映画「さんかく」の、強烈なさんかく関係

映画「さんかく」の、強烈なさんかく関係

今回ご紹介する映画は「さんかく」です。

(追記)amazonのこのページのビデオで桃役の小野恵令奈さんが「何度観ても新しい発見がある映画」と言っていました。本当そうかも。

監督:吉田恵輔

個人的お気にいり度:9/10

一言感想:予告編詐欺傑作恋愛映画。

あらすじ


同棲中のカップル、百瀬(モモちゃん)と佳代のところに、佳代の妹が泊まりにやってくる。
妹の「桃」は上京した憧れの先輩を追いかけてきたのだが、ふられてしまう。
ちょっぴりダメ男のモモちゃんと、失恋に傷ついた桃は次第に惹かれてあっていく。


現在レンタルされている「さんかく」ですが、これはもう全日本人が観てほしい傑作です。特に恋愛にしょーもない経験がある人は必見
上↑のジャケットなどでは「ほのぼのとした、地味な恋愛映画」を思わせますが、映画本編はそんな印象とは全然違う
キモは後半の意外な展開にあると思います。予備知識なしで観てほしいのでこれ以降のネタバレ感想は未見の方は絶対に読まないでください
というわけで以下、「さんかく」超絶ネタバレ感想です
悲しい映画じゃない。でもこの展開に、自分は泣きました。

この映画はストーカーをして→ストーカーされて→今度は自分自身もストーカーをしていた・・・でも全然気付いていなかった!という展開が繰り広げられます。

<第一のストーカー>
中学生の桃は憧れの先輩に会いに姉の家へ上京してくる。でも先輩は自分の名前すらちゃんと覚えていなかった。しかも先輩に彼女ができたと言われ、桃は諦めきれず彼のバイト先までストーキングする。
ここで自分は「あーあ痛いなー。でも中学生ってそんなもんだよ」と思っていました。それでいて先輩の彼女が言う「ストーカー怖え~」に共感します。

<第二のストーカー>

モモちゃんは一度キスをした恋人の妹の桃のことが忘れられなくなり、恋人の佳代にきつくあたるようになり、ふとしたきっかけで別れを切り出します。佳代ストーキング開始。職場に来るなと言っても来たり、彼のいない間に不法侵入して掃除したり、自殺未遂をしたり・・
初めはコメディ描写かと思ったのですが、ここはひょっとしてホラー?かと思いました。ここでも自分が思ったのは「ストーカー怖えー」。そして予告編にあった「ちょっぴりイタい佳代」は誇大広告もいいとこじゃんと思いました。超絶イタいよ。

<第三のストーカー>
モモちゃんは何度、何度も電話をかけても繋がらなかった桃についに会いに行きます。改造車に乗り、高速道路を何時間もかけて。
そこで会ったのは中学の同級生と新しくつきあっている桃。さらにその男の子に「何度もしつこく電話したのはてめーだろ、このストーカー野郎」と言われ背負い投げされる
これには涙がでるくらい参りました。だって作中で何度も、何度も、何度も電話をかけたモモちゃんに自分はすっかり感情移入してしまっていたから。元恋人よりもその妹(しかも中学生)に恋焦がれてしまったダメさはもとより、単純な自分は「なんで出ねえんだよ!」とイライラしていていました。
そこで突きつけられる「お前もストーカーでした」

ストーカーは自分に罪悪感のない人が多いと聞きます。
この映画は残酷なまでに
ストーカー「する」「される」人間を描き、そのイタさを突きつけた上に、
ストーカーを「実はしている」側に感情移入させ、ストーカーをしていることに気付いていないことを知らせるのです。
「イタいのはお前もだよ」と。

うわああああ。イタいイタい痛いー。

怖いと思っていたはずのストーカーを自分は応援していたので本当キツい。
「じゃあなんでキスしたの」と言ったあとの「わかんないよ、中学生だもん」もよけいにグッサリ傷を広げてくれます。ストーキングのことだけでなく、こーんな何も分かっていない中学生に踊らされたのも超痛いよね・・。

おかげでモモちゃんがうずくまりながら言った「俺って本っ当馬鹿だ~」というセリフでついに泣きました。

ラストシーンは3人が見つめあったり、目をそらしたり。
何を伝えようとしているのか、これから3人はどうなっていくのか。
それはわかりませんが、佳代の笑顔にちょっぴり救われました。

観客の心を翻弄しまくっている、ずるくて意地悪な映画なんですが、こういう感情をむき出しにさせる映画って本当に大好きです

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  1. たけし より:

    通りすがりです。
    私も今見終わったとこです。
    ラストのかよの微笑みはなにを意味してるのでしょうか?
    自立してももと戻らないという印象を受けました。

  2. ヒナタカ より:

    こんばんは。
    いろんな解釈があると思います。
    「結局私のところへ戻ってきたのね」「やっぱりだめだなあ」というふうな、上から目線の微笑みだったのかもしれません。

  3. たきがわ より:

    通りすがりです。
    あの笑顔は一言でいうと
    「ざまあ」
    だと思いますよ。
    もう少し深めて読むなら
    「ああ、私、クソみたいな男になにやってたんだろ?
    マルチに逃避?不法侵入?自殺未遂?
    私、馬鹿だった。本当に馬鹿だった!
    でも、ほら見てよあの憔悴し腑抜けた顔。
    私は無駄な時間を過ごしてしまったけど、
    今、こうして清々しい気持ちですらいる。傷は負ったけど、私は成長したんだ。
    愚かな男が哀れに立ち竦む、その目の前で悠然と見下している、私。
    ざまあ!(微笑)」
    女心ですね…
    男性には分からないかもしれませんね。
    男性目線、女性目線の恋愛感情が的確に描かれていて
    興味深い映画でした。

  4. 匿名 より:

    通りすがり
    マルチ商法はどうなったのか・・・
    小野えれながただただかわいかったわ

  5. 近未来ホームレス より:

    マルチの費用→今までの貯蓄、仕事の退職金などから捻出。実家から借りたにしては皆自然体でしたからね。
    最後の笑顔→とりあえず許したし許されたのかな、と。妹が投げられまくったダメ男に手をさしのべたシーンと同じではないかな?
    曖昧に捕らえて良い映画じゃないかと思いました。

  6. 名無しの壺さん より:

    姉の方は、すべてを察していたと思う。だから、妹と喧嘩した。そして、一晩たって冷静になった。そんで、朝外にでると粘着質な元カレがいたと。そこで愛想つきたんじゃないかな。最後の笑みはそんな元カレを見下してるように見えた。

  7. unknown より:

    前ブログに頂いた、非公開コメントです。

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著者

ヒナタカ

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