せっかくの不条理さも台無し 実写映画版「GANTZ ガンツ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー+原作漫画との違い

せっかくの不条理さも台無し 実写映画版「GANTZ ガンツ」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー+原作漫画との違い

今日の映画感想はGANTZです。

個人的お気に入り度:4/10
一言感想:もっとがんばってくだちい

あらすじ
線路上に落ちた酔っ払いを助けようとしたした加藤勝(松山ケンイチ)と、その小学校時代の親友玄野計(二宮和也)は、電車に轢かれてしまう。
しかし彼らはとあるアパートの一室にワープする。そこには他にも「集められた」人々と、謎の黒い球体があった。

原作漫画の8巻くらいまでを映像化した作品。
結論から言うと、正直面白くなかったです。

他の漫画のダメ実写化の「20世紀少年」「カイジ」よりはましとは思いますが・・
2部作で、続編は4月に公開ですが、「デスノート」みたいに直前に「前篇」の本作を放送する可能性もあるので、それを待ってもよいかと思われます。

原作漫画は「不条理な世界で異星人と戦う」シチュエーションが面白い作品です。
普通に考えたら、それを忠実に実写化すれば、つまなくならないと思います。

しかし本作は見事にダメダメです。
「○○しろよ!」というつっこみどころが多く、
展開自体も原作から改悪されてるとしか思えないものも盛りだくさん。
その上原作の重要な要素のハショりっぷりも半端ない
グロテスクな描写はそれなりですが、PG12で許される範囲なのでちょっと物足りません(こう言うと悪趣味だけど)。
後半のテンポが悪く、原作読んでいない人にも、煮え切らない展開が続くのもつらい。

反面、よかったのは
・主人公の二宮君と、「西君」役の本郷奏多の演技の上手さ
・「岸本」役の夏菜のプロポーションの良さ
「田中星人」の動きのキモさとテカり具合
いや↑これは期待しすぎでも裏切られません、本当。

エンドロール後に続編の予告があるので見逃さないように。
以下、ネタバレ↓長いです。原作との差異を書いているので、コミック版のネタバレも含みます。
完全に原作漫画を読んだ方用のレビューになっています。ご了承ください。

つっこみどころと、原作と違うところのまとめです。

登場人物の設定と、原作との違い

・「玄野」は就職活動中の大学生。エロい看板の広告を見て「ああ・・」とか言ってる
きゃー二宮君やめてー(棒読み)。原作では高校生です。エロ妄想が激しいのは原作通り。

・「加藤」は弟思いの兄。少年院に入っていた
原作ではそんな設定はない。弟と2人暮らしなのは原作通り。

・「鈴木のおっちゃん」は初めのゲームから登場。
田口トモロヲのキャスティングはいいですね。個人的には温水洋一だと思っていました。

・「岸本」は「コピーと本人の両方が存在する」という重要な設定がカット
これは残念。

・「西君」は中学生→高校生に
さっきも書いたけど、この西君役がめちゃくちゃ上手いです。文句なし。

・「タエちゃん」は漫画を描くイタい雰囲気の大学生に。
原作だとロリコンキャラだったんだけど。違いすぎだなあ・・。吉高由里子さんの役作りは上手かったです。

・おこりんぼう星人編で活躍した「アンジェリーナ・ジョリーナ似のお姉さん」は出てきません
これが何気に一番ショック・・。あと「犬」、「ホモ」、「貞子」、「空手家」もいませんでしたね。

展開の違い、つっこみどころ

~ネギ星人編~

・転送のときの「断面図」は青い光で覆われている。
原作だと断面図が相当グロテスク。これは仕方がないかな。

・原作で岸本がヤクザのおじさんに襲われる描写があるのだけど、ヤクザ「服をかけんなよ」と言っただけ終了。
これも仕方がない。二宮君が出ているようなアイドル映画でしないほうがいいです。

・驚いたことにネギ星人(子ども)の声がかわいい

・子どものネギ星人を殺し、その親と思われるネギ星人にその他登場人物は殺される
ここでちょっと言っておきたいんだけど、登場人物たちの死にざまが<死にかけると別の場面を写す→場面を戻すとすでに死んでいる>ってパターンが多いんです。ちょっと不満。残酷描写自体はいいけど。

・原作にあった「範囲外に出て頭をふっとばされる病人のおじさん」の描写はなし
「逃げられない」ということを示す重要なエピソードだと思うけど。

スーツケースでネギ星人を殴って倒そうとする玄野。西君「かばん使う奴なんてはじめてみた」
そらそうだ。

・採点結果。玄野の評価の内容が原作と違う。
これは書くのはアレなんで是非原作を読んでみてください。こういう要素は軒並みカットか、表現が変更されています
総じて見て、この「ネギ星人編」はとてもよくできていたと思います。このあとはずっとテンションが落ちていくのだけど・・

~田中星人編~

・おばあちゃんと、その孫が転送される→二人が出会うと田中星人にすぐ殺されている。
原作だともっとおばあちゃんに見せ場があったのに。

・西君、転送した瞬間に田中星人に撃たれぼこぼこに。死ぬ。
不意打ちだな・・ちなみに「100点とって生き返らせろ」も原作では言っていません。

・田中星人は至近距離で玄野が撃って殺す。
一人倒しただけでミッション終了。原作の親玉の大鳥はどうした!

~おこりんぼう星人編~

・片方の怒りんぼう星人は初めにオタクっぽい青年が撃つ→バラバラになる→もう片方の星人が襲ってくる・・・それなのに登場人物たちは一向に銃で撃とうとしない!
銃が効くと分かってるんだからさっさと撃てよ!集まるんだ!とか、明らかに撃てる状況なのに、銃を掲げて逃げるとか・・

・玄野が又下をくぐって撃って勝つ
「弱点」があるのならいいけどねえ・・アクションシーンをみせたいのなら、それなりの理由や「縛り」がないとダメだと思う。

・まだミッションは終わっておらず、館内に入ると、女性と坊さんが死んでいた。
この「いつのまにか死んでいた」パターンがちょっと嫌なんです、本当。

・「千手観音」が襲ってくる。しゃべりだす
なんだってー!いや原作でもわけのわからないことをしゃべっていたのですが、「先に攻撃してきたのはお前たちだ、復讐する」とかいやに具体的なことを言っています。

・千手観音とのバトル。岸本は死に、玄野も加藤も重傷。
このへんもさっさと撃てよ!といらいらいらした。ラブシーンが悠長。真剣白刃取りはよかったけど。
さらに敵の前でキスしようとする加藤と岸本。千手観音はずっと待ってくれています。わあ律儀!

・玄野が銃で撃つとガードされる。そこから小さい仏像がなぜか出てきて階段を転がる・・巨大化
天井突き破った。意味わからん展開。

・玄野が加藤の投げた銃を受け取り、仏像の体内に入って一寸法師的に殺す。恋人を探していた青年と、鈴木のおっちゃんは外でなにもしていなかった。
お前らもちったあ戦え!
そういえば、玄野は足ズタズタにされていませんでしたっけ?めっちゃ飛び回っているんだけど。

・ミッション終了。加藤と岸本は生き返らない。青年と鈴木のおっちゃんは生き残っている。
原作での絶望感がない・・・玄野の1人ミッションもなしですか。
この「おこりんぼう星人編」は原作では屈指の名エピソードだと思うのですが、この映画版ではかなり盛り上がりに欠ています。
死が目前のあるのに緊張感がないことと、テンポの悪さ、何より原作からのエピソードの省かれっぷりが原因。
原作の加藤の「何度でも送ってやる!というセリフを聞きたかった。
あと、加藤の走馬灯もなかったな・・

~その他日常描写~

・岸本が玄野の部屋に泊まるときの「あたしを・・飼ってくれないかな」はさすがに単純に「泊めて」に変更。
泊まる理由が「彼氏と別れた」というのが不満。コンドームを隠そうとする二宮君に好感が持てました
あと原作では玄野、加藤、岸本の三角関係にも焦点が当たっていたのですが、それもこの映画では中途半端。タエちゃんの登場が早すぎたのでは?

・原作でのネギ星人編での階段大ジャンプは、日常の「練習」シーンで登場。
これはネギ星人編で観たかったし、玄野を追っていくカメラワークにしてほしかった。最後は調子に乗ってビルの屋上に行く。お前はスパイダーマンか

・終盤、なんと子どもが線路上に帽子を落とす→玄野がそれを拾おうとする→玄野君死ぬ気満々→轢かれる前にタエちゃんが助ける!というデジャヴ展開に。そして「あなたが好きなの、だから死なないで!」
まあ陳腐

・一応玄野は死んでしまった加藤の代わりに、加藤の弟のところへおとずれる。
これはあってよかった。

・最後のカットは。行こう!と言う玄野のカットで終了。
「君と一緒なら」と言う鈴木のおっちゃん。
彼は何にも活躍していないことが「存在感なさすぎ」「いたの?」とネタになっていましたが、せめて最後になにかやってほしかった。続編に期待しろってこと?

・エンドロール・・とおもいきやおこりんぼう星人の舞台へ。山田孝之演じるルポライターが、生きている加藤を見つけ追いかける
なんで追いかけた!?普通に一般人で面識はないのでは?(追記:続編でわかります)

・次回予告。西君が生き返ってたり、わりとネタバレてる。
続編のサブタイトルは「PERFECT ANSWER」らしい。

映画は余計な要素を足し、重要な要素を削り、実写化が難しそうなシーンは軒並み回避された、そんな印象です。

尺の問題でエピソードを削るのは仕方ないにしても・・もう少しなんとかならなかったのかな、と思う次第です。
余談、漫画はPG12じゃ済まないエログロさなので注意が必要です。

もうひとつ余談。
主人公は「人には必ず役目がある、その能力を最大限に発揮できる場所がある」うんぬんいっていましたが、作中で3回も繰り返します(会社の面接でも言う)。
こういう日本映画にありがちな登場人物が「ベラベラ思ったことをしゃべる」のは個人的にはあんまり好きじゃないです。

しかしながら、「彼は弱い奴は助けてやる」という信念も持っています。彼が担いたいのはそう言った役目でしょう。
おこりんぼう星人編で、加藤に「偽善者」とののしるシーンや、「俺に任せて逃げとけ」と言うシーンに生かされていました。
この主人公のモノローグは、格好いいというよりも、エゴイスティックなものなのです。
続編でこの設定が重要に、あるいは悲劇になるのかもしれません。
これは原作にはない描写、悪くないと思います。

(C)2011「GANTZ」FILM PARTNERS

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  1. QQQQ より:

    酷かったですね。
    上野の博物館ロケ(?)も、意味がない。
    どんな映画にしたかったのか?
    原作が漫画らしいのと、不条理と異性人が売り物らしいのですがナニやってんだかの気分で見てました。
    どうして、このな映画作ったのかな?

  2. ヒナタカ より:

    漫画は面白いのですが・・原作を読んでいない方もそのような評価で当然だと思います。
    どうにも表面上だけ作ってみました、のようなやっつけの話作りな気がしてならない内容でした。
    ロケ地は東京国立博物館みたいですね、検索したら映画そのままで驚きました。

  3. ★「GANTZ」

    今週の平日休みは2/1ファーストデーだったので、
    1本1000円で映画が観れました。
    3本観たうちの1本目。

  4. GANTZ

    奥浩哉の原作は彼のコミックの世界観の集大成で超面白い『GANTZ』を観てきました。
    ★★
    多恵ちゃんが可愛すぎるのがおかしい!
    それもそうだけど…。
    主人公達幼なじみ二人の年齢設定が高校生から大学生レベルになっている事以外はほぼ原作に忠実な運び。
    アレンジもそ…

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著者

ヒナタカ

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