『GANTZ:O ガンツオー』ラストで訪れる感動の理由(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

『GANTZ:O ガンツオー』ラストで訪れる感動の理由(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想はGANTZ:O|ガンツ:オーです。

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:3DCGアニメの新たな到達点だ!

あらすじ

事故で死んだはずの高校生の加藤勝は、なぜか知らないマンションの一室にいた。
加藤はガンツと呼ばれる謎の黒い球体の指示のまま、「東京チーム」の一員となり、火の手が上がる大阪でサバイバルゲームに挑むことになるが……。

累計2100部を誇る人気マンガ『GANTZ』のフル3DCGアニメ化作品です。

『GANTZ』の映画といえば、2011年に2部作で公開された、二ノ宮和也&松山ケンイチW主演の実写版を思い出す方が多いでしょう。
はっきり言いますが、本作『GANTZ:O』は実写映画版の28億倍はおもしろいです。
(まあ実写映画版は脚本家が『ガッチャマン』の人だったもんね!もうわかっていたよね!)

本作の魅力、なぜ劇場で見逃してはいけないかは、以下にこれでもかと書きました。

<『GANTZ:O』日本の3DCGアニメ史上最高傑作である8つの理由!マッドマックス、パシリム好きも必見!! | シネマズ by 松竹>

うん、まあなんていうか、本作はダラダラと言葉で説明するよりも、以下の魅力がわかっていればそれでいいです。

『GANTZ:O』の8大魅力

  1. 『マッドマックス』並にアクションぶっ続き
  2. 『パシフィック・リム』なシーンがあるよ!
  3. 『ドラゴンボール』のフリーザ編的な絶望感満載
  4. PG12指定ギリギリのソフト(?)なエログロ描写
  5. 超豪華声優陣が勢ぞろい
  6. 原作マンガをまったく知らなくても楽しめる
  7. 原作マンガを読んでいるとその再現度に感動する
  8. シナリオも秀逸で、原作マンガを読んでいるのと、読んでいないとでは違った感動がある
  9. 把握しておくのはこれだけでOK。後は四の五の言わず劇場に行けよ!(命令)

    正義感あふれる高校生・加藤

    とにかく3DCGアニメでできる限界……、いや、3DCGアニメでしかできないアクションが大盤振る舞い、96分間それがぶっ続くことが素晴らしいんです。
    カメラワーク(アングル)も綿密に計算されており、妥協を感じるシーンは1つとしてありません。
    「こんな幸せな戦闘シーンを、こんなにたくさん観てもいいんですか!」と心の中で叫びましたよ、ええ。

    原作の「大阪編」を再構築して、1本の映画として完成させた脚本も見事。
    原作ファンはもちろん、初めて『GANTZ』に触れる方であっても、満足できるシナリオに仕上がっているのではないでしょうか。

    難点を挙げるのであれば、本作のヒロインである山崎杏というキャラ(声:M・A・O)のセリフと行動が「わざとらしい」ことでしょうか。
    自分の気持ちを言葉にしてベラベラしゃべってしまうので、どうにも不自然な印象がありました。
    彼女は、人を「偽善者」呼ばわりする第一印象が悪いキャラなので、よりこの点が気になってしまい、好感が持ちにくくなっています(このキャラ描写自体は、物語に必要なものなのですが)。

    「他人のため」「生き延びるため」といった、精神論が会話中で繰り返されるのもちょっと問題かも。
    ここには脚本家・黒岩勉さんの悪いところが出てしまった印象。「戦隊もののようなアツさがある!」と好意的に思えなくもないんですけどね。

    また、1本の映画にするにあたり、原作マンガの「大阪編」で活躍した一部のキャラがいなくなっています。
    これは個人的には英断だと思うものの、やはり原作ファンにとっては賛否両論あることでしょう。

    体感型上映方式4DX&MX4Dの上映もあるので、そちらを選ぶ価値も十分でしょう。
    <劇場情報>
    また、本作の「英語吹き替え版」が、第29回東京国際映画祭にて、一夜限りの上映が10月29日に行われるそうです。東京にお住いの方であれば、2回目をこちらで観るのもアリですね。

    とにかく、これは躊躇なくおすすめできます。
    2016年は『アイアムアヒーロー』という「日本映画の底力を観た!」という作品や、『君の名は。』と『聲の形』という新たなアニメ映画の傑作が生まれましたが、本作『GANTZ:O』もその系譜に加えていい、日本人が誇るべき、素晴らしい作品です。

    多少のエログロなら全然大丈夫!という方は、ぜひ劇場へ!

    以下、結末も含めてネタバレです↓
    今回はラストだけ書きます。原作マンガとの違いもほんの少しだけ書いているので要注意。映画を観ていない方は読まないで!

    ラストの選択に泣いた!

    ミッション終了後、100点を獲得した加藤勝は、山崎杏を生き返らせてあげました。
    (原作マンガでは、「メガネくん」と呼ばれていた高校生が、ミッション終了時に彼女を生き返らせることを約束していました。特別編のマンガ『GANTZ/OSAKA』では……(さすがにネタバレなので秘密))

    生き返った山崎杏は、泣きながら「本当、偽善者やな」と加藤を罵倒……いや、言葉と裏腹に、その行動に感謝をしていました。
    彼女は、偽善ではない、本当の加藤のやさしさを知ったのですね。
    (杏が、人助けを優先する加藤を偽善者と呼んだのは、大阪チームのメンツに好戦的で、独善的に敵を殺すことと良しとする者が多かったことも理由なのかもしれません)

    そして……本作に隠された秘密は、加藤が過去にもガンツにより戦いに転送されていたが、100点ボーナスによりガンツに記憶を消されていた、ということでした。
    ここで、原作を読んでいない人、読んでいない人、それぞれに違った感動があるのです。

    1. 原作を読んでいない人
    2. ・加藤の強さが、「戦いの経験者」であったことが理由だとわかる
      ・序盤で部屋に登場した、何も覚えていなかった加藤に対し、目を逸らしていたレイカと鈴木の態度の理由がわかる

    3. 原作を読んでいる人
    4. ・原作でこのとき加藤が生き返らせたのは、杏ではなく玄野であった
      ・本作では、レイカは玄野が前の戦闘で死んだことを、加藤に教えなかった(加藤は、親友であった玄野がガンツの戦いに巻き込まれたことすら知らない)。それは、加藤がまた100点を取って玄野を生き返らせると考えてしまう性格だと知ったから。
      ・レイカ自身もいつか100点を取り、玄野を生き返らせることを決意する
      ・以上により、原作よりもさらに、大切な誰かを生き返らせたいと願う登場人物の心情が、よりドラマティックになっているのです!

    さらに、加藤がまたガンツに転送されたのは、原作マンガの1話と同じ地下鉄での「人助け」のためであったことも描かれています。
    本作は、原作マンガの途中から運命が変わったような物語になっていましたが、その登場人物の内面は変わらない、いや、よりその性格がしっかりと表れているのです。

    『GANTZ:O』はぶっ続きのアクションの素晴らしさもさることながら、ここまで原作マンガを大切にした「再構築」が行われていたのです。
    スタッフのみなさん、ありがとう!

    ※本作の主題歌の公式ミュージックビデオ↓

    (C)奥浩哉/集英社・「GANTZ:O」製作委員会

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  1. オープンリーチ より:

    この映画の一報を聞いたとき「実写化失敗したくせに3DGCアニメにしてまた恥かいたらどうする。」と正直のれませんでしたが、今作は観る前のイメージを一掃してくれて、原作愛に正しく向き合った傑作だと思います。
    GANTZにおけるゴア描写もPG12ギリギリだったし、原作の登場人物のチョイスも100分に満たない上映時間を考えるとベストだったと思います。批判されることが多いタレントの吹替え起用ですが、レイザーラモン、ケンコバの3名はキャラにバッチリはまっており本当に素晴らしかったです。ヒナタカさんが評された「杏」については、私はGANTZの女性キャラでは多恵ちゃんに次いで杏が好きなため、杏が動いて言葉を発してる時点で感動してしまい、補正が効きすぎてしまいさっぱり気づきませんでした。
    不満点としては、劇中の音楽が大きすぎて好きじゃなかったです(でもドレスコードの主題歌は最高です)。あとは風&たけしの師弟コンビが出てねぇよ!!と思ってたんですが…。終盤の回想シーンを観たらすごく嬉しくなりました。

    今作は「実写版」のトラウマを払拭してくれた思い出深い傑作でした。今作クラスの傑作3DGCアニメを沢山作っていただき、原作の実写化のハードルをグイグイ上げて欲しいです。

  2. 毒親育ち より:

    お引っ越しおめでとうございます!シンプルかつオシャレなお部屋になりましたね!

    >一言感想:3DCGアニメの新たな到達点だ!
    一昔前は国産3DCGアニメと聞くだけで「やめとけや~!島国のちんちくりんがメリケン大陸のマリリン様の真似してイタイタしいだけやで~?」だったと言うのに!?
    (でもエンドロールに外国人スタッフ多数・・・)

    原作を愛読していて、実写版は前編で額に皺が寄り、後編の予告でブチキレて未観の者です。
    前評判の高さに期待どおり!絶賛と大ヒットロングラン中の全人類必見の傑作よりは心を抉られないで(クズは皆死ぬし)キャプテンカトーとクロノマンのアクションだけでも爽快感を得られるのでリピート&ディスク購入決定作なのですが、絶対に許せない不満をブチマケさせてください!
    百歩譲って風の大将とタケシ君、坂田師匠とちぇりー、ミスターカッコダケマン稲葉、眼鏡君と花木、ホストさむらいときるびるが出ないのは許す。
    だがしかし!我らがセックスマッスゥィーン!浪速の種馬!桑原“ド変態”和男先生は何処だーーーッ!?
    ちくしょう!ちくしょう!!東宝とさとう監督!あんた達は今再びオレの心を裏切ったッ!
    直前まで桑原先生の降板を伝えなかったヒナタカさん!アンタもグルか!?(←トンダ逆恨み・・・)

    1.『マッドマックス』並にアクションぶっ続き
    動きがすんごい滑らかでしたね。ガンツスーツの機動力はもう少し魅せて欲しかったですが、岡のハードスーツアクションで挽回!
    2.『パシフィック・リム』なシーンがあるよ!
    原作では、ほぼ秒殺出落ちだったギガントスーツが善戦してましたね。でも最後は原作どおりでなく、あのまま牛鬼を斃してくれた方がスカっとしたなあ・・・。
    3.『ドラゴンボール』のフリーザ編的な絶望感満載
    ぬらりひょんの「弱点が解ってもどうにもならそう」感が凄い。しかも原作よりも狙撃組の数少ないし!
    4.PG12指定ギリギリのソフト(?)なエログロ描写
    桑原先生・・・(まだ言ってる)あと妖怪に一般人が殺されるシーンは省かないで欲しかったですね。
    コミカルな妖怪達が生首持ってハシャイだり、「え?ちょっと!」とか何が起こってるかも理解出来ないまま解体されるおじさんとか・・・。
    5.超豪華声優陣が勢ぞろい
    一部でM・A・Oさんがゴリ推し捻じ込み素人扱いされていて絶句・・・歌手業や女優業もやってるけど既に何本もアニメに出演してる本職さんだよ!?あとお笑い芸人組は流石!特にケンドーコバヤシさんは既に芸歴へ「声優」を入れても良いくらいの実績があるかと!
    6.原作マンガをまったく知らなくても楽しめる
    キャラ数を絞ったのもこの為なんですよね。でも桑原先生え・・・(好い加減に諦めろ)
    7.原作マンガを読んでいるとその再現度に感動する
    「6.」の為に大幅に削りながら、ちゃんと大筋を大阪編な編集力が流石です!でも、ディスク化の際に大阪チームの日常入れて欲しいなあ。
    8.シナリオも秀逸で、原作マンガを読んでいるのと、読んでいないとでは違った感動がある
    オチ解ってるのに「どうなるの?」感が凄かったです!

    >「他人のため」「生き延びるため」といった、精神論が会話を中で繰り返されるのもちょっと問題かも。
    大阪チームの非人道的な行いの数々に「ああいうのは生き残るんや」と坂田師匠のセリフですが「戦争になれば何処に国もやってるよ」は言わせて欲しかったですね。

    >ラストの選択に泣いた!
    メガネくんの降板に不満でしたが、これには納得しました!もう一つの不満点であった加藤君とケイちゃんの絆も回収してくれるとは!
    メガネくんは犠牲になったのだ!でも「加藤勝君。同じ高校生と思えへんわ。どうやったらあんな人間が出来るんや・・・」と「おにいちゃん。仮面ライダーなん?」は観たかったなあ・・・。

    あと「女体地獄」が出て来たシーンで絶望に沈む少年少女(+おじさん)達!
    なにビビっとるんや!?どんな時でも心をイキり勃たせなアカンと先生教えたやろ!?
    月に浮かぶ雄々しい裸体!浪速のビル群よりもそびえ勃つ男根!
    とかならんかと期待してました・・・。

  3. シオン=ソルト より:

    原作も実写版もまったく知らず、予告編以外の予備知識ゼロで観に行きました。

    > 本作に隠された秘密

    中盤に差し迫る頃、ゲーム終了時の100点ボーナスについて説明するくだりがありましたが、私はこの時点で妙な違和感がありました。
    「記憶が消されるならば、このゲームのことはすべて忘れる訳だ」→「ということは、再びゲームに放り込まれても、本人はわからなくね?」
    このことに気付いた私は、本作に於いてバトルはマクガフィンであり、人は究極の選択を提示されたとき何を選ぶか、ということがテーマだと感じました。
    Wikipediaの記述を読む限りでは原作では「本人ではなく複製」のようですが、本作では「本人」という設定のように見受けられる為、よりそうした側面が強いようにも思えます。

    先述の通り、私は原作をまったく知りませんが、本作の主人公は次に100点を獲った時、果たして何を選ぶのか。それを考えるとなかなか面白いです。もし自分が主人公「かとうちゃ(笑)」ならば、次はたぶん(本作に於ける)1番目の「より強力な武器を与えられる」を選ぶ気がします。

    > 3DCG

    こちらに関して言えば、個人的には「う~ん、やはりこの辺りになるんだなぁ」という印象でした。

    いえ、技術力は高いと思うのです。でも、どうしても不自然に感じるのです。そして、私自身も3DCGはしているので、何が原因なのかも理解しています。

    一言で言えば「皮膚の質感」。
    まず、マテリアル(テクスチャや反射シェーダ等)の問題。もっとも、これは他作品等も観ていると、時間とお金と人員さえ掛ければ、それなりの水準に持っていけるようにも思います。
    しかしスキニング(皮膚の動き)では、いまだに本当にリアルなものは観たことがありません。本作に関しても、乳揺れはあるのに、他の部分はほとんど揺れないんです。本作の場合、割とボディラインのはっきり出る衣装なので、余計に乳揺れだけが目立っていた気がしました。

  4. […] 15位 GANTZ:O|ガンツ:オー […]

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著者

ヒナタカ

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