『ボヘミアン・ラプソディ』4DX上映は音楽映画にもベストマッチ!その理由を語る!

『ボヘミアン・ラプソディ』4DX上映は音楽映画にもベストマッチ!その理由を語る!

今日の映画感想はボヘミアン・ラプソディです。

個人的お気に入り度:9/10

一言感想:あの時代のあの場所に連れて行ってくれてありがとう

あらすじ

クイーンのボーカリストのフレディ・マーキュリーが人生を振り借り、そして魂の叫びのように歌います。

誰もが知るロックバンド・クイーンの伝記映画です。

まあね、結論から言えばこれは映画館で絶対に観なければならない案件です。
配信サイトが台頭し、家のテレビどころかスマホでも簡単に映画が観られる時代ではありますが、この『ボヘミアン・ラプソディ』は今のこの時代に、スクリーンで堪能しなければならないな、と

なぜなら、本作の最大の見所は、1985年に行われた世界最大級のチャリティーコンサート「ライブエイド」に他ならないから。
歌唱とパフォーマンス、俳優の熱演もさることながら、観客埋め尽くす人々の熱気……その当時にタイムスリップしたかのような再現度が凄まじく、これは大きなスクリーンの前で、まさに「観客として」体感しなければ真の感動はないと断言できるほどなのです。

※ライブエイドについては以下の記事がわかりやすいです。当時の日本の状況も悪い意味で話題になっていたのか…↓
ライヴ・エイド・ストーリー

そして、物語がクライマックスに向けて周到に「積み立てられて」いることも重要です。
ずっと描かれてきたフレディ・マーキュリーの「人生」があってこそ……まさしく、映画でしかなし得ない感動が、このライブシーンにはあるのですから。

俳優陣も素晴らしく、全員が全員ともクイーンのメンバーそれぞれの「生き写し」のような存在感を放っています。
並並ならぬこだわりの当時の再現+誰もが知るクイーンの楽曲を大音量で聞く+俳優陣の熱演+それまでのドラマを堅実に積み立てて……って、それはもう感動するってもんですよ。

※主演のラミ・マレックの役作りが尋常ではないことがわかるメイキング映像

あとはIMDbで10点満点の8.4点Filmarksで13000件以上のレビューで5点満点の4.4点coco映画レビューでは120人以上の投稿で100%という2018年の映画でもトップクラスの超絶高評価で推して知るべし。クイーンをほとんど知らないという方にも大プッシュでおすすめできる、音楽映画としてはほぼ理想的と言っていいほどの完成度を誇っていました。

すでに多数のリピーターも生んでおり、IMAX、応援上映、LIVE ZOUND(川崎の映画館のチネチッタ限定)など多数の上映形態で楽しまれているようですが、個人的には4DX上映も超おすすめしたい!

※4DX……「体感型(4D)」の最新劇場上映システム。座席が作品中のシーンとリンクし、座席が前後上下左右へ移動するほか、風、水(ミスト)、香り、煙など、各種演出も体感できる。

え……?いや、4DXって、車がドカンバキンガッシャンしたりするカーアクション映画とかじゃないと合わないんじゃいの?音楽映画で座席が揺れたりするのってどーなのよ?と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかしながら……そう思っていたことが申し訳なくなるほど、今回の『ボヘミアン・ラプソディ』の4DX版は「音楽映画との相性もバツグン!」ことを証明する内容でもあったのです。その理由を書いていきます!

『ボヘミアン・ラプソディ』4DX上映のここが凄い!

「ライブの生音」を「座席の振動」で疑似体験!

まずは4DXにおけるメインの演出と言っていいであろう、「座席の振動」について触れておきましょう。
当たり前のことですが「音」とは「空気の振動」のことです。ライブに行ったことのある方であれば、「生の音を振動で感じる」という、「耳で聞く以外」の音楽の楽しみ方があることを知っているでしょう。

今回の『ボヘミアン・ラプソディ』では、座席がライブの音楽のリズムに合わせて動いており、まさに「ライブで感じる振動」そのものを疑似体験できるかのようなのですよ!
しかも、ドラムでは座席のお尻の部分、スネアでは座席の背中の部分が振動するなど、楽器によっても演出が異なっている!

この「リズムにきっちりと合わせる」と「楽器によって演出を微妙に変える」という丁寧な演出のおかげで、全く座席の振動に煩わしさを感じることなく、自ら体を動かしているような臨場感をも味わうことができます。
とにかく、「劇中のクイーンの音楽でノリノリになりたい!」という方にとっても、4DX版はオススメと言えるでしょう。

ライブシーンの「スモーク」と「光」をその場で体感!

4DXには、スクリーン前で本物の煙が出てくる「スモーク」と、スクリーンの斜め上が点滅する「フラッシュ」という効果があります。
これがライブシーンになると……もう言うまでもないとことですが、まさにライブ会場で焚くスモークおよび、光の演出そのものになっているのです。

映画はやはり映画。本人によるライブにはどうしたって叶わないところはありますが、やはり可能な限り本物のライブに近づけてくれるということこそに感動があるのです。

フレディの腰の動きや観客の揺れまでも再現!

4DXでの座席はその場で振動するだけなく、上下左右に「揺れ」ます。
この演出がどう使われるか……というと、フレディ・マーキュリーのライブ時のパフォーマンスというかマイクの振りや腰の動きを再現してくれるのです。ちょっとだけ、伝説のボーカリスト・フレディになりきるという感覚も得られるというわけ。

そして、視点が観客に移った時は、その盛り上がった時の観客の体の揺れも再現してくれます。
実際のライブ会場ではサイリウムを振ったり、立ち上がったりして応援もできますが、映画ではマナー上は不可能です。
しかし、能動的に応援をしなくとも、その代わりとなる座席の動きにより、スクリーンの中の観客に自分を投影して、応援しているような感覚にもなるんですよ。

今回の4DXでは、言わばライブをしているパフォーマー、それを観ている観客の両方の視点をも疑似体験できるというわけ。なんと贅沢な映画体験でしょうか!

ウィー・ウィル・ロック・ユーの「足踏み」も!

さらに重要なのは、みんなが知っている超有名曲「ウィー・ウィル・ロック・ユー」の「足踏み」までをも座席振動で再現してくれます!

おなじみの「ドンドンパッドンドンパッ」の振動は力強く、前述したスネアとドラムの演出とも異なっています。
「受動的」にこの足踏みを体験できるというのも、なかなか新鮮な体験になるはずですよ。

降りしきる雨で登場人物の悲しみに触れる……

TOHOシネマズでメインに展開している「MX4D」にはない、「4DX」限定の演出に「雨」があります
詳しくはネタバレになるので書きませんが、映画における雨はほとんどの場合において登場人物が泣いていることを示しており、この『ボヘミアン・ラプソディ』でも例外ではありません。

「雨が降りしきる」最中にいるということで、登場人物の悲しい気持ちとよりシンクロ感が増すことでしょう。

ライブエイドの会場の大きさを「風」で実感!

上記に挙げた演出は(雨を除いて)ほとんどが屋内のライブ会場での演出でした。
本作の最大の目玉である「ライブエイド」では、その広大なドーム会場を上空から俯瞰して見て、そのステージにどんどん近づいていくという「空撮」のシーンがあります。
4DXの「風」の演出が、そのライブエイドの会場に近づいていくという高揚感、空間の広がりをも感じさせるのです。

4DXは「限られた空間」をも、「広い空間」に変えてしまう…
前述した通り、本作の最大の魅力は「タイムスリップしたかのようなライブエイドの再現」。4DXの風の演出が、さらに「当時のその場の感覚」を呼び起こしてくれるのです。

(敢えて言うのであれば)4DXのここが物足りないかも?

ここまで『ボヘミアン・ラプソディ』の4DX版の演出を絶賛しましたが、演出そのものが派手ではないことに物足りなさを覚えてしまう方もいるかもしれません。

やはり4DXは「アトラクション」的な意味合いが強く、「すっげ〜揺れた〜」「楽しかったね〜」な楽しみ方をしたいという方が多いと思うのですが、そうした遊園地の乗り物のようなライド感は『ボヘミアン・ラプソディ』の4DX版にはほとんどありません。
演出を最大限に使ったような荒々しさはなく、良くも悪くも「丁寧」なのです。
しかし、これも欠点と呼べるものではなく、音楽を体感する演出としては最適解と言える、良い意味で「抑えた」塩梅になっていると言えるのではないでしょうか。

また、ドラマの比重が多い作品なので、必然的に4DXの演出があるシーンは少なくなっています。
でも、これも欠点と呼べるものではないですよね。必要のないシーンで無理やり4DXの演出を入れて煩わしくなってしまうよりは、絶対に「正しい」です。

4DX版の上映は超少ない!

何よりも注意しておかなければならないのは、4DX版の上映館そのものが少ないということででしょう。
4DXそのものは全国55ヶ所の劇場で実施されているのですが、その中でも『ボヘミアン・ラプソディ』の4DX版はその中でも一部のみでの上映で、回数そのものもごくわずかになっています。
やはり、音楽映画と4DXの相性には懐疑的な方が多く、十分な集客が見込めない、他の映画よりも「少なめ」にせざるを得ないところがあったのでしょう。

しかしながら、これまで語ってきた通り、実際に観てみれば「音楽映画こそ4DXがバッチリハマっていたじゃないか!」と思える内容になっているのです。
これは勿体無い!4DX上映は見逃してしまうと、基本的に二度とその方式で観ることが叶わなくなってしまうのに……。

おそらく、11月23日公開の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開されれば、さらに『ボヘミアン・ラプソディ』の4DX版が観られる機会が少なくなってしまうでしょう。
だから!お願い!今週末にでも!特にリピーターの方は!4DX版も!選択肢に入れてみてください!

(4DXの劇場情報は以下よりどうぞ↓)
4DX|イオンシネマ
4DX|109CINEMAS
4DX|コロナワールド
4DX|ユナイテッド・シネマ シネプレックス
4DX|アースシネマズ姫路

なぜ映画の構造に感動があるのか?

ここからは、本作の物語の部分にも触れてみます。
そんなわけで、以下からはほんの少しだけネタバレを含んでいます。事実を元にした伝記映画なのでネタバレも何もないようなものなのですが、まだ映画を観ていないという方はご注意を。



21分に及ぶ本作のクライマックスはただそれだけで大迫力であるのですが、それまでのフレディ・マーキュリーの歩んだ道、彼の魂の叫びが、披露される楽曲の歌詞に昇華されているということが、本作の「映画でしかできない」感動をもたらしているのは間違いないでしょう。
その感動に大きく寄与しているのが、劇中の歌詞の日本語訳がしっかり表示されること。増田勇一さんによる、しっかり原曲の意図を汲み取った監修も賞賛されてしかるべきでしょう。
「クイーンの楽曲の意味を再解釈できる」というのは、「クイーンの曲は聞いた事があるけど、よくは知らない」というライトな層の方がより感動できるのかもしれませんね。

また、オープニングはフレディ・マーキュリーがライブエイドに向かう直前のシーンであり、わざとラストのネタバレをしています
つまり「わかりきっているクライマックス」なのですが、ドラマではあらゆる「フレディの生き様」が観客に明かされるんですよね……このために、ネタバレしているはずの同じ場所での同じ出来事のはずなのに、フレディの心情を想像すると(歌っている歌詞の意味を考えると)泣けて仕方がなくなるのです。

また、観ている間は「そこはサラッと流すの?」と思うところもあり、実際に「ダイジェスト感が否めない」という批判意見もたまに聞くのですが……観終わってみると個人的にはクライマックスでの楽曲の歌詞にシンクロする部分のみをドラマで拾い上げて、タイトにまとめているという印象を受けました。
ドラマ部分を丁寧に描きつつ、ライブシーンへスムーズに繋がる編集などで「音楽そのものが物語の推進力」になっており、退屈することなく観られるというのも美点でしょう。

※具体的に、どれほどにまでフレディ・マーキュリーの生き様と、それぞれの楽曲の歌詞がシンクロしているかは、以下の町山智浩さんによる解説が詳しいので参照してみてください↓
町山智浩 クイーンとフレディ・マーキュリーの生涯を語る

(追記)この町山さんの解説にはかなり誤りがあったのだとか……以下のツイートからの連投コメントをご確認ください。


(追記)こちらは素晴らしい記事!↓
映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人に読んでほしいクイーンの話 – デスモスチルスの白昼夢

また、フレディがゲイ(バイセクシュアル)であることが、監督のブライアン・シンガーもまたゲイをカミングアウトしていて『X-MEN』シリーズで差別や偏見を描いた作品を描いていたことともシンクロしているんですよね……。それもまた感慨深いです(ブライアン・シンガーは途中で監督を降板していますが)。

史実とは違う内容だった?

本作でちょっと話題になったのは、本国のプロ批評家の評価があまり芳しくなかったのに、一般のお客からはほぼほぼ絶賛だったというギャップがあったということ。
その大きな理由の1つは、史実との乖離があることでしょう。特に、クイーンが歩んできた実際の出来事とは「時系列」が異なっていることが批判の対象になっているようです。

その時系列の違いというのが<ネタバレになるツイート>
うーん…個人的には、伝記映画は史実通りに描くことよりも、「映画的な面白さ」を優先しているほうが好みなのですが……。
確かにドラマの盛り上げ、クライマックスにライブエイドを据える構成のためとはいえ、クイーンをよく知っている方にとっては受け入れがたいところもあるのかもしれませんね。

※史実との違いは以下の記事もわかりやすいです↓
映画ボヘミアンラプソディ ネタバレあり感想 – Hisonyan’s blog
『ボヘミアン・ラプソディ』レビュー そこで描かれたフレディ・マーキュリーは偉大だが…

そんな感じでモヤモヤとしていたら、以下のツイートですっきりとした気分になれました。


こういう視点を持てる方は本当に素晴らしいな……。

また、映画で提示された出来事について調べてみて、「そうだったのか!」と新たな気づきを得てみるのもいいんじゃないでしょうか。
例えば、メンバーのブライアン・メイはガチの天文学者でもあったとか……(他のクイーンのメンバーもすごい経歴)。
この辺りは、「史実と比べてみるとむしろ面白くなるポイント」でもありますね。

R指定にしないための「F○○K」ネタ

最後に余談ですが、本国では「F○○K」という言葉を2回以上使ってしまうと「R指定」になってしまうという決まりがあります。
そのため、子供でも観られるPG-13指定に抑えた映画は劇中で「ここぞ!」という時に1回だけ「F○○K」を使う場合が往々にしてあるのです。(最近では『レディ・プレイヤー・1』でもそんなセリフがありました)
で、今回はフレディがクライマックス直前で自身を「Freddie F○○King Mercury」と呼んでいるのが最高でした。ロックだぜ!

(C)2018 Twentieth Century Fox

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ヒナタカ

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