非難されるのも納得「アンチクライスト」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

非難されるのも納得「アンチクライスト」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー

今日の映画感想はアンチクライスト(R18+指定の上、衝撃的な画像があるためクリック注意)です。

個人的お気に入り度:5/10

一言感想:全身全霊でおすすめしないけど、見返したくなる魅力もある

あらすじ

彼(ウィレム・デフォー)とその彼女(シャルロット・ゲンズブール)は愛し合っている最中、事故で幼い息子を失ってしまう。
彼は精神を病んだ彼女の療養のため、山小屋に連れて行くのだが・・・

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の変態監督ラース・フォン・トリアーの最新作です。
上映時間は1時間42分とコンパクトですが、いろいろと深読みができるものすごく難解な作品に仕上がっています。
「ダンサーインザダーク」も賛否両論の内容ですが、今作も同じくか、それ以上に賛否両論になると思います。

「ダンサー~」は個人的に好きな作品ですが、今作はあんまり好きになれませんでした。
なぜかと言えば、この映画では女性を「悪しきもの」ととらえているから(少なくとも自分にはそうとしか思えなった)。
女性にとって、この映画には嫌悪感ばかりがつのると思います。

超賛否両輪!よくも悪くも「不愉快」な作品

Wikipediaによると
「この映画を作った自己弁護と釈明をしてください」と質問され
「世界一の大物映画監督と自称する監督による、女性嫌いの最たる作品」と非難された
作品ですが、この映画を観るとそれはよくわかります
そこにあるのは性行為の最中に息子を失った「彼女」が、忌むべきはずのセックスに執着を覚えていくという地獄。
それに翻弄される男を描いているわけで・・・はっきり言って死ぬほど不愉快でした。

エンターテイメントを求めている人には全く向かないですし、生半可な気持ちで観ると後悔すること請け合いです。
おすすめしたくはありませんが(特に前述の通り女性に)、
画は暴力的でもどこまでも美しいですし、
主演女優賞を受賞した「彼女」役のシャルロット・ゲンズブールの演技は凄まじいです。
そこは期待しても裏切られません。

本作は章立てのストーリーになっていて
・プロローグ
・第1章 悲嘆
・第2章 混沌(苦痛が支配する)
・第3章 絶望(殺戮)
・第4章 3人の乞食
・エピローグ
で構成されています。

それぞれの章で気になったことをピックアップしてみます。
書いているだけで全然解決してませんが、ご了承ください。
自分にトリアー監督の真意はさぐれません・・

第1章

・彼女は彼に「患者になって、初めてあなたに興味がわいた」と言う。
この夫婦関係はすでにダメになっていたのかも。
・森に向かう列車。風景の動きの中、「顔」がサブリミナルで表示される。
不気味・・あれは彼女自身の顔?
・シカが子どもを出産しかけているのを、彼は目撃している。
・親のシカは、生まれてくる子どもを気にかけていないように見えます。彼自身への暗示かも。

第2章

・落ちるどんぐり
これは意味不明。その後も落ちるどんぐりの中でたたずむ彼のカットもありました。
あと彼の手の甲に張り付いていたブツブツは何だったの?
・死にかけの、蟻にたかられている小鳥が落ちてくる。そして大きい鳥に食べられる。
3章のタイトルの「殺戮」を表すシーンなのか・・
・過去(妄想?)のシーン。赤ん坊の泣き声が聞こえ、息子を探す彼女。しかし、息子のニックを見つけると、彼は泣いていない。声は誰のもの?
解釈は分かれるでしょうが、自分には地獄からの呼び声のように聞こえて仕方がありませんでした。
・「フロイトは死んだ」
ニーチェが言った「神は死んだ」を皮肉ったセリフですね。
・自分の肉を食べる「かわうそ(たぶん)」。「カオスが支配する」としゃべる。
もうこの映画意味不明でやだ

3章

・「3人の乞食」
4章のタイトルになっているこのワードですが、ググっても何もそれらしいものは検索されませんでした。
「苦痛 欲望 悲嘆」の3人らしいのですが・・作中の動物を指しているのでしょうか。
また彼女は「3人の乞食が集まると人が死ぬ」と言う。彼女の気持ち、または死にたいという欲望そのものなのかも。
・屋根裏にあった絵
彼女が集めたものだったのでしょうか。
どんどん記述が散漫になっていく日記(?)も意味不明。
・「本質」という意味での「Nature」
彼女の論文にあったテーマは、女性への暴行について。
それこそが女性の本質だと、彼女は語っているのでしょうか。そんなことを女性本人に言わせてるのだから・・それは映画祭などで非難されると思います。
・ポスターのあの問題のシーン。
自慰をする彼女を襲う彼。その奥の樹からは、人間の無数の手足が・・。吐き気がしそうなくらい不気味です。
・検死報告書によると息子は足に奇形があった。それを伝える夫。さらに写真で息子の靴が左右反対であることに気づく。
彼女はわざと反対に靴を履かせていた。息子が死ぬ前に、もうすでに彼女は壊れていたのでしょう。
・「恐怖のピラミッド」の一番上。1章では「?」→2章では「SATAN(悪魔)」→3章では「ME(彼女自身」になる。
彼女が恐れいたのは、壊れていく自分自身?
・彼女は彼を襲い、足にドリルで穴を開け、砥石をねじで止める。
さらに彼女は彼の股間をつぶしたように、また、精液に血が混ざっているように見えました。ひどい。

第4章

・自分自身の「あそこ」をハサミで切る彼女。
彼女は彼に対してのセックスへの欲望を断ちたかったのだと思います。
それはともかく、一番痛そうかつ不愉快だったシーンでした。
・小屋には動物たちが集まっている。
雨宿りだけど・・ずいぶん堂々と集まってきていますね。
・彼女を絞め殺す彼。
彼女の死体を燃やすまでの描写があっさりしていたので、あっけにとられました。
その後の裸の人間がそこらかしこにいるシーンも不気味。悪趣味だけど美しくも感じます。

エピローグ

・彼を見つめる動物たち
彼が「やったこと」を責めているように見えます。
・森の「エデン」に大量に集まってくる女性たち。
女性を嫌悪する彼の心を暗示しているのかも。

ごめんなさいさっぱり意味がわからないです。

同監督の「ダンサーインザダーク」「ドッグヴィル」はわかりやすい内容だったのですが、今作は話の大筋は理解できても、まるでデヴィド・リンチの映画を見ているような意味不明さでした。

そういえば、この映画では「彼」「彼女」「息子のニック」以外の顔はボカシがかかっており、見ることはできません。
「彼女」と「彼」の生活描写(仕事など)の描写も皆無で、世界は狭いところで閉じています。
彼にとって、思いの中心は彼女だけだったのでしょう。
また彼女は、彼にも息子を失った悲しみを共有してほしかったのでしょう。
エピローグで集まってくる人たちの顔も見えなかったシーンで、それを思いました。

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著者

ヒナタカ

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