2017年実写映画版『美女と野獣』より際立ったテーマ(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

2017年実写映画版『美女と野獣』より際立ったテーマ(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー)

今日の映画感想は美女と野獣(2017)(原題: Beauty and the Beast)です。

個人的お気に入り度:7/10

一言感想:堅実かつ聡明なリメイク

あらすじ

変人と呼ばれる美女と傲慢な野獣が心を通わせます。

1991年製作の同名ディズニーアニメをリメイクした実写映画作品です。

ジャン・コクトー監督(1946年製作)や、クリストフ・ガンズ監督(2014年製作)の『美女と野獣』が「原作となる物語」の映画化であったのに対し、今回の映画はあくまで「ディズニーアニメ版の実写化」であることがポイントです。

※クリストフ・ガンズ版のレビューはこちら。正直あまり面白くない↓
子どもに聞かせる物語 映画「美女と野獣(2014)」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

ディズニーアニメ版は、数々の耳に残る楽曲で彩られたミュージカル作品になり、マスコット的な家具の召使いという親しみやすいキャラが登場するなど、他の作品群にはない魅力がプラスされています。
明確にフェミニズムを訴えるシーンもあり、単純な娯楽だけでは終わらない「気づき」も与えてくれました。

今回の実写映画版では、それらのディズニーアニメ版の魅力はそのままに、さまざまな変更点が付け加えられています。
それについては、以下の記事にも書きました↓
『美女と野獣』で同性愛はいかに描かれたか?ディズニーアニメ版から変わった10のこと | シネマズ by 松竹
※記事には微妙にネタバレに触れるところがあるのでご注意を。

単にアニメをそのまま実写化するだけでなく、2017年の現代らしいアレンジもたっぷりある、ということが素晴らしい!

※ちなみに原作となる物語はこちらから読めます↓
ヴィルヌーヴ夫人 Madame de Villeneuve 楠山正雄訳 ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)

とにかく全てがハイクオリティ!

さてさて、自分が今回の実写化で一番好きなこと(ディズニーアニメ版からの良改変)は↑の記事でだいたい書いてしまったのですが、もう少し本作の魅力について簡単に触れましょう。

  1. 豪華絢爛な美術は文句のつけようがない!
  2. 「しゃべって踊る家具の召使いたち」をよく実写化した!
  3. ミュージカルシーンの楽曲が耳に残る!(しかもディズニーアニメ版にはない新たな楽曲もある)
  4. ボイスキャストが字幕版も吹替版も最高!
  5. さらに「大切なのは内なる美しさ」というメッセージに説得力が増した!

もうね、音楽が至高、見た目にうっとり、物語の完成度もめちゃくちゃ高いと、全方位的に文句をつけるところが見つからないのです。

「最高!」と書くと単純なことですが、それに至るまでスタッフとキャストたちは血の滲むような工夫と努力を重ねたことがスクリーンから伝わる……いや、もう、悔しい!
実写映画版『シンデレラ』や『ジャングル・ブック』もそうですが、ここまでの優等生ぶりを見せられると、ちょっと欠点があるくらいの映画(例:グレートウォール)のほうがかわいく思えるくらいですよ!(理不尽な文句)

キャストも文句なし!

キャストももう言うことはないですね。
エマ・ワトソンは『ラ・ラ・ランド』のオファーを断って本作に出演し、結果的にアカデミー主演女優賞を受賞したエマ・ストーンに嫉妬しているとまことしやかにささやかれていたのですが、ここまでの可憐さ、歌声を披露し、素晴らしい作品に仕上げたのですから、もう大満足じゃないんでしょうか。

後はやはガストン役のルーク・エヴァンスの顔面偏差値の高さを相殺するゲスっぷり、『アナと雪の女王』でオラフの声を担当したジョシュ・ギャットの愛らしさも印象に残ります。

ちなみに、ガストンは公式サイトで「俺様と美女」と銘打った特設ページも作られています。性格がクズいのに愛されているなあ↓
俺様と美女|映画|ディズニー|Disney.jp |

今回は日本語吹替版キャストに、ミュージカルの実力派が勢揃いしていることも素晴らしい!
知名度優先の芸能人配役ではなく、こうしてクオリティ重視の吹替がされた本作が、『アナと雪の女王』のオープニング記録を超えるほど大ヒットを遂げているのはうれしい限り。もちろん吹替版のクオリティの高さが大ヒットの理由ではないのですが、今後はこうして作品およびファンを大切にする吹替が主流になるとうれしいですね。

※たとえば『ゴースト・イン・ザ・シェル』の吹替はアニメ版の声優が勢揃いしており、芸能人を吹替にしなくてもそれなりにヒットしました↓
ファン歓喜の『ゴースト・イン・ザ・シェル』吹替キャスト。この春、映画会社の吹替版への苦心が花開く!? – Yahoo!ニュース

また、吹替版だと「シルブプレ」や「アデュー」などのフランス語がたびたび使われているのがよりわかりやすかったりします。
当時のフランス語は社交界の共通語みたいな使われ方だったんですよね。
そういえば、前述のガストンは一度もフランス語を言っていなかった気が……相棒にフランス語「ジュヌセクワ(意味は“なにか”を持つ美しい人)」と言われても「何それ?」と返していたし。

監督に『ドリームガールズ』や『シカゴ』(脚本のみ担当)など、ミュージカル映画の経験があるビル・コンドンを起用したことも大正解ですね。
それぞれの美術の見せ方、音楽にぴったり合った編集も洗練されており、職人技をまざままと見せつけられました。

同性愛のシーンには賛否が?

本作にはディズニーアニメ版にはない同性愛のシーンが含まれており、マレーシアでは上映中止、ロシアでは年齢制限がつけられるなどで波紋を呼んでいます。
実際に本編を見てみると、同性愛の描写は「それとなく」示す程度であり、「中止も年齢制限もしなくていいじゃん!」とも思うのですが……国によっては思想の違いから来る軋轢により、犯罪に発展する可能性もあるそうなので、難しい問題ですね。

なお、日本でもこの同性愛の描写は「ちょっと示すだけでとどまっている」「ゲイを笑いものにしている」「キャラの設定を変更してほしくなかった」とやや否定的な意見もあるようです。
個人的には、この同性愛のシーンを入れたのは断固として支持します。
ディズニー作品で初めて同性愛のシーンを入れるという「挑戦」はやはり勇気のあることです。
確かに「それとなく」示す程度である、つまり「様子見」なところがあることは否定しませんが、その「多様性を描きたい」という作品の精神性は肯定的に捉えたいですから。

上映時間が長いという欠点も?

本作の難点をあえて挙げるのであれば、ディズニーアニメ版が84分(再公開版は92分)であったのに対し、129分と大幅に上映時間が伸びていること。
自分は「ディズニーアニメ版から追加された描写」こそが本作の最大の功績であるとは思うのですが……やはり「ディズニーアニメ版のほうがよかった」「新たな楽曲に魅力を感じなかった」「冗長だった」という意見も多めです。

ディズニーアニメ版にあったさまざまなツッコミどころを解消してくれる(例:なんで王子の城を誰も知らないねん→魔女が魔法でみんなから記憶を消したと説明される)のが嬉しかったのですが、個人的に終盤で一番気になってあるポイントがそのまま……いや、さらに納得できないようになっているのが残念だったり。これは本当に言うのも野暮なのですけどね。

※他のディズニーアニメ版のツッコミどころはこちらを参照。そういや作中の年代設定も間違っていたのか!↓
破壊屋_映画の壺_美女と野獣

しかしながら、ここまでのハイクオリティで、堅実で聡明な実写リメイクを見せられたら、もう「参りました!」というほかありません。
とにかく楽しいミュージカルたっぷり、親しみやすいキャラばかりなので、長めの上映時間も気にならず、まさに老若男女が楽しめます。
ミュージカルシーンが占める割合は『ラ・ラ・ランド』よりも高いので、そちらがイマイチだったという方も本作は気にいるかもしれません。

正直「他のすぐ終わってしまいそうな傑作映画(例:リライフ、バーニングオーシャン、そしてグレートウォール)を優先して!」な気持ちもめっちゃあるのですが……いやいや、余計なことを言いました。もちろんオススメでございます。

以下は結末を含めてネタバレです。鑑賞後にご覧ください↓

野暮な不満点

本当に言うのも野暮なのですが、「最後に野獣が人間に戻ったら受けた傷も塞がるんかい」という、ディズニーアニメ版からあったツッコミどころを解消してくれないのは気になりました。

正確には、傷が勝手に塞がっているというか、人間に戻ったら直前に受けた傷のことがスルーされている、という感じなんですよね。せめて、ベルに「もう傷は大丈夫なの?」くらいは言ってほしかったかな。
しかもディズニーアニメ版でナイフだったのが、今回は銃に変わっているので「弾は貫通したのか?(しかも2発)」と心配になってしまいました。
(ナイフから銃に変わったのは、たぶん中盤の酒場のミュージカルシーンでガストンが銃を使っていたという伏線を回収したから)

また、別に欠点じゃないんだけど、人間の姿に戻った王子が白シャツ姿+ジーンズという貴族にあるまじき姿(ディズニーアニメ版そのまま)なのに笑ってしまいました。

そうそう、ベルが王子の目を見て「いままで見てきた野獣と同じ人」であるとわかる描写があるのはよかったですね。ディズニーアニメ版では「ぜんぜん違うやん」というツッコミも多かったですから。

ロゴから感動!

いやー!いつものシンデレラ城のディズニーのロゴが、しっかり王子のお城になっていたのに感動しました!

あ、あれ?なんか違う?と思わせておいて、そのままシームレスに物語を始めてくれてよかったですね。

何をなくしてしまった……?

物語の冒頭で、ベルがムシュー・ジャンという男性に「また何かをなくしたの?」と聞くと、「何をなくしてしまったのかわからなくなった」と答えるシーンがあります。

この言葉の意味は最後に氷解します。
ジャンが忘れていたのは、妻であるポット夫人と子どものチップのことなのである!(ポット夫人が最後の戦いでジャンを「あなた!」と呼び、人間になってから抱き合うことができている)
魔女は「王子と城のことを忘れる魔法」をかけていたので、そういうことになるのも必然ですよね。再会できてよかった!

冗談?

ベルが壁一面に本が並ぶ図書室を見た後、野獣が「ギリシャ語の本は読んでいない」と言うと、ベルは「あなたも冗談を言うのね!」とうれしそうでした。
この時の野獣が「うん、ああ、まあ……」だったことを考えると、これは冗談じゃなくマジだったんじゃないでしょうか。
※以下のすんばらしいご意見をいただきました!
「ギリシャ語~」の件は異論があります。っていうかこれは訳が難しかったところだと思いますが、英語でギリシャ語はGreek、そしてこの言葉には「ちんぷんかんぷん」という意味もあります。 聴き取りに自信はないのですが、確か王子は「Some of them’re Greek(ギリシャ語の本〈わけわからん〉本もあるし」みたいなことを言っていたと思うので、これに対してベルは「あなたも駄駄落を言うのね」という気持ちだったのではと思いました。王子としてはそれが通じたことにむしろ照れて何とも言えない表情になったのかと?どうでしょう?

あんだけ文句を言って叫んでばかりだった野獣が、うれしそうなベルを見て反論しなくなるのがカワイイですよね。

ミュージカルシーンで新たな演出が!

新たに追加された楽曲は、「Days In The Sun」と「How Does A Moment Last Forever」と「Evermore」の3曲。以下の記事でもオフィシャルチャネルの曲が載せられているので、ぜひご参考に↓
『美女と野獣』アニメとの違いまとめ!すべてが美しい極上の130分! | シネマズ by 松竹

また、中盤の楽しいナンバー「Be Our Guest」のラストで、ディズニーアニメ版では「花火の音だけが聞こえる」だったのが、今回は実際に花火が見えるのが嬉しかったです。
以下の吹き替えオールスターズによる動画が公開されているのもいいよね!

最後の時まで……

ディズニーアニメ版からの追加要素でももっとも感動したのは、家具の召使たちがただの家具になってしまうシーンでした。
しかも、それぞれが最後の最後まで、目の前の大切な人を気遣っているのです。

チップ(カップ)が地面に落ちて割れそうになっているのを、「洋服掛け」が最後の力を振り絞って助けてくれるのがいい!

ルミエール(燭台)とコグスワース(時計)が、お互いに「親友でよかった」と言うなんてもう最高。
こいつらはディズニーアニメ版では、人間に戻った後に喧嘩をしていたりしていた(ある意味仲がいいけど)ので、今回は純粋に友を想う気持ちが表れていてよかった!

そうそう、犬のような「足掛け」が専用の扉を使ってしまったからベルが逃げ出したという描写もプラスされていましたね(でもこのワンちゃんもラストバトルで大活躍!)
なお、ディズニーアニメ版には今回の実写にはないチップによる「単独」の活躍が描かれているので、ぜひチェックしてみることをおすすめします。

カップル成立

ラストは、人間になった召使いたちも含めた今までの登場人物によるダンスシーンで幕を閉じます。
実は、クローゼットに強制的に女装させられたのに1人だけウキウキ喜んでいた男性と、(ガストンとの会話でゲイであることをほのめかしていた)ル・フウが一緒に踊っていたりもします(これがマレーシア政府がカットを要求したシーン)。カップル成立おめでとう!

物乞いをしている女性

物乞いをしている女性のアガットと、野獣に魔法をかけた魔女は同一人物でした(エンドロールの役名は「Agete/Enchantress」になっている)。
明確に「お前がそうだったのか!」という描写はないんだけど、最後に彼女が1人だけ西の塔に行き、バラに手をかざして「魔法を解いてあげる」ことで、やっとその事実を提示するのが上手いですね。

魔女のアガットがなぜ物乞いをしていたかは作中では明かされませんでしたが、彼女もまた野獣にかけた魔法を解いてくれる美しい心を持つ人物を探していた、とも考えられますね。

ラストで、森で助けられたモーリス(ベルの父)と、アガットが見つめ合って笑いあっているのもよかった。こちらも新たなカップル誕生です。

野獣ではない!

ラストの戦いにおいて、ディズニーアニメ版ではガストンもベルも、王子のことを「野獣」と呼んでいます(吹替版ではベルは「あなた!」と呼んでいるが、原語では「Beast」である)。

ところが、今回の映画で、ガストンに「野獣」と呼ばれた彼は「私は野獣ではない!」と叫びました。
これは彼が、明確に醜い姿で居続けること、それを受けいれることを拒絶したシーンになっています。
自暴自棄にように見えた彼でしたが、ここに来て自分の意志で「人間」でいることを欲していたんですね。

また、この「野獣ではない」というセリフは、この前にベルがガストンに「彼は怪物(Monster)なんかじゃないわ、怪物はあなたよ!」と言っていたことの対比にもなっています。

似た者同士

野獣は母を幼いころに亡くしており、その時から父から過度に厳格な教育を受け続けていました
(ディズニーアニメ版にはこの描写はなく、野獣は本もまともに読めないほどに無教養でもあった)
(ポット夫人が野獣に「(ベルの)父親が悪くても、その子どもがどうかはわからないわ!」と言っているのがいい伏線になっていました)

そして、ベルはパリの街に魔法の力で移動し、自身の母を疫病で失っていたことを知ります。
(それはすなわち、ベルの父のモーリスは娘を守るため、母を見捨てるという苦渋の決断をしたということでもある)

つまり、ベルと野獣は母を幼いころに失っていたことが共通していています(ただし父親から受けた愛情はまったく違う)。
また、ベルは村人から変人扱いされており、野獣もまた孤独でした。
彼らは、見た目が美女と野獣という正反対であっても、今までの境遇は「似た者同士」なのです。

ベルがその野獣に(父から過度に強要されたであろう)本の面白さや素晴らしさを伝え、野獣もまた「君の父を泥棒と呼んですまなかった」と謝り、似た者同士であるお互いが、交流をしていく過程でそれぞれの傷を癒やしているのが素晴らしいですね。

やはり2人からは、同じような「内面の美しさ」がしっかり見えるようになっている。
これらの改変により、そのテーマがより明白になった本作のことが大好きです!

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  1. ラリーB より:

    ここまでしてもらって文句を言うのは野暮かな…と思いつつも正直僕は「一長一短」と言う言葉がよく似合う作品になってしまいました。

    良いところは沢山あるんです。まずもう大前提ですがキャスティングは本当に見事にハマってると言えるくらい全員素晴らしかったですし
    この手のミュージカル映画でここまで歌のレベルが高いのはそうそう無いんじゃないかと思います。
    (レミゼですらラッセル・クロウが…でしたし)
    あと追加要素としてヒナタカさんが仰有るように「期限を過ぎたらどういう事態になるのか」と言う部分を明確に可視化したのは良改変ですし
    アニメ版だとハッピーなんだけど内輪だけで盛り上がってて寂しかったEDが
    町のみんなも魔法で忘れてたと言うことにして町民たちも祝福に来ると言うのもいい改変ですし
    期限が近づくにつれお城が崩れ出すと言うのも良かったですね。
    あとみんな言ってますが野獣の歌、あれはほんっっっっとうに良かった!!
    劇中でも涙腺ガンガン刺激されたのにエンドロールにもう一回…あれの為に実写版はあったと言っていいくらいでしょう。

    …ただ「何でこんな要素追加したの?」と言うのがやや多いのも事実です。
    まずやっぱり親父さんの職業を発明家から画家に変更した事ですね。パリのシーンの追加の為に変えたんでしょうけど
    あのシーンは別に画家に変えなくても成立するでしょうし、何よりヘンテコ発明家じゃなくなった事でベル親子が村人から「変人」呼ばわりされてる説得力が薄れてしまった気がしました。

    いいと言う方もいますがガストンの扱いも個人的には不満です。今回のガストンは極悪人と言うよりただの知恵の足りない嫌な奴にされた気がします。
    ベルの親父さんの話を聞いてアニメ版は話すら聞かず追い返すけど策を考えてベルを手込めにしようとするのが
    今回のガストンは途中までバカ正直に付き合ってあげるけど「やっぱやーめた」と言わんばかりに親父さん殴って気絶させて…何がしたいのお前w
    ガストンって脳味噌筋肉だけど悪知恵だけは無駄に働くキャラなのに本作のガストンはただ単に粗暴で嫌な奴と言う感じで僕は悪役として好きになれなかったです。
    挙げ句死に様まで高笑いしてたら城が崩れて勝手に落ちるというアニメ版以上に間抜けな死に方だったので、この辺も何とかして欲しかったです。
    この辺の改変は去年の「ジャングルブック」でのシアカーンの悪の矮小化に似ていてもっと煮詰めて欲しかったですね。

    あとまあ時代なのかな…とは思いますがポリコレ要素のぶっ込みが幾らなんでも多すぎる気がしました。
    監督が同性愛の方ですしそこにも救いを!…という思いは分かりますがもう少しサラッ…といれて欲しかったです。
    いくらポリコレと言っても中世ヨーロッパにあんなにも黒人の貴族はいないでしょう…

    あと細かいとこを挙げるならアニメ版のラストのチップとポット夫人の台詞「二人はいつまでも幸せに暮らすの?」「ええ、いつまでもずっとね…」の台詞はカットして欲しくなかったですね。
    一見普遍的なあの台詞を疑問系で入れて「当たり前だろ?」なその返しがたまらなく好きだったので。

    …とまあ僕の感想としてはやっぱり一長一短と言う言葉がピッタリくる作品になってしまったな…と言う思いです。
    それでも凡百のアニメの実写化とは比べ物にならないほどの映画なのであくまで僕の不満点は重箱の隅つついてるようなもんだと思っていただければ…w

    • 紗夜 より:

      ラリーBさま

      コメント読ませていただいてあまりに代弁してくださったので思わず書き込ませていただきました。
      ひとつだけ気になったので…
      ガストンが死ぬシーンですが、薔薇が散るにつれて城が崩れる描写があり、時間経過だけでなく死が近づくことでも薔薇は散る?と感じましたので、、
      野獣が撃たれる→野獣に死が近づく→城が崩れる→ガストン死ぬ という自業自得に仕上がっているのかな、とその点はうまくできているなあ、と勝手に解釈した部分だったので気になりました。いかがでしょうか?

      ガストンのアホさはありましたが、あの短気なところも行動の早さとカリスマ性につながっているのでしょうかね…?悔しくもガストンの人間性について改めて気になりました笑

      ポット夫人とチップの会話は大切な大切なラスト以外にもいくつかカットされていて少し悲しかったです。

      • ラリーB より:

        >紗夜さん
        あーそれは気付きませんでした…
        確かに野獣を殺そうとして自分が死ぬ…と言うのはより自業自得感が出て良いですね。
        勝手に落ちた…と言うのは僕の読解力が足りませんでした。
        ただガストンの短絡さと良くも悪くもな筋肉パワーな部分はアニメ版に比べるとやはり劣ってるな…と感じており
        脳筋だけど人一倍悪知恵働く業の塊なアニメ版のガストンと比べると
        どうしても実写版のガストンは単に粗暴な人にしか見えませんでした。

        あとポット夫人もですが親父さんの職業が変わった事で、僕の大好きなチップの見せ場が激減したのも正直不満でした。

  2. より:

    オリジナルアニメーション「美女と野獣」の制作に非常に大きく携わり、登場楽曲の歌詞もすべて手掛けたハワード・アシュマン。
    彼が参加するまでは「美女と野獣」は非常に重苦しく暗い作品として制作が進められており、ミュージカルですらなかったそうです。
    そしてアシュマンは同性愛者であり、作品の完成を待たずにエイズで亡くなりました。(・・・who gave a mermaid her voice and a beast his soul・・・という追悼メッセージは非常に有名)

    見た目や偏見にとらわれるのではなく、内面の美しさを問いかける本作は、同性愛者・エイズに対する差別に苦しむ彼の思いが込められていると言われています。
    ですからこの作品に同性愛者が登場することは、単に「多様性を描く」という時代の流行以上の意味があり、必然であったといえるのです。

  3. 毒親育ち より:

    原作は小学生の時に絵本をパラ見。ディズニーアニメ版も未観で突撃して来ました!
    ファミリー(キッズ)、カップル、レディースで大入りの劇場。オッサンお一人様は私だけ!文句あるかチキショー!!(←周囲はスクリーンに魅了されてて誰もオメーなんか気にしてねえよ)

    >※クリストフ・ガンズ版のレビューはこちら。正直あまり面白くない↓
    画面が暗過ぎて睡魔との闘いでした。明るくなったら女の子ばかりでメンズは私一人でこっ恥ずかしかった思い出。

    >とにかく全てがハイクオリティ!
    >1.豪華絢爛な美術は文句のつけようがない!
    男性が観ても溜め息が出ますが、やっぱり女性陣がウットリしてましたね。

    >2.「しゃべって踊る家具の召使いたち」をよく実写化した!
    ここは子ども達に大ウケ!やっぱりディズニーは流石だよ。

    >3.ミュージカルシーンの楽曲が耳に残る!(しかもディズニーアニメ版にはない新たな楽曲もある)
    >4.ボイスキャストが字幕版も吹替版も最高!
    棒読みがいないのは当然ですが、メインキャストがほぼミュージカル俳優で占められてるんですよね!この本物志向は『モナア』に続いて本当に恐れ入る!

    >5.さらに「大切なのは内なる美しさ」というメッセージに説得力が増した!
    ここなんですが、ちょっとモヤります。結局ベルも王子も「美人」ですし、もうちょっとブサカワ系のヒロインと二枚目半の王子様とか・・・て、ここで気付いたんですが『シュレック』シリーズって本作へのアンチテーゼで数歩先を行ってたんですね。
    あと王子が野獣バージョンでもイケメン過ぎだろ!・・・え?そりゃオマエがケモナーだからですって!?
    あと多様性の大事さを訴えるなら外見の美しさを追及する「ナルシズム」だって否定してはいけないと思うのですよ・・・。

    >後はやはガストン役のルーク・エヴァンスの顔面偏差値の高さを相殺するゲスっぷり、
    コイツだけ因果応報を受けて終わりましたけど納得。例え御天道様が許してもコイツだけ赦しちゃイケネエ。余談ですがモーリスパパを精神病院(?)に入れようとするシーンで『チェンジリング』を思い出して胸糞バーストでした。
    あと。コグスワースの奥さんにもなんらかの制裁が欲しかったなあ。ベルが女の子に字を教えただけで罰を与えるとか(例え当時の常識だったとしても)彼女の発明した洗濯機を壊したり。糞ババア度が許容量超えていまして・・・。

    >同性愛のシーンには賛否が?
    >ちょっと示すだけでとどまっている
    なにか「LGBTキャラとか最近流行ってるし。とりあえず入れてみた」感が軽いってかチャライ感じにモヤっとするんだよねえ・・・と弟に言ってみたら「良いんだよ。軽くてチャラくてスナック感覚で。これって子ども達がメインの観客なんだろ?ああやって特に重要でもないキャラや描写にノーマルの男女でもないやつがさらっと自然に混じってる。ああいうのを観て育った子が隣にオカマっぽい奴が居ても「キモい!」とか言わない。ましてイジメて教室から追い出して達成感を得たりしない世界を作って行くんだよ。でなけりゃロリコンが保育士やってようが、ケモナーが飼育員やってようが誰も気にしない世界なんか来ねえよ」と言われ。こいつもたまには良いこと言うなと思いましたので晩飯を奢りました。
    あと気になったのは中世ヨーロッパで黒人が知識人や文化人に貴族階級に居ることに違和感・・・というのは今「ステキな魔法の世界」を観ている子ども達には余計な大人の問題ですね・・・。

    なのでディズニーにはこれに懲りたりせず。コツコツと「様子見」を続けてケ○の穴の小せえ世界を変えて行って欲しいです!!

    >野暮な不満点
    野獣さんが思ったり弱くてビックリ!狼相手に無双を期待していたらけっこう苦戦してたり・・・
    >しかもディズニーアニメ版でナイフだったのが、今回は銃に変わっているので「弾は貫通したのか?(しかも2発)」と心配になってしまいました。
    やっぱりバケモンでしたーーーッ!!ヒューマンは貫通しても即死だよ!?マスケットの丸弾だし・・・。

    >何をなくしてしまった……?
    一応今の地方自治体的な統治機構だったお城がなくなって違和感感じる程に不便は無かったのかなあ・・・て、税金徴収されなかったから返って良かったかも?

    >物乞いをしている女性
    モーリスパパを救助した辺りから仙人オーラが凄くて絶対重要人物だろ!と思ってました。

  4. オープンリーチ より:

    吹替版を観賞しましたが、ポジティブな印象しか浮かんでこない良い映画でした。吹替俳優陣もケチをつけようがないぐらい素晴らしく、ガストン役の吉原光夫の地を這うような低音ボイスにメロメロでした。

  5. ウォークベェース より:

    ワイルドスピードアイスブレイクのレビュー予定はありますか?

  6. 松本啓子 より:

    いつも楽しみに拝読しています。

    今回も丁寧な解説や納得の感想嬉しいです。ただ一つ「ギリシャ語~」の件は異論があります。っていうかこれは訳が難しかったところだと思いますが、英語でギリシャ語はGreek、そしてこの言葉には「ちんぷんかんぷん」という意味もあります。 聴き取りに自信はないのですが、確か王子は「Some of them’re Greek(ギリシャ語の本〈わけわからん〉本もあるし」みたいなことを言っていたと思うので、これに対してベルは「あなたも駄駄落を言うのね」という気持ちだったのではと思いました。王子としてはそれが通じたことにむしろ照れて何とも言えない表情になったのかと?どうでしょう?

    • hinataka hinataka より:

      うおおお!まったく無知でGreekにそういう意味があるとはまったく知りませんでした!
      ぜひぜひ追記させてください。素晴らしいご意見をありがとうございます!

  7. 松本啓子 より:

    早速取り上げていただきありがとうございました。感謝!

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著者

ヒナタカ

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