
『ブラック・スワン』本当に恐ろしいのは誰?(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)
今日の映画感想は「ブラック・スワン」です。
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:身も心も打ち砕く至高のホラー
あらすじ
ニナ(ナタリー・ポートマン)はバレエに全てを捧げていた。
バレエ団の監督の男:トマ(ヴァンサン・カッセル)は次の講演のプリマを決めようとしていた。
それは白鳥と黒鳥の2者を演じる大役。ニナはトマに詰め寄り、主役の座を奪おうとする。
そんな彼女にリリー(ミラ・キュニス)という女性が接近する。
オススメです!
そしてすげー怖い!!!
「π」「レクイエム・フォー・ドリーム」「レスラー」のダーレン・アナロノフスキー監督最新作です。
バレリーナが主人公、と聞いただけでは華やかな世界も想像できますが、今作のジャンルはもう明らかにホラーです。
監督ならではの病的な(この言い方にも語弊がありますが)演出が、追いつめられていく主人公の心を映し出しています。
本作の面白いところは単にホラー演出だけではありません。
彼女は追い詰められてしだいに不可思議な現象・・・平たく言えば「幻覚」に悩まされるようになります。
それはとても、とても怖い。
そして、この映画でいちばん重要な「あること」を指し示しています。
ラストに訪れる出来事。
そこで、いままで主人公がしてきたこととは、なんだったかのか。
それを考えられる深さを持っています。
彼女の母親が過剰な愛情を主人公にそそいだこと、
バレエの監督のとある台詞、
そして、ライバルとの関係。
それらが影響し、絡み合い、彼女は壊れていくのです。
その描写は「丁寧」ではなく「一気に突き崩す」よう。
すさまじい描写の勢いに、圧倒されました。
ただ、ホラーではなく、「バレエ」映画として観てしまうと期待はずれかもしれません。
もちろん、13歳からバレエを習っていたナタリー・ポートマンのダンスは素晴らしいです。
しかし幻覚の描写、主人公の壊れていく描写に気合が入っているので、バレエのほうの描写に不満を持つ方もいらっしゃると思います。
それでも自分はこの映画を支持したいです。
余分な描写を省き「狂っていく主人公」を描いた作品としては間違いなく一級品だからです。
バレエを学んでいる子どもに絶対見せてはいけません(ただでさえR15+ですが)。
死ぬほどバレエ業界に行きたくなくなることは間違いありません。
理由は「ナタリー・ポートマンのあられのない姿が見たい」でもなんでもかまいません。
全てのホラー映画好きは劇場で観ないと一生後悔します。
似た作品が観たいのなら、とりあえず前述のこれを。
これを観れば、麻薬に手を出すことはまずなくなるでしょうね。
こちらも似ているかも。理由は観ればわかります。
以下、ネタバレです 結末に触れまくっているので未見の方は読まないように↓
さて、今作を見た方が一番気になっているのは
どこからが現実で、どこからが幻覚(夢)か?
ということでしょう。
作品は「どっちでもとれる」ように作ってあると思いますし、明確な「答え」はないのでしょう。
しかし、解き明かすヒントはあります。
自分が思った大きなヒントは2つ
ひとつは「鏡」、
もうひとつはトマ(バレエ団の監督)が終盤に言った「君の道をふさぐのは君自身だ、自分を解き放て」という台詞です。
それをふまえて解釈を書きます。
ニナの妄想
ライバルのリリーがニナを追い詰めるシーンは、全てニナの妄想だったと思います。
・ニナとリリーはパーティからニナの家に帰り、セックスをする。
この次の日リリーに
「ドラッグは確かに渡したけど」「わたしは泊まっていない」「私とのセックスを妄想したの?」
といわれます。
このリリーの言葉は全て真実だったのでしょう。
何故か。
ニナはその前に女好きの団長・トマから迫られるばかりか「自分で触ってみろ」とも言われています。
トマが体を触り、キスをしようとすると回避もします。
リリーに「彼は優しい」と訴えた彼女ですが、トマを嫌っていたことは明確です。
しかし自慰はする彼女。
トマは嫌いでも、性欲はあったのです。
だから、代わりにリリーで妄想したと考えれます。
もうひとつ、タクシーでリリーが股間を触ってきたのは現実かもしれません。
彼女は悪気はなくとも、ニナをよくからかっていましたからね。
・ニナが目撃した、トマとリリーがセックスしているシーン。
こちらを見て笑っているリリー。
トマがこちらを向くと、彼は舞台に出てきた「黒い怪物」になっていました。
明らかに幻覚です。
ニナはリリーに役を取られるのではないかと怯えていました。
それが「トマとリリーのセックス」という形で現れたのです。
これははじめにニナが主役に抜擢された理由が、ニナがトマを誘惑した(トマの唇を噛んで拒絶しましたが)ことに起因するのでしょう。
・そして、最後。ニナはリリーを鏡に押し付け、殺してしまう。
そう思われましたが・・・・・・白鳥を演じた後に楽屋に現れたのはなんとリリー。
隠した死体は消え去っていました。
簡単に考えれば、ニナはリリーを殺していません。
彼女の役を奪われないかと思う気持ちが、幻覚を見せたのでしょう。
そして実際に鏡の破片が刺さっていたのはニナ自身。
彼女は自分自身を刺していたのです。
鏡に押し付けたのも「自分である」ということを示しています。
(さらに、リリーと初めに出会うのはトイレの鏡の前で、他にも鏡の前で会話するシーンが多いのです)
前述のトマの台詞も生きています。
彼女が壊れて行ったのは、自分自身の被害妄想のせい。
それが「役を狙っているリリー」という形で現れたのです。
ニナは心配する母親にひどい態度をとり、降板された「ベス」の持ち物を奪い、本番でニナを落としてしまった男役を責めたこともありました。
彼女は周りを恐れるばかりで、自らを省みなかったのです。
エンドロールの役名が……
※以下は筆者のこじつけ的な勝手な解釈なので、ご注意を。
エンドロールで、役名にこんな記述がありました。
NINA/WHITE SWAN
LILY/BLACK SWAN
と!
言うまでもなく、リリーは作中で黒鳥を演じていません!
ニナが2役を演じきったように見えます。
では役名が何故
ニナ:白鳥
リリー:黒鳥
なのでしょうか?
ひょっとすると、ニナは白鳥を演じた時点で死んでしまい、黒鳥は演じなかったのではないでしょうか。
つまり
ニナは白鳥を演じる
↓
楽屋に行くと、そこにはリリーが(本当に)いた。
↓
ニナはリリーを襲う・・が、返り討ちにあい、リリーに殺されてしまう。
↓
リリーがニナの代わりに黒鳥を演じた。
(もしくは「白鳥の湖」の物語と同じく、ニナが自殺してしまう)
黒鳥を演じたこと、その後の白鳥も演じたこと、スタンディングオベーションを受けたことも、ライバルのリリーに励まされ、拍手もされたことも、彼女の夢だったのです。
そう考えると、ものすごく悲しいラストです。
もちろん、これは個人の勝手な考え方なので、「そんなわけあるかい」と言われるのも最もだと思います。
役名に深い意味などないのかもしれませんし、「白鳥の湖」の話に照らし合わせた結果かもしれません。
しかし、自分は
「彼女は役を完璧に演じたが、自分に打ち勝つことを引き換えに死んでしまった」
というハッピーエンドにも、何か含みがあるように思えてならないのです。
ラストはハッピーエンド?
舞台から降り、「完璧だった」と言う幸せに満ちたニナの顔。
白んでいく画面とともに起こる、歓声と拍手。
その瞬間は、夢でも彼女は幸せだった。そう思いたいです。
現実のリリーは「役を奪う気」なんてなく、ただの無邪気なおせっかい焼きだったのだと思います。
蛇足ながらもうひとつ、彼女の背中の「タトゥー」は、バレエダンサーとしてあれはないだろうと思ってしまいました。
これも幻覚・・・というのは考えにくいかな。
ニナとセックスしているときに、あのタトゥーが不気味にうごめていたので、それもあるかもしれません。
ほかの気になったシーン
もう少し気になったシーンを見ていきましょう。
・トイレに書いてあった「アバ○レ女」
これは「イヤミなの?」とニナに言っていた「ヴィクトリア」の仕業だと思います。現実でしょう。
作中で、彼女に嫉妬し、悪意を持って嫌がらせをされたのはこの時だけだったかもしれません。
・「ママ」の描写
ママは過保護であり、子ども(ニナ)のために夢をあきらめた事を口にします。
ママはニナを愛していたのでしょうが、それ以上に自分のエゴを押しつけ、束縛しているようにも感じました。
「夢を諦めた」ことからすれば、ママはニナを内心では恨んでいたかもしれません。
・ベスはニナが抜擢されたことで降板され、事故に合い、入院。彼女のところに盗んだ私物を返しに行くが、ベスはナイフで自分の顔を刺してしまう。
これは現実か、妄想か、ほとんどヒントはありません(事故に合い入院したこと自体は現実)。
しかし、すぐに訃報などの知らせがなかったこともあり、やはり妄想なのではないかと。
ベスの言う「私は完璧じゃない」も、ニナの思ったことなのです。
そして、幻影に苦しんでいた自分を解き放ったあの結末。
「完璧だった」というニナ。
彼女にとっては幸せな結末でした。
しかし、裏を返せばここの台詞もすごく恐ろしいです。
妄想の中でベスを完璧じゃないと見下し、その比較で自分は完璧だったと言っているのかもしれません。
・背中の傷の中にに刺さっていた「黒鳥の羽」(の一部?)
母親もニナの背中を見ていましたし、かきむしるのは昔からの癖なので、これも現実だったとは考えにくいです。
本番のシーンで彼女が黒い羽に覆われていくシーンもありました。
なので、これは彼女が「黒鳥と言う役にとらわれていく」という描写だと思われます。
とにかく怖かった!
鏡の中の自分が違う動きをしていたり
2重鏡の中の1人が背中をかきむしったり
お風呂の上にベスがいたり
家の中でベスが近づいてきたり
ママの描いた絵が一斉に笑っていたり
足がありえない方向にボキッと折れたり・・
本当トラウマになりそうな恐ろしさでした。
しかし、一番怖かったのは、手についたベスの血を拭っているシーンのナタリー・ポートマンの形相でした。
見終わってみると、この役は彼女以外に考えられません。
この映画が描いているのは「悪いのは、自分自身」という自己責任。
周りではなく、自分自身により破滅に向かう主人公の姿を描いていました。
ヴィクトリアに「おめでとう」と言わなければ、
ママにひどいことを言わなければ、
リリーのことを信じていれば─
この結果にはならなかったのかもしれません。

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chat_bubbleコメント
そうなんですよね、ホラー映画だったんです。
ナンカ、消化不良の顔をしている、観客もいました。
昔々の「反撥」、「サスペリア」でしたかを思い出しました。
バレーの映画の方が、予告編でも表に出ていたので、勘違いしました。
でも、パンフレットには、「サイキック・ホラー」って明確に書いてあります。
N.ポートマンさん、凄く節制したんですな。
「宮廷絵師ゴヤ」の時に、垣間見えた、女性らしさの線がなかったと思います。
役のために、正に、「身を殺ぐ」
たいしたもんです。
こんばんは~。
消化不良なのは「夢か現実かわからない」というモヤモヤのせいもあるかもしれません。
ネタバレで解釈を書いておいてなんですが、この描写に関しては「どちらでもいい」のだと思います。
最後は間違いなくハッピーエンド。それでいいじゃないか、と言われているような気がするのです。
>パンフレットには、「サイキック・ホラー」と書いてあります
そうなのですね。R15+指定なので警戒できるとは言え、こんな映画だとは思わなかったと言う人も少なからずやいるでしょう。
N.ポートマンの代表作のひとつになるような気がします。
Heckuva good job. I sure appiacrete it.
「LILY/BLACK SWAN」って書いてあったんですねー。
見落としてました。
「ブラック・スワン」のストーリー自体が白鳥の湖の流れだったので、二ナから見たリリーはまさしく黒鳥だったのだと思います。
http://inthelapofthegods.blog.fc2.com/blog-entry-47.html
こんばんは~。
>「ブラック・スワン」のストーリー自体が白鳥の湖の流れだったので、二ナから見たリリーはまさしく黒鳥だったのだと思います。
そうですね、それはニナの思い込み・・・と思うと切ないです。
ブログのレビューも拝見させていただきました。
かくも恐ろしい作品ですが、アカデミー賞にふさわしいと自分も思います。
こんにちは。
ブラックスワンを見てきました。
レビューを読ませていただいて考えたのですが、エンドロールの役名の話…
昔、1980年代に「カルメン」というスペイン映画がありました。
劇中で「カルメン」を上演するフラメンコダンサーと振付師の話でしたが、その二人の関係がそのまんま「カルメン」のカルメンとドンホセの関係と同じで、舞台「カルメン」と同じ運命になっていくのです。
この「ブラックスワン」でも、ニナの普段着はいつも白っぽく、リリーはいつも黒っぽい服を着ていました。
つまり、エンドロールの
NINA/WHITE SWAN
LILY/BLACK SWAN
は、劇中のバレエ「白鳥の湖」でリリーがBLACK SWAN役を踊ったという意味ではなく、この映画「ブラックスワン」がそのまんま「白鳥の湖」のアレンジ(リメイク)で、映画の中での役が「BLACKSWAN」だと言う意味ではないでしょうか?
何を言っているか御理解いただけるでしょうか?(笑)
映画の中で振付師トマが
「『白鳥の湖』を官能的に作り直す」
みたいなことを言っていましたが、これはそのまんま映画監督の言葉ではないかと思いました。
こんばんは。レビューを見て頂いてありがとうございます。
>劇中のバレエ「白鳥の湖」でリリーがBLACK SWAN役を踊ったという意味ではなく、この映画「ブラッ>クスワン」がそのまんま「白鳥の湖」のアレンジ(リメイク)で、映画の中での役が「BLACKSWAN」だ>と言う意味ではないでしょうか?
>何を言っているか御理解いただけるでしょうか?(笑)
分かりますよー。
劇中の役ではなく、映画のストーリーそのものにおいて、リリーは「黒鳥」だったのでしょうね。
「『白鳥の湖』を官能的に作り直す」
は気付かなかったことばでした。
>昔、1980年代に「カルメン」というスペイン映画がありました。
>劇中で「カルメン」を上演するフラメンコダンサーと振付師の話でしたが、その二人の関係がそのまんま「カ>ルメン」のカルメンとドンホセの関係と同じで、舞台「カルメン」と同じ運命になっていくのです。
そうなのですね、「カルメン」観たくなりました。
「現実が演じているものと同じものになっていく」というのは、デヴィッド・リンチ監督の「インランド・エンパイア」も思い出させました。
こんばんは! 検索したらたどり着きました笑
ひとこと。迫力のある映画で
最後はあしたのじょーを重ねました。
燃え尽きて灰になった。つまり死んだ。
ただ東京大学物語じゃないけど
首尾一貫して妄想だった可能性はあると考えました。
どうなんでしょう。最後は妄想だと思いませんか?
コメントありがとうございます。
> 最後はあしたのじょーを重ねました。
> 燃え尽きて灰になった。つまり死んだ。
文字通り「白く」なってますからね。
> ただ東京大学物語じゃないけど
> 首尾一貫して妄想だった可能性はあると考えました。
> どうなんでしょう。最後は妄想だと思いませんか?
この映画はいろんな解釈ができるように作ってあるので、正解はないのだと思います。
彼女にとってはハッピーエンド、それでよいのかもしれません。
明らかに見当違いなところがふたつ。
ニナとリリーは現実には一緒にタクシーに乗ってません。
ですから触られたのはもちろん妄想です。
トイレでアバズレ女と書いたのはニナ本人です。
ベスから盗んだ口紅で書かれています。
壊れていったのではなく、自立していったのでしょう
Hahhahaa. I’m not too bright today. Great post!
バレ込みのコメントです!ご注意を。
僕も前途の方と同じく、「アバズレ女」だけは数分前に盗んだ口紅で書かれていたので、そこで「…分裂症オチかな…」と、余計な詮索をしてしまい本作を楽しみ切れませんでした。
さらに詮索しながら結局二回目を見て、現実で「触れる物」はニナ本人がやっていたのでは無いかと思いました。
だいたい鏡はもう一人の自分というキーワードとしてはベッタベタな
入りですし、ママの「背中をかきむしるという無意識の自傷が昔からあった」という柔らかい入りから、ラストに向かう「あなたは病気なの!!役に潰される!」という絶叫から取るに、ニナの犯行はほぼ自傷!!と乱暴にひも付けて見ました。
これは、ニナとしか関わってないならまず母親だけど…。
足の爪や指のささくれとか、小さな頃面白半分で引っ張ろうとして、「それは乾燥する前に引っ張っちゃダメよ〜」と誰かに言われた事無いでしょうか?
そして、リリーの存在自体の有無。これはどうでしょう。ドアを開けて、皆んなの前に姿を現した彼女は初っ端から遅刻で、全員の注目を浴びながら平然と「いやいや前の駅で降りちゃって〜」と話しながら、「OK!シカトか!」とドッカリ座ってスタンバイし出してました。この時リアクションしたのは、ニナの無言のうなづきだけ。そのあともニナは仲間の輪に入るのではなく、あくまで「二人きり」でリリーとやり取りをしています。
もし、以前から分裂症の片鱗を母親や団員の皆が察知していたとしたら?あの登場はあの場にいた全員が「あー分裂症もここまでキタね」と思っていたとしたら…?
それとも初見で遅刻は女社会ではあの程度の攻撃食らうぞと。
リリーの実在を認めるなら、次の容疑者は母親+妄想や幻覚。
あんなブリブリのテレビも無い「子供部屋」のベッドの上。
さらに自慰もレズ行為も描写はあそこです。ベッドの上が彼女の唯一の居場所。隠れて初オ◯ニーなんて、小学生じゃあるまいし、本当にそうなら、母親に狂気を感じます。
そして、完全に黒鳥という闇のサイドに転落した雰囲気の元プリマ、この人も女優さんが曰く付きなせいでハマり役に見えました。ごめんなさい。
それに、バレエの公演が出来る様な国のしかも都心部らしき場所で指紋付きの凶器を現場付近に置いてきたら、次の日にでも聴取されるなり、逮捕されるなりあるだろうという安易な考えです…それにあんなに自分の顔や体滅多刺しじゃその後の全部が妄想になっちゃうので、ほぼ夢でしたオチは自己回避です。ニナが自発的に「あなたのように完璧になりたかった」と言って泣いて謝りますし、転落した元プリマに「あなたのようになりたくて」これが純白の野心でくくれるギリ。ベスが許してくれなかったらアウトです。
「女社会ではありがちなイタズラ」程度も犯行に数えるなら口紅でアバズレが一件。
ちょっと週末に見てみようかと思っています。
母親があんなクレイジーな子供部屋に、もうとっくに大人である実子を閉じ込めている。
リリーと母親が実在なのかどうか不明という決着はホラー好きとしては大歓迎です!
徹夜で仕事をしてしまった人の多くは疲れ過ぎて「あれ?今これあそこに…あぁ、さっき自分で俺の席に持って来たんだった…疲れてるな〜」とか経験あると思います。
まして彼女の役はアスリートと芸術性を兼ね備える事が出来るど根性が無いといけないのだろう…と思うと、もはや「ナタリーポートマン」その人の私生活まで気になります(笑)。
ニナの役はナタリーポートマンのイメージなら最適ですし、リリーの役の方はナタリーポートマン程にほんで知名度のある人では無く、かつこれ一本でファンになれる絶妙なセクシーさと奔放さを兼ね備えた魅力ある女性でした。
こう思い出すと、監督とニナがリリーを見て、監督が「リリーは予測不能でセクシーで魅力的。完璧になるにはあんな感じ」と与太話をしてしまっていましたっけ…。
リリーは脳内か現実か、久々に週末が楽しみになりました。
主人公への嫌がらせをする人と主人公を守る人で作られた映画です
囮をさせられ踊る白鳥の主人公の役、周りの黒い人により黒い羽が生えてきそうなのを「危ない」と警告する内容の映画。
20代前半の主人公が多数の悪によりメイクまで悪に見えるよう、つり上がった眉にするよう促されました、
リリーのように腹黒くなるよう促され聞かされ見せつけられ続けたが、白鳥の主人公の心は美しく。何度煽られても誰かに黒い羽を生やされても、真っ黒にはなりませんでした。
ニナ役whiteナタリーポートマンさま。主人公、どんな嫌がらせをされた人生にされても、それでも心の芯から真っ白で親切な美しい人。