
『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境』また冒険へ(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜」です。
個人的お気に入り度:7/10
一言感想:原作にここまで忠実だとは!
ジャンアンとスネ夫は、夏休みを利用してまだ誰も見つけていない魔境に冒険に行きたいとのび太に提案する。
ドラえもんの道具で魔境を探している最中、のび太は空き地で一匹の子犬を拾い、ペコと名付けた。
ペコは写真の中から奇妙なものを見つける。それは巨大な犬のかたちをした石像だった。
劇場版ドラえもんシリーズの3作目「のび太の大魔境」のリメイク作品です。
(ぼく桃太郎のなんなのさを含めれば4作目です)
もう32年前の作品になるのですね。
子どもの頃の自分はこの作品を飽きるほど(飽きなかったけど)観ていたので、今回のリメイク作品は「あったあったこういうシーン」と懐かしみながら楽しむことができました。
本作は、これまでのリメイク作品の中ではもっとも原作に忠実な作品になっています。
物語の筋は9割方同じで、印象的なシーンの多くもほぼそのまま踏襲しています。
違うのは、ほんのちょっぴりだけの「付け加え」のみです。原作の良さを損なわない程度の味付けは、安心して楽しむことができました。
原作よりも良かった点
中には原作よりも良くなったと思うところもありました。
ゲストキャラクターはより感情移入しやすく、魔境の国の設定はより飲み込みやすくなっています。
敵キャラ「サベール隊長」はより格好よくなり、「スピアナ姫」はものすごく可愛いキャラデザインがされています。
声優陣も豪華で、いつもの5人のメンバーはもちろん、アナウンサーの夏目三久が声優に初挑戦していたり、怖すぎる絵を書くことで有名な小林ゆうもとある声を担当しています。声優ファンにとっては、その配役とハマリっぷりに驚けるのかもしれません。
難点
難点は、原作を知っている方にとっては目新しさに乏しいことです。
「新・のび太と鉄人兵団」には原作をよく知る人こそが驚き、また感動できる変更点もありましたが、本作にはその点においては少し弱いと言わざるを得ません。
しかし、はじめて「のび太の大魔境」に触れる方には大プッシュでおすすめします。
おなじみの道具を使い、のび太たちがジャングルで大冒険をする物語は大人も子どもも、きっと楽しめることでしょう。
いつの時代も変わらないドラえもんの世界観
余談ですが、いくら現実の時代が流れようとも、作風が変化しようも、ドラえもんの世界は変わらない時代にあるように思えました。
のび太が住む町並みは、空き地があり、庶民的なスーパーがあるのです。
ドラえもんの楽しい道具にあるものは「今に無い、未来への期待」だと思います。
ここにインターネットやスマートフォンが登場してしまうと、その期待は薄れてしまうのではないでしょうか。
本作にノスタルジーを感じるのは、まるで昭和後期のような世界観の構築がされているからでしょう。
大人にとっては懐かしく、またちょっと切なくなってしまうかもしれません。
そして・・・ジャイアンがとてつもなく愛おしいんですよ、この作品。
劇場版のジャイアンがいつもよりイイヤツになるのはよく知られた事実ですが、この「大魔境」では人間らしさがにじみ出ていて、なんとも親しみが持てます。
しずかちゃんもあざといほど可愛いです。恥ずかしがっている表情はもちろん、原作よりもおいしい活躍の場が用意されてるのでたまりません。
そんなわけで、ジャイアン萌え、しずかちゃん萌えをしたい方はぜひ劇場へ。
あ、でもスネ夫も萌えるし、のび太も萌えるし、ドラえもんももちろん萌えます。要するにドラえもんの全てが大好きです。
以下、結末も含めてネタバレです 鑑賞後にご覧ください↓

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こういうリメイク作品は元々の作品から改悪されがちですが
今作は82年版と話の展開は変えずにそれでいて元の作品よりもかなり良くなっていて驚きました。
絵や動きが綺麗になったのはもちろん、ペコやサベール隊長など犬の王国の人物達はよりキャラが立ってましたし、冒険要素も増えていると感じました。
最後のセリフにもジーンときましたしとても良いリメイク作品だと感じました。
また、
旧作だと「男らしい」とか「男なんだから」とかそういう台詞が度々出てきていたのですが、リメイク版ではそういう台詞が一切ありませんでした。
旧作公開から30年以上経ってお話は変わらなくてもそういう点が変化しているところが個人的に面白いと思いました。
自分のところでの感想記事が溜まりに溜まってものすごく遅れているのですが…。(汗
> 今であったらGoogle Earthで代用できてしまうのかもなあ
22世紀のテクノロジを用いれば、人力ではなく、衛星写真から人工物等を自動的に捜索するようなことは難しくないと思うのですけれどもね…。
あ、ドラが探しているから一応22世紀の自動捜索テクノロジなのか。(笑
> しずかちゃん萌え
何も見えていないのにえっちい、演出が秀逸です。(ぁ
> ジャイアンの責任
主題歌、挿入歌が入ると無声演出になる本作。
泣かないぞ泣かないぞ、なんて思っていたら、このシーンで不覚にも。
> ペコ萌え
よく考えたら、彼はもともと着衣の文化にいたんですよね。
人間の世界で“普通のノラ犬”を演じていたのはともかくとして、自国に戻っても、牢獄に潜入する場面になるまで全裸だった訳でして。
それを考えると「ケモショタ」などという言葉がまだ無かった時代によくこんなものを。流石、藤子F先生は時代の先駆者、偉大だ。(ぉ
それはまぁ置いておくとしても、深読みするならば、地位を剥奪され追いやられた「裸の王様」という隠喩とも読み解けます。
> 変更点
ヒナタカさん同様、いずれも好印象でした。
特にのび太VSサベール隊長は、直前のジャイアンが命を賭してペコと共に行く展開と絡んで説得力のある流れになっていたと思います。
> ぼくたち、大人になってもこんな冒険ができるかなあ
旧作に親しんだお父さんお母さんに対しても向けられたメッセージ。
などと思ったら、エンドロール後のおまけ…というか告知で、今夏新作がむしろ大人に向けたドラになるとか。
3D化には地雷フラグも感じますが、期待もさせてしまいます。
>ほさん
> 元の作品よりもかなり良くなっていて
一言で言えば「丁寧にブラッシュアップした作品」だと思いました。
> 旧作だと「男らしい」とか「男なんだから」とかそういう台詞が度々出てきていたのですが、リメイク版ではそういう台詞が一切ありませんでした。
> 旧作公開から30年以上経ってお話は変わらなくてもそういう点が変化しているところが個人的に面白いと思いました。
今回でも「男だろ!」と言われて、しずかちゃんが「女です!」と言うシーンだけはありましたね。これも確かに時代なのかも。
>エンドロール後のおまけ…というか告知で、今夏新作がむしろ大人に向けたドラになるとか。
これには危険な香りがするのですが・・・もとが名作なので、期待はしています。
みなさん同じ感想ですね。
正直今までが鉄人兵団以外あまりにひどかったのでかなり身構えていきましたw
ただ逆にその目線でいくと物足りないと感じてしまって勝手なものだなと自重してしまいました。
最後の「ぼくたち、大人になってもこんな冒険ができるかなあ」あたりはああいう演出だとちょっと説教臭いというか子供目線では違和感あると思うのでもう少し軽くさらっとやって欲しかったと私は感じました。
来年は完全新作でしょうかね。個々のところのオリジナルはかなり酷いものばかりだったので不安です。
なかなか良かったですね
脚本が清水東さんになってからの映画ドラは面白い
個人的に思ったのはゲストキャラのチッポ役の坂本千夏さん、もう50才なのにあんな声出せてすごいなぁということです