『GODZILLA 怪獣惑星』虚淵玄節が全開の怪獣映画だ!(ネタバレなし+ネタバレレビュー)

『GODZILLA 怪獣惑星』虚淵玄節が全開の怪獣映画だ!(ネタバレなし+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はGODZILLA 怪獣惑星です。

個人的お気に入り度:7/10

一言感想:『シン・ゴジラ』並に(会話が)詰め込まれている!

あらすじ

ゴジラに奪われた地球を奪還します。

本作の魅力については、ネタバレのない範囲で以下に全力で書きました↓
『GODZILLA 怪獣惑星』は『シン・ゴジラ』がなければあり得なかった!その見どころを解説! | シネマズ by 松竹

要するに、こういうことです。

  1. “アニメでしかできない”世界観と設定になっていた!
  2. 脚本家は『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄!“らしさ”が大盤振る舞いだ!
  3. 3DCGアニメの“質感”がすごい! 今回のゴジラのモチーフは“樹木”だった!
  4. 超豪華声優陣が勢揃い! 宮野真守と櫻井孝宏が演じるキャラの“ブロマンス”にも注目!
  5. 『シン・ゴジラ』という“王道の特撮”があってこそ、アニメに着手できたという経緯があった!
  6. テンポが速く、上映時間も短いので、良くも悪くも「詰め込まれている」感がある
  7. エンドロール後も見逃すなよ!
  8. Netflixでも配信が決まっているけど、間違いなく劇場で観る価値があるよ!

この当たりをざっくりと知っていれば、それで十分ですね。
とにかく、『シン・ゴジラ』に勝るとも劣らない速いテンポの展開、会話の応酬がぶっ続くので、脳をフル回転して観ることをおすすめします。

以下からも、おまけ程度に補足してみます。

これが虚淵イズム

ともかく、全編に『魔法少女まどか☆マギカ』らしい話運び(※残酷、良い意味で気味が悪い、エグい真実が露呈する)が満載なんですよね。
虚淵玄脚本の作品のファンこそ、大いに盛り上がれるのではないでしょうか。

1つの事象に対して、様々な人間の交錯するというのも、まさに虚淵イズム。
「この状況だったら確かにそうなるかも」と納得できる、リアルな利害関係や論争をしっかり描けているのも大好きでした。

例えば「移住の惑星が発見できていなくても、(地球の人類がなおも生きていれば)世論は同情に傾くかもしれない」といった言葉に、「それはそうかもなあ」と、それぞれの意見が腑に落ちるのです。

その他の良いところいろいろ

また、ゴジラはシリーズごとに「核の脅威」であったり、「救世主」であったりと、それぞれが意味していることも変わってくるのですが、今回もゴジラに新しい解釈が加えられていることが大好きでした。(具体的にはネタバレになるので↓に書きます)

あと、パンフレットの出来が素晴らしい。(上の記事でも大いに参考しました)
設定資料や年表、キャラの詳細や、事細かな戦略、ゴジラの造形など、知りたい情報がギッチリ詰め込まれていました。
本作の舞台は遠い未来であり、「それまでの経緯」がサラッと流されてしまうことが不満と言えば不満だったのですが、ここまでパンフの資料で「補完」できるのであれば、文句を言えなくなっちゃいますね。

音楽も良かったですね。
作曲の服部隆之さんは、パズルゲーム『I.Q.』のBGMも手掛けたお方。「遠未来SF」の世界にバッチリハマっていました。

そして、ゴジラファンはもちろん、まったくゴジラを知らなくても楽しめるのも、本作の大きな長所ですね。
それでいて怪獣映画マニアがニヤリとできるネタもあり、例えば「エクシフ」という宇宙人の名前は『怪獣大戦争』のX星人から取られていたり、「ビルサルド」という宇宙人も『ゴジラ対メカゴジラ』のブラックホール第三惑星人が元ネタになっているそうです。マニアックだな!

この怪獣・特撮映画にも注目しよう!

あとね、ゴジラというビッグタイトルに注目するのももちろんいいのですが、今は日本最高峰の怪獣・特撮ものと言っても過言ではない『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』も公開されていますからね!

※こちらにも暑苦しく書きました↓
『ハイロー3』は泣き笑い!大興奮!そして寂寥感でいっぱいになる娯楽大作!その魅力を全力で語る! | シネマズ by 松竹
『HiGH&LOW』の魅力と『3』の楽しみ方はこれだ! [映画] All About

そして、低予算で作られながら、パシフィック・リムばりに巨大ロボが全力でバトる『ブレイブ・ストーム』という尊すぎる映画も公開されているんだからな!

<『ブレイブストーム』の数少ない上映館はこちら>

『GODZILLA 怪獣惑星』は、特撮としての王道から離れ、3DCGアニメーションという技法を最大限に活用した作品。
それと同時に、バリバリの日本の特撮アクションも公開されているなんて……ああ、幸せ。怪獣ファンの方は、当然こちらも観ましょう。

以下は結末を含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください↓

おあずけされた伏線

さてさて、本作は3部作の1作目ということで、続編におあずけされた伏線もありました。

その1つが、お年寄りたちが亡くなったのは「事故ではなかったのかもしれない」という疑問。
主人公のハルオは「それを疑うほどに人間を見捨ててはいない」と言っていましたが、果たして……?
司令部からは「これ以上犠牲者を出したくない」とハルオの作戦に反対した者もいましたし、ハルオの言うように人間を信じてみたくもなりますが……。

もう1つは、かつての人類がメカゴジラを開発していたということ。

そのメカゴジラは、エンドロール後のおまけで登場。
おそらく。次回作『GODZILLA 決戦機動増殖都市』で大活躍するのでしょう。

あと、エンドロール後のおまけでハルオを開放してくれた原住民(?)の女の子がかわいかったですね。
瀬下監督によると、彼女は「癒やしキャラ」とのことです。

リーランドの思惑

ゴジラを憎悪しているハルオに対し、総司令のリーランドは論理的に状況を分析し、撤退することを優先します。
怪獣がはびこっていることはもちろん、大気や水は毒。もしゴジラを倒したとしても、それに見合う対価は得られない。彼の言うことももっともです。

それでも、彼が命を犠牲にしてまで、ゴジラを倒すための一撃を加えたのは、論理的ではいられない人間としての「サガ」があったからなのではないでしょうか。

今回のゴジラは……

今回のゴジラは完全に人類の敵。それも、人類から居住地を奪い、宇宙へと追いやったという「奪う者」でした。
そのゴジラのモチーフが「樹木」であるということも、その場所に根ざし、支配者として君臨するという屈強さをそのまま示しているかのようでした。

あと、今回のゴジラが備えている「非対称性シールド」というのがイマイチどういうものか把握できなかったのですが、パンフによると「ゴジラが体表下に展開するシールドで、熱核攻撃に耐える超高温耐性の泡状表皮と、その驚異的な再生力と相まって、ゴジラを無敵の存在としている」ということらしいです。

虚淵玄ー!!!!!

最大に虚淵イズムを感じたのが、ゴジラを倒したと思ったら、さらに超巨大なゴジラが登場ーーーー!ですね。
今しがた勝利したばかりの人類に、まさに絶望を与えてくれました

虚淵脚本作品には、「始まりと終わりがつながっている、円環構造のようになっていて、そこから逃れられない」というような鬱展開がよくあります。
冒頭の「人類が宇宙空間を20年間さまよっていて、食料もカツカツ、自殺者が出るほどに地獄の生活を送っている」っていうところから虚淵っぽいと思っていたら、ラストでもぶっ込んでくるとは

この展開に至るまでも、「ゴジラが2万年経っても同じ姿なわけがない。生物は新陳代謝を繰り返すんだからな」「生物はただた老衰するだけじゃない。それこそ成長をしていたら……」など、じわじわとフラグを立てるセリフが出てくるのもたまりませんね。本当に意地が悪いや(褒めています)。

ていうか、「強大な敵を倒したと思ったら、もっと強い敵が現れたー!」→「終わり」というのがB級モンスターパニック映画っぽくてステキですよね。
いや、今回は続くけれども!続編は2018年5月公開……待ち遠しい!

おすすめレビュー↓
【ネタバレ感想・解説】アニメ映画「GODZILLA(ゴジラ)怪獣惑星」:ゴジラの可能性を拡張した日本ゴジラ史の新たなる一歩 : ナガの映画の果てまで

(C)2017 TOHO CO.,LTD.

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  1. オープンリーチ より:

    短い上映時間はテンポが良いと捉えるか、詰め込み過ぎて混乱すると捉えるかで個人的に印象が割れそうな映画でしたが、終盤のハルオの大演説はインデペンデンス・デイを彷彿としてかなりアガりました。
    そして今作のマストであるゴジラ。巨大過ぎるサイズにどこか寂しげな目を見た瞬間に心を奪われ「振り回した尻尾でソニックブーム」のシーンは「もう駄目じゃん…。」と観ている側の心をへし折るくらい強烈でした。

  2. ダーク・ディグラー より:

    う~ん何だかんだで観に行こうと思うんだけど最近深夜アニメで『結城友菜は勇者である』のフランチャイルイズってのがあってこれも鬱展開が話題になってるんだけど『GODZILLA 怪獣惑星』の根本から言ってそうなんだけど最終的にはどれも鬱展開がフランチャイルズの一環になってるからどれだけ鬱展開にしても次があると思うと冷めちゃうんですね。

    何処かで落ち着きがないとねぇ?

    こういう対決モノで大人の器量が試されるのは一作目の『ゴジラ』じゃなくて『キングコング対ゴジラ』みたいな洒落っ気がないとどうもねぇ?感が否めないんですね。

    絶望感はもう今の深夜アニメでは当たり前と言うかマーケティングになってどれだけ絶望感出されてもまた蘇るのが目に見えてるからやっぱ絶望感も大事だけど洒落っ気がないとやってけないんですね。

    『魔法少女まどか☆マギカ』は脱構築の魔法少女アニメで例えるなら『スクリーム』や『キャビン』ですね。

    だけど今はそう言うのがお約束になってフランチャイルズ化してるからもう古いと言う感が否めないんですね。

    続編で作るんだから最後に「絶望だ!」って言っても久米田康治のギャグマンガかよ!ってくらいお約束化してるからお約束破るのがお約束になって本末転倒ってイメージ持ったなぁ…

    三部作作るって言うから一作目で絶望感出されても意味ないと言うか『シン・ゴジラ』みたいに一作目で脱構築やるのなら話はわかるけど三部作構想だからあんまり絶望感出されても意味ないなって気がするんですね。

    やっぱ三部作やるなら洒落っ気は必要かなと聞く限りでは思った次第です

  3. 毒親育ち より:

    ようやっと観て参りましたアニ・ゴジってウロブチ・ゴジ。
    >一言感想:『シン・ゴジラ』並に(会話が)詰め込まれている!
    私の一言感想:どんだけ鬱でも止められない止められない虚淵玄味!!

    >その他の良いところいろいろ
    >今回もゴジラに新しい解釈が加えられていることが大好きでした。
    元祖:核(人類の愚かさ)への怒り
    二代目:地球の守護者?
    ギャレゴジ:神
    シン:自然
    と来て、人類も怪獣も皆殺しマンと化した破壊神と来ましたか!でも野暮な不満なんですが、地球を自分の眷族で満たしちゃってるのには少し萎えました。破壊神ならば「我以外の動く物は認めぬ!」で在って欲しかったなあ。何か植物までG細胞由来らしいですし。

    >あと、パンフレットの出来が素晴らしい。(上の記事でも大いに参考しました)
    前日譚の方を映像化してくれえええ!!と願っています!カマキラスの幼虫に訳も解らず虐殺されるNY市民とか、ドゴラによるロンドンの惨事とか、ゴジラから必死で逃げる三怪獣とか、ダガーラとベーレムよるパンデミックとか、ラドンとアンギラスを撃退してドヤった瞬間にヘドラが暴走して絶望に突き落とされる楊さんwith人民解放軍の皆さんとか、メガロにアフリカ大陸を追われた難民すら容赦無く餌として襲う無慈悲なオルガとか、アマゾンで自然の摂理から外道したガバラへ少年少女の小さな勝利とか、ジラをゴジラと勘違いして勝利に沸き立つ兵士達とか・・・あかん。鬼畜映像ばかりや・・・。

    >「エクシフ」という宇宙人の名前は『怪獣大戦争』のX星人から取られていたり、
    >「ビルサルド」という宇宙人の名前はブラックホール第三惑星人が元ネタ
    正史で侵略者だった宇宙人達が同盟者って心強いような、虚淵先生だからなあ・・・と嫌な臭いがしたり。
    特にエクシフってかメトフィエス・・・臭え、臭え、詐欺師の香りがプンプンするぜぇえ?第一Ⅹ星人が「他者への献身を教義とする宗教」だぁ?どうせ最終章で「ガイガーン!機動!!」とか言うんだろ?てか、キングギドラが出てこないのも怪しさプンプンですよ虚淵世先生?
    余談ですが、モスラやキングシーサーが存在しない次元って、トコトン人類に対して弩Sですね。虚淵玄先生は。てか「オキシジェン・デストロイヤー」も発明されずってか芹沢博士が存在しなかった次元?スーパーXやジェットジャガーは建造もされなかったのだろうか。

    >おあずけされた伏線
    >その1つが、お年寄りたちが亡くなったのは「事故ではなかったのかもしれない」という疑問。
    限られた人員の中ではお年寄り達ですら貴重だと思うのですが・・・もう戻ってこれない移民団をわざわざ爆殺する必要あるかなあ・・・と思います。

    >もう1つは、かつての人類がメカゴジラを開発していたということ。
    >『GODZILLA 決戦機動増殖都市』
    「都市」という事は巨大な要塞のようになって登場するのでしょうか。
    >ハルオを開放してくれた原住民(?)の女の子
    おそらくゴジラに半壊させられ、移民船団が地球を飛び立った後になんらかの理由で再起動し、周囲の瓦礫を吸収して自己増殖、内部に街を形成出来る程に巨大化して、生き残った人達を内包してゴジラ族から護っているとかでしょうか。

    >リーランドの思惑
    ゴジラのロックオンから逃げられないと悟ってからの「クソったれだ!こんな星!!」にシビれました!

    >今回のゴジラは……
    ハルオの対ゴジラ戦術を聞いて、劇場で静かに「※権藤一佐に礼!」と唱えて人は何人いたことでしょう。私はその一人であります!
    ※『ゴジラ対ビオランテ』にて、本作のようにゴジラを弱体化させるバクテリアを打ち込む作戦に参加か、その内容は歩兵がゴジラに肉薄してロケットランチャーで打ち込むという無理ゲーミッションでした。「薬は注射より、飲むのに限るぜ!ゴジラさん!!」

    >虚淵玄ー!!!!!
    >最大に虚淵イズムを感じたのが、ゴジラを倒したと思ったら、さらに超巨大なゴジラが登場ーーーー!ですね。
    ま、想定の範囲内でしたけどねー!とドヤった瞬間、顔色を真っ白にしてくれました。虫けらどもなんぞシッポフリフリで十分・・・。

    >冒頭の「人類が宇宙空間を20年間さまよっていて、食料もカツカツ、自殺者が出るほどに地獄の生活を送っている」
    劇中繰り返し出てくる「KEEP OUT」テープが貼られた部屋は自殺者が出た場所なのでしょうか。

    >虚淵脚本作品には、「始まりと終わりがつながっている、円環構造のようになっていて、そこから逃れられない」というような鬱展開がよくあります。
    絶対に無いでしょうけど、MCU『マーベル・ゾンビーズ』を映像化する事になったら監督脚本は虚淵先生にオネガイスレバイイトオモイマス。

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著者

ヒナタカ

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