『アナベル 死霊博物館』からホラーの怖さとは何かを考える(4DX版ネタバレなし感想)

『アナベル 死霊博物館』からホラーの怖さとは何かを考える(4DX版ネタバレなし感想)

今日の映画感想はアナベル 死霊博物館(原題:Annabelle Comes Home)です。

個人的評価:5/10(4DXで観れば+1点)

一言感想:ホラー初心者と小・中学生にはオススメ

あらすじ

3人の女の子がヤバい展示物に襲われます。

大ヒットしている死霊館シリーズの第7弾となる最新作です。
もう早々に結論を書いちゃいますが、本作の満足度は可も無く不可もなく程度でした。
でも、これが良い意味でライトに楽しめる、ホラー初心者と小・中学生には存分にオススメできる内容でもあったのです。
まずは良かったポイントからサクサクと挙げていきましょう。

ホラー版ナイトミュージアムでした

本作の内容を端的に表せば、一軒家のコレクションルームに保管していた心霊的にヤバい展示物が暴れだして、3人の少女に襲いかかってくるというシンプルな内容です。
「ホラー版ナイトミュージアム」という触れ込みの通り、多種多様な展示物が動き出し暴れまくる、以上。それだけで楽しいではないですか。

※博物館の展示物が生きて動く楽しいファミリー向け映画です。

そして、おどかし方も良い意味でお化け屋敷チックで、何かがビックリバー!→キャー!という単純明快となっています。
3人の少女があっちこっちに行くたびに、猿の人形とか、花嫁姿の幽霊とか、目玉がコインになっているお化けとか、日本の将軍の甲冑とかが出てきますからね。

※この甲冑がどんな活躍をするかは実際に観てのお楽しみ。

そんな展示物たちはただバー!とおどかすだけでなく、いろいろと趣向を変えて襲いかかってくるというのも楽しいところ。
しっかり空間や暗闇を使った演出には手が込んでいましたし、特に花嫁姿の幽霊が“実体化”するまでのアイデアにはなるほどと感心しましたよ。

そんな訳で、この『アナベル 死霊館博物館』の最大の魅力はゴージャスかつバラエティ豊かなナイトミュージアム的ビックリドッキリが楽しめると言い切っていいでしょう。

3人の美少女がホーム・アローン的にどったんばったん大騒ぎ

本作のもう1つの大きな魅力は、主役の3人の女の子が可愛いことですね。
特に『gifted/ギフテッド』と『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で天才子役っぷりを見せつけたマッケナ・グレイスがちょっぴり成長しているのも嬉しいです。

3人それぞれ個性豊かで、ベビーシッターのお姉さん、イケイケだけど悩みを持っているお姉さん、心霊研究家のウォーレン夫妻(実在の人物)の娘と、しっかりキャラ立ちしているのも嬉しいところですね。

※本当に真ん中の女の子は「おまー!」なことばかりしてしまいます。

あと、舞台が一軒家であり、どったんばったん大騒ぎな感じはかなり『ホーム・アローン』を思わせます
本作のキャッチコピーにある「背筋も凍る、おるすばん…」もなかなか内容を言い当てていて良いではないですか。

本作が死霊館シリーズの中でも随一に低年齢層(ファミリー向け)の理由はここにありますね。
主役3人が可愛い女の子たちで子供が感情移入しやすい、一軒家で『ホーム・アローン』的ドタバタ騒ぎ、おどかし方も良い意味でお化け屋敷型で楽しい。いや本当、子供が観るホラーとしては申し分ないではないですか。

ホラーなのに安心できてしまう親切設計でした

そんなわけで、ホラー版『ナイトミュージアム』×『ホーム・アローン』というだけで楽しいからいいじゃないか〜で終わってもいいんですが……死霊館シリーズに純粋な“怖さ”を期待していた自分としてはだいぶ食い足りない部分もあったというのが正直なところです。

まず、盛大におどかしたけど特に何もなかったというシーンが多すぎるんですよ。
こんなヤバい展示物にここまで近寄られたらもう終わりじゃね?と思っても、その後は普通に逃げられちゃったりするんですよね(終盤は物理でしっかり戦っていたけど良かったけど)。
これは今までの死霊館シリーズ(というか他のホラー作品)でも、わりと気になっていたことなのですが、今回は無力な少女3人が主人公なだけあって、バケモノたちがご丁寧に手加減をしているように見えてしまう、ともすればホラーなのに安心“できてしまう”、ひいてはわりとどうでも良くなってしまいかねない(なんなら怖くない)というのは明白な欠点かなあと。

今までの死霊館シリーズでは大人がしっかりバケモノたちに対応していたり、曲がりなりにも攻防のルールが提示されていたこともあったのですが(まあそのルールはガバガバだったりもするけど)、今回はさらにそのあたりがおざなりになっていて、良くも悪くもビックリバー!→キャー!なお化け屋敷型ホラーに特化しちゃっているなあ…と。
せめて、終盤にもう少しロジックのある問題の解決方法や、子供がしっかりバケモノと渡り合えるだけの説得力が欲しかったですね。

また、映画のオープニングのシークエンスは良い意味で不穏さがたっぷりで良いんですが、メインの話とほとんど絡んでいないというのも勿体無いですね。
そこは、父を亡くしてしまったイケイケ黒髪のお姉さんの過去を映像で見せたほうが、より感情移入できたと思います。

さらに、3人の少女それぞれの悩みの描写もごく控えめで中途半端感も否めないというのも惜しいところ。
あんまり掘り下げすぎると暗い話になっちゃうので、このあたりのさじ加減は難しいと思うんですけどね。

4DXでアトラクション感と“笑い”マシマシ

本作は座席の移動などが楽しめる4DX版も上映されているわけですが、これが実に楽しかったですね。
特に今回の4DXで良かったのは以下の3点でしょうか。

  1. “フラッシュ”の演出が赤色になっている
  2. 足元でカサカサと動く“ティックラー”の効果に笑う
  3. 水がプシュッと吹き付ける演出に大笑い

いや本当、怖いっていうか良い意味で笑える領域になっているんですよね。
その笑いの理由は、画面上でバケモノたちがやっていることと演出がシンクロしていてすげーイヤな気分になれるから(褒めてる)。
足元でカサカサする演出をそう使うとは…いやー本当にイヤだった(褒めてる)!

また、『アナベル 死霊博物館』は3D上映ではないので、4DX料金の+1000円だけで観られるというのも嬉しいですね(それでも鑑賞のハードルは若干高めですが)。
何度も書くように本作のホラーは「お化け屋敷型」なので、どうせなら4D演出も乗せてアトラクションとして楽しんじゃうのが吉です。

さらに、今回は池袋グランドシネマサンシャイン限定で「4DX with ScreenX」の上映も実施されています。
4DXの演出だけでなく、画面が3倍になるという演出……!いやこれはたくさんの展示物が襲いかかってくる内容にピッタリでしょう!


※自分も『死霊館のシスター』をScreenXで体験していましたが、めっちゃ楽しかったです。

まとめ:子供向けホラーとして楽しいけど…

そんな訳で『アナベル 死霊博物館』はとっても楽しい内容なのですが、ぶっちゃけ大人が観るとそんなに怖くはないと思います。
その怖くない理由は、やはり突発的なおどかしがほとんどであり、後に引くようなイヤ〜な気分を誘発する、精神にクル何かはないから。
もちろんこういう子供にもオススメできるホラーがあっても良いとは思うんですが、個人的にはマゾなのでホラーではやっぱりもっとイヤな気分になりたいな〜と思うんですよね。『ヘレディタリー/継承』とか…(こっちは本当に最悪な気分になりました)。


※怖すぎイヤすぎでマジでオススメできないレベルのシロモノ。

あとはこの死霊館シリーズ、良くも悪くもターゲットが低年齢化物語的に「ここから観ても大丈夫」な親切設計感が増しているような気がします。

『アナベル 死霊人形の誕生』は目を覆いたくなるようなトラウマシーン、少しグロテスクな描写もあってPG12指定で、精神的にも物理的にも追い詰められる恐怖があったのですが、今回でここまで子供が観ても大丈夫な内容(当然G指定)になったのは面食らいましたね…。

「ここから観ても大丈夫」な、シリーズのどこからでも入りやすいのは良いのですが、それは『アベンジャーズ』などのマーベル・シネマティック・ユニバースに比べると、“シリーズを全て観ている人の特権”も感じにくいということでもありますね…。
こういう物語の“連続性”もユニバース作品の醍醐味だと思うので、次回作は少し「続きもの」を意識した内容だとファンとしては嬉しいところです。

でもでも、再三書いてきたように、「お化け屋敷型のおどろかせ方で後に残るような怖さじゃない」「他の死霊館シリーズを観ていなくても大丈夫」というのはやはりメリットと捉えるべきでしょうね。
重ねて書きますが、ファミリーや小・中学生が観るホラーとしてはオススメ。
でも、大人にはR15+指定の傑作スリラー『見えない目撃者』のほうをどうぞ。

※個人的な死霊館シリーズのお気に入り度ランキングはこちら


※正直、人形のホラー映画だったらR15+指定大納得のグロ描写ありの『チャイルド・プレイ』(リメイク)のほうが面白かったかな。

※実際のアナベル人形がかわいい造形ということがむしろ怖い……。

※モデルとなった実在の心霊研究家のロレイン・ウォーレンは今年4月に亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
『死霊館』モデル 心霊研究家ロレイン・ウォーレンさん死去 92歳 – シネマトゥデイ

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