『ヘイトフルエイト』素晴らしき物語を求めて(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『ヘイトフルエイト』素晴らしき物語を求めて(映画ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はヘイトフル・エイトです。

※(2月28日:ネタバレを追記しました)
※(3月13日:作中のコーヒーの謎など、さらなるコメントをいただいたのでネタバレに追記しています)

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:黒人差別への皮肉満載残酷絵巻!

あらすじ

南北戦争終結から数年後の冬、ワイオミング州の雪が降りしきる山の中で―
賞金稼ぎのマーキス(サミュエル・L・ジャクソン)は、同じ稼業であるジョン(カート・ラッセル)と、彼が捕らえたデイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を乗せていた駅馬車に同乗する。
途中で保安官を名乗るクリス(ウォルトン・ゴギンズ)を拾った馬車は、猛吹雪から避難するため、とある服飾店へと向かうが……。

いいか!
この映画を観る前に知ってほしいことは以下だ!

(1)めっちゃおもしろい!最高におもしろい!
(2)全編ほぼ会話劇だ!だけど退屈なんてしないぞ!
(3)黒人差別への皮肉満載だ!(だから南北戦争を知っているとよりおもしろいよ!)
(4)上映時間は2時間48分あるぞ!(予告含めて3時間だからちゃんとトイレ行っとけ!)
(5)R18+指定大納得だぞ!(残虐描写的な意味で)

はい撤収ー!映画を観ていない方はここで撤収ー!
もうこれ以上何も知らんでいいですから、とっとと劇場に行きなさい!

なぜかって?これは観る前のネタバレが厳禁な映画だからだよ!
上映後に出てくる観客の談笑には耳をふさげ!レビューサイトとかにもさらっとネタバレが書かれているから観る前に読むな!
わかったか!もう一度言う!ネタバレをせずに観に行くんだ!

(Cool Down)

ふう、すっきりした。
もうこれ以上何も言わなくてもいいんですが、まあ真面目に語ります。

本作は『キル・ビル』『ジャンゴ 繋がれざる者』のクエンティン・タランティーノ監督・脚本の最新作です。
タラちゃん(愛称)のファンに向けて言うなれば、本作は『レザボア・ドッグス』にかなり近い作風になっています

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チーム内の軋轢から起こる騒動を描いた、この映画のシニカルさを気に入った方はきっと多いでしょう。
今回は『キル・ビル』でも『パルプ・フィクション』でもなく、こっち。これだけでタラちゃんファンにはうれしいですね。

作品のミソは(3)で挙げたように、かつてのアメリカにあった黒人差別への皮肉に満ちていることです。
もう登場人物がニガー(黒人の蔑称)ニガー言いまくりでうるさい。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のF◯CK並みじゃん(それは言い過ぎ)

いままでも、タラちゃんは『イングロリアス・バスターズ』ではナチス政権下のユダヤ人の迫害を、『ジャンゴ』では(本作と同じく)奴隷制度をアンチテーゼ的に描いていました。
ある意味で、タラちゃんは迫害されきている者、弱い者の味方でもあるのでしょう。

しかし、今回はただの弱い者の逆襲じゃないというかなんというか、皮肉はいままでの作品よりも数十倍はエグいことになっております
もう常人が考えられる皮肉の域を超えていますからね、これ。
ここまで来ると、皮肉というか単にタラちゃんの性格が悪いだけに思えてくるんだけど、まあそういうことなんでしょう。

また、自分はタラちゃんの「だらだらとした意味のない会話」はあんまり好きじゃないのですが、本作はセリフのほとんどが黒人差別の皮肉になっているうえ、後々の展開にもしっかり生きてくるので痛快愉快でした。これは『ジャンゴ』が好きな人にたまらない要素です。

あとね、本作には過去のタラ作品とリンクしている要素があるのですよ。これはかなーり熱心なファンでなければ気づけないマニアックなもの。ファンサービスに溢れていますね。

脚本ですごいところは、密室の中で「こうならざるを得ない」という状況をしっかりと作っていること。
そこには「裏の読み合い」の駆け引きがあり、登場人物が次第に見せていく「謎の解明」があり、ピリピリとした緊張感に包まれています。

ヘイトフル8吠える<一触即発すぎる

登場人物がコロコロと運命に翻弄されていく姿が、可笑しくってしかたがないです。
全編会話劇であるにもかかわらず、まったく退屈しないのは、細部に至るまで緻密に計算された伏線があるからなのでしょう。

美術や音楽にも触れておきましょう。

本作の美術を手がけたのは、日本を代表する美術監督である種田陽平氏。
近年では『思い出のマーニー』や『蜩ノ記』でも美術監督を務めており、その手腕を知る日本人は多いはず。『キル・ビル Vol.1』から12年ぶりにタラちゃんと2度目のタッグというのもうれしいですね。

種田陽平ずヘイトフル8出展はこちら
※種田陽平氏によるデザイン画

音楽を手がけたのは、『夕陽のガンマン』や『荒野の用心棒』のエンニオ・モリコーネ
タラちゃんはエンニオ・モリコーネが大好きで、これまでの作品でもたびたび彼の楽曲を使っていました。
全編でエンニオの楽曲が正式に採用されたのはこれが初(しかもタラちゃん大好きの西部劇で)。飛び上がって喜ぶタラちゃんの顔が見えるかのようです。

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※アナログ盤もあります。

なお、本作の音楽は『ニュー・シネマ・パラダイス』のようなやさしさに溢れたものではなく、『遊星からの物体X』(←密室劇ということが共通)を彷彿とさせるおっどろおどろしいものになっています。

そしてやはり特筆ものなのは役者の演技!
以下にキャラクターを一挙に紹介しましょう。

ヘイトフル8いち
賞金稼ぎ マーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)

ヘイトフル8ご
“ハングマン”首吊り人 ジョン・ルース(カート・ラッセル)

ヘイトフルエイトさん
囚人 デイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)

ヘイトフルエイトご
保安官 クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)

ヘイトフル8に
メキシカン ボブ(デミアン・ビチル)

ヘイトフルエイトなな
小さき男 オズワルド・モブレー(ティム・ロス)

ヘイトフルエイトはち
カウボーイ ジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)

ヘイトフルエイトきゅう
老将軍 サンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)

観る前は「髭面が多くて覚えにくいな」と思っていたのですが、キャラが濃すぎ、演技がクレイジーすぎて速攻で覚えられるので心配無用です。
キャラの内面は、会話劇により「じわじわ」分かっていきます。それぞれがどんな性格であるかを予想してみるのも楽しいでしょう。

そして・・・アカデミー助演女優賞にノミネートされているジェニファー・ジェイソン・リーがヤバすぎます。
これで受賞しなきゃウソっていうか、年齢が>54歳ということも信じられないんですけど!

ヘイトフル8三人※真ん中の女の子は54歳です。

本編を観てみると、さらに彼女が還暦間近ということが信じられなくなりますからね。いや本当に。

ちなみに、本作は脚本がネットに流出されてしまい、書き直さざるを得なくなってしまった作品でした。
書き直してこの完成度って……
前はどんなんだったんだと気になってしかたがありませんね。
ここは、お蔵入りになることなく、無事に日の目をみたことを素直に喜んでおきたいところです。

ひとつトリビアを(それほどネタバレじゃないからいいよね?)
劇中でギターをぶっ壊すシーンがあるのだけど、あのギターは美術館から借りてきた本物のアンティークものだったそうです。
本当は代わりのギターを壊してもらうつもだったけど、手違いでカート・ラッセルに伝わっていなかったそう。
だから、あそこでJ・J・リリーが驚いているのはマジのリアクションだったのです。
おかげで美術館側は「二度と映画のために楽器は貸さん」とアナウンスしたのだとか。そりゃそうだろうなあ。

※以下の意見をいただきました。
アンティークもののギターも博物館の粋な計らいで監督と役者全員でギターの破片にサインをして「『ヘイトフルエイト』の撮影で使われ、壊されてしまった」と博物館に飾ることにしたそうです。映画秘宝の種田陽平さんのインタビューに書いてありました。

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難点は、上記の(2)全編会話劇(5)R18+指定大納得という好き嫌いが分かれる要素があることと、中盤にとある掟破りなことをしでかすことでしょうか。
これはもう反則というかなんというか、人によっては手を抜いただけに思えるかもしれません。

だけど、タラちゃんは既存の映画の常識を覆してしまったようなアナーキーなお方。これくらいの破天荒はファンにとっては「OKだよ!」と受け入れられるかもしれませんね(自分もあの演出は好きです)。

序盤の会話劇はキャラの内面がつぎつぎ暴かれるのでワクワクして聞いていたのですが、やはり冗長に感じる方が多いのかもしれないですね。

ちなみにR18+指定の要素には、性的な描写も、直接的な残虐描写も、「想像をさせる」エゲツなさまでもが揃い踏み。
ガチで生理的嫌悪感を煽るシーンもあるので、十二分に覚悟して観たほうがいいでしょう。

また、終盤にはかなり強引な展開があるのも事実。ツッコミたくなる人は多いことでしょう。
この映画は、その辺のごり押し具合も楽しんでしまえばいいと思いますけどね。

もうね、後はタラちゃんのファンであれば女房を質に入れてでも観ろとしか言いようがないです。
溜めて溜めて溜めてズドン!とイッてしまうサスペンスのおもしろさ、
このご時世に70mmフィルムを使っての撮影をする画作りのこだわり、
とことん観客の予想を裏切ってやろうとする(しかし計算し尽くされた)脚本、
映画が飽和したと言われる時代でも健在のオリジナリティ!
すべてが「最高におもしろい!」と絶賛できる内容なのですから。

あ、そうそう、「密室で起きる殺人事件!」という触れ込みを聞いて、『金田一少年の事件簿』のような、殺人状況から犯人を割り出すミステリーを想像する人が多いと思うんですよ。なんかそういうんじゃなかった
えーと、これはカテゴライズするなら、うん、タランティーノ映画だとしか言いようがないですね(投げやり)。
観ながら犯人を推理する人もいると思うのですが、こんなん当てられるわけがねーよ。

世間的には『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ』のほうが評価が高いようですが、個人的にはこれが『キル・ビル Vol1』と並びタラちゃんの最高傑作です。
「みんながハッピーになる映画しか観ないわ」なんて人には死んでもおすすめしませんが、残虐描写なんて平気!エグい話もバッチコイ(死語)!という方はぜひ劇場へ!
超!超!おすすめです。

※高橋ヨシキさんが手がけたポスターも素敵すぎる!

↓この人物は、もしかすると……(ネタバレじゃないけど鑑賞後に読むことをおすすめ)
デイビッド・ハンター – Wikipedia

↓以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください。

掟破り

第4章が始まったとき、いきなりタラちゃん本人がナレーションで状況の解説をし始めるのに驚愕しました。
おいー!いままで役者の会話劇だけで状況を語っていたやん!いいのー!?

これは実は、もともとフィルム上映だったときの「休憩」の名残。
休憩の15分くらいの時間経過が劇中にもあったんだよ、という現実の時間が映画とシンクロするというギミックになっているんですね。

さらに時間を戻して、「(デイジー・)ドメルグは毒を入れるところを見ていんだ!だからこの章のタイトルは『ドルメグには秘密がある』なんだ!」とかほざくのは本当に反則チックですね。おもしろからいいけどさ。

野暮な不満点(無理のある展開)

なぜ床下に隠れていたジョディ(チャニング・テイタム)は、“マーキスがボブを殺した”タイミングでマーキスのタマを撃ったのでしょうか?もう少し早く撃てば仲間を殺されなかったかもしれないのに(まあ単に、忍耐しすぎてタイミングを逃したというだけかもしれませんが)。

最終章でジョディが降伏するのもちょっと説得力不足かなあ。地下にいたらいろいろ動けて翻弄できそうなもんですけどね。

息も絶え絶えなマーキスとクリスが、傷が浅そうなデイジーを首吊りにできてしまうのもちょっと無理があるかも。こいつら本当は生き残ったんじゃないだろうか(それはないか)。

回収されていない?伏線

“ウォーレンが床に落ちたジェリービーンズを見つけた”という描写もありましたが、それでウォーレンが何かを気づいたわけではない、というのはちょっと肩すかしかな。まあこれは第5章(その日の朝)での惨劇の伏線になっているんですけどね。

※以下の意見をいただきました。
ビーンズに気付いた時、馬小屋でボブに抱いた疑惑を確信に変えたのではないでしょうか。 朝のシーンで羽をむしっていた女性が処刑人に頼まれて梯子を掛けて瓶を降ろそうとしていました。 ウォーレンはあのビーンズを売る時、あの高い所から必要な分だけ取り出すのではなく、 瓶を降ろしてどこかに置いて、そこから取り出して売る事を知っていたのではないでしょうか。 そのやり方だと、 ビーンズが床に落ちる事はあまり無さそうです。 そもそも、商品が床に落ちたらミニーはちゃんと片付けそうです。 ビーンズが床に落ちている事、ボブがあまりに怪しい事で、この店で“何か”が起きて、 おそらくもうミニーは戻らない事、ここに何者かが紛れている事を感じたのではないでしょうか。 このお店の事、お店で働く人の事をよく知っているようでしたから。

よくわからないのは、ミニーのコーヒーは「世界一だよ」と言われるくらいに絶賛されていたのに、ジョンが飲んだときは酷くコーヒーが不味くなっていたこと。煮詰め過ぎちゃったのかな?それとも本当は不味くてもお世辞を言っていたのか?

※以下の意見をいただきました。
コーヒーはボブが適当に入れたのかな。と思います。 シチューは食事の時にならないと減りませんが、コーヒーはみんなでたくさん飲んで、 ミニーが入れた分はウォーレン達が着く前に飲み切ってしまったのかな。と。

※以下の意見もいただきました。
コーヒーは店員の誰かが殺される時に、コーヒーに血が入ったのでは?と思いました。

※以下の意見には大納得です!
映画バクダットカフェでアメリカ人がヨーロッパ式のコーヒーメーカーを飲んでまずいと吐き出すシーンがあります。
アメリカ人は濃いコーヒーが口に合わないので、コーヒーのくだりはそれじゃないかな。
コーヒーは撃たれた時にこぼれて、ボブが淹れ直す。
ボブはメキシコ人なので、アメリカ人のジョンの口には合わなかったと。

御者のO.B.は部外者?

御者のO.B.(ジェームズ・パークス)がメインの8人に数えられていないやん(しかも床下にいたジョディを含めて10人になるし)。
O.B.は映画のほぼ初めっからいるのにサブキャラ扱いかよ!確かにほかのメンバーに比べりゃ影が薄いけどさ!

まあ彼はメインキャラそれぞれとの悶着がない“部外者”という扱いなんでしょうね。

そういえば、O.B.は凍えそうになって帰ってきたとき、暖炉の前で丸くなり、マーキスからのシチューを断っていたりしましたね。
オズワルドは、暖炉を南北戦争のおもな戦いの舞台であるジョージア州に例えていました。その場所で丸くなっていたO.B.は、“そもそも戦わない”人間だったのでしょう。
O.B.はジョンの命令にもホイホイと従っていたりして、Hateful(憎むべき)な人間でもないですしね。だからヘイトフル・ナインというタイトルにならなかったのでしょう。

オズワルドの正体(ほかのタラ作品とのリンク)

オズワルドは自分の本名をピート・ヒコックであると明かしました。
じつは、彼は『イングロリアス・バスターズ』のアーチー・ヒコックス中尉(マイケル・ファスベンダー)の祖先なのだそうです。
(オズワルドがアーチーのひいひいじいさんに当たる)。

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ちなみに、本作は(続編じゃなくても)『ジャンゴ 繋がれざるもの』とも同じ世界での出来事として描かれているようです。以下のポイントが『ジャンゴ』とのつながりが描かれています。
・マーキスの初登場シーンで、彼が座っている鞍はジャンゴが所有していたもの
・小屋の床にはジャンゴが着ていたグリーンのコーデュロイ・ジャケットがある
・ウォルトン・ゴギンズは両作品で”hillbilly(田舎者)”と呼ばれる

あと、『レザボア・ドッグス』や『パルプフィクション』にも登場した架空のタバコのレッド・アップルが今回も登場していましたね(これはタラちゃんが特定のタバコ・ブランドを宣伝するのが嫌いなため)。

ティム・ロス(オズワルド)のキャラは、『レザボア・ドッグス』で彼が演じていたMr.オレンジに近いものになっています。

また、ジョー・ゲイジは「a bastard’s work is never done」という、『イングロリアス・バスターズ』のキャッチコピーをそのまま話していたりします。

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カウボーイのジョー・ゲージは見た目どうり

ジョーは「俺はクリスマスに母親と暮らすのが好きなんだ」「俺はそういう人間なんだよ」と、ジョンに“人は見かけによらない”ことを告げていました。
まーこれも皮肉というか、彼(ら)は見かけによりまくって、じつは小屋の人間たちを殺しまくっていた殺人者だったのですのねえ。

で、クリスは「悪役面だから」という理由だけで、ジョーを毒を入れた犯人だと言うのだけど、マジで当たっていたという皮肉。人は見た目が9割なんだなと思い知らされました。


※こんな本もあったよね。

あと、ジョンは後に「お前には恨みはないがな」と言いながらジョーの銃を奪っていましたが、ジョーのほうは「俺に恨みなんてないだろ!」と命乞いをする黒人を容赦なく殺していました
これは、“悪党は銃で殺さずに首吊りに処す”というジョンの正義への、容赦のない皮肉です。

で、けっきょくジョーがマザコン母想いだったことは本当なのかな?(たぶん本当な気がする)

老将軍のサンディ・スミザーズは他人に興味がない

サンディは、ジョー、オズワルド、ボブ、ジョディら4人による殺人を目撃していましたが、「どうでもいい、会ったばかりだ」とまるで興味を示していませんでした。
で、サンディはジョディに「挨拶と名前以外は言うな」「賞金稼ぎとはいっさいしゃべるな」と念を押されていましたが、思いっきりふつうにしゃべっていましたね

これはおそらく、クリスから息子の名前が出てきたせいでもあるのでしょう。彼は他人には興味がなくても、消息を絶った息子のことには絶大な関心を寄せていたのですから。

サンディが、息子を陵辱したことを語るマーキスを許せなかったのは当然のこと。
ジョディは「俺たちには忍耐力が必要だ」とほか3人の仲間に告げていたのですが、仲間ではないサンディは忍耐できなかったのです。

ハングドマンのジョン・ルースは信用したい

ジョンは用心深い人間で、初対面のマーカスには両手を挙げさせるなどして慎重に接し、小屋では全員の銃を預かろうとしていました。

一方で、ジョンはリンカーン大統領の手紙のような“信用たりうる物”があれば、とことん信用をしてしまう人間なのでしょう。
デイジーに対しても、シチューを飲むときは手錠を外したり、歌っている曲を褒めるなどして、ある程度は“信用をしようとしていた”とも取れます。
(マーキスのウソがわかったときは深く失望し、デイジーが“ジョンはすぐ死ぬ”と歌ったときは激しく激昂をしていました)

しかし、そんなジョンは肝心なときに用心を怠っていたため、あっさりと毒入りコーヒーを飲んでしまうのです。
“ハングドマン”の正義(首吊り刑に処すこと)を敢行するはずだったデイジーに、あっさりと(嫌っていた)銃で反対に殺される……というのも皮肉的です。

信じる?信じない?

ジョンは“信じるか信じないか”という根拠を探していた人間でした。
しかし、マーキスはジョディの隠し持っていた銃を見抜き、クリスはデイジーの「15人の部下が来る」という話を信じませんでした。ふたりともじぇんじぇん“信用たりうる物”なんか見ようともしません(笑)。

最後にそんなマーキスとクリスが、信用がどうとか関係なく、一蓮托生になっていくこともまた皮肉的ですね。

あと、おそらくクリスは本当に保安官であったんでしょうね。
(だけど、クリスは放り投げた手錠をつけずに返したりする“信用たりうる物”を提示しない人間であるゆえ、ジョンには保安官であることを信じてもらえませんでした)

正義

マーキスとクリスは、どうせこの出血では死んでしまうと諦めます。
唯一彼らに残された選択は“デイジーをどう殺すか”のみでした。
そこで彼らは、“ハングドマン”であったジョンの「悪党は残らず吊ればいい」という意思を引き継ぎ、首吊りの刑に処すことにします。

第3章では、ジョンとオズワルドは以下のような会話をしていました。
(1)「西部の正義で悪いところは、善と思って悪をなすことだ」
(2)「偏見のなさが正義ということの真髄だ。偏見があるとつねに正義にはならない」

(1)の正義とは、ジョー、オズワルド、ボブ、ジョディら4人が協働してデイジーを生かそう(善)として、その結果に関係ない者までを殺してしまった(悪)ことを指しているのでしょう。

一方、マーキスとクリスが最後に首吊りをさせるのは、(2)のような偏見に満ちた正義とは相対する、ジョンという人間の意思を尊重したがゆえの行動です。
(ジョンは、毒入りコーヒーを飲もうとするクリスを救ったという正義も敢行していましたね)

この物語は、そんな正義の行動を皮肉っていたのでしょうね。
誤った正義を成そうとする悪(銃殺しまくり)を、本当の正義(首吊り)で倒そうとするという―

白人をあれだけ殺しまくり&陵辱していたマーキスが、白人であったジョンの正義を受け継いだ、ということも、また皮肉的です。

マーキス・ウォーレンはド畜生

意外や意外、主人公格に思えた、黒人という差別の対象になるようなマーキスが、作中でいちばんのドクズでした。

北部でも南部でも火をつけて白人兵士を殺しまくりで、あまつさえサンディ将軍の息子を雪山で全裸で歩かせたうえに“熱いイチモツ”をしゃぶらせるというおぞましい行為までもするのですから。

でも彼は(作中で語られませんでしたが)ひどい黒人差別を受けていた結果、こういう人間になったのではないか・・・とも思わせるところもありました。
リンカーンの手紙がニセモノであるとバレたとき、マーキスは寂しそうな表情で「黒人が安全なのは白人が丸腰なときだけだ」「手紙は白人を信用させるために必要なんだ。お前にそれがわかるか?」とジョン訴えていました。

結果的に白人を殺しまくり、陵辱をしてきたマーキスでしたが、本当は白人と仲良くしたかったのではないでしょうか。
その想いは、リンカーンの手紙に書かれた“創作”からも……。

うまい創作だな

最後にクリスは、マーキスが大切に持っていたリンカーンからの手紙を読みます。

「親愛なるマーキス。変わりなく元気でいてほしい。
もう1日時間があればいいのだが、早く時はすぎる。
君のような人間が、黒人たちが誇らしくなる歴史を作ってくれると信じている。
遠い未来、ともに手をつなごう。
君に会いたい。
メアリー・トッド(リンカーンの妻)が呼んでいる。床に着く時間だ」

クリスが「うまい創作だな」と言い、マーキスが「ありがとう」と答えたところで、映画は幕を閉じます。

この“創作”とは、この映画がそのものが黒人差別をモチーフにしたフィクションであったことと、本当に黒人と白人が差別なく暮らしていけるようになった未来が待ち受けていた、ということをも皮肉っているのでしょうね。

結末

マーキスは第1章で、リンカーンの手紙にツバを吐いたデイジーを殴っていました。
このことから、手紙はマーキスにとって“白人を信用させる”以上の価値を持っていることがわかります。
(このときにデイジーといっしょに手錠につながれたジョンが馬車から落ちてしまうのは、その後にデイジーと死んだジョンがつながれてしまう展開への伏線でもあったのでしょう)

この創作(リンカーンの手紙)は、マーキスが本当に望んでいた物語であったのではないでしょうか。
それは、白人を陵辱したり、略奪団が横行したり、この小屋で間違った正義がなされたり、ということでは、決して手に入らないものでしょう。

また、リンカーンと文通をしていた北軍の将軍(デイビッド・ハンター)は実在しています。
リンカーンが手紙をもらった少女にアドバイスされて髭を生やした、という有名なエピソードもありますし、マーキスが本当にリンカーンと文通することも、叶わない夢ではななかったと思うのですが・・・。

結果的に、この物語は黒人と白人が殺し合ってしまうという、南北戦争そのまんまの残酷劇になってしまったのですね。

↓以下のトリビアを参考にしました。
The Hateful Eight (2015) – Trivia – IMDb

↓オマージュネタのまとめ
“Ç”【ネタバレ&解説】「ヘイトフル・エイト」オマージュはアルトマンではなく「遊星からの物体X」??チェ・ブンブンのカルチュール・フランセーズ

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  1. 匿名 より:

    ヘイトフルエイトという西部劇の映画を取り上げるのであれば、エンニオ・モリコーネの代表作はニューシネマパラダイスではなく、荒野の用心棒や夕陽のガンマンとするのが、こうした映画レビューの筋だと思うのですが。

  2. ヒナタカ より:

    > ヘイトフルエイトという西部劇の映画を取り上げるのであれば、エンニオ・モリコーネの代表作はニューシネマパラダイスではなく、荒野の用心棒や夕陽のガンマンとするのが、こうした映画レビューの筋だと思うのですが。
    そうですね、ご指摘感謝です。参考にする作品をそちらにします。
    本作はあんまりウェスタンな感じがしなかったんだよなあ・・・(密室劇だから)

  3. foobar より:

    ジェニファー・ジェイソン・リーがギターを弾きながら歌っていた歌の詞にあった「ボタニー・ベイ」はスタートレックネタでしょうか?

  4. foobar より:

    それにしても、デイジーは散々ぶん殴られるわ、弟の脳漿は浴びるわでどんどん見た目が凄いことになっていったので、最後は「首つりでとどめ」となってどんなに酷いことになるのかと思っていたのですが、「普通に窒息して死にました」という感じでちょっと拍子抜けでした。
    (いや、別に酷い形相になったり糞尿垂れ流したりするのを見たかったわけじゃないですけど)
    あれだけ残酷描写のオンパレードだったのに、デイジーの死に様だけああだったのは何か演出上の深い意味があるんでしょうかね。

  5. ヒナタカ より:

    > あれだけ残酷描写のオンパレードだったのに、デイジーの死に様だけああだったのは何か演出上の深い意味があるんでしょうかね。
    ハングドマンの意思(銃でなく首吊りで殺す)を継いだということで必要なものでしょう。
    また、デイジーの後ろには壁にかけられた雪靴があり、それがまるで天使の羽のように見えるという演出があったそうです(自分は気がつかなかった)。

  6. アカギ より:

    御者の名前はO.GではなくO.Bですね
    ヘイトフルエイトではなくヘイトフルナインにしてあたかもO.Bがその1人であるかのような
    ミスリードにしても良かったんじゃないかなぁとも思いました

  7. ヒナタカ より:

    > 御者の名前はO.GではなくO.Bですね
    > ヘイトフルエイトではなくヘイトフルナインにしてあたかもO.Bがその1人であるかのような
    > ミスリードにしても良かったんじゃないかなぁとも思いました
    ご指摘感謝です。修正します。

  8. foobar より:

    >「ボタニー・ベイ」はスタートレックネタでしょうか?
    これはオーストラリアの民謡だそうですね。タランティーノは「クリムゾン・タイド」で場違いなスタートレックネタを持ち込んできた過去があったので勘違いしてしまいました。
    >ハングドマンの意思(銃でなく首吊りで殺す)を継いだということで必要なものでしょう。
    >また、デイジーの後ろには壁にかけられた雪靴があり、それがまるで天使の羽のように見えるという演出があったそうです(自分は気がつかなかった)。
    ありがとうございます。
    でも、やっぱり納得しづらいです。
    あの女をそういう扱いにする理由が無いですよね。

  9. sakura より:

    初めの方で、馬車が服飾店(?)についた時、納屋に多くの馬がいたので、誰かいるのかなと思っていました。
    あれ、服飾店って名称は正しいのですか?
    なんか、食事付きの商人宿みたいな感じでしたが。
    章立てで、やっているので、KILL-BILLを思い出しました。
    黒人差別を見事に描いてますね。
    アカデミー賞の対象にしても良いような、白人社会には、反省材料を与える作品です。
    それにしても、共演者全てが、濃厚な感じの人たちばかりでしたね。

  10. ハナ より:

    個人的にはハードル上げすぎたのかやや残念。
    つまらなかったわけではなく、良くも悪くもいつものタランティーノ映画だったから。
    宣伝等では密室ミステリーなんて言ってますが、ミステリー感は皆無でしたね。
    序盤からマーキスが散々な言われようなので、同情しかけたらこいつが一番ゲス野郎だったっていうのは、最高でしたが(笑)
    マーキスは何度か店を訪れたことあるようですが、あの地下室の存在は知らなかったのなか?

  11. foobar より:

    >あれ、服飾店って名称は正しいのですか?
    >なんか、食事付きの商人宿みたいな感じでしたが。
    店の名前は「Minnie’s Haberdashery」なので、「Haberdashery」には服飾店という意味もあるのですが、「日用品店」とか「雑貨屋」と言った方がわかりやすいでしょうね。どっちかというと宿泊施設としての役割の方が大きいようですが。

  12. foobar より:

    先にあの店にいた連中はみんなグルだったわけですから(それに躊躇無く他人を殺すことができる下衆野郎ぞろいですし)、ジョン・ルースの一行が宿に着いた安心感で油断しているうちにどうとでも料理できたように思えてしまいますね。

  13. ヒナタカ より:

    > 店の名前は「Minnie’s Haberdashery」なので、「Haberdashery」には服飾店という意味もあるのですが、「日用品店」とか「雑貨屋」と言った方がわかりやすいでしょうね。どっちかというと宿泊施設としての役割の方が大きいようですが。
    なるほどー。
    劇中に「ここが服飾店か?何もないぞ?」と突っ込まれる場面もありましたね。

  14. 匿名 より:

    54歳を還暦間近って言っちゃう所が一番の皮肉ですね。50過ぎたら5,6年なんてすぐでしょ?って事かな。

  15. ヤキタコ より:

    いつも楽しく拝見させていただいています。
    個人的にこの映画で最もグッときたのはエンディングです。南部(クリス)と北部(マーキス)、白人と黒人がリンカーン(の手紙)によって和解するという、あり得なかった南北戦争の理想の終結が、この血まみれの小屋では起こったんだ、という皮肉なエンディング。
    イングロみたいなキレのいいエンディングもいいけど、こういうのもいいなあ。

  16. 若大将 より:

    「ミニーの紳士服飾店」ですが、"ところが店内には紳士用品はいっさい置いてない"とシナリオに書いてあるそうで、タランティーノ流のジョークだそうです。
    アンティークもののギターも博物館の粋な計らいで監督と役者全員でギターの破片にサインをして「『ヘイトフルエイト』の撮影で使われ、壊されてしまった」と博物館に飾ることにしたそうです。
    映画秘宝の種田陽平さんのインタビューに書いてありました

  17. ヒナタカ より:

    > 「ミニーの紳士服飾店」ですが、"ところが店内には紳士用品はいっさい置いてない"とシナリオに書いてあるそうで、タランティーノ流のジョークだそうです。
    > アンティークもののギターも博物館の粋な計らいで監督と役者全員でギターの破片にサインをして「『ヘイトフルエイト』の撮影で使われ、壊されてしまった」と博物館に飾ることにしたそうです。
    > 映画秘宝の種田陽平さんのインタビューに書いてありました
    博物館の件を追記させてください!ありがとうございます。

  18. ドルジ より:

    ブログ、いつも楽しく拝見させていただいております。
    黒人vs白人の構図かと思いきや実は半数がメキシコギャングだった、っていう内容からして、タランティーノ監督は近年のアカデミー賞でのメキシコ勢の躍進をあまり快く思っていないのかなと思いました。完全に深読みですが…(笑)

  19. 毒親育ち より:

    3時間、緊張しっぱなしでした。
    ><一触即発すぎる
    なんでこの状況で煽るの!?と呟かずにいられませんでした・・・。
    周囲に観たら面白かったか教えてと言われてるのですけど、面白かったけどお勧めし辛い・・・(タラティーノ監督作品を多少知ってる人達だから大丈夫だと思いますけど)
    >いいか!
    >この映画を観る前に知ってほしいことは以下だ!
    ヒナタカ軍曹!これだけは伝えて置きます!
    あと、エンドロールの短さもビックリ!
    >ジェニファー・ジェイソン・リーがヤバすぎます。
    >これで受賞しなきゃウソっていうか、年齢が54歳ということも信じられないんですけど!
    美人なのにブン殴られて鼻血ブー!血反吐をぶっかけられる。弟の脳味噌をぶっかけられる。
    ・・・「まんゆうき」の娘々ちゃん並の悲惨ヒロインですね。
    賞上げてよ!こんなに頑張ったのに。
    極悪人なのに、この人が酷い目合うシーンが一番キツい・・・。強姦描写の方がマシなくらいです。
    と思ったら、真の犠牲者なミニーの紳士服飾店の人達+6頭立ての御者の女の子がマジ良い人揃いで・・・汚物は消毒だー!でもイイかな?と思っちゃったり・・・。
    >劇中でギターをぶっ壊すシーンがあるのだけど、
    円満快活して良かったですけど。
    >手違いでカート・ラッセルに伝わっていなかったそう。
    メイキング映像を観てみたいような観たくないような・・・カート・ラッセルさん、どんだけ凹んでいたでしょうか。
    >※高橋ヨシキさんが手がけたポスターも素敵すぎる!
    溜め息が出る程のセンス!このポスターの方が絶対お客来るよ!午前十時の映画祭とか観に来てる人とか特に!!
    >~野暮な不満点(無理のある展開)~
    当初の計画は寝込みを襲う・・・だったのに。ジョディから三人への支持が送れないので臨機応変な修正が出来なかったとは思いますけど、ちょっとグダグダ過ぎですね。
    >~オズワルドの正体(ほかのタラ作品とのリンク)~
    まさかのタランティーノユニバース!これは次回作も要チェックですね!
    >(2)「偏見のなさが正義ということの真髄だ。偏見があるとつねに正義にはならない」
    私事なのですが、学生時代に刑務官の方が死刑執行ボタンを押す係をやりたがらないと聞き「自分なら連打してやる!」と言ってしまい、友人に「オマエみたいなのが一番就いちゃいけない仕事だ」と真顔で言われたのを思い出し、ドキリとしました。

  20. 匿名 より:

    御者とジョンは頭数に入ってないと思うよ。悪いことしてないからね。

  21. unknown より:

    前ブログに頂いた、非公開コメントです。

  22. ヒナタカ より:

    上にコメントをくださった「N子」さんへ
    非常に的を射た意見をありがとうございます!
    せっかく「管理者のみに見える」設定にしていただいたのですが、こちらを記事に反映してもよいでしょうか?
    これで疑問が解ける方も多いと思いますので^^)

  23. N子 より:

    自分の解釈に自信がなく、チキンなので秘密コメントにしました。
    そう言っていただけるとなんだか恥ずかしいですが、非常に嬉しいです。
    どうぞ、お好きなように使ってください^_^

  24. 匿名 より:

    コーヒーの件ですが、店員の誰かが殺される時に、コーヒーに血が入ったのでは?と思いました。

  25. ヒナタカ より:

    > コーヒーの件ですが、店員の誰かが殺される時に、コーヒーに血が入ったのでは?と思いました。
    ありがとうございます。追記させてください。

  26. 匿名 より:

    映画バクダットカフェでアメリカ人がヨーロッパ式のコーヒーメーカーを飲んでまずいと吐き出すシーンがあります。
    アメリカ人は濃いコーヒーが口に合わないので、コーヒーのくだりはそれじゃないかな。
    コーヒーは撃たれた時にこぼれて、ボブが淹れ直す。
    ボブはメキシコ人なので、アメリカ人のジョンの口には合わなかったと。

  27. 匿名 より:

    ↑のコメントに追記
    タランティーノ監督はイングロリアスバスターズでもそうでしたけど、
    国ごとの言葉や特徴、仕草の差異なんかを作品に入れるのが好きっぽいですよね。
    最近のタランティーノ作品は日本人にわからないことが多くてついてくのが大変だ・・・。

  28. ヒナタカ より:

    > 映画バクダットカフェでアメリカ人がヨーロッパ式のコーヒーメーカーを飲んでまずいと吐き出すシーンがあります。
    > アメリカ人は濃いコーヒーが口に合わないので、コーヒーのくだりはそれじゃないかな。
    > コーヒーは撃たれた時にこぼれて、ボブが淹れ直す。
    > ボブはメキシコ人なので、アメリカ人のジョンの口には合わなかったと。
    なるほど!タランティーノはこういうところ意識していそう!追記させてください。

  29. いいこま より:

    万人向けじゃないですがこれは素晴らしいです…。
    にしても確かにR18+指定は納得です。血みどろすぎるし一人顔が原型留めてないし雪山の中でフルチンが隠されてないしフ○ラを示唆してるし…(違ってたらすみません)。
    あと『キル・ビル』2部作以外の過去作を未見の状態で観てしまったのが惜しまれます。パンフレットで一部触れられてましたが観てたらもっと楽しめたろうなあ…。
    >登場人物がニガー(黒人の蔑称)ニガー言いまくりでうるさい。
    >>確かにそうですねえ(個人的には特にデイジー)。大丈夫なのかあれは、と思いますがその本質である黒人差別問題は今でも潜在的に存在してますからねえ(白人警官が無抵抗の黒人を殺害してるってのもありましたしその関係で米警官団体がボイコットしてたとか)。
    >観る前は「髭面が多くて覚えにくいな」と思っていたのですが、キャラが濃すぎ、演技がクレイジーすぎて速攻で覚えられるので心配無用です。
    >>ですよねえw名前より寧ろ役職の方で覚えてたところはありますがそれでもキャラと顔と名前ないしは役職の組み合わせを覚えるのが至難ではなかったです。
    あとJ・J・リーさんが54歳と覚えないぐらい実年齢より若く見えるというw
    >前はどんなんだったんだと気になってしかたがありませんね。
    ここは、お蔵入りになることなく、無事に日の目をみたことを素直に喜んでおきたいところです。
    >>実際のところがどうかは何とも言えませんが一応漏洩後に脚本が後日書籍として出版する旨が述べられその後1日限りで朗読会が行われてるので漏洩前の内容はある程度日の目を浴びてたのかもしれません。
    映像として残せなかったらさぞ無念だったでしょうがサミュエル・L・ジャクソン氏やティム・ロス氏らキャストや脚本の朗読劇版での観客の反応が後押しして映画として日の目を浴びたのは本当に良かったところです。
    >劇中でギターをぶっ壊すシーンがあるのだけど、あのギターは美術館から借りてきた本物のアンティークものだったそうです。
    >>観賞前にその事実を知って「ええっ!?」ってなり暫く「何処でそのシーンが出るんだろう」と気が気じゃなかったです。
    その後当該シーンを見て「うわあ…そりゃリー氏もああいう驚き方するわな」って思ったと同時にその後のシーンで「それでも演技を続けるあたりすごい」とも思いました。ラッセル氏はさぞ蒼くなったろうな…。
    >70mmフィルムを使っての撮影をする画作りのこだわり
    >>50年ぶりの新作というのだからすごい!
    >あ、そうそう、「密室で起きる殺人事件!」という触れ込みを聞いて、『金田一少年の事件簿』のような、殺人状況から犯人を割り出すミステリーを想像する人が多いと思うんですよ。なんかそういうんじゃなかった。
    >>個人的には十分ミステリーしてましたが確かにそういうのとは違ってたなと。当てられた人がいたらその人は一体何者なんだよ、って感じでそれぐらい予想外でした。
    >第4章が始まったとき、いきなりタラちゃん本人がナレーションで状況の解説をし始めるのに驚愕しました。
    >>あれタランティーノ監督だったんですね!気づかなかったです。
    >なぜ床下に隠れていたジョディ(チャニング・テイタム)は、“マーキスがボブを殺した”タイミングでマーキスのタマを撃ったのでしょうか?
    >>やはり単純に時機を逃したんでしょうねえ。もしくは下手に動いたらこっちの身が危ないと感じたとか?(降伏も「こいつら相手じゃ無理だ」って感じたとか?)
    >こいつら本当は生き残ったんじゃないだろうか(それはないか)。
    >>展開的にあの二人も死ぬでしょうが自分も観てる間「この人たち生還できるんじゃね?」って思ってました。
    >“ウォーレンが床に落ちたジェリービーンズを見つけた”という描写もありましたが、それでウォーレンが何かを気づいたわけではない、というのはちょっと肩すかしかな。
    >>あの時点で何か不穏なことが起きたことは察してたように思いましたしいくらなんでもスルーはしてないかと自分は思いました。まあ実際のところは補足意見の通りでしょう。
    >よくわからないのは、ミニーのコーヒーは「世界一だよ」と言われるくらいに絶賛されていたのに、ジョンが飲んだときは酷くコーヒーが不味くなっていたこと。
    >>急ごしらえで作ったからまずいのになってしまったのかなあ、と自分は観てる間思ってましたが匿名のコメントで述べられてるように欧州式では米国人の口に合わないっていうのが個人的に一番説得力を感じました。
    >人は見た目が9割なんだなと思い知らされました。
    >>自分もあのシーンで「こいつは見た目通りなのかよw」って思ってましたねえ。
    >サンディはジョディに「挨拶と名前以外は言うな」「賞金稼ぎとはいっさいしゃべるな」と念を押されていましたが、思いっきりふつうにしゃべっていましたね。
    >>そりゃあ何年も行方が分からずその墓を建てるために赴いたぐらいですし息子の名前が出たら食いつくのは無理もないですしそのあと煽ってる一面もあったのでしょうが息子をどう甚振ったか聞かされたら銃を抜くわな、ってつい思ってしまいます。
    >一方、マーキスとクリスが最後に首吊りをさせるのは、(2)のような偏見に満ちた正義とは相対する、ジョンという人間の意思を尊重したがゆえの行動です。
    >>昔からの伝手もあったのでしょうがそれでもジョンの正義を尊重しデイジーを括ったシーンは個人的に好きです。
    >意外や意外、主人公格に思えた、黒人という差別の対象になるようなマーキスが、作中でいちばんのドクズでした。
    >>脱獄の際に牢に火をつけ罪のない兵士(白人10人&黒人37人)を黒焦げにしたと聞いた時は「兵士らが気の毒だ…」程度に思ってましたがその後の将軍の息子のは想像しただけでもえげつなくて「最早私怨のレベルを超えてるんじゃ」って思いました。
    >でも彼は(作中で語られませんでしたが)ひどい黒人差別を受けていた結果、こういう人間になったのではないか・・・とも思わせるところもありました。
    >>作中の描写だけでも黒人の差別が顕著に感じましたがマーキスがこれまで生きてきた中ではその何倍もの辛苦を味わってきたんだろうなあ…。
    だとしたら是非はともかくとして白人に憎悪を向けるのも無理のない話だと思いますがその実仲良くできるならしたいと思ってたとしてもそれもまたおかしな話でもないだろうなあ、と思いますしだからこそ手紙が共存を望んでるかのような内容なんだなと。
    >「黒人が安全なのは白人が丸腰なときだけだ」「手紙は白人を信用させるために必要なんだ。お前にそれがわかるか?」
    >>前者に関しては先述の白人警官による件があるだけに今でも通じるな、と。
    >この“創作”とは、この映画がそのものが黒人差別をモチーフにしたフィクションであったことと、本当に黒人と白人が差別なく暮らしていけるようになった未来が待ち受けていた、ということをも皮肉っているのでしょうね。
    >>趣旨的にもそうであってほしいなあ…。
    結果的には確かに南北戦争の代理の様相でしたがそれでも最後に共闘してたのが白人と黒人だったことはある意味望みはかなったのかもしれません。
    現実の世界でもオバマ大統領就任もありますしその意味でもかなったといえるでしょうね。

  30. […] 12位 ヘイトフル・エイト […]

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