売する「ヒックとドラゴン」を紹介します。
個人的お気にいり度9/10
一言感想:ヘタレ主人公の痛快&成長の冒険譚
あらすじ
主人公のヒックはバイキングの息子だが、いつも張り切っては失敗ばかり。
ある日彼は一匹のドラゴンを捕まえる。それはナイトフューリーと呼ばれる伝説のドラゴンだった。
<みんなのシネマレビューの自分の感想>
今年の映画の中でも3本の指に入るくらいのお気に入り作品です。
素晴らしくクオリティの高い作品でぜひおすすめしたい作品なのですが、ただ1点、多くの方が気になるだろう点があります。
以下内容がすこしネタバレしていますので、未見の方は注意。
それは最終的に友好的になったはずのドラゴンたちが「ペット」と言われていること。
「みんなのシネマレビュー」でも「六本木ソルジャー」さんが<クリック>
「映画瓦板」でも服部弘一郎さんが<クリック>
言及していますね。
ヒックとドラゴンのトゥースの関係はもう「ともだち」で、犠牲を伴って手に入れた宝物のはず。なのに「ペット」と言う言い方はないだろうと誰もが思うのです。
ところがこのひっかかる言葉に対して、amazonのレビュアーの方が素晴らしい意見を残してくれています。それを今日は抜粋してご紹介します。
ラストのヒックの吹き替えでの「ペット」という言葉に、ひっかかっている人が他のレビューを見ても少なからずおられるようだ。
実は、
「唯一の悩みは」と冒頭で語り、それはドラゴン=「害虫」であるとしている。
それに対応するラストの語りは「自慢できるもの」=「ペット」である。
「The only problems are the pests.」
「The only upsides are the pets.」
原文を並べるとこうで、英文学等によくある「韻を踏む」表現であり、脚本での言葉遊びであるとわかる。
そもそも日本語に訳された時点で、「韻を踏む」というのは崩壊しているので、字幕作成者はもう少し考えて頂ければよかったのかなと思う。
吹き替えで聞くと、「それはペット!」と「ペット」が強調されて聞こえるので、よけい耳に残るのかもしれない。
字幕だとさらっと聞こえるので、あまり気にならない。
原文と日本語訳のニュアンスの差だと思う。
ペット自体の意味合いも欧米と日本とでは違う。
動物を傷つけても器物損壊だった日本とは、ペットにしても意味合いが違う。
欧米のそれは、よりパートナー、家族の一員に近いものであると思う。
なるほど!英語では韻を踏む表現だったのに、直訳したがために「ペット」が違和感を持つようになったのですね。
しかしひっかかる原因が作品そのものではなく翻訳の仕方というのはゆゆしき問題です。翻訳者が言葉に気を使ってほしかったところ。日本語でペットというのはどうしてもマイナスイメージがつきまといます。
例えば「The only upsides are the pets.」という文とは全く違えて「自慢は相棒のドラゴンたち!」というふうにしてもよかったんじゃないかと思います。
「害虫(pests)」とまでなっていたドラゴンが自慢できる「家族の一員(pets)」になったというのは、最高のカタルシスを得る素晴らしい展開です。
う~んラストで興ざめしてしまうのは本当にもったいない!
なんにせよDVDでもう一度観れることが楽しみ。英語音声で観てみると違った感想があるかもしれません。
本当にいい作品ですよ。

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chat_bubbleコメント
今更、DVDで鑑賞。。。劇場でみるべきでした。
DVDでも十二分に感動。すばらしい作品でした。
奇をてらわない王道のストーリー+スパイス。
スパイスの効き方が深い余韻を残す。
いいじゃないですか
数回見ましたが、涙腺の熱くなる映画でした。
ドラゴン達があまりにも”猫”なので笑えました。
(犬+猫(2)いるもんで)
猫っぽい可愛さがありますよね。また3Dで観たいものです。