
『アクアマン』歴史を変える新次元のヒーロー映画、ここに誕生!(4DX吹替版ネタバレなし感想)
今日の映画感想は『アクアマン』です。
個人的お気に入り度:9/10
一言感想:全てが特盛ヒーロー映画
あらすじ
海ではほぼ最強の男が超戦います。
えーと本作については、最初から超楽しい、観る人を選ばないエンタメ、子どもから大人まで、デートでも家族でもオススメです。お伝えしたいことは以上。
それでもういいよねというくらい、すんばらしい娯楽大作になっていましたよ…!
DCコミック原作史上、もっとも成功した作品に!
本作は人気アメコミのブランド「DCコミック」の同名ヒーロー作品を原作としており、DCエクステンデッド・ユニバースというシリーズの第6作目に当たります。
しかしながら、今までの作品群を観ていなくても、本作は全く問題なく楽しめるでしょう。
物語はほぼ独立しており、シリーズに関係するセリフは1回しか出てこない、一見さんにも優しい内容になっています。
思えば、これまでのDCエクステンデッド・ユニバースはわりと迷走していたと思います。
- 『マン・オブ・スティール』→誰もが知るスーパーマンのリブート作。『ダークナイト』に影響を受けたと思われる暗めの作風は賛否両論
- 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』→さらに暗い作風になった。『マン・オブ・スティール』を観ていないとわかりにくい内容。
- 『スーサイド・スクワッド』→予告編の出来が超良くて大ヒットしたけど、「悪人だらけって言っていたのに良い奴らばかりじゃん!」な内容で世評は酷評気味
- 『ワンダーウーマン』→女性監督を抜擢。評価は存分に高く、これでシリーズは復帰かと思われた。
- 『ジャスティス・リーグ』→『アベンジャーズ』のようにヒーローが一堂に集結する内容…であったのに興行収入はシリーズでワーストという結果に。ザック・スナイダー監督の家族に不幸があったために途中で降板している。
さらには、単独作品『ザ・バットマン』にはベン・アフレックが出演しないことも報じられたりもしました。(こちらはDCエクステンデッド・ユニバースではない単独作品だけど)
そんな訳で、『アベンジャーズ』を筆頭とするアメコミ映画の大成功シリーズのマーベル・シネマティック・ユニバースと比べ、DC原作の映画は後塵を拝しているところがあったのです。
シリーズの作風の暗さは、『デッドプール2』でもイジられちゃっていたりもしました(以下の画像は予告編より)
で……最新作であるこの『アクアマン』は各界から絶賛の嵐、すでに世界の興行収入は『ダークナイト』を超える10億ドルを突破するメガヒットを遂げ、DCコミック原作の映画史上もっとも成功した作品になることも予想されているのです。
この成功はひとえに
(1)一見さんでもわかりやすい間口の広さ
(2)ファミリー映画とも言っていいくらいに明るい作風
(3)エンタメ全部詰め込みましたな超楽しい内容
という3点があるんじゃないでしょうかね。いや本当に、『アクアマン』でDC映画が大復活して良かった!
パワーワードの嵐!
何度も言いますが、本作はアクションSUGEEEE!楽しい!嬉しい!頭空っぽでSO HAPPY!で終わっていい内容です。
143分の上映時間の4分の3はアクションをしているかバトルをしているかどっちかですからね。
そんな感じの作品であるため、Twitterでは次々に『アクアマン』の魅力を表現したパワーワードがたくさん生まれていました。
- 暴れラッセン
- 海のバーフバリ
- 海のマッドマックス
- IQの低い300(スリーハンドレッド)
- バカのシェイプ・オブ・ウォーター
- ステロイドを打ちまくったリトルマーメイド
- 戦闘力の高いスイミー
本編を観てみると、これら全て間違いでも誇張でもなかったですね。
ジェームズ・ワン監督の『狼の死刑宣告』も観てみてね!
本作の監督はジェームズ・ワン。予告編などでは『ワイルド・スピード SKY MISSION』の監督最新作!という触れ込みですが、そのフィルモグラフィーを見ると『ソウ』『デッド・サイレンス』『死霊館』などホラーもけっこう多い。今回もそこそこにホラー演出があるのも愉快なところです。
本作『アクアマン』のアクション演出で凄まじいのは、「奥行き感」を感じさせる立体的なカメラワークですね。
カメラをぐるっと回すほか、キャラをずいーっと追いかけるカメラの躍動感、それだけでもう「幸せ!」と高揚感いっぱいになれるのです。
ジェームズ・ワン監督のアクション演出がすげえ!と思った方に観て欲しいのは、『ワイルド・スピード SKY MISSION』と『狼の死刑宣告』ですね。
こちらでは「立体駐車場」を利用した追いかけっこのシーンの迫力が半端ないことになっており、『アクアマン』劇中のシチリア島のアクションはこちらを彷彿とさせるのです。
※予告の3分20秒ごろから、そのシチリア島のアクションシーン。微ネタバレ注意。
※ジェームズ・ワン監督がアクションを解説する動画。
あ、そうそう、タイマンバトルも『300(スリーハンドレッド)』級の迫力と楽しさなんですよね……もう!たまんねえよ!
また、決して適当にアクションがぶっ続くだけでなく、伏線がしっかり回収される気持ち良さもあって、ドラマも盛り上げてくれるのも嬉しいですね。
『マイティ・ソー』を連想させる兄弟の確執があったり、『インディー・ジョーンズ』的なアドベンチャー要素があったりと、やっぱりもう特盛状態
良い意味でのバカ映画と思いがちですが、物語もかなりロジカルに構成されているところも美点でしょう。
さらには編集のテンポも抜群にいいんですよね。「過去の回想」がシームレスに繋がる編集には感動を覚えるほどでした。
大笑いしたのは、会話が長くなりそうになったら不意に爆発が起こってアクションに突入すること。「もういいよね!アクションが観たいよね!」な気概を感じてニッコニコにならざるを得ないのです。
あと、忘れちゃいけないのが主演のジェイソン・モモアの魅力ですよね。ヒゲの筋肉ムキムキのおじさんなのですが、なんだかとっても可愛いの。
もうね、萌えるの。もう彼がボケ倒すセリフの数々でご飯何杯でもイケます。
本作には「アクション映画あるある」をイジったギャグもあって、それにも大笑いしました(特にバーで絡まれた時のアレと、「12時の方向」のギャグ)。
海の王アクアマンを演じたジェイソン・モモア氏、地上の生き物イッヌも大好き pic.twitter.com/AsWUXSV83O
— さまこ (@samako211) 2019年2月8日
※普段のジェイソン・モモアも萌えます。
ドルフ・ラングレンにアクションをさせてよ!
本作の数少ない欠点を挙げるのであれば、せっかく出演したドルフ・ラングレンにアクションの見せ場がなかったことですね。
なんでや!『クリード 炎の宿敵』のラングレンはその俳優としての実人生とも重なる最高の役だったのに!
せっかくのヒーロー映画なんだから!アクションさせてくれよ!
『クリード 炎の宿敵』感想。対立構造や親子関係をロジカルに示したドラマとしての完成度が凄まじく、『ロッキー』1作目に通ずる「俳優の実人生がキャラと折り重なる」度もMAX!ドルフ・ラングレン好きはもう号泣して立ち上がれなくなるんじゃ…!できれば前作と『ロッキー4 炎の友情』を観ておこう。 pic.twitter.com/nAblgMlTO9
— ヒナタカ(映画ライター) (@HinatakaJeF) 2019年1月15日
『アクアマン』は続編製作が正式に決定 しているのでそちらでは大活躍してくれることを期待しています。
あ、でもみんな大好きなウィレム・デフォーがすごくオイしい役だったのは最高でしたね。
そのほかで気になるのは、ツッコミどころがそれなりにあることですね。
特に序盤で刃物が通らなかったはずのアクアマンが、後半では普通に斬られて血を流していたのはちょっと……でも許す。
4DX上映も超最高!
さてさて、本作は4DX上映も実施されており、その演出のベストマッチぶりも強く訴えておきたい!
※4DX……「体感型(4D)」の最新劇場上映システム。座席が作品中のシーンとリンクし、座席が前後上下左右へ移動するほか、風、水(ミスト)、香り、煙など、各種演出も体感できる。
4DXのここがすごい!
本作の4DX上映のどこかすごいか、まずはめっちゃ濡れるということをお伝えしておきましょう。
なにせ作中の半分くらいが海の中のシーンで、その中にザップンと入れば水の演出がぶっしゃぶっしゃなのですから。間違いなく水の演出の量は4DX史上最大でしょう。
その一方で、ずっと水の演出が止まないというわけではなく、ちゃんとメリハリが付いているということもポイント。ずっと海中にいる場合は水の演出は抑えられています。
水の量は多いけれど、服がちょっと湿る程度で不快感はない。このバランスも絶妙です。
そして本作は乗り物に乗るシーンも多く、座席もめっちゃ揺れる!
たっぷりのアクションの4DXを体感、それが2時間半近い時間に詰め込まれているのですから、やっぱり「幸せ……」にしかなりません。
ともかく、今回の4DXは完全に遊園地のアトラクション型に特化した内容であり、その最高峰と言っていいでしょう。
画面の3D演出も平均点以上。3Dを選ぶのであれば、さらに「4DX」も上乗せしてもいいんじゃないでしょうか。
そうそう、吹替も全てプロの本業声優で揃えており、そのクオリティも超最高です。
全くストレスを感じることはなく、数々のおとぼけギャグもうまく翻訳されて感動しきり。
普段は「字幕派」という方でも、この「4DX吹替」を一度は体感して観て欲しいです。
4DXのここがイマイチかも?
ただ、1つ苦言を呈すると……水の演出がゴージャスなのはいいのですが、その度に水滴が3Dメガネについてしまい煩わしく感じてしまうという問題も浮上しています。
今までの4DXでもちょっと思っていたことなのですが、今回の水の演出の多さは桁違いなので、流石に気になりました。
水の演出と3Dメガネとは、そもそも相性が良くない……近い将来、裸眼で3D映画を観られる技術が開発されれば、これは解決できるのかもしれませんね。
『アクアマン』の4DXは、ハンカチかティッシュを持っていて、メガネについた水滴を軽く拭き取れるように準備しておいたほうがいいのかもしれません(それも煩わしいかもしれませんが)
また、同日より公開されている『ファースト・マン』の4DXも、これまた別ベクトルで素晴らしいんですよ……。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください↓
『ファースト・マン』4DXの凄さとデイミアン・チャゼル監督の作家性を語る!(ネタバレなし感想)
あと以下の4DXの演出には大笑いしました。このためだけに4DXを体験する価値があるよ!
#アクアマン 4DXで○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○演出ホントに最悪(褒めてる)○○○○○○○○○○○○○○○○ https://t.co/gdH4jcP82O
— マスティ(mustie=DC)🍩新曲2月リリース! (@DoughnutsCinema) 2019年2月17日
宣伝も超最高だ!
『アクアマン』は宣伝活動も素晴らしいんですよ!
・関口メンディーに「飛び込メンディー」とアピールする動画を公開。イベントではジェイソン・モモアの筋肉を絶賛した。
< 未知の世界、初解禁!
全世界興行収入10億ドル突破!2/8日本上陸『#アクアマン』より”海底都市”を初お披露目!ジェームズ・ワン監督がこだわりぬいた未知のテクノロジー満載の海の世界に、アクアマンの大ファンと公言するEXILE/GENERATIONS from EXILE TRIBEの関口メンディーさんも思わず大興奮! pic.twitter.com/xWiRIMR5o5
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) 2019年1月15日
・桑マンこと桑野信義がTwitterデビュー
今日からTwitterデビューする事になりました!桑マンこと桑野信義です!宜しくお願いします!#クワマン #アクアマン #公開記念 #皆で見よう #勝手に応援 #私は出ていません #だから出たい #伝説の始まり #謎が謎を呼ぶ #トランペット#桑野 #信義 pic.twitter.com/sJlokJogwJ
— 桑野信義 (@KWMN1957) 2019年2月8日
・レディビアードがアクアマンのコスプレ姿を披露
・劇中のナイスキャラのブラックマンタが紅白を「U.S.A」のダンスで応援
マンタさまは
白組を応援しているようです。#DAPUMP #USAダンス #USA #紅白 #紅白歌合戦#第69回NHK紅白歌合戦#マンタさま #アクアマン pic.twitter.com/G1Lvu6oi0R— DC公式 (@dc_jp) 2018年12月31日
みんなが幸せになる、最高の宣伝じゃないか!
ここまで来ると、さかなクンに劇中の海棲生物の解説をして欲しかったとか、永野に「暴れるラッセンが〜好き〜」とか言って欲しかったくらいですね。
加えて、前述した通り吹替は全てプロ声優で揃えており、タレント声優のゴリ押しをすることもないんですよね。
それどころか、安元洋貴さんと田中理恵さんが応援上映に登壇しニュースにもなっていたりもします。
芸能人やタレントのイベント登壇ももちろん良いけど、『アクアマン』では安元洋貴さんと田中理恵さんが応援上映に登壇しニュースにもなっているのか!作品の魅力も熱く語ってくれている。本職声優さんがもっとこうして話題orニュースになれば良い流れが生まれるかも。https://t.co/rF5EsbWFXv
— ヒナタカ(映画ライター) (@HinatakaJeF) 2019年2月11日
タレント吹替が必ずしも悪いわけではない、それが宣伝になることもわかってはいるけれど、やっぱり本職のプロ声優陣による吹替は最高だったと『アクアマン』では思った次第です。
そうそう、3月8日公開の『スパイダーマン スパイダーバース』の吹替も最高、これもまた作品のクオリティが『アクアマン』と同じくアメコミ映画史上最高レベルなんですよ……こちらも吹替を大プッシュでオススメします!
3/8公開『スパイダーマン スパイダーバース』吹替版が最高OF最高っ…!小野賢章の主人公の親しみやすさ、宮野真守のやさぐれ感と優しさ、悠木碧のヒロインのカッコよさ、大塚明夫の渋さと茶目っ気…!声優ファンは耳が幸せどころじゃない。吹替の素晴らしさに感動して泣けるレベル(自分は泣いた)…! pic.twitter.com/AE7ORuDlAH
— ヒナタカ(映画ライター) (@HinatakaJeF) 2019年2月12日
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

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