あの作品を2つも選びたくなかった2020年映画ワースト10

あの作品を2つも選びたくなかった2020年映画ワースト10

あけましておめでとうございます!放置気味の当ブログですが、毎年の恒例として、年間ベスト映画の前に、年間ワースト10を挙げておきますよ。

【注意事項】
※好きな映画があったらごめんなさい。
※人によっては不快になる表現も多々出てくるかと思われます。ご了承ください。
※映画の関係者の皆さんには本当にごめんなさい。嫌いにならないで(お願い)。

※前年のワースト10はこちら↓
生涯最悪を更新した2019年映画ワースト10

そんなわけで、早速行ってみましょう……!

「何かが2つずつ被っている」気がする2020年映画ワースト20

10位 『ドクター・ドリトル』

声優・藤原啓治さんの遺作であるし、動物たちのCGは素晴らしいのであまり悪くは言いたくないんだけど、演出や編集が平板だとこんなにもつまらなくなるんだとびっくりした1本。こんなに画面が豪華なのに「どうでもいい……」と思っちゃったんだもん。
あ、先に言っておきますと、本作が唯一の洋画のランクインで、他は全て邦画です(いつもだいたい邦画だけど)。

ラジオレビューはこちら↓
『ドクター・ドリトル』お話がいくらなんでも雑じゃ……などと語り合った酷評ぎみラジオレビュー – YouTube

この映画の良いところ:超人気声優勢揃いの日本語吹き替えが最高だった。

9位 『君は彼方』

えーとすみません、ワーストにあげておいてなんですが、この映画大好きなんですよ。中盤の超展開に呼吸困難になるほど笑ったし。
でも作品としてのクオリティを客観的にみればやっぱり酷いのでやっぱりランクイン。いやー、でも愛すべき大珍作だと思いますよ。オススメです。

メディアで書いた記事。悪意しかない内容だけど書いてて気に入ってます↓
アニメ映画の極北「君は彼方」レビュー “「君の名は。」以後”最終形態、あるいは究極のエピゴーネンの誕生 – ねとらぼ

この映画の良いところ:メッセージはまっとうで不快感は全くなかった。

8位 『約束のネバーランド』

とにかく、レイ役の城桧吏さんの演技の違和感のおかげで、ずっと観るのが辛いという大変なことになっていた映画。
これは城桧吏さん本人じゃなくて、キャスティングのミスと平川雄一郎監督のせいですよ。何しろ声変わり前の城桧吏さんに15歳という体の演技をさせた挙句、撮影後に声変わりをしたので後でアフレコで全部取り直したんですから。

さらに、キャストの撮影時の年齢が以下なんですよ。
エマ:浜辺美波 18歳ー19歳
レイ:城桧吏 12歳ー13歳
ノーマン:板垣李光人 17歳

このおかげで、主役3人が同い年に全く見えない。「出荷」の年齢を原作の12歳から16歳に引き上げという発表の時点で若干バッシングをされていた作品でしたが、せめて3人のキャストをどちらかの年齢に合わせて欲しかった。
それは「信じられる世界」の構築が必要な映画では絶対に外してはいけないし、初めに「あなたと同じ15歳!」という「同い年だよ!納得してね!」なセリフを言わせてしまうので余計に冷めてしまう村瀬健プロデューサーは『帝一の國』が素晴らしかったから期待していたんだけどな……。

この映画の良いところ:撮影・美術が素晴らしかった。北川景子が『女王の教室』の天海祐希的な冷徹なキャラを好演。終盤の原作にないオリジナルシーンも好き。

7位 『記憶屋 あなたを忘れない』

この映画のことを忘れたい。一応「間違った結末」として作り手もわかっているはずのラストが、本当にただ不快なものになっていてまずかった。
あと平川雄一郎監督は音楽の使い方がいつもよくないんですが、今回は複数のシーンのザッピングの時に延々と同じ音楽を流すので、女性が暴行されているシーンにも感動的な音楽が覆いかぶさるという酷いことになっていた。これ真面目にダメですよ。

おすすめ動画レビュー↓
ゆっくり映画レビュー#44『記憶屋 あなたを忘れない』 – YouTube

この映画の良いところ:序盤のミステリー部分は普通に興味を引いて面白かった。

6位 『新解釈・三國志』

実は福田雄一監督の俳優たちの内輪ギャグって、個人的にはまあ楽しそうでいいんじゃないって印象だったんですよ。本作も岩田剛典の「鼻持ちならなさ」を過剰に描くっていうのも嫌いじゃなかった。
でも今回は「容姿いじり」のギャグが許容範囲を超えていたし、内輪ギャグがさすがに延々と続きすぎて途中で飽きてきたというのが本音。でも世の大衆のお客さんが求めているのは、「それ」なんだよなあ。あと映画館に行くたびに見せられていた「ネバギバ⭐︎」が本当にウザかったです。

メディアで書いた記事↓
映画『新解釈・三國志』の“容姿いじり”はなぜ生まれたのか | ハーバー・ビジネス・オンライン

この映画の良いところ:元の三国志演義に沿った策略の部分は素直に面白かった。この映画で三國志に興味を持つ方がいるのは良いことだと思う。

5位 『カイジ FINAL GAME』

これはぜひとも『パラサイト 半地下の家族』と合わせて観てほしい1本。格差社会を痛烈に風刺した韓国映画がカンヌ国際映画祭で最高賞など映画賞を総ナメ、そして後にアカデミー賞で作品賞までを受賞したわけですが、同日公開の格差社会を描いた日本映画がこれって……と心からの絶望を与えてくれました。

ブログの記事↓
[ネタバレありツッコミ感想]『カイジ ファイナルゲーム』悪魔的ポンコツ映画だった

この映画の良いところ:中盤の巨大な秤の美術は良かった。ポンコツすぎる展開の連続で観ている間は楽しかった。

4位 『STAND BY ME ドラえもん2』

↓のレビュー記事ではなんとなくこの言葉を使うのを避けていましたけど、ここでははっきり言いますね。すげえ気持ち悪い。だって大人のび太が結婚式から逃げ出して昔の思い出に耽溺するサイコ野郎になって、しずかちゃんがなんでも肯定する聖女になってて、みんながクズののび太をずっと甘やかすんだもん。前作がわりと好きだった自分としてもこれはないわ。
上のTwitter感想のように実は観終わってすぐは意外と悪くないかもと思っていたんですよ。でもラジオレビューで話し合ったことで目が覚めましたね。これ絶対におかしいわ
あと、山崎貴監督・脚本作品は、「未来は初めから決まっていた」という運命論的なことを良しとする作家性があることが遡ってわかりました。『アルキメデスの大戦』は歴史的に戦艦大和が結局は作られ沈没するというバッドエンドがわかりきっているから、その山崎貴の作家性がプラスに働いて良い作品になったと気づけたのはよかったです。

メディアで書いた記事↓
「STAND BY ME ドラえもん2」ネタバレレビュー 「大人のび太」は幼稚なダメ人間なのか? 解釈違いにドラ泣きMAX (1/4) – ねとらぼ

この映画の良いところ:物語のとっかかりと着地は素直に楽しめた。結婚式のスピーチもそれ自体は良かった。

3位 『ドラえもん のび太の新恐竜』

個人的には前述の『STAND BY ME ドラえもん2』のサイコ野郎ののび太よりも、こっちのスパルタ親になって子どもを虐待するのび太のほうがキツかった。
のび太は確かにダメ人間だけど、傷つくこと、しんどいことがいちばん嫌いなんだから、そんなことを強要させてたまるかよ。
原作にも「のび太の地底国」というのび太が酷い独裁者になる話があるんだけど、あれは作中でちゃんと糾弾されてるしな……。

ブログの記事↓
[酷評ネタバレ感想]『ドラえもん のび太の新恐竜』多様性の訴え方が間違っているスーパー根性論映画

この映画の良いところ:アニメとしてのクオリティは素晴らしい。スネ夫が指パッチンするところの作画に気合が入ってた。「桃太郎印のきびだんご」という主従関係を思わせる道具を「ともチョコ」にするのも良いアイデアだった。

2位 『ドクターデスの遺産 BLACKFILE』

駄作を観た時は、激しい怒りに満ち満ちたり、またはもう一周回って愛せたりもするのですが、この映画については何の感情もない
愛の反対は無関心。無。心底どうでもいい。
ただ、深川栄洋監督は『半分の月がのぼる空』が良かったから期待していたのに、ここまで裏切られてしまったのは悲しい。
今年は素晴らしい日本映画がたくさんあったのに、それらよりもこんな駄作が全国公開されてたくさん観られているという現状もまあまあムカつきますね。原作小説は良いそうなのでその意味でも酷い。

おすすめのブログレビュー↓
【ネタバレ】『ドクターデスの遺産』解説・考察:追う者と追われる者のシュミラリティの先に | ナガの映画の果てまで

この映画の良いところ:クライマックスのあまりの適当さに逆に笑えた。北川景子が良かった。

1位 『ヲタクに恋は難しい』

映画ファンからいくら嫌われようとも「え?いや僕は福田雄一監督好きですよ」「確かに映画じゃなくコントみたいだけど楽しいからまあいいじゃない」と擁護派だった自分の目を、前述の『新解釈・三國志』と合わせて覚まさせてくれましたね。原作マンガ、ミュージカル、オタク、全方向的にド失礼な内容で、最悪と呼ぶのに何も躊躇のない代物でした。
ちなみに、福田監督は作品作りに大切なことにおいて、作品がボロボロでも別にいい。役者がいいかどうかだけと答えていたりもしました。そうですか。僕はもう福田雄一監督と決別することに決めました。さようなら。

怒りのブログのレビュー↓
[酷評ネタバレあり感想]映画『ヲタクに恋は難しい』オタクへの偏見を助長しかねない愚作

この映画の良いところ:豪華キャスト陣の歌声は綺麗だった。エキストラの方も良い仕事をされていた。

まとめ

はい、というわけで大好きなはずのドラえもんの映画が2作品もワースト10に入るというのが本当にキッツい2020年でした。
山崎貴監督と川村元気さんはもうドラえもん作品から離れたほうがいいんじゃないでしょうか。
他にドラえもんを愛する、理解のあるクリエイターはたくさんいると思いますので……。どっちものび太というキャラクターの扱いが本当に酷かったですよ。

ただ、2020年のドラえもんはコロナ禍における新聞広告が素晴らしかったですね。
3月公開の『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』は良い作品であることを祈っています。

そして、平川雄一郎監督と福田雄一監督の作品も、それぞれ2本ずつ入りましたとさ。
この監督さんたちには、好きなマンガの原作の映画化を担当されませんように。フォローをしておくと、平川監督の『僕だけがいない街』は前半部分だけは良かったし、福田監督の『銀魂』は原作との相性も良くて好きなんですけどね。

ワースト10に入れようか迷った3作品

ワースト10に入れようか迷った3本は以下でしょうか。

『魔女がいっぱい』

こういう悪意のある子ども向けホラーって好きなんですけど、本作は「魔女」という概念を十把一絡げに悪として決めつけて、子どもたちがやっつけるという構造がちょっと……。
「3本指」の魔女も批判を浴びましたが、実際にあった「魔女狩り」さえもむしろ正しいものとして描いているようにも見えてしまう。よくないなーよくないよ。

その問題点を指摘した秀逸なブログ記事↓
『魔女がいっぱい The Witches』感想(ネタバレ)…アン・ハサウェイ魔女がやらかしたこと : シネマンドレイク:映画感想&レビュー

『天外者』

Filmarksで初日満足度1位を記録しましたし、僕だって大好きな三浦春馬の遺作を悪く言いたくはないんですが、いくらなんでも脚本が適当すぎやしないかと憤慨してしまいました。感動的なラストに最大のツッコミどころがあったというのも辛かったですね。

『えんとつ町のプペル』

いや、作品としての出来は悪くないし、主たるメッセージは真っ当なはずなんですが、「自分の味方にならないものを徹底して悪として描く」作劇が嫌だった。あと、「星を見る」という個人の夢を、大衆が望むもののように描いているというのも問題。作家の主張が強すぎる。
これは言い足りないことが多いのでまた後で記事でまとめようと思います。

もはや良いとか悪いとかじゃない大怪作2本

なんだかもうぶっ飛びすぎていて、これは良いとか悪いとかそういう範疇で語れないのは以下の2本です。
どちらもスタッフとキャストが全力で作り上げていることがわかるので、そういう意味でもワーストやベストではない、別の枠に入れたいんですよ、本当。

『がんばれいわ!!ロボコン』

溢れ出る狂気。『スプリンパン まえへすすもう!』とのコンボ(同時上映)は劇場での特権でしたので、本当に貴重な体験でしたね。
『スプリンパン』はAmazonプライムビデオで見放題ですのでぜひどうぞ。この世で最も濃密な5分間です。

メディアの記事。書いてて気に入っています↓
狂気の映像兵器「がんばれいわ!!ロボコン」をきみは見たか コロナ禍で撮影された映画の新時代の幕開け (1/2) – ねとらぼ

『キャッツ』

エンドロールでマジ泣きしたとんでもない1作。

メディアの記事。書いてて気に入っているけど、序盤にとんでもない間違いをしてしまったのが本当に申し訳なかった……↓
「キャッツ」がホラー映画である「8」の理由 悪夢に支配され、あまりの恐怖に涙する (1/2) – ねとらぼ

個人的に擁護したい映画

世間的に評判の良くない映画では、『シグナル100』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』『犬鳴村』『事故物件 怖い間取り』『サイレント・トーキョー』あたりは好きな映画です。

あと、これまた世間の評判にあれこれ言うのは野暮だとはわかっているんですが、みんな和製ホラーに厳しくない?特に『シライサン』と『真・鮫島事件』もっと評価されていい快作だったと思います。オススメですよ。

『事故物件 怖い間取り』は「邦キチ!映子さん」の回も最高でした↓

『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』の記事はこちら↓
【解説】今度はスマホは落とさない&? 映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』をさらに楽しむための5つのポイント | CHINTAI情報局

真の『ヲタクに恋は難しい』大傑作はこっちだよ!

前述した通り2020年のワースト1位は、ぶっちぎりで大嫌いだと断言できる『ヲタクに恋は難しい』でした。

しかし、試写で観た1月29日公開予定の『花束みたいな恋をした』が、マジで日本映画の恋愛映画でいちばん好きだと断言できる大傑作であり、オタク同士の恋物語であったので感動しました!真の『ヲタクに恋は難しい』はこっちだよ!

キラキラした甘ったるい恋愛映画かと思いきや、実際は『ブルーバレンタイン』と『ビフォア』シリーズを一挙に味わえるとんでもない内容でしたからね……。
ただ、緊急事態宣言がまたも出されるかもしれない状況であり、どうなるかわからないですが……うん、みんな、良い映画を観ようぜ!(ダメそうな映画でも当たり屋的に観に行ってしまう自分への戒め)

(C)2020「STAND BY MEドラえもん2」製作委員会

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